鋼鉄転生 作:サリーズ
あれからまた年月がたった
自分の名前は「ヴァルカン・スターク」という名前らしい
なぜだろう、スタークと聞くと空を飛ぶ金持ちの事が頭をよぎる・・・いやまて、それはそれでありかもしれないな・・・夢が膨らんできた
今の自分は年数は正確ではないが恐らく4歳ぐらいであろう
1年前鍛冶場に入ったのをきっかけに自分も鍛冶場に入ることを許された
とは言え見る事しか許されていない
いやまぁ子供にわざわざ槌使わせる間抜けはいないだろ
本来であるならば子供も許されないのだと母親は言う
ただ、この世界の信仰の1つというか、言い伝えで子供の頃に鍛冶場に来て鍛えし刃をまっすぐ見る子は将来、鍛冶師として大成するというのがあるらしい
自分は刃ではなく炎に目を取られたんだが・・・とは言え鍛冶場を見れるのはありがたい
そして基礎的な事を教わっていった
剣と魔法の世界、ミリス教の教え、ラプラスやペテルギウスのお話を
正直、今僕はワクワクしている
だが同時に1つ不安なこともあった
魔法には個人差があるという話だった
「果たして僕に魔法使えるのだろうか?」
そう思いながら振るわれる槌と鉄を見ていた
「炎の調べを今ここに
この鉄を刃に この刃を剣に
そういいながら炎を出しまた鍛え上げ、これもまた素晴らしい一振りとなっていく
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夜、父と母が夜伽をしている間自分は天井を見上げていた
一応この世界にも魔法が使えない人はいるらしい
だが鍛冶師は魔法が使えなくても出来る事は出来るらしい
だが転生したと言うなれば、魔法ぐらいは使えるものと思いたい
試しに例の詠唱を唱えてみた
「炎の調べを今ここに
この鉄を刃に この刃を剣に
だが、炎はでなかった
やはり何かしらの修行は必要なのだろう・・・自分はガックシとしながらその日は眠りについた
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翌朝、自分は再び鍛冶場に足を運んだ
今日はパウロ・グレイラットという方からの剣を鍛え直す作業であった
それにしても自分の母親が父親がいるのにパウロに黄色い声援を上げてたりしてるのを見るのはなんとも複雑である、アイドルに夢中になる親を見ている気分をここでも思い出すとは思いもしなかった・・・
それにしても
後で知ったことなのだがこのブエナ村はアスラ王国という所の1つ、そしてアスラ王国の貴族の性には色と動物の名前を組み合わせたものが多いとのことだ
ならば「スターク」は一体?
まぁ少なからずとも貴族の何処か遠い親戚とかそんな感じであるとは思う
まぁ、この事はいずれ分かることだから深くは考えないでおこう
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そして自分は5歳の誕生日を迎えた
なんでもこの世界には5歳10歳、そして15歳となった日に誕生日を祝う風習らしい
そして5歳の自分に送られたプレゼントは2つ
まず一つは子供用の槌であった
そして2つ目は魔法に関する本であった
なんでもグレイラット家の者にも1人息子がいるそうだが、その息子が魔法を家庭教師から習ったそうで必要なくなったとのことだ、その際にパウロ・グレイラットが「今までのお礼」として渡されたとのことだ
そして自分は試しにその本に書いてあった「スプラッシュ・フロウ」という魔法を唱えてみた
しかしこれが間違いであった・・・
結果で言えば魔法は発動した
しかし問題なのはその威力であった
結果として家には大穴が空いたのである
以後魔法に関しては10歳になるまで両親の監視下以外ではつかってはいけないとなった
まさか唱えるだけで使えてしまうとは
ちなみに前に唱えた
そりゃあ使えないわけだよ・・・
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そして次の日から本格的に仕事を手伝えられるように鍛冶を教えられていく
基本的には槌を振り方、鍛冶に関する魔法等etsetora・・・
自分はこの事ついてはそれ程辛いと思ったことはなかった
寧ろワクワクが広がっていったと思う
やりたいことが多すぎる
そしてそれを学び始めて1ヶ月後
「・・・息子よ、もう教えることがなくなってしまったぞ」
教えることがない、そう言われてしまった
くッ、いくら前世の知識があるからと行って1から教えられて100も理解してしまってはこうなるのも必然だった!
