【完結】転生した魔法使いが金髪の双子を育てる 作:大気圏突破
とりあえず自分の卒業した高校(3年間でボヤ騒ぎが11回起きたところは前期・後期だったので)を準拠にします
家族揃っての晩御飯にて、店にやって来た不知火フリルからの提案を口にした彼は周囲にいる3人の回答を待った。妻と娘は即答でOKの返事を出したが息子は顎に手を当てて考え込んでしまった
「アクア?」
「お兄ちゃん?」
2人からの問い掛けにアクアは顔を上げて自身に視線が集中していることに、ようやく気付いた
「ちょっと考えことしてて大丈夫だ問題無い!」
その言葉に安心した面々はホッと息を吐いて安心する。流石に息子1人を置いて旅行に行くほど薄情ではない。またルビーは同行するメンバーにグラビアアイドルの女の子を入れることを両親と交渉している
「(宮崎か…アイと出会った)」
フリルへの返答は翌日の学校でルビーが知らせることで決まり晩御飯は終わりとなった。初めての家族揃っての旅行は準備の段階からウキウキであった。そしてこのことを知った人気漫画家は
「私も行きます!」
「いや、俺にじゃなくて父さんたちに言ってください」
「私だけ留守番なんて嫌なんです」
アクアは宮崎旅行のことをアビ子に伝え、期間中にアシスタント業務が出来ないことを口にすると目の前にいる雇い主は顔を紅潮させて抗議をしてきた
「締め切りはいいんですか?」
「大丈夫です。多分…物理的には」
読者の中にも経験があると思いますが『物理的に大丈夫』というのは大丈夫ではありません。例えるなら100メートルを10秒で走れるなら1キロを100秒で走ると同義である。一応アビ子のことを擁護すると原稿そのものは前倒しで終わらせてあるが、お盆前の合併号でスピンオフを1本執筆中なのでスケジュールは割とカツカツだ
「漫画家にも息抜きが必要なんです」
「それはそうですが」
「だから頑張りましょうアクア君!」
結局アビ子の圧に負けてしまい、栄養ドリンクやエナジードリンク片手に原稿を描きこむ姿を見たアクアは”やれやれ”という感じで軽く息を吐いて父宛てに『スタミナや疲労回復に繋がる料理』をリクエストする。なお執筆中の彼女は6部の終盤に起きた時間加速中に涼しい顔で作品を仕上げる岸辺露伴レベルの勢いで脳内にあるイメージを原稿に落とし込んでいた
「家族旅行で宮崎か」
「えぇ、ちょっと大所帯になりましたが」
旅行を1週間後に控え学生たちは夏休みに突入していた。陽東高校は前期・後期の2期制なので通信簿の配布はなかったが、ルビーは中間テストで平均点ギリギリだったので休み明けの期末テストが大事なのだが本人はどこ吹く風なのか、フリルの紹介で彼女の所属する事務所の清掃スタッフとして短期アルバイトで働きながら有馬かな宅に弁当を届けて小遣い稼ぎをしてる
「大輝が聞いたら”俺も行く”って言いそうだ!」
「流石にドラマの撮影中は無理でしょ」
金田一にアイスコーヒーを出した彼は笑みを浮かべながら対応をしている。既に表のドアに旅行期間中に休む知らせを貼りだしているので問題は無い
「劇団はどう?」
「新しく入れた奴等が良い刺激になってる。貪欲な団員共は片寄や有馬のところで意見を交わしながら前に進んでいるな、1人を除いて」
コップの中を空にして口の中入れた氷を嚙み砕くと冷たい息を吐いた。その1人は両者が知る人物であり、しばらく劇団を離れて間違った介護をしていた黒川あかねのことである。
「やっぱり浮いてるのか?」
「壁が出来たというべきか溝が深まった。まぁ仕方がない自分で蒔いた種だ、枯れるか刈り取るか燃やしても昔のように戻ることはない」
狡噛もこれ以上黒川あかねに深入りすることはない。魔法使いは万能だが全てを解決する正義のヒーローという存在になる予定はスケジュール帳に書かれていない
「そうだ!これこれ」
懐から厚めの茶封筒を出すと狡噛の目の前に差し出した
「これって?」
「結婚祝いだ!旅行の足しにでも使ってくれ」
「でも、こんなにも…」
お祝い金だとしても額が大き過ぎる。せいぜい半分でも十分だと思えるが金田一は彼の二の句を手で制すると
「これは今までの感謝も込めている。大輝にとってお前は年の離れた兄貴みたいなものだ!両親が揃って他界した頃のアイツは全てに絶望していた。だがここに来るようになってから少しずつ光を取り戻していった」
「それは大輝君が…」
「だからこれは、俺と大輝の気持ちだ!下げることは決して許さねぇ」
その言葉を受け取った狡噛は金田一に対して深々と頭を下げて感謝の意を示した。自分たちも誰かに支えられて今を生きていることを実感したのであった
「ねぇルビー」
「なんですか先輩?」
有馬家に弁当配達を終えたルビーは自宅に帰ろうとしたが、呼び止められてしまい部屋に通されるとテーブルにジュースが置かれた
「アクアが言ってたことなんだけど、2人って―――」
