鋼鉄転生 作:サリーズ
ちなみにかなり駆け足です、正直ここまで駆け足にしてもいいのだろうか?と思ったのですがまぁいいよね!()
御感想お待ちしております
あれからまた月日が流れた
ルーデウスとシルフィエットはあの後仲を取り戻した
僕としてもルーデウスとシルフィエットが仲を戻した事は微笑ましい成果だ、ただその成果を得たのがパウロさんの助言のおかげというのだが、その助言が何いってんだこいつであった
もしかしたらパウロさんは人としてはクズな剣士なのかもしれない・・・
そう思い始めてから数日後、ゼニスさんが妊娠したそうだ、僕もシルフィエットも祝福した
けれどその後最悪な事実が発覚した
グレイラット家のメイド、リーリャさんが妊娠したというのだ
しかも妊娠した理由がパウロさんがリーリャさんに立場を使って・・・との事だ
知らされたのが大雪が止んだ次の日なのだが、そこまでとは思いもしなかった
ちなみにゼニスさんとリーリャさんの仲は最悪かと話を聞いた時には思っていたがいざ見てみればそこまで悪くはなさそうだった
ただパウロさんは前よりももっと頭が上がらなくなっていた
惨めを通り越して情けない、情けなさすぎる・・・
とは言え、翌週になればパウロさんの剣術の凄さに驚かされまくる
正直パウロさんの株は急降下急上昇を繰り返しまくっている
パウロさんはあれなのかもしれない
剣術とか体力にステータスを極振りしまくって倫理観とかが最低値なのかもしれない・・・とは言え剣術の凄さは途轍もないのだからここで株が上がってしまう・・・せめてパウロさんには株の急降下はやめていただきたい
さて、そんなこんなあったが無事、ゼニスさんとリーリャさんのお腹の中にいる赤子は産まれた
2人とも女の子だ、ルーデウスは妹が、2人も誕生した事に喜んでいた
ちなみにシルフィエットも赤子を見て楽しそうだったが次にルーデウスを見る
もしかしてシルフィエットはルーデウスとの結婚を考えているのだろうか・・・気が早すぎないだろうか?
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さてそんなこんなありつつも月日は流れる
この世界の春が再び訪れる
さて、そん中僕のことについて1つ変わったことがある
というのも最近村近くの魔物が活発となっていった
それだけならまだ良い、ブエナ村近くの魔物はそれほど強くない、強い魔物がいたとしてもパウロさんと僕が鍛えた剣で殆んど真っ二つなのである
さてそんなこんなで魔物の素材が大量に村に入ってくる
とは言え素材にも早め早めにと使わなければ腐ったり、力を失ったりして使い物にならなくなってしまう素材がある訳だ
そこで僕は両親に相談した、その余った素材を僕に分けてくれないであろうか?と
結論として、余った素材どころか貴重な魔石すらタダで分けてもらえることになった
というか、そもそもこれまでの手伝いの褒美をどうするか両親も悩んでいた
ただ休みを与えた程度じゃあ褒美とは言えない
それに最近鍛冶に身が入らないのは単純に『仕事をした見返り』を貰ってないがゆえに憂鬱となっているからと考えていたそうだ
正直最近鍛冶に身が入らないのはパウロさんの対応をどうすれば良いのかとかくだらないことを考えていたからなのだが、そこは敢えて黙っていた
パウロさんのくだらなさを言ってしまえば母さんが「そこがいい」とパウロさんの凄さを語り始めてしまうからだ
素材に関しては少しは色を付けてもらえるかもしれないと思っていたが魔石までとは思いもしなかった
というのも魔石は貴重だ、なんせ上手く倒せた魔物からしか出ないからだ
余程悪い倒し方をした場合魔石には魔力が殆んど宿らず、そのへんの石ころを売ったほうがまだ金になるレベルまで売れないそうだ
ただこの村にはパウロさんがいる
そして僕が鍛え上げた剣のお陰で魔石の入手率はこれまで以上に上がっていってるそうだ
