『始祖の見る朝日』~ロリ鬼はなぜ、無惨様を太陽の下に連れ出したのか?~ 作:この俗物怪物くん
その第一ターゲットとして、下弦の伍・累に目をつける。
「今日から、わたくしがあなたのお祖母ちゃんですわ!」
那田蜘蛛山に響き渡る衝撃の宣言。
そこに現れる猗窩座――否、もはや“お祖父ちゃん”。
そして始まるのは、恐怖ではなく、愛と混乱で構築される
かりそめの“家族教育プログラム”。
鬼滅の世界に、またしても朱鷺旋風が吹き荒れる!
さて、原作時間軸に突入し、十二鬼月が次々と鬼殺隊に狩られるであろう未来に備えるため、我らが朱鷺(とき)ちゃんは『仲間を守ろうとしてボロボロになる妹!作戦』を発動しました。最初のターゲットは、下弦の伍・累くんです!
朱鷺は、無惨様の側近という立場を利用し、那田蜘蛛山へと向かった。 鬱蒼とした森の中、蜘蛛の糸が張り巡らされた不気味な屋敷の前で、彼女は、白い髪の少年、累と対峙した。
「…何の用だ、朱鷺。ここは、僕の『家族』の領域だ。無惨様の側近といえど、無断で立ち入ることは許さない」
「(にこにこ〜)あらあら〜、累くん。そんなにツンツンしないでくださいまし〜」
累くんは、家族の情に飢えています。そこを刺激すれば、比較的簡単に友好度を上げられるはず…というのが、当初の計画でした。でした。
朱鷺は、累の周りに侍る「父鬼」「母鬼」「姉鬼」「兄鬼」を一瞥すると、ポン!と手を叩いて、満面の笑みで宣言した。
「今日から、わたくしが、貴方たちのお祖母(ばあ)ちゃんよ! よろしくね、孫たち〜!」
「………………は?」
「………………(ゴクリ)」
「(ビクッ!?)」
「(え、なにこの人…)」
「(意味わかんねえ…)」
お祖母ちゃん宣言!!! いや、まあ、朱鷺ちゃんの鬼としての実年齢考えたら、あながち間違いでもないのかもしれませんが…! 累くん、完全に困惑しています!
「な、何を言っているんだ、貴様は…! 僕の家族に、お祖母ちゃんなんて役割は…!」 「あらあら〜、お口が悪いわね〜、『孫』。お祖母ちゃんに向かって、その口の利き方はなりませんことよ〜?」
累が、その不遜な態度に殺気を放とうとした、その時。 朱鷺の隣に、スッ…と、音もなく、一人の男が姿を現した。猗窩座(あかざ)だ。 彼は、何も言わない。ただ、その闘気を、静かに、しかし圧倒的に放ち、累の「家族」たちを威圧する。
「(…朱鷺。貴様は、また、つまらんことを…)」
「(猗窩座に向かって、にこっ)狛犬くんも、今日から『お祖父ちゃん』ですわね〜!」 「(ピキッ)…断る」
お祖父ちゃん計画は、秒で拒否られました! しかし、猗窩座さまの無言の圧力は健在! 累くんの『恐怖の絆』で結ばれた家族たちは、上弦の参の威圧に完全に怯えきっています!
朱鷺は、その状況を利用し、累に詰め寄る。
「累。貴方の言う『家族』は、なんだか、ギスギスしていますわね〜。恐怖で繋がれた絆など、より強い恐怖の前では、簡単に折れてしまいますわよ? そんな脆いもので、本当に『家族』と呼べますの〜?」
「な…! 黙れ! 恐怖こそが、絶対の絆だ! 僕に逆らえば…!」
彼が言い返そうとするが、朱鷺と猗窩座の二人が、同時に、凄まじい威圧感を放つ。 累の「家族」たちは、蜘蛛の子を散らすように後ずさり、誰も累を庇おうとはしない。
「ほら、ご覧なさいな〜。誰も、貴方を助けてくれませんわ」
「………っ!」
その日から、朱鷺による、累の「家族」への、奇妙な『家族指導』が始まった。 もちろん、猗窩座も、常に朱鷺の隣に付き従っている。(※本人は不本意)
ケース①:母鬼へのパワハラ現場
「母さん! なぜ言われた通りにできない! 罰だ!」
「こらー! 累! お母さんに向かって、なんて口の利き方ですの! ほら、お尻を出しなさい! ペンペンですわ!」
「な、やめろ! 子供扱いするな!」(※お尻ペンペンされる)
ケース②:姉鬼の言葉遣い
「チッ…また失敗しやがった…」
「あらあら〜、お姉さん孫。そのようなお口では、良き武家の妻は務まりませんわよ? もっと、お淑やかに、『あら、うっかりですわ』くらい、言えませんこと?」
「(なんで武家の妻…?)」
あれ…? 朱鷺ちゃん、なんか自分が昔、無惨様や教育係に言われて嫌だったことを、そのまま言ってるような…? これ、朱鷺ちゃん自身が、恐怖で縛ってませんか? まあ、いいか!
