オリ主「な訳ねぇべwww」(従兄弟)
轟「そうだよな(にしてもコイツと居ると母さんを思い出すな。)」(従兄弟)
大体こんな話。
俺は生まれついてこの方、親以外の
両親曰く『親戚とは全員絶縁』との事で……それから以上俺が何かを聞く事も無かった。何かただならぬ事があったのであろうことは、まだ幼い俺でも理解できたし、それ以上突っ込んで聞く理由も持ち合わせていなかったからだ。
強いて言えば「お年玉親からしか貰えないな〜」位な物だった。親戚云々の話を切り出したのも、他の同学年の友人は祖父母とか親戚から結構貰っているのだから余計にそう思った……ただそれだけの話。……いや、小学生の俺からしたら結構由々しき事態であるんだけど。
そんなこんなで今の苗字も紆余曲折あって何とか変えられた物らしいく……だから、俺は両親の旧姓と呼ぶべきものを知らなんだわ。
聞いても露骨に嫌な顔されてはぐらかされるばかりで…………別にだからといって生活に不自由してるわけではないのだから何も構いはしないのだけど。
おっと、自己紹介が遅れた。
俺の名前は『
なんてこと無い通りすがりの強個性持ちのピカピカの中学1年生!!……かと思ったら、もう中学も半ば、2年の夏休みだ。
進路も本格的に頭に入れて、人によっては入試に向けて動いてかなければならない時期…………当然俺も例に漏れず、差し迫る受験に備えて色々準備している。
俺が目指すのは倍率300倍を誇る雄英高校ヒーロー科!数多のプロヒーローを輩出している超有名校だ!……そう、俺の夢は『ヒーローになる事!』
ヒーローになりたい理由?人を助けたいと思うのに理由なんか無いだろ……なぁんて格好良い事を言いたいが、実際にはただ腹立つヴィランをぶっ飛ばしたいだけだ。
昔からどーにも、殊勝なお題目を掲げて好き勝手に暴れる思想犯ヴィランってのが虫が好かなくてな。どんな大層な名目を掲げてもそれを理由に人を傷つける行動を取った時点で論外中の論外だ。
そう言う奴らを片っ端からぶちのめしたくてヒーローを目指してる。勿論、人の為になる事をしたいってのもあるが……それは正直ヒーローじゃなくても俺個人で出来る事もあるしな。
人から言わせればヒーロー目指すには血生臭すぎる動機なんだろうが……憧れちまった物はしょうがないって事で、な。
そんな話はさておき……そんな将来を考えて俺は、今日も今日とて、町中のとある高架下まで来ていた。
ここは町ん中でも、とびきり人気がなくて落ち着ける場所だ……ここならよほどのことじゃない限り何が起こっても騒ぎにならない。
それを良いことに偶にヤンキーとかDQNみたいな輩が良からぬ事に使っているようだが……少なくとも、俺がここにいるうちは大丈夫だろう。
ここで俺が何をするのか……カツアゲ?そんな非人道的なことしねぇよ。まぁ、そんなだいそれた事するわけじゃない、ちょっとした個性の鍛錬だ。
「っし、今日もやるか!」
俺はそっと腕を構えて『個性』を発現させる……すると、俺の腕にまるで鱗の様な氷が纏わりつき、鎧のように変化していく。
俺の個性は『
反面、氷を放出するってのは苦手分野だ。冷気を発したり氷壁を作ったり、氷の礫を操って飛ばしたり……そういった類は苦手なんだわ。
簡単に言うと『れいとうパンチ』は得意『れいとうビー厶』は苦手って所か?……たとえ通じるのかな?まぁいいや。
「んな事よりも、今日も個性の訓練っと……!!」
俺は両腕を突き出しゆっくりと氷を纏う……腕に纏わりついた氷は、まるで獣の様に、鋭い鉤爪をもった腕に変化していく。まる獣の腕だ。
「っし、前よりも形成が早くなってる!んじゃ次はこのまま切り裂き!」
俺は氷の獣腕と化した腕を振るい、爪の斬撃を繰り出す。腕を振るうたびに氷の結晶が舞い、切り裂いた先に氷の膜が張られる。連撃、連撃、連撃、連撃、連撃、連撃ィッ!!
