龍とチェンソー   作:とある1人

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はいはい7話です。

 サムソと同じ様な武器でチャンバラして欲しいなーって
 



7話 鬼火

 東京駅から離れた新幹線から見える景色は

 立ち並ぶビルから豊かな緑へと変わっていった

 

 東京公安対魔特異4課のリーダーであるマキマは

 京都の上役との会食のため東京から離れていた

 

 「京都に何時に着くんだっけ?」

 

 「あと30分くらいですね」

 

 「…京都の偉い人達と会いたくないなぁ

   ご飯は穏やかな気持ちで食べたいのに」

 

 窓の外の緑は絶え間なく後方に流れていく

 

 「この前のお酒美味しかったなぁ……」

 

 気怠げに流れる景色を眺める

 

 

 

 

  パンッパンッパンッ

 

 

 

 

 乾いた音が静寂を切り裂いた

 流れる血が座席を赤く染め上げた

 

 

 

 「こちらC班こちらC班」

  

     「開始」

 

 

 _______________

 

 

 任務中の昼休憩にいつものラーメン屋にいた

 今日は珍しくデンジ、パワー、早川、姫野、俺

 の5人で行動してる

 

 小気味よい音を立てて口に吸い込まれる麺は

 ストレートで塩味のスープとよく合っている

 

 「うめェなぁ」

 

 「タツトお前本当によく食べるな」

 

 早川が俺の前に並べられた

 塩ラーメン 野菜多め チャーシュー追加

 チャーハン大盛り

 餃子二皿  杏仁豆腐

 を見て言う

 

 「そんなことねぇよ、なぁデンジ?」

 

 「え?いやフツーはそんな食えねえと思うけど」

 

 「…え?そーなの?」

 

 これでやっと8分目くらいだぞまじか

 

 「そうじゃタツトはデブじゃデブ」

 

 「デブじゃねぇよ!……デブじゃねぇよな?」

 

 「まあ見た感じ太ってないから平気でしょ」

 

 「よかった〜」

 

 姫野が言うならデブじゃねぇんだろう

 

 「てかそんなに食べてよく太んないよね、何で?」

 

 「それは俺も気になる」

 

 「さァな?タイシャ?がいいんじゃね?」

 

 「なにそれ〜ずるくない?

  私だって体重気にせずに食べたい〜」

 

 雑談に花が咲く

 

 

 「ん?、なんだこん音……」

 

 よく聞くと乾いた銃?みたいな音が聞こえてきた

 

 「知らんとは愚かじゃの…太鼓の音じゃ」

 

 「太鼓?とは何かちげぇ様な…」

 

 「いや、太鼓じゃワシが間違ってるとでも?」

 

 「う〜ん?」

 

 うんうん頭を捻って考えてもわかんねぇな

 

 「まァいいか」

 

 気を取り直してチャーハンに向き合った

 

 その音が合図だったのか

 突然隣の席の変なモミアゲの男が喋り掛けてきた

 

 「ここのラーメンよく食えるな……味酷くないか?」

 

 「……は?」

 

 思ったより憤りを孕んだ低い声が出た

 

 さっきまでのほんわかした雰囲気が

 どっかに走っていった

 代わりにやってきたのは吹雪だ

 

 背筋が凍る様な低い声を聞いて

 全員の動きが止まる

 それに気づかない男は続ける

 

 「幼少期に同じような味のモンしか

  食べてないと大人になってバカ舌になるらしい

  まぁ、ここの飯はバカ舌関係なくマズイけどな」

 

 「フゥー」

 

 苛立つのを抑えようと息を吐き出す

 デンジ達はビクンと怯えたように反応した

 まだまだ話し足りないようで男は続ける

 

 「俺のじいちゃんは世界一優しくてな

  こんな汚えところじゃなくて

  綺麗で高い店で食わせてもらってたな〜」

 

 その場には男の話し声が反響していた

 

 「じいちゃんはヤクザだったけど

  正義のヤクザでさ…

  女子供も数えるほどしか殺したことないんだと」

 

 男はそこまで話すと何かを

 コートの中から探す

 しばらくゴソゴソと探して見つかったようで

 

 「み〜んなに好かれた江戸っ子気質の

  いい人だった…

 

  デンジ、タツトお前らも好きだったろ?」

 

 見せられた写真には見覚えのあるジジイが

 特徴的なモミアゲの子供と写っていた

 

 「誰だっけソイツ?」

 

 「そうか…

 

 

 

  …銃の悪魔はデンジの心臓が欲しいんだとよ」

 

 懐からピストルを取り出し

 こちらに発砲しようとした

 

 タツトは一瞬でピストルを奪い取ってへし折り

 男を入り口の方に思い切り殴り飛ばした

 

 「オイ!お前ら動け!敵だ!」

 

 今の今まで彫刻のように動かなかったデンジ達が

 ハッとしたように慌てて戦闘態勢に入った

 

 「お前らなんで喋りだした時点で

  怪しいと思わねぇんだよ!?」

 

 「タツ兄が怖すぎて動けなかったんだよ!!」

 

 「へ?」

 

 入り口は派手に倒壊していて粉塵が舞っている

 ゆらりと人影がうごめいた

 

 「ッ隠れろ!」

 

 早川が咄嗟に指示を出した

 その瞬間弾丸が粉塵の中から降り注いだ

 早川と姫野は柱の陰に

 デンジとパワーは机を倒してその後ろに

 一方俺は…

 

 「タツ兄!?」

 

 弾丸の雨の中を一歩ずつ歩んでいく

 体に当たった弾は体の中には侵入せずに

 弾かれて床に散らばっていく

 