その御蔭で魔石も譲ってくれることとなったのだ
正直ここまでの見返りとは思いもしなかった、けれどこれはここにいる僕「ヴァルカン・スターク」がブエナ村皆から受けた恩義だ、ならば僕はその恩義に報いなければならない
剣もこれまで以上に魂を、そして素材を使っての製造には全てを込めるつもりだ、そしてある程度の装備品は世話になった恩人達に送ろうと思う
その事を話してみたら最初は遠慮された
けれど最後は大人達みんなが折れた
そして僕が作った装備を貰っていった
ちなみに僕が最初に作ったのは魔石で作った3っつの腕輪だった
そしてこれを僕は、1つはルーデウス、1つはシルフィエット、そして最後は自分自身に分けた
友情の印としてだ
と言っても魔石から削って作ったものだから杖と同じ効果があるか?と思ったが残念ながら失敗だったようだ
とは言え腕輪のアクセサリーとしては悪くない
そして後でこっそりとシルフィエットだけに教えたのだがシルフィエットとルーデウスの腕輪にはとある魔物の目玉から取れる宝石を組み込んでおいたのだ
ルーデウスの腕輪にはルーデウスが気に入っているシルフィエットの髪の毛を彷彿とさせる緑の宝石を、対してシルフィエットにはルーデウスの目を彷彿とさせる黄緑の宝石をだ
その事を言った途端顔を真赤にしてぽかぽかへなちょこパンチをしてきた
お可愛いことだ
さて、そんな中ルーデウスから1つ頼まれ事があった
それはシルフィエットと僕に対して初心者用の杖をつくる為に魔石を譲ってほしいとのことだ
僕は自分の杖は大丈夫だからシルフィエットの杖を作ってあげなよと、2つの魔石を譲った
その結果2つ目の魔石を使った杖、小型の初心者用の杖だが出来栄えとしては上々であった、それをシルフィエットに渡すこととなった
ちなみに1つ目の魔石を使った杖は渡さなかったのか?と思われるかもしれないが・・・悪くも2人、ルーデウスはアニメオタク、そして僕はマニアだったが為に悪ノリが発生し、結果として杖は出来上がったのだがパウロさんもゼニスさんもリーリャさんも、果てには両親さえも
「「「「「女の子にこの杖を渡すのはやめとけ(やめなさい)」」」」」
と言われてしまった杖が出来上がったのだ
正直悪ノリはし過ぎた、だがどう見ても呪いのトーテムなのだ、もし七大列強の死神、いや神話の死神が来てもいかつさのあまり逃げ出しそうな、そんな杖が出来上がってしまったのである・・・反省しなければ
帰り際ルーデウスは僕に再び「杖はいらないのか?」と訪ねた、だが僕はいらないと再び断りを入れた
というのも僕としては杖だけでは必要ないように感じた
というのも杖を持った事によってある程度魔法の使える範囲が広まった、だが広がったと言っても10m程度から15m程度になっただけだ
とは言え杖の凄さは何も範囲の拡大だけではなかった
結論から言ってしまえが魔法を使う際に魔力の消費量が減少、要するに効率的になった
個人的にはこれが凄く良かった
しかし自分が今考えているのは5~10mを主にした近距離で魔法を組み合わせた接近戦、剣士が簡単に距離を詰められ尚且つ、素早い攻めをしてくる中いちいち杖を使った後しまってから剣の持ち替え、また剣から杖に持ち替えようとしたら必ず隙が生まれる、そんな隙は必ず命取りになる
そこで僕は1つとある事を進めた
題して!「アーマード計画」であった
アーマード計画は至極単純、杖の持ち替え等が邪魔になるなら杖と鎧をひとつなぎにしてしまえば良い、という考えだ
と言っても今はまだ大した成果は出せていない
というのもどうやらこの世界、杖、というか魔法を使う際の媒体機は長い棒と魔石の組み合わせで始めて使えるのが主だそうだ
古代の秘宝だったり失われた魔法文字等、そういうのがあれば指輪等の装飾品に、更には剣を魔剣にすることすら可能だったそうだ
だが今の僕にはそれを可能とする技術力も知識もない
