ぶいすぽっ!所属のモーションアクターのお仕事 作:rideru
今後持っていない方や名前が長い方を登場させる際には適当に付ける予定です。
『ぶいすぽっ!』とは、アイドルグループとして名を馳せる『ホロライブ』や、大手グループとしては最大人数を抱え、多方面にマルチな活動を見せる『にじさんじ』とはまた一線を画す、e-sportsに特化した女性Vtuberグループである。最初は特にFPSに強いメンバーが集まっていたが、格闘ゲームや戦略チームゲーにも裾野を広げおり、知名度と人気もどんどんと高まっていっている。
一方で、見目麗しい綺麗所がたくさん集まっている女性グループともなれば、3D配信を求められたり、時にはアイドルのように歌って踊ったりをこなす事もある。
さて、Vtuberが3D配信を行うために必要工程として、モーションキャプチャーを行いそれをデータとして取り込むというのがあるが、その機能の確認や正確さを測るために必要とされるのが『モーションアクター』と呼ばれる人である。身体に各種センサーを取り付け、実際に動きを見せることでどのように捉えていたり、画面上ではどんな感じで映るのかを確認するために必須な人材だ。元々この職種は、CG映画における登場人物の表情や殺陣の再現、あるいはゲームにアクションを取り入れる為の仕事として存在していたが、時代は変わるものである。
話を戻して、いざ3D配信を実施するとなれば、本人に直接諸々を付けることで最終的な確認や実施をするものだが、更新した技術確認の時まで逐一呼びつけるわけにもいかない。そのため、会社としては技能を持つものに個別に依頼するか、専用に常駐する者を雇う事が求められる。そこで、メンバーから運営1と呼ばれる総括者が、学生時代の伝手を使って雇った男性がいる。もちろん本名はあるものの、MotionActorの頭文字からメンバーや社員からは運営Mと呼ばれている。
「皆様、こんばんわ。運営Mでございます」
:ばんわー
:ばんわー
:お久しぶりー!
「はい、久しぶりでございますね。前回から約2週間でしょうか」
彼は、時折公式から情報発信をする仕事を別に与えられており、それ用のチャンネルを持っている。今日はその配信日だった。勿論公式にメンバーとして所属しているわけではないので、HP等には記載されてはいないが、箱推しの方には密かに人気を博しており、公式サイトに小さく印が付けられた日になると少なくない人数が駆けつけるほどだった。
「今日はまずこちらですね。『今日のモーションチェック』でございます」
:きちゃ!
:今日の超人のコーナー!
:さて、我々の腹筋は何秒もつかな?
「そんなに面白い動きをしているわけではないのですが……。とりあえず運営から渡されたVTRを流しますね」
ちなみに、彼の配信画面上のアバターは某名探偵の事件簿の犯人の如く、真っ黒いシルエットに何故か日によって違う動物のお面がついており、今日は犬のお面だった。
「今回は手や足といった大きく動かしやすい部位の感度テストでした」
映像には体操のあん馬競技における、旋回技をスイスイと行っている彼の姿が映っていた。
:いつ見てもおかしな身体能力しとる
:こんなに簡単そうにできる技じゃねえだろ
:足の動き滑らかだなあ
「はい、今回は以前のように腰が捻れたりすることなく、最後まで動きを追跡出来ていました」
:当人は飄々としている模様
:昔は勢いで足が吹っ飛んでたし
:前回だっけ?途中から体遅れすぎて180°捻れてたよな
:人の体はそっちに向かない!ってゾッとした
:映画のエクソ◯スト思い出した
:Mさん実は猫の疑いかかってた
「猫は好きですが、私は純粋な人間です」
:だとしてもあれは笑えた
ねこたつ:猫じゃないんだ、残念
:人体の神秘だったよな
:あ、つなちゃんだ
:メンバーが稀によく来るチャンネルだからな
「おや、猫汰さんいらっしゃいませ。来てくれてありがとうございます。よく見かける気もしますが……」
ねこたつ:Mさんの配信は聴き心地がいいから、作業しながら流してるの
:すげーわかる
:睡眠導入できる声
「自分ではよくわかりませんが、作業の一助になっているならよかった……、のですかね?」
:Mさん、ASMRやってみたらいいんじゃないか?
:台詞読みとかしたらウケそう
「あまり気は進みませんね……。そういうのはメンバーの皆様の方がしっかりなさっていると思いますが……」
:我々は、男性の癒しVoiceを求めているのだ!
:女性版は割と飽和してるからな、この世界
チョヤ:そうだそうだー!