連打する攻撃……だが、その余波で近くの川の上に薄氷が作りてしまった。流石に環境破壊はしたくない。
「やべっ!?川の水少し凍ってら!?……か、解除!」
俺がそう念じると、凍っていた川の薄氷は溶ける……と言うか、戻るように水となり、俺の腕の氷の鎧等も纏めて水のように消えてしまう。
……同じような個性でも、発動までのプロセスが異なると能力の細部も変わってくる。
例えば、身体から直に氷を放出する個性をもった人が居るとしよう……大抵の場合そういった個性のほうが瞬間的な出力は高くなる。だが、同時に体力を消耗する事が多い(俺の親父も冷凍系の個性で同じような能力だから分かる。)
反対に俺は空気中の水分とか水とか、そう言うのを集めて凍結させて氷を操っている。要は身体の外で氷を生成してるって訳だ、そう言うタイプは出力では劣っても細密性操作性で勝る事も多い。だから、こうして自分の個性の影響で出来た氷なら能力解除で元に戻すことも出来るって訳だ。
余談だけど、これを生き物の水分を操って攻撃できないかって考えたことがあるけど……あくまでも水や空気中の水分を凝結させることしか出来ないらしい……まぁ、人の水分を凍結させて内側から凍らせるなんて殺意高すぎて流石にしたくないってのが本音だ。ヒーローが残虐ファイトの人殺しになっちゃあかんだろ。
「っぱ攻撃範囲がデカいな……乱戦なら良いけど、狭い場所だとキツイか?せめてもう少し絞れれば良いんだが……っし、次は武器の生成だ!」
俺はそう言って掌に力を込めて、頭の中でイメージを固めて氷を形成する……少しずつ時間をかけて徐々に伸びるのは氷で出来た刀剣だ。当然、刃のないなまくらなんかじゃない。
「えっと……切れる物、切れる物……この流木でいっか。」
俺は河川敷に流れ着いた流木を足をかけて、思いっきり蹴り上げる。ふわりと空中に浮かぶ流木……落ちる木に対して、俺は氷で作った刀剣を振り上げる。
「一閃!!」
すると流木はスッパリと真っ二つになり、断面から氷が蝕むように流木を凍結させていた。地面に落ちた凍った流木は落下の衝撃でパリンと欠ける。
「っしゃ!切れ味も安定してきた。あとは形成スピードを速くする所だな。強くても咄嗟に作れなきゃ使い物にならねぇ。」
俺は個性を解除して刀剣を水に戻し、再び……今度はもっと早く正確に刀剣を形成しようとする……だが、不意に耳元に響く足音がそれを止めさせた。
(やべっ!?人だ!)
この超人社会。個性の一般人の使用は厳しく制限させられている。いくら中坊とは言え、こんな場所で秘密裏に個性を使った訓練をしている所を大人に見られたらとんでもない大目玉を食らう。それだけは何とか避けないといけない!
……とはいっても、ここにうまく隠れられそうな場所ない。何とかうまくごまかさなくては……そんなことを考えていると、足音の主が顔を出してくる。
「い、いやぁ……っぱ川辺の散歩はサイコーダナー……ってあれ?」
「…………。」
ひょっこりと顔を出すのは、半分白髪、半分赤髪の……顔に大火傷の跡をのこした同い年位の少年だ。……と言うか、なんか見覚えあるような?……ってそんな事よりも
「こ、こんにちわ〜良いお天気ですね〜」
「…………。」
「い、いやぁ、川辺を歩くのって気分が晴れますよね〜」
「…………。」
「お、おたくはどちらからいらしたんですか〜?」
「…………。」
(えっガン無視!?)
「……近所から。」
「あっ、答えてはくれるんだ。」
一瞬発言全てにシカトを決められて心が折れそうになったが、どうやら無視を決め込んでいたわけではないらしい、…余計なんで無言だよ。怖いよ…………だけど、こいつは次にもっと怖いことを言い始めた。
「……見てたぞ。」
「見てたの!?」
「暫く。」
「暫く!?」
や、ヤヴァい!?ヤっっっっばい!!同い年だしうまく誤魔化せるかな?……なんか無理そうな気がする。目が!目が据わってるもん!容赦なく警察に突き出してきそうだもん!!と、兎に角弁明だ!悪意がないことだけは伝えなくては!