なんだったらその力を耐えられる素材や魔石もない
故に今現在自分は籠手や具足に自作の杖をそのまま貼り付けた見た目としてはあまりかっこいいとは思えない物となった
だが、杖は杖である
魔法の効率化は最たるものだった、それだけでは無く剣と持ち替えの時間自体がなくなった、というのも良いがフェイント等だったりが出来るようになっていった、正直今の見てくれはダメダメだが、それでも確実に一歩は踏み出せた
ならばここからだ、ここからもっとすごくしていけば良いのだ・・・
ちなみに接近時に使おうと思う武器は刀にしようか、単純な剣にしようかお悩み中である
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さて、そんな中僕はシルフィエットとルーデウス、2人と共に大木に向かっていった
「ルディ!今日は何しようか?」
シルフィエットはそういいながらルーデウスに顔を近づける
だが最近のルーデウスはため息をついてまさに心此処にあらずであった
「ルディ?どうしたんだ?ため息ばっかりついてさ」
「・・・ん?あぁなに!?」
「どうした?熱でもあるのか?」
「熱があったらリーリャが遊びに行くのを止めたよ」
「ルディ、この頃また変だよ?」
「俺は生まれた時から変だったらしいよ」
まぁ転生者なのだから生まれた時から普通の赤子とは違うだろうけど・・・
そう思ったらルーデウスは悩みを打ち明けてくれた
なんでも最近行き詰まりを感じでいるそうだ
魔術は上達せず、かと行って剣術もからっきし
個人的にはシルフィエットと同じ感想であった
そもそも上達のレベルが僕達と違ってルーデウスな数段階上にいる、そう思っている
だがルーデウスからしてみれば特別だと思ってた無詠唱は簡単にマスターされるし、本にある殆どの魔法は全て熟知してしまっている
そう、今のルーデウスには「やりがい」がなくなってしまったのである
「何処かに・・・行っちゃうの?」
「そうだなぁ・・・
この村で出来る事も少ないのかもしれないなぁ・・・」
そう思いながら魔法で作った水玉を空に向かって浮かしていくルーデウス
「まぁ確かに、今のルーデウスは凄いからなぁ・・・もしもっと凄くなるつもりなら遠くに行かないとかもね」
「だよなぁ・・・」
そう思い口に出し、ルーデウスもそれに同意する・・・その時だった
ルーデウスにシルフィエットが抱き乗っかった
「嫌だ・・・何処にも行かないで、行っちゃやだ・・・ルディとずっと一緒に居たいよぉ」
そういいながら抱きついたまま号泣来てしまった
僕としてはそこに僕がいないのは少し寂しいと感じたがまぁ仕方ないのだろう・・・
「ルディ・・・シルフをあんま不安にさせないでよ
泣き虫なんだから」
「あ、あぁ・・・わかった、わかったよ」
そういいながらルーデウスはシルフィエットを落ち着かせる
この時思った事は正直、思い出したくもない嫌な気持ちだった
そこに、自分はいらないのかもしれない
そう思ってしまった・・・
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あの日からまた日は進んだ
その日僕は仕事がなく、また素材も不足していたが為に朝から暇であった
故にルーデウスの稽古を見せてもらおうと思ってグレイラット宅に向かっていた
そんな中、シルフィエットと合流して歩いていくとグレイラット宅の前に似つかわしくない馬車が止まっていた、来客がいるのだろうか?そう考えてグレイラット宅を見た途端、頭が真っ白になった
そこにいたのは見慣れない獣人と息を整えながら立つパウロさん、赤ん坊を抱いて泣いているゼニスさんにそれを慰めるリーリャさん、何があったのかと思いよく見るとそこには・・・倒れるルーデウスがいた
は?いやなぜ?
修練で当たりどころが悪かった?いやそれにしては・・・なにか理由が?どうして?
