学校解散より数分後……………
「あっ」
「あっ」
どうも、シラホシです。
現在俺はケーキの食材確保のためにトリニティにいます。
そしたらイチカさんとバッタリ会っちゃった。
「シラホシじゃないっすか。"偶然"っすねー。」
「ども、イチカさん。」
お互い軽く挨拶をする。
トリニティって広いのに数少ないトリニティの知り合いに会うなんてすごい偶然だな。これも運命力ゥ………ですかね。
「今日はなんでトリニティに来たんすか?」
「俺この後風紀委員会の仲間とクリパするんですよ。だからクリスマスケーキを作ろうと思って。そんで食材調達のために来ました。」
「……………………へぇー……。」
!?なんだ?急に悪寒が…………。いきなり気温が下がったのか?
そんなことは置いといて………。なぜ俺がそこいらのスーパーとかじゃなくトリニティで材料を買おうとしてるのか。それは今回のケーキは材料から気合いを入れて俺の全力をもって作りたいからだ。
これからフウカ先輩に厨房借りてガチの環境、道具で作るし、トリニティの高級食材もふんだんに使う。
せっかくのイベントなんだ。生半可なクオリティじゃヒナ委員長達に申し訳が立たない。
「クリスマスパーティーっすか。へぇー……。私じゃなく、風紀委員と……………。ふーん…………。」
あれ?今日の最低気温って何度だったっけ?なんかここら辺だけすごく寒くね?心なしか俺の手が凍ってきてるんだが。
「ま、それは後で話すとして……シラホシ。これあげるっす。」
「え?」
イチカさんから長方形型の箱を受け取る。
「これは……?」
「クリスマスプレゼントっすよ。」
「え!?いいんですか!!俺今お返しできるモンないっすよ……。」
「良いんすよ。私が勝手にやったことっすから。それよりも、ほら。
早く開けてみるっす。」
マジか!まさかイチカさんから貰えるなんて思ってなかった!
えー何だろうなぁ………。この箱の大きさからして文房具とかか?
「じゃあ開けますよ…………これは………」
「黒い」…………羽ペン?
「うおぉぉぉぉ!かっちょいい!!羽ペン!!」
「その様子だと、結構喜んでくれたみたいっすね。」
「はい!ありがとうございます!!」
すげぇ!初めて見たぜ羽ペン!!しかも"黒色"の羽!!!
いやークールだね………これ。このペンを使って書類仕事してりゃあ俺もカッコよくなれんじゃないか……?
帰ったら早速試し書きしてみるか。
「いやーホントにありがとうございますイチカさん!」
「良いんすよ、全然。私はパトロールの続きがあるっすから、これで。」
「はい!ありがとうございました!また!!」
「バイバイっすー」
手を振ってイチカさんを見送る。
やっぱイチカさん良い人だわ。初対面の時裏がありそうとか思ってすんません。ゲヘナ以外の人は良い人。ハッキリわかんだね。
「その羽ペン、大事に使ってくださいっすね……………♡」
パーティー開始数時間前………………
「……………………と、いうことなんですけど……。」
「(눈_눈)」
「気合い入れて作りたくて………」
「(눈_눈)」
「給食部の厨房を貸してくれませんか?」
「(눈_눈)」
「お願いします!フウカ先輩!!」
「(눈_눈)」
「………………フウカ先輩?」
「(눈_눈)」
まずい。フウカ先輩がジト目で見つめたまま動かねえ………!
なんだ?俺なんかやっちゃいました?フウカ先輩をこんなにさせることしたっけ?
「……………………。」ムッスー
今度は頬を膨らませてムスッとしてる…………。
どうやら俺がなんかしてしまったのは確定なようだ。
けどフウカ先輩、悪いですけど美少女がそれやったって可愛いだけです。
「その………フウカ先輩。すみません。俺フウカ先輩になんかしちゃいましたかね…………?」
「…………………。」
反応がない。ただのしかばねのようだ。
どうやら話してくれるという訳ではないみたいだな………。これは本気で怒らせてしまったかもしれん。
それもそうか。なんかやらかした本人がそれをわかってないで被害者に原因を聞いてるんだから。
「…………………ぃ。」
「え?」
「クリスマスに私は誘わず風紀委員会と一緒だなんて……ずるいじゃない…………。」
これは……嫉妬?