「私たちが赤ちゃんだった頃にパパが引き取ってくれたの」
少し言いにくそうだったのでルビーが先に答えを口にした。有馬は少し身を縮ませると小さい声で謝罪の言葉を述べるが彼女は気にしていない顔だった
「ってことは、21か22ぐらいから?」
「うん、お兄ちゃんと違って小さい頃からパパに迷惑ばかりかけちゃって」
「なんとなく想像出来るわね」
「でも見捨てることなんてしなかった。多分だけどやりたいことが沢山あったはずなのに全部後回しにて育ててくれた」
ルビーは過去を振り返り父親との思い出を脳内のアルバムから引っ張り出していた。誰よりも早く起きて2人分の弁当を作り、運動会の親子二人三脚でアクアと全力疾走した直後に自分と組んで死にそうな顔をしながらゴールへ向かい、時々2人だけで夜空のドライブを満喫していた
「(そういえば、初めて飛んだときに赤髪の小さい女の子が車に乗っていたような?)」
当時の記憶と目の前にいる有馬を重ね合わせようとするが、10年以上前のことで記憶もあやふやである。とりあえずそのことは棚に仕舞って鍵と南京錠を使って密閉した。
「だからパパには幸せになってほしい」
「そう、教えてくれてありがとう」
礼の言葉を口にすると今度はルビーの方から黒川あかねについて尋ねられた
「子供の頃にひと悶着あってね、別に最悪の関係じゃないけど」
「実は黒川さん、少しの間だけ店で匿ってて」
「なによそれ?」
終わったことなので秘密にするつもりはなかった。飛び降り未遂から事件の終わりまでのことを有馬に教えると彼女は腕を組んで黙ってしまう
「先輩?」
「助かって世間からの評価を戻したのに、あの役者馬鹿」
「やっぱり…浮いているんですか?」
その問い掛けに頷いた彼女を見てルビーの顔は曇ってしまう。折れ線グラフが下降から右肩上がりで上昇していくはずだったのに自身の手で再び下げてしまったからだ
「こっちも自分のことで精一杯だから、あいつを引き上げるのは無理よ!」
「それでいいと思います。先輩はこれから上に向かって階段を駆け上がるんです」
「ちょっと停滞して足腰が弱くなっているから、地道に1段ずつだけど」
「有名になったら、役者仲間を連れて店に来て、売り上げに貢献してくださいよ」
「言ってくれるわね」
女子会が終わり帰宅するルビーを見送った有馬は彼女に言われたことを反芻しつつ、自分の今後について思案していた。
「(アクアって結構カッコイイし、しかも気配り上手で私の食生活について気に掛けてくれた。それにアイツが店に連れてきてくれたから今の私が存在する。もしだけど職探しに困っていたらマネージャーになってもらおうかしら?寺田さんもアクアのことを気にかけていたみたいだし、そのまま家庭に入ってもらって支えてくれれば)」
彼女は知らないアクアに鮫島アビ子がいることを、別にこの2人は恋人関係ではないが何も知らない赤の他人から見ればカップルに見られてもおかしくない。有馬の恋は失敗に終わるとここで断言させてもらう。色恋に溺れるのではなく女優として煌びやかスポットライトを浴びるのが彼女の進む道である。だからアクアのことは諦めなさい!欲張りは身を滅ぼすから
「娘のことをお願いします」
空港で母親を伴って現れたフリルは挨拶を済ませるとルビーと寿みなみの所へ向かい宮崎での予定を確認していた。大人たちは社交辞令の言葉を交わし手続きや忘れ物が無いか確認をしている。なおアビ子は狡噛家にて日付けを跨いで原稿を仕上げたことで寝ぼけ眼状態でアクアの隣に座って爆睡している
「こちらのワガママを聞いてくださって本当にありがとうございます。フリルがご両人のことを度々口にしていましたので」
「4人揃っての家族旅行の口実が出来たので問題無いです」
搭乗時間が近づき各々が最後の確認をして歩を進める。アクアたちが産まれ、父が救えなかった命と出会った宮崎へ、物語はこれからどう進むのだろうか?とりあえず夫婦で夜の営みをする際は消音魔法を使おうと考える魔法使いであった
有馬記念の枠順がでました。
結構前に「G3勝ちの15番人気が波乱」と書きましたが今の想定オッズだとアラタが15番人気で勝っている重賞もG3の福島記念だけなんですよね。フラグかな?
土日は有馬記念に集中するので執筆は殆ど出来ませんが、会社の冬休みなので大丈夫です。
感想ありがとうございます
誤字訂正もありがとうございます
頑張れエキサイトバイオ
次回作を作る時に途中まで原作と同じ流れだったら、すっとばしても良い?
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OK 原作を知ってるから問題無い
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NG やっぱり最初から全部読みたい