僕は頭を悩んでしまった、そんな中だった
「ルディ!!!」
シルフィエットが無詠唱で水の中級攻撃魔法を使ってパウロさんを倒そうとした
だがパウロさんは強い、シルフィエットとパウロさん力の差は歴然だった
難なく抑え込められるシルフィエット
「やだ・・・起きて、起きてよルディ!!ルディ!!!」
その時、自分の中で何かが弾けた
今なんで迷った?なんで悩んだ?理由があるかもしれない?なにグダグダ悩んでるんだ
今動かなければ・・・嫌な思いをするぞ
そう背中を押された、そう感じた
「ハァぁぁっ!!」
僕は迷わず体に風を纏わせ、そしてそのままパウロさんに・・・いや、パウロに突っ込んだのであった
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パウロside
パウロも突っ込んでくることは想定内だったんだろう、直ぐ様僕に木刀を振りかざした
けれどパウロは勘違いをした
それは「ヴァルカンはただ魔法が出来るだけの少年」と思い込んだことだった
ヴァルカンの周りに纏わせていた風の魔法は単純な魔法だった、ただ風を体の周りに発生させるだけの魔法
けれどヴァルカンはそれを両手両足、計四つの「杖」から同時に出しているのだ
そう、たとえ凄腕の剣士であろうとも木剣では・・・砕かれ吹き飛ばされるのだ
バキボキバァァッン!!!
「ぐあっ!??!?」
パウロは吹き飛ばされたことに驚きを隠せなかった
ヴァルカンはシルフィエットを解放すると直ぐ様言い寄る
「ルディの所へ!早く!!!」
「!うん!!」
シルフィエットは直ぐ様ルディに駆け寄る
「っつ!こんのぉ!」
パウロは直ぐ様風で吹き飛んだルディが持っていたであろう木剣を手に取りこっちに向かってきた
対してヴァルカンは・・・逆に距離詰めた
「んなぁ!?」
パウロは戦闘経験者、父さんによれば名の通った冒険者パーティーのリーダーだったそうだ
けれどそんなパウロですら初めてなのだろう
否、いるはずもなかったのだ・・・
「はぁっ!!」
距離を詰め剣の間合いよりももっと内に入り込んだ、そしてそのまま僕は飛び後ろ蹴りをかました
それもただの飛び後ろ蹴りではない、風の魔法で超接近、そのままそのスピードの慣性を殺さずにパウロの木剣を避けたまま腹に一撃食らわせる
本来であるならばこの程度の攻撃パウロは対処できるのだろう、だが想定外の戦い方に対処はできず
理解できるはずも無くパウロは腹を思いっきり蹴られ後ろへ後退する
「がはぁっ!?」
今自分が出せる重い一撃がクリーンヒットした!このまま畳み掛ける!!
パウロは体制を立て直そうとするだろう、だがヴァルカンにとってはその隙を与えたくはない、出した結論は着地と同時に土の魔法を使うことだった
パウロの足下の土から石柱がパウロの目掛けて伸びていく
パウロは直ぐ様石柱を避けこちらに再び向かおうとする
けれどパウロは後ろから攻撃されたのだ
どがぁっ!
「っ!?」
パウロは何に攻撃されたのかわからず後ろを見る、するとそこには先程生やした石柱から
そう、パウロは石柱の攻撃は一回だけ、そう思い込んでいた、けれど今のヴァルカンとパウロの距離は10.6m、石柱を生やしたのは9.5m、その石柱から新しい石柱をはやされたのは11.2m
本来であるならば範囲外
けれどパウロは知らなかったのだ、杖を使った時、たとえ少しであろうとも距離が伸びる事実に
バランスを崩されたパウロは地面に手を置いて、そして腕の力だけで前に出ようとしてた
けれど腕が地面についた途端腕は地面に沈んでいった
これはルーデウスがパウロとの戦いで行った沼にする魔法であった
本来ならばただ一瞬、腕が使えなくなるだけ、数コンマ何秒ですぐに沼から手を離せる
そう思った、けれどそうはならなかった
何故ならその沼にパウロを包みこまれてしまったのだ
そしてそのままヴァルカンは沼となった地面を水玉のように丸め宙に浮かす、そんな球体の中では常時縦回転する沼となった地面、まともに方向感覚が持つはずもない、現代に例えるならば洗濯の網に包まれ、そしてそのまま超回転する洗濯機にぶち込まれたようなものだからだ、
