【完結】転生した魔法使いが金髪の双子を育てる   作:大気圏突破

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今日も投稿するぜ


馬鹿につける薬を白湯で飲む奴

 女優とのスキャンダルで休業中の島は自身のSNSに対してコンタクトを送ってきた人物と対面していた。相手は女性だがブラウン気味の髪の毛はボサボサで肌も汚く50代ぐらいの見た目だと感じてしまう

 

 

「興味を持っていただきありがとうございます」

「暇なんでね。それで『星野アイ』の情報って何?」

「15年前の週刊誌では彼女の産んだ双子の名前や顔がモザイクで消されていましたよね?」

 

 

 女性の言葉に彼はネット通販で取り寄せた当時の週刊誌を広げた彼は該当するページに目を通すと確かに赤ちゃんの顔や母子手帳の名前がモザイクで見えないようになっていた

 

 

 

「私は独自のツテでオリジナルのデータを持っています」

「つまりそれを…?」

「えぇ、買っていただきたいのです」

「そんな骨董品に価値があるのかい?」

 

 島の問い掛けに厚化粧で不気味な笑みを浮かべる女性はニヤニヤとしながら口を開き

 

 

「価値があると思っていらしたんですよね?休業中の島監督」

「B級ドキュメンタリー映画を作るには面白いと思ってね、未成年で子供を作りファンたちを騙してお金を巻き上げていたアイドルの転落人生、俺なら少なくとも渋谷駅でダンスをするアニメ映画より面白く脚色することが出来る」

「なら、こちらもどうですか?」

 

 

 茶封筒の中から差し出された紙の束を見せたミヤコは、書かれている内容を1つ1つ丁寧に説明をしていく、その中身は多岐にわたるもので

 

・出産した病院名

・星野アイを診察した医師の名前

・苺プロで行った偽装工作

 

「私は苺プロの関係者と太いパイプを持っていました」

「なるほど、確かに内部の人間にしか分からない内容だな」

「では、全部含めて買っていただきますか?」

「もし拒否したら?」

 

 

 その質問にミヤコは少しの間を置いたが、すぐに表情を戻し

 

「ゴシップ誌か、あなたと同じような人に売りつけるつもりで」

「つまり俺がここで買えば独占出来ると」

「えぇ、金額はこれぐらいで」

 

 スマホの画面に提示された金額を見て険しい顔をした島だが、営業スマイルを浮かべ頷いたことで了承をした。ミヤコは現金での手渡しを要求していたので持っていたバックの中で袋に入った現金を出しながら、その中でず~~~っと通話中になっているスマホのボタンを押した。

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん、吉祥寺先生とのデートについて詳細を」

「ルビーにも言ってないのに、不知火さんに言うわけないでしょ普通」

「動物と触れ合って、そして先生とも触れ合ったんどすか?」

 

 

 店内ではカウンター席に座る陽東高校芸能科の2人が狡嚙のデートについて興味津々だった。学校でルビーに問いただしても知らぬ存ぜぬだったので、本人に直接聞きに来たという形である。無論彼も2人に話すつもりは無い

 

 

「では、次のデートはいつ行くんですか?」

「尾行する気満々でしょ君たちは」

「そんなことあらへんで、”人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に落ちろ!”と言いはりますし、遠くから見ているだけやで」

「お父さんの荷物に盗聴器とGPSを…」

「この店の常連に警視さんがいるけど、この会話の内容を伝えようか」

 

 

 本気半分冗談半分のやり取りに3人は笑いながら時間を潰していった

 

 

「これは1つ意見ですが七夕デートは考えたことってありますか?」

「七夕デート?」

 

 

 紅茶を飲み終えたフリルはカップを置いて狡噛のことを真っ直ぐに見つめていた

 

「夜空に輝く天の川を見ながら浴衣姿で散策し短冊に願いを込める。定番かもしれませんが良い思い出になると思いますよ」

「ええな~それ」

 

 彼女の意見にグラビアアイドルも同調するが店主の顔は少し険しい

 

 

「なるほど完璧なデートプランだね。7日が曇りで8日未明から大雨という点に目を瞑れば」

「七夕の時期って結構な割合いで雨になるんやね」

「そこは神に祈りましょう」

 

 

 

 結局彼女たちは夕方の5時になるまで店に居座り、コンビニから帰ってきたルビーと再び遊ぶ約束をして帰宅していった。ほぼ同時刻にアクアも鮫島家から帰還し3人で晩御飯になった

 

 

「2人ともまだ早いけど進路は決めてあるのか?」

「とりあえず大学には行きたいけど志望校が決まらなくて」

「私はまだ…ちょっと」

 

 

 双子たちは煮え切らないような答えを口にして箸を止めた

 

 

「別に今すぐ決めろという訳じゃないが好きな道に進んでも構わないよ、親は子供の夢の為に頑張ることが出来る生き物だから」

「父さん」 

「辛かったり寂しくなった時には帰ってきてもいいし、意中の人と結ばれて孫と一緒にお年玉をねだってきてもいいんだよ」

 

 

 それは彼なりの優しさであった。父親知らずで母の星野アイに捨てられて2人にとって親の愛情は渇望しているもので狡噛は常に子供たちのことを優先にしてきた

 

 

「じゃあ来年のお年玉を増額を…」

「期末テストでクラスの平均的よりプラス10点なら、問答無用で増額するよ」

「5点はダメ?」

「10点だ」

「御慈悲を!せめて7点で」

「駄目だ!」

 

 

 かと言って甘やかすことはしない魔法使いであった。なおアクアは自分で設定した高い目標を達成したらお年玉額を上げることを希望し小学生から9年連続でチャレンジに成功している

 

 

 