なんだったら父親が母親に向かって「自分の息子の才能が怖すぎる」と言われてしまったレベルである
それを自分が聞こえていないところで言ってほしかった()
なにはともあれ仕事を任せてもらうようになった
初めての仕事はパウロ・グレイラットの剣の鍛え直しだ
なんでも硬い皮膚の魔物を斬った影響で酷い刃毀れを起こしてしまったそうだ
「それでヘファイス、コレどうにかなるか?」
「ふ~む・・・これはこのままじゃゴミだぞ」
「マジか~・・・なら新しいのを頼めないか?」
「・・・いや、この際だ、お代はいいからこいつを鍛え直させてもらってもいいか?」
「あ?そりゃあ構わないが、いいのか?」
「あぁ、ただしやるのは俺じゃねぇ・・・ヴァルカン」
「はい、父さん」
そういいながら剣を受け取る
「あ?ちょい待てへファイス、まさかヴァルカンにやらせるのか?」
「心配はいらねぇさ、やってみな」
「はい」
そういいながら、炉に炎をつけ、そして剣から柄を外して刀身の状態にした
そして刀身を熱した後に金床に置いて、父親が作った専用の固定機で刀身を固定して槌を振るい始める
カァン!!・・・カァン!!
自分はその槌に精一杯の力を、否魂を込めていく
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
思い出すは父の教え
「いいか?俺達鍛冶師は剣と対話するんだ」
「対話?剣と?でも剣は喋らないよ?」
「何も言葉で話すが対話じゃない、戦士と同じさ
奴等は剣で互いの思いを伝えるが俺達は槌を介して剣から言葉を聞き、それを振り下ろして剣に言葉を送るのさ」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
その教えを胸に、自分は刀身を鍛え直す
そしてある程度の音に成った時、刀身を鍛えるのをやめ、水の魔法で冷やし刃を研ぐ・・・そしてパウロの剣の柄と刀身を1つにした
「出来ました・・・」
そういいながら振り向く、かかった時間はおよそ半日であった
「おいおい大丈夫か?」
「なら試しに外の試し切りの人形で振ってみろ」
そう言われ、試しとして試し切り用の木偶人形で試し切りする事となった、結果は・・・
ザシュッ・・・
ずさぁあああぁ
「・・・」
成功だった、パウロの口がとてつもなく開いていた
「おいおい、これ前の剣より凄いじゃねぇか!?」
「だろ?流石俺の息子だ」
「あ、でも硬い魔物相手に使うときは気を付けて下さいね」
「あ、ああ、でもこれ凄いぜ・・・」
そういいながら剣を鞘に収めるパウロであった
「全く、ルディといい、最近の子供はすごいな」
「?ルディ」
「あぁ、俺の息子さ、2週間前水聖級魔術師になったんだ」
「あぁ!?水聖級だってぇ!?だってルーデウスはまだ5歳だろ!?」
「あぁ、それに大人びていてなぁ・・・この前の失敗も相まって正直、親としての自信を失ってるよ」
「へぇ~」
「そういえば、ヴァルカンお前友達は?」
・・・
「・・・こいつ?」
そういいながら槌を見せる
「・・・へファイス?」
「・・・すまん、鍛冶場を見たから鍛え上げようとしたんだがあまりにスルスル教えを吸い込んでいくもんだから・・・そのぉ」
「かかりっきりで教えて外で遊ばせなかったと?」
「あ、ああ」
「なんじゃそりゃ」
そういいながらパウロは笑う
べ、別に仕事場での人間関係だけで充分でボッチじゃねーもーん・・・なんか悲しくなってきた()
「・・・じゃあヴァルカン、明日うちに来てルディと遊んでやってくれないか?」
「まぁいいですけど」
「良し、決まりだ」
そう言われ、明日グレイラット家に行くこととなった
にしても僕とほぼ同い年で凄い才能、尚且つ大人びてるか・・・まさかね
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
