転生オリ主が魔皇ロールする話   作:野生の生蛇

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第5話

 

「という訳で、反省会を開こうと思います」

 

 ナザリック地下大墳墓。アインズの自室にて。

 

 集まったのはアインズ、シャルティア、ジェーン、パンドラの四人とプレアデス代表のユリだ。

 

「私としてはよく出来た物だとおもうが」

 

 アインズはそう発言する。

 実際、自分としてはよく出来たと思っている。

 シャルティアとの模擬戦も良く、久しぶりの本気の戦闘だったし人間達にアインズ・ウール・ゴウンの偉大さをわからせれたいい戦いだったと思っている。

 

「はい! やっぱりわらわはあそこでアインズ様とドラマチックな会合を果たし、ラブラブゴールインを決めるべきだったと思いんす!」

「却下。まだあっ──げふんげふん。シャルティア・ブラッド・フォールンという戦力が魔皇から離れる訳にはいきません」

「今アッシー君呼ばわりしませんでした?」

「気のせいです」

 

 五人による反省会は続く。

 

「もう少し私苦戦するべきだったと思いませんか?」

 

 そう発言するのはパンドラズ・アクターだ。

 

「まぁ、魔皇の強大さをアピールすなら苦戦もすべきだったかもしれないが……」

「けどジェーンさん思ったより弱かったんですよね」

「悪いな弱くて」

 

 ジェーンは子供のように口を尖らせる。

 実際、ジェーンは弱い。

 レベル七十、肉体操作込みでレベル七十六相応のスペック。普通にデミウルゴス等相手でも負けるレベルである。何ならイビルロードシリーズにも負ける。

 

「もう少しレベリングするべきか……」

「けどこのレベルになると相手に困るんですよね。毎日私がアンデッド用意出来る訳でもないですし……」

 

 ジェーンのレベリングは最初はナザリックの自動湧きするモンスターでやっていた。

 だが途中から経験値が足りなくなり、シャルティアの眷属召喚やデミウルゴスの悪魔召喚の特殊技術(スキル)でモンスターを用意する事になっていった。

 どういう訳かプレイヤー同様レベルが上がりやすいためレベリングで詰まる事はないが、それでもモンスターが豊富ではないこの世界ではなかなか上がりにくいレベルまで上がってしまっている。

 

「それならばアインズ様。異界の門を利用するのはどうでしょう?」

 

 パンドラが手を上げて提案する。

 

「異界の門……あぁ、あのコラボアイテムか」

「そんなのあるのん?」

「えぇ。宝物殿にあります。だが……あれは一定期間しか使えなかったはず」

 

 異界の門とはユグドラシルでコラボした場合に使われるイベント用のアイテムだ。

 使用すればコラボ先の世界に転移し、ストーリーを楽しむことが出来る。

 基本は百年前に著作権が切れたアニメや漫画の世界に行く用のユグドラシル後半期に実装されたアイテムである。

 

「あれならば多種多様な世界に赴き力を得ることが出来るでしょう。それに今は使用可能の光が灯っています」

「そうか……では、ジェーンには異世界で頑張って貰うとしようか」

「拒否権は?」

「ありません」

 

 オージーザス。ジェーンは空を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

「うーむ。目論見通り強くなれたから文句を言う事も出来ん」

 

 ナザリック地下大墳墓、宝物殿。

 黄金の山の中にそびえるおどろおどろしい門の前からジェーンが這い出て来た。

 ジェーンが異界の門をくぐってすぐ帰って来たがジェーンにとっては一年近い年月が経っていた。

 老化等肉体操作のタレントで無効化出来る為大した損失ではないが。

 

「ジェーンさんどうしたんですかその目」

 

 アインズは帰って来たジェーンの頭、額に三つ目の目が出来ている事に驚いた。

 額の中心が縦に割れ、真っ黒だが瞳孔は赤い目である。

 

「異世界で拾ってきたアイテムです。スペクテッドていうアイテムで五視の能力を持ちます」

「ちょっと鑑定してみても?」

「いいっすよ」

「では<道具上位鑑定>(オール・アプレイザル・マジックアイテム)……うわ、結構便利系のアイテムですね。未来視と洞視の能力欲しいな……譲ってくれません?」

「これ便利なんで駄目っす。代わりにこれどうぞ」

 

 ジェーンは体を操作し腹から刀を出す。

 

「これは?」

「八房っていう死者操作の能力を持つ帝具……マジックアイテムです。死者が持つ能力を生前から百パーセント仕えるゾンビとして使役出来ます」

「死霊系魔法が込められた一品ですか……それ、武器という事は誰でも使えるんです?」

「えぇ、使えます」

「それは素晴らしいアイテムですね。コレクションに加えましょう」

 

 アインズはジェーンから受け取った八房を鑑定魔法で鑑定したり眺めたりした後満足気にアイテムボックスにしまう。

 

「ほいじゃ、魔皇イブとして働きますか!」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

「さて、どうしたものか」

 

 魔皇イブとしてジェーンはアベリオン丘陵に来ていた。

 なだらかな丘が続く平和そうな地形だが、実際は多数の亜人種が覇を争う戦争地帯である。

 そんな場所に護衛も付けず一人で着ているジェーンは自殺志願者と間違えられても仕方がないだろう。実際は一人でアベリオン丘陵の亜人全て殺し尽くせるぐらいには強いが。

 今のジェーンは異世界でレベルアップを果たし実レベル八十実の戦闘力八十六相応はある。其処から武技による強化も含めれば強くなったと言えるだろう。

 ただ現状の現地民最強格である番外席次やデゲム・ボウガン相手だと普通に負けるが。装備と特殊技術(スキル)の差で負ける。

 ジェーンの装備は状態異常対策にのみ振っており、ステータス強化系の装備を持っていない。

 