足を離れさせられてしまえば剣士は何もできない、踏む地面もなければ定めるべき方向すらわからない、そんな中だった
突如水玉となった沼は真っ二つに割れた
パウロは地面に着地する
まだフラフラとする頭を起こしながら周りを見るとギレーヌが剣で例の玉を割ったとわかる、それもシルフィエットを抑え込んだ状態でだ
「あなた!」
「来るな!!」
パウロはゼニスに呼び掛けに否定の言葉をかける
「たくっ、うちの息子はとんでもないもん鍛えやがって」
「パウロ!助けは必要か?」
「いらねぇさギレーヌ、そのままシルフィエットを抑えてくれ!」
そういいながら改めてヴァルカンの方を見るとヴァルカンは水の大剣を作り出していた、そしてそれをそれを構えたままパウロをじっと見据える・・・否、パウロだけを見据えているのではない、見据えているのはパウロとその向こうにいるギレーヌであった
瞬時にパウロは理解した、ヴァルカンにはもう「俺に勝ったつもりなのだと」、「道端にいる小石をどけてその大剣をギレーヌにぶつけるつもりなのだと」
パウロはこの事実を頭に収めた時ヴァルカンが得体のしれないなにかに見えてきたのだ・・・
剣士と魔法使い、本来であるならば接近戦は剣士の独壇場であるはずだった
けれどパウロは知らないのだ、ヴァルカン、彼の頭の中には今迄彼が魂に焼き付けたアニメや特撮、映画で出たアクションシーンの数々を、そしてヴァルカンはそれと今の自分に出来る事はなにかと言うことを取捨選択して最適解を選んでいる事を、けれどかつて無い強敵である事をパウロは理解した、それだけで充分だった!
パウロはヴァルカンに対して悪寒を感じる、それは先程戦ったルーデウス以上、いやもしかしたらあの道場から逃げ出したあの日に感じた圧、それに匹敵すると
もうパウロは油断どころか手加減をやめた、それは本気とはまた違う、「相手を殺す覚悟」であった
「スゥ・・・」
「そこを・・・どけ」
「悪いな、シルフィエットやルディの為だ」
「ならば僕も・・・今考えられる最善を、シルフィエットやルディの為に!!」
そういいながら、ヴァルカンは突っ込んでくる!
パウロはこの時木剣を収めると・・・パウロもヴァルカン目掛けて突っ込む!!それは先程まで手加減していたパウロのそれとは速度が違っていた、それにヴァルカンはこの戦いが始まってから初めてたじろいてしまう、パウロはその隙を逃さずヴァルカンの大剣の内に入る!!そしてそのままおおきく振りかぶって木剣をヴァルカンに打ち込む!!打ち込まれたヴァルカンはそのままふっとばされ、そして気絶する
「ハァ・・・ハァ・・・」
パウロはこれほどまで緊張した戦いは冒険者時代以来初めてと感じていた、そしてギレーヌの方を向くとパウロは驚いていた
かの水の大剣、ヴァルカンそれをパウロに打ち込め無いと理解するや否やギレーヌ、ひいては馬車目掛けて飛ばしていたのだ
そう、ヴァルカンはあの時「負ける」事を理解していた
理解していた上でまさに『シルフィエットとルディの為の最善』を尽くそうとしたのだ
もしやられても馬車が壊れてしまえば新しい馬車が来るまで立ち往生、その間にルディは目を覚まし少なくとも説明の時間が与えられるであろうと
だがその最善もギレーヌによって打ち砕かれた
獣人の剣士は大剣が来た瞬間に水の大剣が大剣の形か「水の塊」へと変貌していることに気づく、そしてのその水の塊を「分けた」のである、水の勢いを2方向へ分けるとそれは馬車にかすらず、そのまま水となって地面に落ちたのである
ゼニスさんはパウロに近づき、ヒーリングをかける
ヒーリングをかけられているパウロに今度はギレーヌが近づく
「たくっ、凄いを通り越して恐ろしいぜ」
「パウロ、この子は一体何だ?戦い方は無茶苦茶なのに、それ一つ一つが流れるかのように自然とハマっていた」
「・・・ヴァルカン・スターク、スターク家に生まれた子さ」