翌日、僕はパウロさんに釣れられてグレイラット家にお邪魔することとなった
「お~いルディ」
「はい、なんでしょうか?」
そういいながら2階から金髪の男の子が降りてくる
その時、なぜかと言われれば直感としか言えないのだが、瞬時にわかった
「同じ」だと・・・
「何でしょうか?父様」
「ルディ、こいつはヴァルカン・スターク、お前の友達にいいかと思ってな」
「ヴァルカン・スタークです、よろしくお願いします」
「スタークって、もしかしてへファイスの息子さん?」
「そうだ、そして多分1番長い付き合いになると思うぞ」
「?それはどうしてですか」
「これさ」
そういいながらパウロが示すのは昨日俺が鍛え直した剣であった
「昨日タダで鍛え直してもらえたんだが、この年で凄い才能でな、正直これから俺の剣はこの子に鍛え直してもらおうと思ってな」
「へぇ~凄いじゃない」
「あ、ありがとうございます」
そう言われながら頭を撫でられる
いやぁ、パウロさんの奥さんは凄い美人さんだ
正直僕の母さんと比べても9:1でパウロさんの奥さんが勝つだろう
「?でも父様、それならなぜ僕の友達にちょうどいいと?」
「それが、へファイスの野郎この歳迄家から出さなかったそうだ」
「あ、それは違いますパウロさん」
「あ?」
「自分は鍛冶場が好きだったので家から出なかったんです」
「そ、そうなの?」
「はい、鉄が刃に、刃が剣に、変化していく姿と父さんの真剣な眼差しが好きで鍛冶場に行ってたんです」
「へぇ~・・・じゃあある意味僕と同じですね」
「?ある意味」
「あぁ、こっちの話です」
「ま、まぁそんなで友達がいないそうだ、お前もまだ友達はあの子だけだろ?だったらヴァルカンとも友達になっておいたほうがいい
少なくとも鍛冶師と知り合いなのは良いことだしな」
「そうですね、じゃあヴァルカン、友達になりましょう」
そういいながら右手を差し出してくる
「・・・はい、友達に」
自分はその右手に右手を差し出し、握手をする
「改めて、ヴァルカン・スタークです
得意な事は鍛冶で魔法も凄いですがこの前失敗をしてしまって、親の目が届かないところじゃ魔法を禁じられてます」
「?失敗ですか?」
「実は、前にパウロさんからもらった例の魔術書の魔法を唱えたら簡単にできちゃって、その際に家を壊しちゃったんです」
そういいながら黒歴史を暴露し自分から落ち込んでしまう、なぜこれを僕は今言った()
「?あなた、それってルディが前に見てた本よね?」
「あ、ああ・・・え!?お前もか!?」
「へ?」
「凄い・・・僕と同じですね!」
「えっ!?ということはルーデウスも?」
「あ、アハハ・・・」
そういいながらルーデウスはバツが悪そうに頭を掻く
それはパウロもだった
「おいおい、天才がここに2人も揃っちまったぞ」
「まぁ凄い!!ロキシーちゃんもここにいたら絶対驚くわね!」
「?ロキシーちゃん?」
「僕の師匠です」
「ルーデウスの?」
「はい!とても尊敬できる師匠です!!」
「へぇ〜・・・!だったら僕にも教えてよ!ルーデウスのお師匠様が教えたという魔法を!!」
「え?でも・・・」
「いいんじゃないか?へファイスのところには俺が説明してやるからよ、子供同士とは言えルディは水聖級だし、大人びてるからな、危険なことはさせないだろうよ」
「勿論です、あ、ならば父様、シルフにも教えてよろしいですか?」
「ん?勿論だ、ロールズには俺から説得してやるよ」
「ありがとうございます!!」
まさかここで自分の師匠が見つかるとは・・・それにしてもルーデウス、やっぱり僕と「同じ」だろうな・・・でも間違えた時、もしくは転生をしていても生前の記憶は無くなっているという場合だったらどうしよう・・・よし、さり気なく向こうの単語を行ってみてそれで判断を下すか!うん!