 段々と飛んでくる弾が減っていき

 無くなると同時に粉塵も晴れた

 そこには確かに殺すつもりで

 殴った筈の男が立っていた

 

 「学が無い奴はすぐ暴力に訴えやがる」

 

 「あっれー?殺すつもりで殴ったんだけどなぁ」

 

 「大人しくデンジの心臓を寄越せ

  そうすれば楽に殺してやるよ」

 

 「え〜…?やだ」

 

 一触即発の空気が流れる

 リロード中のカチャカチャという音が

 やけに大きく聞こえた

 先に静寂を破ったのは男だった

 

 「そうか…じゃあ死んでくれ」

 

 「いやだね」

 

 再び銃弾がタツトに降り注ぐ

 今度はその辺にばら撒くのではなく

 的確にタツトを狙ってきた

 

 「銃如きで殺せる訳ねぇだろ」

 

 心底飽きたようにあくびを

 噛み殺しながら男を紅い目が見据える

 

 再び弾丸を込め始めた雑兵を見て

 

 「ヤクザってのは馬鹿しかいねぇのな

  その『じいちゃん』ってのも

  相当間抜けだったんかね」

 

 ポロリと溢れた

 

 その言葉に額に青筋を立てた男は

 左手首を掴む

 

 「…そうかそうか銃は効かねえか」

 

 

 

 

 

 じゃあ斬り殺してやるよ!!

 

 

 

 群れた雑魚が粋がってんじゃねぇぞ!

 

 

 

 

 

 

 タツトはニヤリと笑い

 二の腕の鱗を剥がして噛み砕く

 

 腕が甲冑のような紺藍色の甲殻に覆われ

 その間に突起のように梔子色の甲殻が立ち並ぶ

 

 両手の小指の爪が発達し

 刀のような爪が肘あたりまで伸びる

 腕刃といわれるそれは妖しく輝いている

 

 頬には面頬のように甲殻が発達し

 牙によって鬼のような形相をしている

 

 尾骶骨の上辺りから十文字槍の様な尻尾が伸びる

 

 体の随所から紫色の鬼火が立ちのぼる

 

 怨念に満ちた亡霊武者を彷彿とさせる

 その姿は日本にも出現した怨虎竜の姿だった

 

 

 

 男の方も負けじと左手を引き抜く

 

 頭を上下に等分するように刀が生えてくる

 

 両手の人差し指と中指の間からも刀が生えてくる

 

 服装はいつの間にか軍服に変わっていた

 

 

 

 

 「ほら来いよ斬り殺すんだろ」ニヤニヤ

 

 「お前っ!!」

 

 刀を振り回しながら突っ込んで来るのを

 両手の腕刃で受け止めてガラ空きの

 土手っ腹に中段蹴りをお見舞いしてやった

 

 「ガハッ」

 

 モロに食らった男は通りの反対までぶっ飛んでった

 

 しゃなりと尻尾が揺れると菫色の鬼火が

 男に向かって飛んでいく

 

 なんとか蹴りを耐えた男が

 飛んできた鬼火を弾き飛ばそうとした瞬間

 

 

 ドカン!

 

 

 鬼火が炸裂して爆発した

 

 上に吹き飛んだ男を見て

 タツトも足元の鬼火を利用して一気に飛ぶ

 

 その勢いのまま尻尾の十文字槍で腹を貫き

 地面に投げつけた

 

 大きな音を立ててコンクリートの地面が陥没した

 

 「ぐっ…」

 

 「あっれ〜まだ生きてんの?

  フツーだったら死んでっと思うけど

  …まァいいか」

 

 トドメを刺そうと腕刃を振りかぶる

 

 パンパンパン

 

 「ハァ、さっきから鬱陶しいんだよ

  そんなモンを人に向けちゃあいけねぇって

  教わんなかったかぁ?」

 

 ヒヤリとする視線を向けられた2人は

 

 「ヒッ」

 

 と息を呑んだ

 

 …それが生死を分けた

 

 

 姿勢を低くしてタツトは駆け出した

 

 次の瞬間に一人目の伸びた腕に向かって

 ボクシングのワン・ツーのリズムで

 三日月を描くように下から右腕刃で一閃

 左腕刃によって胴体が横一文字に薙がれた

 

 くるりと体を回転させて尻尾の尾刃で

 二人目の両足を断つ

 

 「アッつあっ」

 

 「よかったなベンキョーになって

 

  じゃ、さいなら」

 

 グシャリと頭蓋骨と脳みそが潰れる音がした

 

 「あ〜クソ、トドメ刺さねぇと」

 

 脳髄と頭蓋骨で汚れた右手を振り払って

 動けないであろう男に向かった

 

 その横を金髪の赤いパーカーの女が横切った

 

 「アッお前、ソイツ危ねえぞ!」

 

 「アンタいい動きだね、本当に人間?」

 

 「ハァ?何言ってんだソイツは……はあ?」

 

 満身創痍だった男が無傷でこっちを睨んでた

 

 「どうして負けた?」

 

 「油断した…マジで油断した」

 

 「えぇ~デンジと同じで不死身ってやつ?」

 

 ダリィなと心の中でボヤいた

 

 「ア〜オマエ、さっきの言葉を撤回するつもりは?」

 

 「え?」

 

 「このラーメン屋マズイって言っただろ!

  美味ぇからな!お前の舌がおかしいんだよ!」

 

 「……撤回しない」

 

 「そーかそーか

 

  じゃあ美味かったって言うまで殺してやるよ!」

 

 

 そう言い残しタツトの姿は消えた




マガイマガドいいっすよね!
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