まさかフウカ先輩…………
クリぼっち族だった………!?(不正解)
そういうことか!クリぼっちのフウカ先輩は友人である俺がクリパかなんかに誘ってクリスマスを共に過ごすことを望んでいたのか!(一部正解)
「フウカ先輩。」
フウカ先輩の両肩を力強く掴む。
「えっ、ちょっ、な、何!?///」
「明日、ふたりでどっか行きましょう。」
「へぇっ!?ふたりで!?///」
かなり驚いた様で、先ほどの嫉妬や怒りは見えなかった。
「冬季講習も今日で終わりですし、フウカ先輩も予定ない……ですよね?」
「え、ええ。明日は空いてるけど………。」
「イブは無理ですけど………これでクリスマスは一緒に過ごせますね。」
そう言って笑いかける。
怒ってても良い事ないからな。スマイルスマイル。
「っ〜〜〜〜〜///はぁ………私の負けね。いいわよ。それで。厨房も貸してあげる。」
よっしゃ!明日のお出かけも厨房の使用も許可を貰った!!
「ありがとうございます!フウカ先輩!!」
「その代わり!!」
「?」
「私も!手伝うから!ケーキ作り!!」
「え!?」
「しゃあ!完成!!」
ついにクリスマスケーキが完成した。
時間はかかったがフウカ先輩のおかげでかなりクオリティの高いものを作る事ができた。
流石フウカ先輩!このまま全スイーツコンプしてこうぜ!!
「シラホシ君、ん。」
完成したことに喜んでいると、フウカ先輩が自分の口の端を指さしている。
「………?なんすか?」
何を伝えたいのかわからず、疑問符を浮かべる。
「ふふっ。ここ。クリーム付いてるわよ。」
「えっ!?マジですか!?気づかなかった………。」
いつの間に……服で頬を拭った時か?それかクリームをちょぉーーっとつまみ食いした時か……。なんにせよ、早くとろう。
「あ、待って!私が取ってあげる。ほら、ちょっと屈んで?」
「うっす。」
先輩に言われ、俺の顔がクリームを取りやすい位置に来るところまで姿勢を低くする。
「すみません………ありがとうございま「ぺろっ」す!?!?!?」
は!?フウカ先輩が舐めとった!俺の顔に付いてたクリームを!!
舐めっ…………舐め舐め!?舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め舐め
「…………ん、おいしい。」
やばい!フウカ先輩がメッチャ色っぽく見えちゃう!どうしよう!ドキッとしちゃった!!何ですかその目!!なんでこっち見るんすか!!!最早サキュバスでしょこの人!悪魔族だしほぼサキュバスなのでは………いやいやいや!何を考えているのだ俺は!!駄目だ!!頭回んね!!!!
フウカ先輩の予想外の行動に激しく動揺する俺。そんな俺が取った行動は…………
「は!こんなじかん!!いかなきゃ!!フウカせんぱい!!今日はありがとうございましたぁーーーーー!!!!」
逃げでした。
「…………可愛いかった♡」
パーティー中……………
「あ、俺そろそろ帰ります。」
「え?ああ、そういえば家でやる事があるんだったな。」
「そう………寂しいわね。」
「すみません……俺だけ先に帰っちゃって。」
「そうですよシラホシ!!」
アコ行政官が大声を上げる。
「何故後輩である貴方が先に帰って私達が後片付けをしなければならないのですか!!普通は後輩がやるものでしょう!?」
何かと思えばパーティーの片付けは後輩がするものだと言う。ごもっともである。
「うぁ…………それについては本当にすみません………。これの埋め合わせは必ずなんかでするんで…………。何でもします。」
「言いましたね!?何でもですよ!?用具の整理、書類の処理、私のお世話、首輪を付けての散歩!!」
「酔ってるだろこの人」
なんで酒もねぇのに酔ってんだこの行政官は。後半言ってる事おかしいし。
そんなことを考えていると酔っ払いは俺の腰に引っ付いてくる。
「きょうはヒナ委員長のすばらしさをあなたにみっちり教えてやりますからねーー!!」
「オアーーーーッ!!離せーーーーーーーッ!!!」
帰るっつってんだろ!!いい加減にしろこの酔っ払い横乳!!
