『始祖の見る朝日』~ロリ鬼はなぜ、無惨様を太陽の下に連れ出したのか?~ 作:この俗物怪物くん
だがその夜明けは、まだ遠い。
鬼でありながら蝶屋敷を訪れる朱鷺一家、そして“人として”煉獄家を弔う狛治。
笑いの中に潜むのは、過去と向き合う勇気であり、赦されぬ者たちのささやかな祈りだった。
この章では、鬼たちの「日常」と「弔い」が、ほんのひととき交わる。
それは、血塗られた世界に射す、淡い朝焼けのような物語である。
いやはや! 無限列車の一件、ヒヤヒヤしましたが、なんとか無惨様の友好度『親密』を維持できました! しかも+1のおまけつき! これでトロフィー獲得へ大きく前進! …と、油断してはいけません!
『親密』状態の無惨様は、もはや歩く地雷原! ちょっとしたことで機嫌を損ね、友好度が急降下する危険と常に隣り合わせです! ここからは、まさに薄氷を踏むような、慎重な立ち回りが要求されます!
そして、目標達成のためには、禰豆子ちゃんの日光克服が必須。それまで、ひたすら待つしかありません。 『じゃあ、あのゲロマズ日光克服薬を改良して無惨様に飲ませればいいじゃん!』と思ったそこの貴方! 甘いです! チョコラテのように甘い!
何を隠そう、私(プレイヤー)それ、既に試しました! その結果が、このトロフィーです!」 [ 『始祖を騙してみせた朝日』:不完全な薬で鬼の王と朝日を見た(※その後めちゃくちゃ怒られた)]
はい、これです。無惨様には、完璧な日光克服でなければダメらしいです。中途半端な薬では、友好度が下がるだけ。ちなみに、この時も友好度は変わりませんでした。もう意味が分かりません
ちなみに、『蒼い彼岸花』の研究も進めているようですが、どうやら無惨様本人には効果がなく、他の鬼には効果がある、という微妙な結果に。無惨様は、その不完全な薬を『くだらん』と言って、朱鷺ちゃん以外には渡していません。独占欲でしょうかね?
さて、ここからが本題。 禰豆子ちゃんが日光を克服する、原作終盤まで、遊郭編、刀鍛冶編、そして柱稽古編は、なんと強制参加イベントとなります! 逃げられません! 『柱稽古編とか、鬼なのにどうやって参加するんだよ!』と思いますよね? ええ、まじで特定の区画に強制移動させられるので、クソゲーです。開発者の悪意を感じます
という訳で、まずは遊郭編! ここでの目標は…
①炭治郎くんたちの成長を確保(=全滅させない)
②上弦の陸(妓夫太郎・堕姫)を生存させる(=無惨様の機嫌悪化を防ぐ)
という、矛盾した二つを同時に達成すること!
もうね、毒を食らわば皿まで! いっそのこと、全力で炭治郎くんたちに関わっていきましょう! まあ、死にはしませんよ! うちの家族(朱鷺・猗窩座・累・零余子)は最強ですから!
という訳で、現在、朱鷺ちゃん一家はどこにいるかというと…
蝶屋敷にいます。
「ごめんくださいまし〜。お見舞いにまいりました〜」
はい、普通に正面から『お見舞い』としてやってきました! なぜかって? それが一番怪しまれずに潜入できるからです!
まあ、私の行動に朱鷺ちゃんが理由をつけただけで、ゲーム的には勝手にここにポップしたんですけどね…
驚くべきことに、朱鷺たちは普通に通されました。
あれ? 鬼だってバレてない? 炭治郎くんたち、報告してないのかな? それとも、あまりに堂々としすぎてて、逆に人間だと思われてる…?
廊下を進むと、前方から金髪の少年が歩いてくるのが見えました。善逸くんです!
「あらあら〜、善逸く〜ん。お怪我の具合は、いかがです〜?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! で、出たああああ! なんでアンタたちがここにいるの!? 近寄らないで!」
ものすごい勢いで怯えられています。
まあ、当然か…。前回、あんな目に遭わされたんですからね…
その時、屋敷の中が、何やら騒がしくなっているのに気づきます。 看護師たちが慌ただしく走り回り、「炭治郎さんがいない!」「どこへ行ったんだ!」と叫んでいます。
おや? これは…原作通り、炭治郎くんが煉獄家へ訪問しに行ったイベントですね。累)くんが縫合したので、原作より傷の治りは早いはずですが…まあ、システムの強制力でしょう
「まあ、炭治郎くんがいなくなりましたの? それはいけませんわね〜。わたくしたちも、探しに行って差し上げましょう」
「…(無言で頷く)」
朱鷺ちゃん、炭治郎くんを追う気満々です! そして猗窩座さまも、当然のようについてくる! …あ、ステータス画面に『煉獄杏寿郎に線香をあげたい』って表示されてます! そうか…あの戦いは、彼にとっても特別なものだったんですね…
「では、母上、父上(※猗窩座は否定しない)僕はここで…」
「あらあら、累くん。ちょうど良かった。少し、お話を聞かせてもらえませんか?」
いつの間にか、背後に蟲柱・胡蝶しのぶが立っていました! 笑顔ですが、目が笑っていません!