「え……えっとぉ、これは別に個性で良からぬことをしようとかそんなわけじゃな「凄かった。」……何がぁっ!?」
えっ、なんでこの子言葉に主語をつけてくれねぇの!?頼むぜ文法しっかりしろよお前!
「……前から凄いとは思ってたけど、本当すげぇ。お前の氷……あんなに精密を操って攻撃に転用なんて……俺はまだ放出するばかりで……」
ま、待って!頼むから待ってくれ!いきなり話し始めないでくれ!
「ちょちょ、ちょっと待て!!……えっと……前から?……えっ?初対面じゃ……?」
「いや、初めましてじゃねぇ。」
「ファッ!?」
えっ、駄目だ分かんね。コイツみたいなイケメン見たら絶対忘れないはずなんだけどな。そもそもここ以外で個性あんま使ってないんだけどな……前って……何処で見たんだ俺の個性?
「……前って何時だよ。何処でだよ……此処でか?」
「いや、此処でお前を見たのは初めてだ。」
「……ん?何時で何処の事言ってんだ?」
「……2ヶ月位前、教室で。」
2ヶ月前?教室……?あー!確か前に気まぐれで小さい手の平サイズの氷像作ったことあったな!クラスメイトにせがまれて色んな氷像作ったっけ……間違えて個性解除して教室水浸しになったっけ!……えっ、ってことは……
「同じ中学?」
「あぁ。」
「同じクラス?」
「ちげぇ。」
「……同じ部活?」
「部活には入ってねぇ。」
「そーだよな、俺も入ってねぇもん。」
……ん?クラスメイトじゃない?確かにあの時はそこそこクラス外からも人が来てたけど……こんな奴いたか?……同じ中学って言われると見覚えある気が……
「……俺は―――――」
「あーちょっと待って!思い出すから!……」
なんかここまで来たら自力で思い出したい!待てよ……誰だ?いや、言われてみればなんか中学で見覚えはあるんだ。
確か……学校中の女子がよくキャーキャー名前を呼んでた気がする。…………あっ!あれだよな?有名ヒーロー(誰かは忘れたケド)の息子さん!
あーっと、名前がぁ……苗字は確か轟だよな?格好良い苗字だから覚えてる。下の名前が……コート?サード?シード……シード、シード……そうだ!
「思い出した!
「
「あっ……すーっ……ごめん。」
ヤバ気まず。堂々と答えて堂々と間違えたよ……ニアミスなのが余計になんかこう……恥ずかしい……ん?けど余計に分かんねぇな。話した事無くね?
「……えっと、お前俺の事何処で見たんだ?」
「……前にクラスでお前が氷像を作った時あったろ?」
「うん。」
「それを見てた。」
「教室から?」
「いや、教室の外から見てた。」
「……俺とお前、話した事は?」
「二回くらいすれ違いで挨拶した、だから初対面じゃねぇ。」
「ほぼ初対面じゃねぇか!?そら分かんねぇよ!だって俺見てねぇもん!お前だけだもん見て知って覚えてんの!!」
「…………。」
なんかすげぇ申し訳なさそうな顔してんな轟!?えっ、ごめんって!そんな怒ってねぇから!!
「……悪ぃ。」
「いや、別に怒ってねぇから!!そんなへこむ…………だぁっ!もう!」
やりづらいなこいつ!?天然ちゃんか!?……俺は自分の髪の毛をわしわしと掻きむしってから、轟を見つめて答える。
「俺は氷室日向!これから宜しく!……コレでお互い初対面じゃなくなったぞ!」
「っ!……あぁ。」
そしてこれが、これから互いに切磋琢磨するライバルであり……お互い無自覚(かつ発覚に後2.3年掛かる)ながらも、従兄弟同士(らしい)である『轟焦凍』と言う男との初会合だった。
氷室両親:旧姓は氷叢だが、親戚一同二十余年前に絶縁済。例に漏れず遠い親戚同士での結婚だが、家柄関係なく相当なラブロマンスをして結婚に至ったらしい。