「じゃあパパの将来はどうなのよ!」

「今から大学に行けってか」

「モウッ!分かって言ってるでしょ?お姉ちゃんとの将来のこと、意識してるんでしょ?」

 

 

 ルビーが口にするように彼も吉祥寺のことを異性として見ている。しかし友人関係が長く続いたこともあって踏ん切りがつかなかったが、前回のデートの終わりに軽く手を握り合ったことで重い扉がようやく開きそうになってきた。娘以外に自身の秘密を明かすには彼女だと思っている

 

 

「否定はしないよ」

「じゃあお姉ちゃんをママって呼ぶ日も」

「あとは互いの勇気があればね」

「ヘタレ」

 

 アクアのツッコミに撃沈する父親だが血の繋がらない親子3人は今日も仲良しだった

 

 

 

 

「どうしたのパパ?」

 

 晩御飯の片付けを終えて、彼はZOOMで佐賀の調教師との話し合いを済ませるとルビーが顔を覗かせて来た

 

「少し気になっていることがあって、未成年のルビーには難しいことだが」

「言ってみて、答えが出なくてもヒントぐらいは出せると思う」

「そうだな」

 

 

 話の内容は以前ここに黒川あかねが訪れ『MEMちょのことを助ける義理は無い』と口にしたことで、自分の選択は正しかったのか?というものであった。あの場では勢いもあったが自分の信念を曲げることを否定した

 

 

「だってそれはパパが考えた結果なんだよね」

「そうだ」

「なら、それでいいと思う!だってパパがMEMちょを助ける理由って存在しないじゃん。知り合いの知り合いだよ、助けていたらキリがないよ」

 

 

 魔法で彼女との視野を共有しているが、間違った対処により現在進行形で苦しんでいる。情に絆されてしまった訳ではないが心苦しいものがある

 

 

「もし煮え切らないのなら色んな人の意見を聞いてみたら?そこから答えを導き出して方針を転換しても良いと思う。だって私たちは感情で動く人間だよ、答えがコロコロ変わっても問題ないよ」

「娘に諭されるとは、歳をとった証拠だな」

 

 彼は店のドアを開けて外に出ると周囲に誰も居ないこと確認した。

 

 

「戸締りを頼む、ちょっと遅くなるかも」

「そう…分かった。お兄ちゃんは騙しておくから心配しないで」

「娘を噓つきに育ててしまったかな?」

「噓も方便って言うでしょ」

 

 

 返してくれた言葉に微笑みを浮かべ、彼は夜空に向かって飛び立っていった

 

 

「父さんは?」

「町内会の会合だって、ゴミ捨て場のカラス対策の予算会議って言ってた」

「そうか」

「ねぇお兄ちゃん、今日は一緒にお風呂に入ろうか?アビ子先生との仲を…」

「寝言は寝て言え」

 

 

 

 

 夜空を舞う狡嚙はスマホで今1番会いたい人に向けてLINEで文字を打ち込んでいた

 

『話したいことがあります。ドライブに付き合ってもらえませんか?』

 

 すぐに既読がついてOKの返事をもらった彼はネットショッピング能力で、とあるモノを注文しアイテムボックスの中に突っ込んだ

 

「大人2人なら箒よりこっちだよな」

 

 

 

 彼からの突然の誘いに困惑した吉祥寺は身なりを整え、鏡に映る自分の姿を見ていた。文面にあった話したいことって何だろう?まさかと思いながら心音をときめかせているとチャイム音が鳴り、ドアスコープを覗いて彼がやってきたことを確認し、外に出た

 

 

「あれパーキングはあっちですよ」

「そっちじゃなくて、こっちでいいんですよ」

 

 彼女の住む部屋から少し歩いた先にある空き地に足を踏み入れる吉祥寺は周囲をキョロキョロと見渡すが、どこにも車なんて置かれていない、狡噛がバイクに乗ることも聞いたことが無い

 

 

「ドライブですよね?車なんてどこにも」

「見ててください」

 

 彼は指を”パチン!”と鳴らすと吉祥寺の目の前に大きな絨毯をアイテムボックスの中から取り出した。あまりにも唐突なことで思考が止まってしまう彼女はリアクションが出来ずに口を開けていた。

 

「土足でいいですよ」

「えっ、っちょっと、この絨毯ってどこから」

「大丈夫ですって、ちゃんと日本の職人が作ったメイドインジャパンですから」

「いや、そうじゃなくて」

 

 先に絨毯の上に立っていた彼は吉祥寺の手を引っ張り、絨毯の上に乗せて座らせると

 

 

「じゃあ行きますよ!」

「行くって、どこに?」

 

 その瞬間、浮遊する感覚に陥った彼女は恐るおそる下に視線を向けると

 

とっ飛んでる?ちょっと待ってこれって夢なの、なんで!

「暴れないでくださいね。空飛ぶ絨毯の対人対物保険なんてありませんから」

「マスターさん!どうなっているんですかこれは?」

 

 その質問に答えるために彼はくるりと回転しポーズを決めると

 

 

喫茶店のマスターとアクアとルビーの父親でその正体はこの世に住まう魔法使い、狡嚙慎司です

 

 

 この世で2人目、自分の秘密を明かしたのであった

 




昨日のアンケートですが、有馬かなちゃんのハッピーエンドを希望するのが多くいましたので、そっち路線にします。今すぐには出来ませんが完結する頃には幸せになっていると思います

感想ありがとうございます。
誤字訂正もありがとうございます
これからもよろしくお願いします。

次回作を作る時に途中まで原作と同じ流れだったら、すっとばしても良い?

  • OK 原作を知ってるから問題無い
  • NG やっぱり最初から全部読みたい
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