 ジェーンは鼻歌でも歌いそうないい気分の元丘陵を歩く。

 

 目指す先は決まっている。山羊人(バフォルク)の集落だ。

 山羊人(バフォルク)の集落の中でも王──バザーが居る集落を目指す。

 既に事前調査──主にデミウルゴスがした──で居る場所はわかっている。

 その為足取りは軽く、優雅に進む。

 

 そうして歩く事三十分。強化した視力で見通せば原始的な集落が見えて来た。

 丸太ヲ使った壁が拵えられた大規模と言っていい規模の集落だ。家の作りはゲルに似ている。

 

「さて……」

 

 ジェーンは顎に手を当て考えると、山羊人(バフォルク)側も気づいたのか三体程山羊人(バフォルク)が走って来る。

 

 

 長い毛の直立した山羊のような外見をしている亜人種だ。闇小人(ダークドワーフ)に作らせた鎧を纏い、戦斧を持っている。

 

 山羊人(バフォルク)たちはジェーンに近づくと叫ぶ。

 

「とまれ、そこの人間! それ以上近づけば殺すぞ!」

 

 その言葉にジェーンはこいつらはなんて優しいのだろうと感激する。

 これほど近づいたのに撤退を促すだけで殺しにもかからない。これを優しいと言わずなんというのか。

 

 ジェーンは感謝として右腕を触手に変え右端の一体を胴体から上下半分に斬り裂いた。

 

 は、という間抜けな声が山羊人(バフォルク)たちから漏れた。

 

「お前達の種族の王に会いに来た。案内しろ。さもなくば殺す」

 

 数秒の沈黙ののち、残る二体の山羊人(バフォルク)は武器を構える。

 

「お前のような者を王に会わせるか!」

「そうか、ならば死ね」

 

 ジェーンは刹那で距離をつめると膝蹴りを放ち山羊人(バフォルク)をくの字に曲げる。

 そのまま背骨まで折れた山羊人(バフォルク)は絶命した。

 

 ジェーンは頭を掴み放り投げると呆けている最後の山羊人(バフォルク)に話しかける。

 

「で、貴様はどうする?」

「わ、わかった! 会わせる! だから殺さないでくれ!」

「よろしい。では案内しろ」

「わ、わかった。こっちだ」

 

 山羊人(バフォルク)にジェーンは案内させ、山羊人(バフォルク)の砦に向かう。

 門の隣には櫓があり、長槍を構えている山羊人(バフォルク)が居る。

 

「止まれ! 門は開かないぞ!」

 

 まぁそうなるだろうな、とジェーンはどうするか悩む。

 

「仕方がないな」

 

 ジェーンは右腕を伸ばし、巨大化させ門にぶつける。

 当然質量攻撃を前に門は呆気なく轟音と共に砕かれた。

 

 呆ける山羊人(バフォルク)たちを無視しジェーンは内部に進む。

 

 中には既に武装した山羊人(バフォルク)たちが居た。

 槍や剣を構えた山羊人(バフォルク)たちだ。数は十二体。

 

「用意周到なことだな」

 

 ジェーンは右手を再び変形し触手に変え振るう事で全員殺す。

 全十二体があっけなく殺され、無惨な死体となる。

 

 ジェーンはこの触手攻撃便利だなと場違いな感想を抱きながら奥へと足を踏み入れる。

 

「止まれ、侵入者!」

 

 そこにジェーンも聞いたことのある声がかかる。

 

 体毛は銀色で、通常の山羊人より一回り大きい立派な体躯をしている山羊人(バフォルク)だ。

 一目見ただけで只者ではない雰囲気を纏っているのが分かる。

 緑色の目の山羊人(バフォルク)の王、豪王バザーだ。

 

「貴様が豪王バザーか?」

「いかにも。山羊人(バフォルク)の王、バザーだ。そう言うお前は何者だ!」

「余は魔皇である。名はイブ──率直に言うと貴様を配下にしにきた」

「俺を配下にだと?」

 

 豪王は考える。なんだこいつは、と。

 

 見てわかる魔皇と名乗ったこの男の戦闘力。人知を超えている。

 門も人間の都市には劣るとはいえ堅牢だった。それをただの一撃で破壊したのだ。ただモノである訳が無い。

 

 ならば頭(こうべ)を垂れるのが正しい選択か──否。

 

(王たるものが戦わず降伏をしていい訳がない!)

 

「ならば力を示してみよ!」

 

 豪王は吠えた。

 

「言ったな……死ぬなよ」

 

 ジェーンは触手のままの右腕をわかりやすく、遅く振るう。

 だがそれでも豪王にとっては視認するのが背一杯の高速だ。何とか盾を挟みガードするのが精一杯だ。

 

 バザーはくの字になって吹き飛び、自身の家の壁にぶつかった。

 

「がっ……」

 

 バザーは苦悶の声を上げ、地面に伏した。

 

「これで満足か?」

「……あぁ。貴様の配下になろう」

「よろしい。では最初の命令だ。バザー。軍を作れ。次は魔現人(マーギロス)を攻め落とし、余の配下に加えよう」

 

 

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