「お前が鍛えたのか?」
「いいんやぁ、俺じゃねぇ
ルディだ」
「・・・想像以上の存在かもな、お前の息子は」
「あぁ・・・たくっ、こんなに動いたのは久し振りだぜ・・・ルディが去った後に鍛え直そうと思っていたはずだが、それすら生温いかもな・・・」
「ふっ、変わったなパウロ」
「そうか?・・・そう言えばシルフィエットは?」
「あそこだ」
そういいながら指を指した先にシルフィエットはいた
シルフィエットはあとから来たロールズに説明を受けていた
「・・・それはそれとしてその子、まだ完全には落ちてないぞ」
「・・・何ッ!?」
そういいながらパウロはヴァルカンを見ると確かに気絶はしていた
けれど気は落ちていなかったのだ
ヴァルカンは気絶していても立ち上がろうとする、それはもはや、ルーデウスを行かせないという意志の表れとしか言い表せなかった、けれど既に体は限界であった、いくら鍛冶仕事で体を鍛えているとは言え初めて人を蹴ったりしたのだ、それも風に乗って全力の慣性で行った蹴りをだ
思い返せば蹴りを行った後は石柱だったり沼からの水玉だったり、魔法が中心であった
そう、あの時足はすでに怪我を負ってしまったのだ
「なるほど、だから魔法を・・・」
「冷静では無かったが、それでも戦闘に対しては現実的な選択を続けていく
案外鍛えればあの時の私たち以上になるかもしれないぞ」
「おいおい、冗談を・・・冗談に聞こえねぇ」
「どうする?この子も連れて行くか?」
「いんや、こいつは俺の方で鍛えてみるさ」
「む、そうか・・・ではな」
そういいながらギレーヌは気絶したままのルーデウスを馬車に乗せて行ったのである・・・
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ヴァルカンside
あの後僕は目を覚ました
正直戦いに関しては無我夢中ではあったが、それでもやったという事実は覚えている、そして今ここで天井を見上げているがこの天井はグレイラット宅の天井だった
「うっ」
「!ヴァルカン!目を覚ましたのね!!」
そう言われ隣を見たらそこにいたのは母さんであった
「母さん・・・どうして」
「どうしてもこうしてもないわよ、まさかパウロさんに勝負をいきなり仕掛けるとはね、まぁルーデウス君の為にしたことだから責めるつもりはないって言ってたけど、近い内にちゃんと誤っておきなさいよ」
「!はい・・・ってルディ!!」
そういいながら立とうとした瞬間だった
ズギズキズギィッ!!!
「ってぇええええええ!?!?」
身体中のあちこちが凄い痛い!?なんだこれ!?
「お、目覚めたかヴァルカン」
「!パウロ・・・さぁん」
「・・・なんだぁ?その後ろ」
「い、いや別に」
あんなに全力で蹴ったりしたりブン回したりしてしまったのだ、まともに顔を合わせられない、申し訳無さで
そうこうしている間に母さんは部屋から出ていた、どうやらパウロさぁ・・・んは僕と2人きりをするつもりらしい・・・
「さてと・・・ヴァルカン、お前にはせめて説明しておくべきだったな」
「へ?」
そしてパウロさぁ・・・んの口から説明されたのは俺達の未来についてであったのだ、実はルーデウスはパウロさぁ・・・んに対して仕事を斡旋してもらうようにお願いしてもらったそうだ
それはシルフィエットとレノアの魔法大学へ向かうための資金を貯めるためだそうだ
だがそれだけならただ別れさせればいい、でもそうさせないのにも理由があった
実は今のルーデウスとシルフィエットは互いに対して依存をしていたと、双方の親という視点から見て明らかであったそうだ
正直僕してみれば依存と言うより両想いでそれが他の人よりめっちゃ強いなぁ・・・と思ってたんだけど、それ以上だったのか・・・
「正直、シルフィエットから抵抗されるのはまだ予測していたがお前もとは思っていなかった
それ程ルディに依存しているとはな」
・・・え?イゾン?
・・・僕、ルーデウスに依存なんかしてたのか?