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それから約1年が経ったと思う
僕は鍛冶場にてパウロを始めとして様々な騎士の剣を任されていった
正直、ワクワクしていた頃が懐かしいと思う
今はただ単純に剣を打つだけになってしまった
まぁ、父さんにその事を話したら「友達ができたんだからそう思うようになっても仕方ない」だそうだ
鍛冶とはそういうものなのだろうか?まぁそんな事は深く考えないでおこう
今僕は今日の分の手伝い?を終わらせて大木の方へ向かっている
いつの間にかそこが集まり場になっていったからだ
集まり場と言っても来るのは僕を外して2人だけだ
まずルーデウス・グレイラット、ルーデウスはある意味僕の師匠でもあり友達でもある
そしてもう1人、シルフィエット、彼女は僕とルーデウスが友達になる一週間前に既に友達になっていたそうだ、正直最初は少年と思ってしまったがシルフィエットの事を父さんに話すと女の子と言うことを告げられた
いや、仕方ないじゃないか
だってシルフィエットの事をルーデウスは「シルフ」と言っていたのだから
そんなシルフィエットとだが、最初はやはり壁はあった
なんでも最初は緑色の髪と耳が長い事からいわゆる魔族、それもスペルト族ではないかと思われていじめられていたそうだ
その記憶も相まってか最初僕もシルフィエットの事をいじめると思われていた
だが今はその壁はもうなかった
やはり共に学び共に競うというのが関係性をあげやすくしたのだろう
ただ彼女を例えば嫁にしたいか?と言われれば答えはNOだろう
というのもシルフィエットはルーデウスに一目惚れしている
なんでもいじめっ子から助け友になった、そして自分が友達になるまでの間にも来ていたいじめっ子から何度も救ってくれたそうだ
そりゃあ一目惚れの1つや2つ、する事間違いなしだろうよ
それに個人的にシルフィエットとルーデウスはなにかこう・・・
なんとなくだが、だがそれでいいと俺は思う・・・
前世の言い方をすればルディ×シルフィエットだ、寧ろなかなか良い
「お~いルーデウス、シルフ〜!」
「!ヴァルカン!」
「!遅いよヴァルー!」
「お待たせ、それで今日もやる?」
「勿論!負けないからね!」
「望むところだ」
「うむ!では訓練を始めるでアール!!」
「なんじゃそりゃ」
そうしていつもと同じように魔法の修行、というより講義が始まっていった
そして1つわかったことがある
それは僕が異質ということだ
というのもどうやら僕が放つ魔法は他の人が放つ魔法と比べて
というのも他が唱えたスプラッシュ・フロウと僕が放つスプラッシュ・フロウでは距離が違った
シルフィエットのスプラッシュ・フロウは10〜50m
ルーデウスのスプラッシュ・フロウは10mどころか100m先までいった
対して僕が放つスプラッシュ・フロウは僅か5〜10m程度、ルーデウスも最初は詠唱を間違えたのでは?と言っていたが、後にパウロさんとゼニスさんから答えを貰った
どうやら僕は「神子」という存在らしい、詳しい説明で魔力の膜がどうのこうと言われたが、要約すれば「周り数mならば魔法の威力は絶対的に上、けれどそこから先には魔法は向かわない性質」というのだ
遠距離の魔法だったり、遠距離を狙い続ける魔法、広範囲に作用する魔法は僕では使えないという事だ
けれどコレに関してはあくまでも魔法に限定した話である
例えば魔法は消えるがその魔法が作った慣性は消えない
ルーデウスが提案し実験して見て、この事は間違いないとわかった
試しに土でドリル状の物体を作り、それを風の魔法で回転させながら放つとしよう
そうすればドリル状の土は形を変えずそのまま飛んでいくのだ
正直それをやった時には自分ですら驚いた
遠距離戦は永久に出来ないと思っていたらこんな簡単な事で解決なのだから
ただしルーデウスも同じ事ができ、尚且つルーデウスの場合最後まで魔法で操作できるのだから威力も操作性も上だろう
なんだったらそれ以前に元々からある遠距離の魔法でどうにかすればいい話だ
けれど自分にとっては絶対に負けない距離があるというのはなんとも心が踊る、けれど問題もある
詠唱だ、というのも接近で魔法を使うにしても絶対に詠唱で唇だったり舌を噛むのだ
そこは間違いない、はてさてどうしたもんか・・・
「よーしそこまで!!」
「フフーン!」
「むぅ〜!」
今回は氷の柱を出現させる魔法をどれだけ早く作れるかという勝負だった
結果は勿論僕の勝ちだった
シルフィエットが頬をふくらませる、正直おもちみたいで可愛く微笑ましい
「まぁまぁ、シルフもこの魔法をマスターしたね」
「そう?なら次!」
「はいはい、何にしようか」
「ウ~ン、その本の魔法ほとんど使えるようになっていったよな・・・」
そう思いながらルーデウスを真ん中にシルフィエットは右に体育座り、僕は立ちながら木に寄りかかり見る
「あ、じゃあ前にルディが使ってたあったかいお水が出るやつがいい!」
「あったかいお水?お湯が出る魔法があるの?」
「あれか、あれはこうやって火と水を応用するんだ」
「へぇ~・・・水に対して火で熱を与える感じか・・・ん?だったらさルディ、直接火を出さずとも熱を与えるだけでもいいんじゃないかな?」
「!ヴァルカンさすが!今はわかりやすいように火も作ったけど良く思いついたね!」
「まぁコレでも鍛冶師の卵ですから」
そういいながらシルフィエットの方を見るとシルフィエットはルーデウスの出した魔法よりルーデウス自身を見ていた
「?シルフ?」
「・・・どうしてルディは口で言わないの?」
・・・あぁ!?