累は、毎日毎日、この「お祖母ちゃん」と、その隣にいる無口でやたら強い「お祖父ちゃん(仮)」に振り回され続けた。 しかし、不思議なことに、彼の心には、苛立ちよりも、今まで感じたことのない種類の『賑やかさ』が満ち始めていた。
「(…なんだ…? この女が来てから、やけに騒がしい…。だが…悪くない…?)」
ある日。 累は、自らの「家族」全員を集めて、静かに告げた。
「…今日限りで、この『家族』は解散する」
「!?」
「朱鷺の言う通りだった。恐怖の絆は、脆い。…お前たちは、もう好きにするといい」
その言葉を聞いた瞬間、父鬼も、母鬼も、姉鬼も、兄鬼も、一目散に、蜘蛛の糸が届かないところへと逃げ去っていった。 誰も、残らなかった。
累は、その光景を、ただ、呆然と見つめていた。 分かっていたはずなのに。それでも、胸にぽっかりと穴が空いたような、寂寥感が彼を襲う。
おっと、これは累くんにとってはショックですね。しかし、計画通り! これで、彼の『家族』への執着はリセットされました。そして、解散に伴い、彼が家族に分け与えていた自らの力も、全て本体へと回収されました。つまり…
[累のステータスが大幅に上昇しました]
はい! これも目的の一つ! 累くん、単独でも下弦上位クラスの実力にパワーアップです! これなら、鬼殺隊相手でも、そう簡単にはやられないはず!
一人残された累の前に、朱鷺が、ひょこっと顔を出した。
「あらあら〜、累くん。一人ぼっちになっちゃいましたね〜」
「…うるさい」
「(ポン!と手を叩き)じゃあ、今日から、わたくしが、貴方のお母さんよ!」
「はぁ!? この前はお祖母ちゃんって…!」
「細かいことは気にしない! そして…」
彼女は、隣に立つ猗窩座の腕に、ぎゅっと抱きついた。
「狛犬くんは、わたくしの旦那様! つまり、累くんのお父さんです! 文句は言わせませんわ!」
「…(ピキッ)…おい、朱鷺…」
彼は、何か言おうとしたが、朱鷺が、じっと彼の目を見つめる。 その赤い瞳の奥に、かつて、花火の夜に求婚された時の、あの必死な少女の面影が、一瞬だけ重なって見えたような気がした。
「……(ため息)……好きにしろ」
ええええええええ!? 受け入れた!? 猗窩座さまが、父親役を!? まさか、あの時の記憶が…!? いや、単に面倒くさくなっただけか…!?