「あの時、炭治郎くんの傷を縫合したという、その素晴らしい『糸』の技術について、詳しく教えていただきたいのです。どうやって、あんなに出血を完璧に止められたのかしら?」
「(ギクッ!?)そ、それは…その…家伝の…」
累くん、捕まったー! しのぶさん、完全にロックオンしてます! これは、しばらく解放されそうにありませんね!
一方、零余子ちゃんはというと…
「(善逸に近づき、艶然と微笑む)あらあら〜、そんなに怯えないでくださいな〜、雷の坊や? 私、取って喰ったりしませんよ〜?」
彼女は、今日は暑いから、と少し胸元の開いた、刺激的な洋装をしています。そのスタイルの良さに、善逸は顔を真っ赤にしています。
「(ひっ…! き、綺麗だけど…! この人も、鬼なんだ…!)」
「ふふっ、可愛い反応。…ねぇ、貴方のその髪、素敵ね。少し、見せてくださらない?」
彼女は、善逸の耳元に顔を近づけ、吐息がかかるような距離で囁きます。
「(鼻血ブー)」
零余子ちゃん! 完全に善逸くんをおもちゃにして楽しんでいます! 彼女の血鬼術『蜃』の影響か、『自分に靡(なび)く男をからかうのは面白い』という性癖(?)が強化されているようです! 頑張れ善逸くん! いろんな意味で!
「では、累と零余子のことは頼みましたわよ〜、しのぶさん〜。わたくしたち、ちょっと煉獄家まで、お散歩に行ってまいります〜」
「ええ、ええ。どうぞごゆっくり(ニコッ)」
こうして、朱鷺ちゃんと猗窩座さまは煉獄家へ、累くんはしのぶさんの尋問部屋へ、零余子ちゃんは善逸くんを弄(もてあそ)びながら蝶屋敷に待機、という、なんとも奇妙な役割分担で、遊郭編の前哨戦(?)が始まりました! どうなることやら!
◇◇
蝶屋敷での情報収集(?)を終え、我らが朱鷺ちゃんと猗窩座さまは、炭治郎くんの行き先――煉獄家へと向かいました。累くんはしのぶさんの尋問(という名の研究協力要請)から逃れられず、零余子ちゃんは善逸くんをからかうのに夢中なので、今回は二人旅です
煉獄家の門前。 中からは、すすり泣くような声と、荒々しい怒声が聞こえてくる。 原作通り、炎柱・煉獄杏寿郎の父、槇寿郎がやさぐれているようだ。 日の呼吸に関する情報も、ここで手に入るかもしれないが、今の槇寿郎から聞き出すのは困難だろう。
ちなみに、日の呼吸については、無限列車編で朱鷺ちゃんが炭治郎くんに盛大にネタバレ済みですが、まあ、細かいことは気にしない方向で
門の前で、炭治郎くんが、杏寿郎の弟である千寿郎くんに、涙ながらに遺言を伝えている場面に遭遇した。
「…煉獄さんは、立派に戦い抜いた。君のお兄さんは、本当に凄い人だったんだ…!」 「(涙をこらえ)…はい…」
おっと、炭治郎くん、顔が真っ青ですよ! これは…累くんに縫ってもらった傷が開いたというより、完治したのをいいことに、無茶な鍛錬をしすぎた反動ですね! 原作とどっこいどっこいの無茶ぶりです!
そこに、朱鷺ちゃんと猗窩座さまが、静かに歩み寄った。
「お~い、炭治郎くーん」
「(ギクゥッ!?)と、朱鷺さん!? 猗窩座殿も!? なぜここに!?」
炭治郎くんの顔が、今度は別の意味で青くなっています。トラウマですね!
「あらあら〜、そんなに怯えないでくださいまし〜。わたくしたち、煉獄さまにお線香をあげにきただけですのよ〜」
「…(無言で頷く)」
その言葉に、炭治郎くんと千寿郎くんは、少しだけ神妙な顔になりました。
屋敷の中から、酒臭い匂いと共に、槇寿郎が現れた。
「…チッ。まだいたのか、小僧。…なんだ、貴様らは」
彼は、朱鷺と猗窩座の異様な雰囲気に、わずかに眉をひそめる。
「杏寿郎は…愚かな息子だった! 柱になどなったところで、何の意味もない! 何の価値もない、塵芥だ!」
その言葉に、炭治郎の怒りが爆発した!