「あっそう言えば!?」
「?無詠唱の事?」
そうだよ!今まで見ててなんで思いつかなかったというか、わからなかった!?
ルーデウスは詠唱を介さずに魔法を発動させてたじゃないか!?
「ねぇどうする?」
「へ?」
「聞いてなかったの?シルフに無詠唱を教えるけどヴァルカン」
「教えて!!!!」
「お、おう」
・・・結論から言おう
自分はシルフィエットよりも早く無詠唱を習得した
そりゃそうだ、自分は「神子」なのだから
いつも体の周りにある魔力を誰よりも感じることが出来るのだから
対してシルフィエットの方は後もう少しという感じであった
やはり常人には無詠唱は難しいのだろう、ただ自分としては遠くへ作用する魔法が使えるのが羨ましいと思うのだからどっちもどっちなのだろう
「ハァ~」
「な~に落ち込んでるのさルディ」
「いやぁ、僕だけの特別であってほしいと思ったよ」
「フフッ、特別であってほしいね・・・それは君が転生した人だから?」
そう試しに言ってみた、するとルーデウスは驚くスピードでこちら向いた
「な、なんでそのことを!?」
「なんでって僕もそうだからさ」
「えっそうなの!?」
「そうだよ〜まぁ僕もルディ以外には会ったことがないけどね」
「そ、そうなのか・・・ちぇっ」
ルーデウスは何かにケチをつけたいかのように舌打ちをするのだった
「そう落ち込むなよ、案外無詠唱は僕達だけなんて事も」
「できた!!できたよルディ!!」
そんな中でシルフィエットも無詠唱に成功した
「・・・違ったみたい」
「ハァぁぁ・・・ふっ」
ルディはまたも落ち込んだが僕とは違い大喜びするシルフにしょうがないという感じで区切りをつけたのだろう、故にルーデウスは笑った
シルフィエットはできた喜びが凄いのか走り出してしまった
「待ってよ!シルフ!!」
「やれやれ・・・僕をおいてくなよ〜!」
そうして麦畑の中3人は走り向かう、走って走って走って・・・疲れたら草原で3人大の字で空を見上げる
シルフィエットは満足げに空を見上げる、シルフィエットはもしかしたら無詠唱に成功した事よりもルーデウスに近づけた事実に喜びを感じているのかもしれない
そんなシルフィエットに近づかれつつあるルーデウスはというとシルフィエットを見る
けれどシルフィエットはシルフィエットの顔を見るや否や何かもったいなかった記憶を思い出したかのように少し顔を曇らせていた
そんな時だった、突如として真っ黒な雲が空を覆っていった
間違いない、まもなく雨が降る
「おいおい、これ不味くない!?」
「だね・・・シルフ!ヴァルカン!こっち!!僕の家のほうが早い!!」
「え、ええっ!?」
そういう訳でルーデウス宅に向かうこととなった
雨は予想外に強くなっていく、これはとてつもない嵐になるかもしれない
今日は家に帰れるのだろうか・・・
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ルーデウス宅につくとルーデウスが扉を開く
「ただいま~」
「お邪魔しまーす!!」
「おかえりなさい、坊ちゃま・・・と、お友達の方々」
そういいながら、ルーデウス卓にてメイドをしている赤毛の女性、リーリャが迎えてくれた
「うぅ~寒っ」
「お湯の準備ができております」
「ありがとうございます、シルフ!こっち来て!」
そういいながらルーデウスはシルフィエットを上へ向かわせる
自分は個々で体を借りたタオルで拭いていく
「?向かわれないのですか?」
「へ?嫌だってシルフがいるんですよ?