私服でも空いてるその横乳に雪ぶん投げてやろうか!!!
「助けてイオリ先輩〜上司がダル絡みしてくる〜〜〜〜!」
「はいはい。ほらアホちゃん、あっちで遊びましょうね〜。」
育児をするママかな?
イオリ先輩は面倒見が良いが、ついにそれが進化して母性となったか………。
イオリママ………?うん、しっくり来るわ。
てかあの人さりげなく上司をアホって言ったな。
いいぞ!もっと言え!
「んじゃ、おつかれしたー」
「気をつけて帰って下さいね、シラホシ君。」
「ん。ありがとうチナツちゃん。」
「またね、シラホシ。」
「ヒナ委員長もありがとうございましたー。」
そうして俺は自宅へと向かった。
「……よし、行くか………。た、ただいまぁ〜………。」
恐る恐る玄関の扉を開ける。電気はついていない。
「………寝ちゃったか……?」
何故自分の家なのにこんなにビビってるかというと、原因はワカモだ。
いややっぱ俺。
指名手配犯ではあるが、一応同じ屋根の下で住んでいる。(半ば強制)
それなのにその人を家に放置して別の友達とパーティーとか………。男として最低過ぎる。
今なら飲み会帰りの夫の気持ちがわかる。「置いてってごめん」という申し訳なさと「怒ってないだろうか」という不安が俺の中でぐるぐるしてる。
一応、学校から帰ってきてから話を伝えて許可はしてもらった。
けど、あちらに我慢を強いらせてしまったのは事実だ。
「ワカモ………?」
不安になりながらもリビングへ行く。真っ暗で何も見えない。
「うわっ!?」
と思ったら急に明るくなる。
「お帰りなさいませ。あなた様♡」
「ワカモ!?起きてたのか……。」
暗闇に慣れかけていた目には突然の光は刺激が強く、目を開けられない。
が、ワカモの声はする。
「その……ごめん。ワカモ。一人にしちゃって………。」
俺は謝罪の言葉を述べる。声色的に怒ってはなさそうだが、俺が謝らなきゃ気が済まない。
「ふふっ、良いのですよ。私はちゃーんとわかっております………。あなた様が最後に私のもとへ来てくれることを………♡」
どうやら、自分に余程自信があるようだ。まぁすごく魅力的なんだが……。
「ありがとう、ワカモ。そうだ、ケーキ食おう。風紀委員会のとは別にちっちゃいのを作ってたんだ。ふたりで………」
ようやく目が光に慣れてきたので瞼を開ける。俺の視界全体にワカモが広がっている。
「っ!?!?!?///」
そう、サンタコスで。
しかも際どい方。
「やっと気づいて下さったのですね?あなた様♡」
透き通るような肌、普段は見えない首から肩にかけてのライン、強調される二つの山、魅惑の谷間、肉付きのいい太もも。
(理性への)被害がデカ過ぎる!!
「エ駄死ーーーーー!!!!!」
「きゃっ」
俺は速攻で自分の上着をワカモに被せる。
「もう……喜んでくださると思いましたのに…………。」
ぷくーっと頬を膨らませて拗ねるワカモ。
「駄目だ!!こんなの!!駄目!!!えっ…………過ぎる!!駄目だぁ!!とにかく駄目ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
「ふふふ……そんなに焦って…………やはりあなた様は可愛らしいですね♡」
「今日はこの服のまま、ベッドへご一緒させてくださいまし♡」
「駄目ーーーーーーーーーッ!!!!!!」
「しかし……あなた様は今日、ワカモこの家に一人置いてけぼりに………。」
「グッハ!!」(良心へのダメージ)
「お願いいたします………あ♡な♡た♡さ♡ま♡」
「うぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………………………」
その後、結局ケーキを食って一緒に寝た。(サンタコスのまま)
途中でワカモが誘惑してきたがダイアモンドの理性でなんとか耐えた。
俺はその日、興奮して寝られなかった。
ん?ハルカはどうしたかって?彼女はヒナに捕まって牢屋の中さ。
ん?ユウカはどうしたかって?彼女は仕事に捕まって書類の中さ。