「撤回しろ! 煉獄さんは! 貴方の息子さんは、そんな人じゃない!」
しかし、炭治郎よりも早く、猗窩座が口を挟んだ。
「…貴殿。あまりにも、酷い言い方ではないか」
「あァ? なんだ貴様は」
槇寿郎が、掴みかかろうと腕を伸ばすが、猗窩座は、まるで柳に風のように、その手を軽くいなした。
「(なっ…!? こいつ、ただ者じゃない…!)」
炭治郎も、槇寿郎を糾弾する。
「煉獄さんの悪口を言うな! 貴方は、俺の父が使っていたヒノカミ神楽…日の呼吸を知っているから、息子さんの努力を馬鹿にするんだろう!」
「(ギクッ)…な、何を言うか! 日の呼吸など、始まりの呼吸など、しょせん選び抜かれた者のためのもの! 凡人が真似できるものではない!」
「貴様のような小僧が、調子に乗るな!」
「調子に乗っているのは、貴方の方だ!」
炭治郎が、怒りのあまり、槇寿郎に頭突きをしようと突進する!
「待て、少年」
それを、猗窩座が片手で制した。
「…怒りは分かるが、年長者への礼を欠いてはならん」
彼は、なぜか『狛治』と名乗った。人間だった頃の名を。
「狛治と申す。…父上殿。息子さんの死を悼む気持ちは、痛いほど分かる。だが、その悲しみを、他者への侮蔑で晴らすのは、間違っている」
おっと! 猗窩座さま、まさかの『狛治』名乗り! そして、まさかの説教モード! 記憶が混濁している影響でしょうか!?
しかし、炭治郎くんの怒りは収まらない!
「うるさい! クソジジイ! 煉獄さんの悪口言うな!!」
彼は、猗窩座の制止を振り切り、渾身の頭突きを、槇寿郎の額に叩き込んだ!
ゴツン!!!
「(白目)」
「(貧血でふらり…)」
二人とも、気絶しました。
結局、頭突きするんかーい! しかも、自分も気絶って! さすが炭治郎くん、期待を裏切りません!
朱鷺は、やれやれ、というように、気絶した炭治郎を軽々と抱きかかえると、屋敷の中へと入っていく。
「まったく、手のかかること…」
屋敷の中で、炭治郎が目を覚ますと、朱鷺がそばで扇子を仰いでいた。 千寿郎くんが、破かれた書物を持ってくる。歴代炎柱の手記だ。 やはり、日の呼吸に関する記述は、槇寿郎によって破り取られていた。
そこに、猗窩座(狛治)が静かに近づいてきた。 彼は、炭治郎の構えを一瞥すると、的確なアドバイスをする。
「…少年。貴様のその『舞』は、まだ完成されていないな。技に、身体が追いついていない。 …あるいは、貴様の父上は、病弱であったが故に、舞に余計な動きが混ざっていたのかもしれん。あるいは、正しい動きではない可能性もある。…己の身体と、呼吸と、型を、もっと深く見つめ直すがいい」
「(! この人…なぜ、そこまで…!)」
「さすが猗窩座さま! 武術の探求者! 炭治郎くんへの、これ以上ないヒントです!」
線香をあげ終えた猗窩座は、庭先で呆然と座り込む槇寿郎に、静かに声をかけた。
「…父上殿」
「…なんだ」
「貴方の息子、煉獄杏寿郎は、実に強い男でした。 その才能も、鍛え上げられた精神も、見事だった。…塵芥などでは、断じてありません」
「俺が…直接、命を懸けて戦った、俺が保証します」
その言葉には、嘘も、飾りもなかい。ただ、一人の武人が、もう一人の武人へ送る、最大限の敬意だけが込められていた。 槇寿郎は、何も答えなかった。ただ、その肩が、小さく震えているのを、朱鷺は見逃さなかった。
…泣ける…。猗窩座さま…あんた、やっぱり根はいい人だよ…
さて、煉獄家訪問イベントは、これにて終了。炭治郎くんはヒントを得て、猗窩座さまは線香をあげて、朱鷺ちゃんは…まあ、いつも通りでしたね! 次は、いよいよ遊郭編への本格突入です!
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
今回は、重くなりがちな“無限列車後”の空気を、少しだけ柔らかくしたくて書いた章です。
鬼でありながら、堂々と蝶屋敷にお見舞いに行く朱鷺ちゃん。
そして“父上殿を諭す鬼”という前代未聞の展開。
彼らの姿を、皆さんはどんな気持ちで見てくださったでしょうか。
狛治の「線香をあげる手」に、ほんの少しでも人間の温もりを感じていただけたら嬉しいです。
ぜひ、コメントであなたの感じた「赦し」や「可笑しさ」を教えてください。