僕は紳士なのでシルフと一緒に入ったりしませんよ
ルディだってお風呂の温度とかを確認したら下に降りて来ますよ」
そういいながら濡れた服を脱いで、さっき教えてもらった無詠唱を使って温風を服に当てる
やれやれ、今日習ったことがすぐに役に立つとは思いもしなかったな・・・だが、僕はここでミスをしてしまったのだ・・・
それがわかったのは数分後
イヤァアアアアアア!!!
突如として悲鳴が上から聞こえたのだ
「今のは!?」
「ちょっと行ってきます!!」
僕は半裸のまま上へ走っていく!その途中でパウロさんと蜂合わせる
「ヴァルカン!」
「今悲鳴が!」
「あぁ、この部屋だ!!どうした!!」
そうして突入したらそこにいたのは裸で体を隠すシルフィエットと呆然としているルーデウスだった
そう、僕は気づくべきだったのだ、ルーデウスがシルフィエットの事をシルフ呼びしている時点で
ルーデウスはシルフィエットの事を男だと思い込んでいたのだ
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その後、シルフィエットはゼニスさんとリーリャさんとともに風呂に入り、その後で僕、ルーデウス、パウロさんと風呂に入った
「ハァ~・・・」
やっとつかれたお湯、けれど空気はそれよりも凍えていた・・・正直、お湯に氷の魔法でもかけたかのような空気であった
そんな中パウロさんがルーデウスに声を掛けた
「ルディ、どうしてあんな事をしたんだ?」
「・・・」
ルーデウスは答えない、けれどパウロは優しい顔でルーデウスに再び問いかける
「理由を聞いているんだ」
正直、ルーデウスは呆然としたままだった、この際僕から憶測だけでもいいから伝えるべきか?そう思ったがいらぬ心配だった
「・・・濡れたままだから、風邪を引いちゃうと思ったんです」
「でも、嫌がってたろ?」
「はい、ごめんなさい」
「ま、お前やヴァルカンぐらいの歳なら興味を持つのだろうが、無理やりはダメだぞ」
「はい、ごめんなさい、二度と致しません」
「父さんじゃなくてシルフィエットに謝るんだ」
「シルフィ・・・エット・・・許してくれるでしょうか?」
不安気なルーデウスの頭をパウロが撫でる
「なぁに、大丈夫
心から謝ればちゃんと許してくれるさ」
「そうそう、いざとなれば僕からも何かフォローするから」
「・・・」
ルーデウスは再び黙ってしまう
それにしても・・・何かズレているような気がするのは気の所為だろうか?まぁ大丈夫だろう、そう思いながら風呂でお湯を堪能する
そしてある程度暖まった後ルーデウスが乾かして暖かくしてくれた服を来て3人揃って下に降りる
「フフッ、パウロさんって良い親ですよね」
「そう思うか?」
「ええ、そう思います」
「・・・そうか」
パウロさんは何か実感を湧いたかのような顔になった
そして階段を降りきった時、ゼニスさんから頭を撫でられなく慰められているシルフィエットにルーデウスは近づく・・・
「ごめん!シルフィエット!
髪も短かったし今迄男だと思ってたんだ!!」
・・・
「う、うぇ〜〜〜ん!!!」
「いやそこじゃないでしょ!?!?」
僕は、この世界に来て始めて全力でツッコんでしまった
なぁ、やっぱりズレていた・・・
いや、案外ルーデウスは魔術以外に関しては馬鹿なのかもしれない
そう思いながら慌てふためくルーデウスに何がだめだったのかを1から10教えていく
というかこれをやるのはパウロさんの役目では!?
個人的にパウロさんの株が上がったのに下がっていった
ヴァルカン・スターク
5歳にしてスターク家の鍛冶の技術を全て学習した
また彼は神子である
彼の周りには強力な魔力が集まっていく、けれど集まっていく性質故放つ魔法に関しては不得意となったり、例えば雲を操る魔法等は使用することができないのである
ちなみにヴァルカン・スタークは実は人間とドワーフのクォーターである、父の方の爺さんがドワーフ族である
スターク家
ブエナ村で鍛冶をしている一家
基本的にブエナ村の騎士達の装備品はスターク家で手入れをしてもらっている
スターク家はアスラ王国の貴族ではあるのだが実は・・・