転生オリ主が魔皇ロールする話   作:野生の生蛇

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第6話

 

 ジェーンは配下とした山羊人(バフォルク)がせこせこ働いているのを横目に考える。

 山羊人(バフォルク)の数は一万ちょっとと言ったところだ。

 それは戦える山羊人(バフォルク)全ての数であり、想定より少ないとジェーンは舌打ちをした。

 

 他の集落にも伝えるのに時間がかかるという訳でジェーンは山羊人(バフォルク)の集落で歓待を受けていた。

 一様立場的には山羊人(バフォルク)の王より上の存在である為、接待を受けざる負えないのである。

 

 ジェーンはゲルの中に入り、態々ナザリックから簡易的な玉座を作って持ってこさせ座っている。

 隣には護衛兼連絡役としてシャルティアが控えている。

 

 ジェーンの前に女の山羊人(バフォルク)がやって来て、料理を机の上に置く。

 

「これが肉か」

「はい……お気に召しませんでしたか?」

 

 ジェーンは出された肉を前に疑問を抱く。

 

「いやなに。これは人肉か?」

 

 ジェーンは人肉食べるのは正直嫌だという思いで問いかける。

 如何に体が異形になり、異形の者達と暮らしていも精神は自称人間だ。カニパリズムは御免である。

 

「いいえ。人肉は貴重なので……ただの牛の肉です」

「そうか、まぁいい」

 

 山羊人(バフォルク)たちは人間を食わない、という訳ではない。

 食う頻度としては稀だ。

 食べる為にはアベリオン丘陵を通る商人の荷馬車等を襲う必要がある。当然商人たちも利き腕のワーカーやら冒険者等に護衛を依頼している。

 その為人間を食う為にはこちらも手傷を負う可能性が高くなるなど、態々狙うにはリスクが高いのだ。その為山羊人(バフォルク)や他の亜人種も規模は小さいが農業や牧畜をしている。

 まぁ足りない分は奪えば全部で奪いに行くが。

 

 ジェーンは出された牛肉を喰らう。

 一応焼かれているし塩も振られているが、その程度だ。

 食えなくはない程度であり、ナザリックの美食が恋しくなる。

 

 余談だがジェーンは食事しても排泄が不要になっている。リング・オブ・サステナンスの効果で指輪を付けた物は食事をしても排泄が無効になるらしい。

 

 普段ジェーンはナザリックで暮らしている──というより暮らしていた。適当に模擬戦やったりバーに顔を出したりして遊んでいたのである。

 因みに同じく仕事が無くて暇なプレアデスとだべったり模擬戦するのが日常だった。

 

 溜息を押し殺し食事を終え、ジェーンはシャルティアを置いて外に出る。

 

 外に出ると慌ただしく山羊人(バフォルク)たちが動いている。

 他の集落へ伝令に出たり、武器を集めたりなどする事は多い。

 

 さてどうなるか、とジェーンはニヤリと笑った。

 

 

 ■

 

 丘陵の中に山羊人(バフォルク)一万の軍が進軍する。

 馬などに騎乗することはなく全員徒歩だ。

 何せ全員馬に乗るよりも普通に走った方が速いのである。

 一応物資の運搬用に奪った馬を使っているが、その程度である。

 

 そうして歩いていると魔現人(マーギロス)の集落に辿り着く。

 作りとしては人の村に近いだろう。当然丸太で作られた壁があるが。

 

「ついてこい、バザー」

「はっ!」

 

 ジェーンはバザーを連れて魔現人(マーギロス)の集落前へと歩く。

 

「止まれ! 豪王バザーとその奴隷! 我らに何の用だ!」

 

 櫓に居た魔現人(マーギロス)がそう叫んだ。

 その叫びにバザーは身を震わせる。主が奴隷呼びされたのだ。怒り狂い何をするかわからない。

 

 だがそれよりもジェーンは魔現人(マーギロス)の姿に驚いていた。

 書籍版準拠なのか、と。

 

 人に近い容姿をしている、というよりは四本腕なのとガタイが大きいのを除けばほぼ人間だ。

 体には刺青があり、それらは行使できる魔法を示している。

 

(劇場版や書籍版の挿絵とは全然違う。書籍版の地の文が基本の世界なのか?)