「(父…母…?)」
彼は、目の前で繰り広げられる奇妙な夫婦(?)漫才を、ただ、ポカーンと見つめていた。
こうして、朱鷺の、あまりにも強引で、あまりにも行き当たりばったりな家族計画により、累は新たな(歪な)家族を手に入れ、そして、知らず知らずのうちに、鬼殺隊の刃から遠ざけられることになったのだった。
◇◇
下弦の伍・累くんを、朱鷺(とき)ちゃんの『息子』兼『鬼殺隊からの保護対象』として確保しました。これで、彼が原作通りに那田蜘蛛山で討伐されるルートは、完全に回避されましたね。無惨様の八つ当たりリスクも一つ減り、一石二鳥です
朱鷺は、累を連れて、東京・九条家の広大な屋敷へと帰還した。 彼女は、集まった大勢の使用人(人間)たちの前で、累の手を引き、にこやかに宣言した。
「皆様、今日からこの子は、わたくしの息子の『ルイ』ですわ。わたくし同様、いえ、それ以上に丁重にもてなしなさい。いいですこと?」
「(ざわざわ…)お、お嬢様の…ご子息…!?」「いつの間に…!?」「しかし、なんという美しいお子様…」
「(ぼそっ)…息子って…僕は…」
「(小声で)あらあら〜、細かいことは気になさいませんの〜。それとも、また『お尻ペンペン』がお好みですか〜?」
「(ビクッ!?)…い、いえ…母さん…」
はい、累くん、完全に尻に敷かれました! これで、彼が勝手に人間を襲ったりする心配もないでしょう。素晴らしい調教です
累は、蜘蛛の糸で作った粗末な着物から、上等な絹の洋服へと着替えさせられ、調度品の一つ一つが芸術品のような、やたらと豪華な部屋を与えられた。 最初は戸惑っていた彼も、朱鷺(母)からの溺愛(監視)と、使用人たちからの過剰なまでの世話を受け、次第にその生活に慣れ始めていく。 (食べるものは、もちろん朱鷺が裏で調達してくる『特別な食材』だ)
一方、猗窩座(あかざ)さま。 彼もまた、この九条家の屋敷を、半ば定宿のように利用していた。
「あら、猗窩座様、おかえりなさいませ」
「お嬢様(朱鷺)なら、先ほどルイ坊ちゃまのお部屋へ…」
屋敷の使用人たちの間では、猗窩座さまは『朱鷺お嬢様の、まだ籍は入れていないが、事実上の旦那様』として、完全に認識されていますね。そりゃあ、毎晩のように屋敷に現れては、お嬢様の部屋に入っていく(※実際は鍛錬や報告)のですから、誤解もされます
猗窩座自身、最初は「俺はそんなつもりは…!」と否定していた。 しかし、朱鷺が「あらあら〜、照れなくてもよろしくてよ、旦那さま〜」と全く意に介さず、使用人たちも「まあまあ、旦那様」と生温かく見守るため、もはや否定する気力も失せていた。
「(…面倒だ。…それに…)」
彼にとって、朱鷺の隣は、なぜか心地よかった。 心が、温かくなるような感覚。 しかし、同時に、胸の奥が締め付けられるような、深い悲しみも襲ってくるのだ。 まるで、何か、とても大切な『もう一人』を、忘れてしまっているかのような…。
「(…分からん。…だが、朱鷺のそばにいれば、いつか…)」
彼は、その答えの出ない感覚の理由を探るように、今日もまた、朱鷺の影に寄り添う。
ちなみに、猗窩座さまが東京にいる時は、ちゃんと人間の格好をしています。顔の文様も、血鬼術か何かで巧妙に隠していますね。さすが上弦の参、擬態能力も完璧です
こうして、帝都・東京の壮麗な屋敷の中で、奇妙な『かりそめの家族』の日常が始まった。 太陽克服薬(一日限定)で昼間も活動する、元・暗殺者の鬼の少女(母) その母に溺愛(監視)され、人肉以外の食事に慣れ始めた、元・下弦の伍の少年(息子) そして、失われた記憶の断片を探し求め、その家族の隣に佇む、最強の武人たる鬼(父?)
彼らの存在が、これから始まる鬼殺隊との本格的な戦いに、どのような影響を与えていくのか。 それは、まだ、誰にも分からない。 ただ、確実に言えることは、原作のシナリオは、もう、ズタズタに破壊され始めているということだけだ。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
朱鷺ちゃん、ついに蜘蛛山に進出。
まさかの「お祖母ちゃん→母さん→息子調教」コンボを
書いていて作者の私も笑いをこらえきれませんでした。
でも、ふざけたように見えて――
累の孤独、猗窩座の記憶の揺らぎ、そして朱鷺の狂気じみた優しさ。
どこか切なく、ほんの少しあたたかい“鬼の家族愛”になった気がします。
あなたは、この奇妙な家族の結末をどう予想しますか?
朱鷺の行動は救いになるのか、それとも新たな地獄の始まりなのか。
ぜひ、感想欄であなたの意見を聞かせてください。