:執事ボイスとか似合いそう
:はなびちゃんもようみとる
「蝶屋さん、いらっしゃいませ?今日は珍しい方も来られてますね」
:メンバーでも声好きって言ってる人居るよな
:たまに話題に出てるよ
チョヤ:いい声なんだからもっと自信持って!
:激推ししてて草
「あ、ありがとうございます」
:勢いに引いてて草
:はなび、Mさんの声ガチ勢だしな
ちなみに流し続けている映像には、いつの間にやらブレイクダンスにおけるヘッドスピンを続けているMが流れていた。
「これ、カメラマンさんに止められるまで回り続けてたので、流石に気持ち悪くなりましたね……」
:見た目が完全にカ◯エラーで草
:ヘッドスピンってこんなに手足広げないだろ
:横に動かしたらス◯ニングバードキックじゃん
:ス◯6のワールドツアーでこうやって動くしな
「皆さん色々想像出来るんですね、私は必死だったので全く考えてませんでした」
コメントに淡々と返事をしていくM。映像にツッコむファンとのやりとりがこの配信の常だった。
色々と動作している映像が流れ続けて、ようやく終わった。
「……はい、今日はこのあたりで終了です。次回もいくつか撮り終えたらまた見ていきたいと思います」
:今回もMさんの身体能力がイかれてる事しか分からなかった
:この動きが追えるなら、メンバーの動きなんか余裕だろ
:実際かなり性能過剰じゃない?
「動きそのものを追うなら十分ですが、この私は最低限な格好ですから。ここに各メンバーの服装や装備がつくと、ダンスなどの際にそこで乱れたりするので……」
:たしかに、重なってバグったりするか
:昔はよく服に手足埋もれたりしてたよな
:あれはあれで笑えるものだった
「ええ、私もそう思いますが、皆様それぞれに良さがありますから。最大限生かしたいと思いませんか?」
:それはそう
:縁の下の力持ち助かる
:あんたのおかげで俺達は良いものが見れてるんやなって
「私というより、技術班の皆様の方の尽力です。私は言われたとおりに動いてるだけですので」
:言われた通り(あん馬、ブレイクダンス、その他)
:要求レベルが毎度毎度高すぎる
:前バク転とかしてたよな
「昔嗜んでた名残を生かしているだけですので。メンバー装備を着るとここまでの動きは出来ません」
:嗜み(ハイレベル)
:着ることあんの!?
:細身だし意外に似合いそうな面子のありそう
の:ウチの着たことある!?
:食いつくメンバーも居ます、と
:のあちゃんいらっしゃい
「胡桃さんいらっしゃいませ。すみません、貴女の物は着たことは無いですね。名前は挙げませんが、どちらかというと装備が重めな方のが多いです」
:一理ある
:動きの確かめってんならそりゃゴテゴテしてないと意味ないか
の:着ててほしかった……
:のあちゃん残念がってて草
「う、うーん。データはあると思いますが、私が着たいと要求しているわけではないので……」
:仕事やしなあ
:しゃーない
の:今度事務所行ったらお菓子頂戴ね!
:出た、Mさんへのお菓子要求や!
「それでしたら、来所予定確認して置いておきますね」
の:やった!
:ニッコニコで草
:餌付けにしか見えんのよな
:ここに来るメンバー基本的に自然体なのいいよな
「はい、ということで今日はこの辺でよろしいでしょうか。今日もこの後メンバーの皆様の配信がありますので、応援の程よろしくお願いします」
:おつかれさまー
:またゲーム配信とかやらんの?
「今のところその予定はないです。都合がつけば作業配信とかはするかもしれません。なぜかメンバーの方々から度々要求が来ているとのことで」
:要求は草
:身内じゃねえかw
:内輪が最大のファンなの草
「ありがたいことですけどね。どの需要なのかはよくわかりませんが、これもお仕事ですので」
:あんたの仕事で助かる命がある
:いずれガンにも効くようになる
:腰が治りました!(素振り
「応援ありがとうございます。ですが、私よりメンバーの皆様の方を応援してくださいね?あくまで私は裏方ですので」
:それはそう
:箱推しなんで問題ないですね
:ここに来てるの大体箱推しでは?
:この後ちゃんと飛ぶから安心せい
「ありがとうございます。それでは皆さま、本日もありがとうございました。次回もまた、よろしくお願いします」
:おつー
:おつー!
ねこたつ:おつー!
チョヤ:おつかれさまでしたー!
の:おつー
:ガッツリ最後までいて草
1話なので地の文による説明がありますが、これ以降は出来るだけ台詞とコメントのみで書く予定です。
筆者の練習も兼ねてますので、ご意見等御座いましたらお気軽にコメントいただけたら嬉しいです。
11/4 追記
いくつかの誤字と間違いを修正しました。