 

 ふぅむ、とジェーンは面白そうだと考える。

 

「控えろ! この方こそ我らの王、イブ様だ!」

 

 バザーは声高高に叫ぶ。

 一瞬遅れて、見張りの魔現人(マーギロス)が笑いだす。

 

「人間を王呼ばわりするとは! 耄碌したな、山羊!」

「ふむ。これ以上笑われるのも不快だ。死ね」

 

 ジェーンは右腕を変形させる。

 歪で巨大な剛腕に変え、門に向かってぶつける。

 門が砕けちり、余波で櫓も揺れる。笑っていた魔現人(マーギロス)は手すりにつかまり落ちないよう耐えるのに精一杯だ。

 

「このままいくぞ」

 

 ジェーンは砕いた門の向こうへ歩いて行き、遅れてバザーもついて来る。

 

 

 中に入れば当然、轟音に駆け付けた魔現人(マーギロス)たちがやって来る。

 

「貴様は下がってろ」

 

 ジェーンは余波で死んでも面倒だ、とついてきたバザーを下がらせる。

 

 魔現人(マーギロス)たちは次々と魔法を唱える。

 <衝撃波>(ショック・ウェーブ)<魔法の矢>(マジックアロー)。その他多数の第二位階までの魔法攻撃。

 

 ジェーンはポケットに手を入れての静観。全ての魔法が命中し、煙を上げた。

 

 結果は──無傷。ジェーンはダメージを負わなかった。

 いや、正確には多少は削れているが、多少程度だ。

 近接戦闘職であるモンクを極めているジェーンは魔法防御力も相応に高い。故第二位階程度では大したダメージにならない。ダメージを通せたイビルアイは強いのである。

 

「この程度か」

 

 ジェーンは右腕を触手に変形させ振るい、魔現人(マーギロス)たちを殺害する。

 先端と触手の裏表に骨の刃を形成した鋭い触手だ。モンクとしてのレベルも合わさり並大抵のものはこれで即死する。

 

 ぶんぶん振り回すだけで相手は死ぬ。クソゲーである。

 

 瞬く間に全ての魔現人(マーギロス)が死に、無残な骸とかす。

 

 ジェーンは腕を元に戻し、他に居ないか探す。

 ジェーンの鋭い聴覚が次の敵を捕らえた。敵は──空だ。

 

 それを理解したと同時に空から魔法が降ってくる。一つではない、三つの魔法だ。

 <雷爆騎士槍>(ショックランス)<炎焼騎士槍>(バーンランス)<氷葬騎士槍>(フリーズランス)。

 全て第四位階の魔法であり、ナスレネ・ベルト・キュールが開発した魔法だ。

 

 雷の槍が、炎の槍が、氷の槍がジェーンを貫いた。

 

「ほう。面白い」

 

 だがすぐさま傷は再生──修復される。

 といっても見かけだけでHPは回復しないが。

 

 ジェーンは<飛行>(フライ)の魔法で空にいるナスレネを見る。其処には銀髪の美人が居た。

 四つ腕の魔現人(マーギロス)。ナスレネだ。

 

 ふむ、とジェーンは地を蹴り跳躍。ナスレネがいる上空二十メートルまでひとっとびする。

 レベル八十の人外の領域の跳躍力を舐めてはいけない。武技など使わずとも百メートルぐらいはジャンプできるのである。

 

「は?」

 

 間抜けな声をナスレネは漏らした。

 ジェーンはナスレネの頭を掴み、地面に向かって放り投げた。

 

 ナスレネは地面に着弾し、クレーターを残した。

 

 物理法則に従いジェーンも落下するもジェーンはクレーター一つ残さず綺麗に着地する。

 ジェーンはナスレネの頭の上に足を置き、ナスレネに話しかける。

 

「魔現人(マーギロス)の女王、ナスレネ……だったか? 余の配下になれ。でなければこのまま頭を踏み砕くぞ」

 

 ジェーンは怒気を込めてそう言い放つ。

 

 その姿にナスレネも恐怖し、声を上げた。

 

「なります! あなた様の配下になります! どうかお慈悲を!」

「よろしい。では次の種族を配下にしよう──」

 

 

 こうしてジェーンは各亜人種の集落を周り、アベリオン丘陵を支配下に置いた。

 

 

 

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