そう思い頭を悩ませていた
すると悩ませていることに気づいたのかパウロさぁ・・・んが聞いてきたのだ
「?なんだ、違うのか?」
「・・・ウ~ン、正直驚いたのはあるんですけどでも、それとはちがうというか・・・なんと言えば良いんだろう・・・」
そう頭を悩ませる、だがある結果を頭をよぎってわかったのだ
「あ、そうか・・・僕、お別れちゃんとできないのが嫌だったんだ」
「・・・ハッ、なるほどな、思った以上にヴァルカンは情に深かったんだな」
「そう・・・なんですかね」
「・・・全く、そうでなきゃあそこまで凄いもんになる訳が無いだろう」
・・・そうなのだろうか、正直、自分でも驚いてる
ただお別れがいいたい、それが出来ないというだけであそこまでの戦いをしてしまった自分に・・・
ただ、そう思っていたらとある事を思い出した、それは前世の記憶・・・母親との最後の邂逅であった
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前世での親では良い思い出も悪い思い出もある
父親は友を信じ過ぎたばかりに借金の肩を背終わらせた
借金の取り立てに酷い目にあった、中には拳銃で脅す連中もいた・・・
そんな中で父親は最後に「借金を返してくる」と言ったきり帰っては来なかった、けれど借金に関しての取り立ては無くなった
この時僕は僅か6歳、わかるはずもなかった
けれど母親は何か感じ取っていたのだろう・・・父親は命を賭して借金に向かっていった、そしてそれは恐らく終わらせた、けれど終わらせたとは言えいきて戻れなかったのだと、正直前世の父親に関しては覚えていることはただ1つだけ・・・前世の母親がいっつも贅沢品として作っていたパンケーキ、あれを幸せそうに食べる笑顔、これしか思い出すことができないのだ・・・そして母親はいわゆる世界を飛び回るサラリーウーマンとなった、けれどそんな母親も15歳の頃に飛行機事故によって死亡した、最後の会話は転生した今でも鮮明に覚えてる、忘れないように・・・いや、忘れられないのだ、忘れたくないのだ・・・前世最後のつながりの証はもう、記憶しかないのだから・・・
「お母さん次帰って来る日はどうする?」
「そーねー、休みだし遊園地にでも行こうかしら」
「えーそんなのいいよ、それより温泉街に行こうよ、肩こりに疲れ目とか色々やすらげるよ」
「温泉街って、私に気を使わなくてもいいのに」
「いいのいいの、お母さんだって頑張ってるんだから
だから少しぐらい休めるところに行ったほうがいい、でしょ?」
「全く・・・でもありがとう、それじゃあそろそろ行
ってくるわね」
「いってらっしゃーい」
これが最後の言葉だった
飛行機事故の原因は着陸時直前のバードストライク、それによって両側のエンジンが停止したばかりか運悪く一匹の鳥が操縦席の窓に激突、激突し、肉片や血痕が操縦席窓を塞いでしまったせいで肉眼での確認ができず、結果・・・事故は起こった
その後お母さんにあったのは・・・葬式だった、けれど葬式の棺にお母さんの遺体は無く、形式上の葬式が進んでいくだけだった、その日からだろうか・・・何か、耐えられない、そう思い始めたのは・・・
その後僕はお母さんが務めていた会社の上司に養子として3年間だけ住まわせてもらった、けれど僕にとってその家は、何も感じない氷の家だった
少なくとも家の人達は僕に対して歩み寄ろうとしてくれたのだろう・・・けれど、けれど僕は歩み寄ろうとして人達に対して、大丈夫としか言わなかった・・・そしてその後家から離れ独立、そして社会人となっていった
けれど家に帰っても何も無い、誰もいない、あるのはベッドと捨てるだけのゴミ・・・、その他には何も無い部屋
そんな中だった、アニメに出会ったのは
正直、アニメに僕は救われたのだ
あり得たかもしれない明日、あり得ない過去
そういうのに僕は夢中となっていった・・・そうして僕はアニメの為に生きて生きて・・・死んだのだった
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僕はその事を思い出した、いや、思い出したのではない・・・忘れようとしていたのだ、この世界で
「・・・大丈夫か?ヴァルカン」
「・・・ええまぁ・・・ただ思い出したくない・・・夢を思い出しました」
「・・・?夢」
「別れる夢です、いつか母さんが、いつか父さんが死んで、別れていく・・・そんな夢を思い出しました
それを・・・見てたから・・・」
「ヴァルカン・・・そうか、お前情に深いだけじゃくて怖がりだったのか」
「・・・え?怖がり?」
「・・・まぁ俺が言えることじゃないけどさ、ヴァルカン・・・ルーデウスなら大丈夫だ、ちゃんと再開できるさ
なんせ俺の息子なんだからな」
あぁ、そうか・・・俺は、怖がりでもあったんだ
別れが怖かったんだ、それが永遠の別れになってしまう事に
この人は凄い人だ、こんな不明確な情報からでも正解を導き出すのだから
やはりこの人は尊敬には値する人なのだろう、クズで情けないけど
「ありがとうございます、なんか・・・スッと落ち着きました・・・」
「そうか、ならば問題はない、で相談なんだがヴァルカン」
「?はい」
「ヴァルカン、俺の特訓相手になってくれないか?」
「・・・え?」
なんでも、ルーデウスの戦いでもかなり息が上がるほど接戦だったそうだ
そりゃそうだ、自分とルーデウスはまだ全力で戦った事はないがそれでもルーデウスは凄いと思っている、なぜかはわからないが
で、親の威厳を保ちたいので強くなっておきたいそうだ、ちょうどいい、僕も強くなるつもりなのだから
「どうだ?」
「勿論、こちらこそです」
帰ったら父さんにお願いしてレノア魔法大学に入れる意思を伝えよう・・・正直、また親と離れるのは怖い、けれど・・・それでもルーデウスは友達だ、シルフィエットも友達だ、今世で初めて出来た2人の友達なのだ
だったら・・・その友達の為に全力で生きても、悪くはないだろう・・・
そう、僕はこの世界を全力で生きていく覚悟を決めたのだ
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
けれど、僕は異世界を甘く見ていたのだろう・・・
全力ですら足りないことがあるのだ
それは僕が10歳の誕生日を迎えた日だった
「アーマード計画」に関しては何一つ進歩はできなかった
当然ではあるんだろう
恐らく僕の技術以前に何か特別な物が必要なのだろう
それがないのだから進歩できない
そしてその特別なものについてはある程度目星をつけていた
魔法陣である
恐らく僕の計画に必要なの魔法陣、それも繊細でありながら莫大な大きさを必要としてしまう魔法陣が
けれどそれはレノア魔法大学に通うことさえできれば、クリアするのだろう、故に今行うのは鍛錬である
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パウロ師匠に剣を学び、パウロ師匠は僕からルーデウスやシルフィエットがどんな戦い方をするのかを実戦で学んでいく
ただ残念な事に僕にはこの世界の剣術は身に着けられなかった、いや、正確には身につけようと思えば身につけられる、けれどそのどれもが過去に見たアニメや特撮、映画のアクションと代替が可能だったのだ
そしてそれを実戦で使えてしまう、故にこの世界の剣術、どんな技かを知るだけとなる
けれどそれで悪く無いんだと思う、というのもパウロ師匠が言うには自分には剣の才能はある程度あるけど剣士として歩むには必要なものがかけているそうだ
ただパウロ師匠の教えは・・・擬音だったので上手くわからなかった、けれど足りないのはわかり、それは魔力では補えない物だとなんとなく理解した
ならば魔法を中心とし、接近戦等も重きに置くは魔法攻撃、そこにシフトしていこう
ちなみにこの4年でシルフィエットはすっかり変わっていった
あの泣き虫なところは殆ど見せなくなり、家事や洗濯はおろか、料理の腕前すら途轍もない事になっていった、これもルーデウスへの愛がなせる技なのだろう
「愛ですよ、愛・・・」
「なんだいきなり?」
「なんでもありません、さぁ続きをやりましょう、師匠」
「あぁ、やろう」
そして一通りの鍛錬を終わらせた、その少し後だった
あれが起きたのは
「ん?なんだろう・・・・あ
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後にフィットア領転移事件と呼ばれるそれに、ブエナ村の全ては巻き込まれてしまった
老若男女、有機物どころか無機物も全てを・・・