キヴォトスを駆けていく   作:味噌焼き

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だんだん恋愛の方にも触れていきます。キャラの話し方ってムズイっすね……。


3話 ぶらり、ゲヘナ学園

七囚人の1人、孤坂ワカモとの戦闘から3日後、俺は普通に学校生活に戻っていた。

 

 

別に大した怪我してたわけじゃないからな。

 

15年間このキヴォトスで生きてりゃ銃弾の数発当たる……てか全部避けれるはずがない。避けたいけど。

 

 

なんなら今までで数千発は食らってる気がする。誇張抜きで。マジで。

 

 

俺の身体は再生能力がそこそこある。トリニティの正実の委員長程ではないが、銃弾で撃たれたくらいの傷ならその日にめっちゃ飯食ってめっちゃ寝れば痛みはあれど、ほとんど治ってる。

 

 

今でこそこんな便利な身体をしているが、昔はここまで治るのは早くなかった。撃たれたら普通に全治に数週間はかかってたし。

 

 

撃たれる→治す→撃たれる→治す……を繰り返していく内に、だんだん再生能力が高くなっていった。

 

 

今更だが自分が人間か怖くなってきたわ

 

 

話を戻すが、孤坂ワカモと戦った後、ヒナ委員長に連れられ学校に戻り、傷の手当てをしてもらった。

 

 

チナツちゃんやイオリ先輩、アコ行政官もいてみんな俺の手当てをしてくれた。

 

 

『シラホシ君!傷を早く見せてください!!

………こんなに被弾を……今すぐ処置をします!!

………絶対に傷は残しません』

 

 

学校に戻ってくるや否や、必死な表情で俺の傷を確認するチナツちゃん

 

 

『シラホシ……良かった、無事で………。七囚人と戦ってるって聞いた時はどうなるかと…………。本当に良かった………………。』

 

 

目を涙を浮かべながら俺の心配をしてくれていたイオリ先輩。(何故か尻尾がずっと腕に巻き付いていた)

 

 

『っあなたって人は!ほんっとうに馬鹿ですね!!人の気持ちも知らないで………!』

 

 

いつもより説教が長かったアコ行政官。

 

 

『……シラホシ、早く手当てを。』

 

 

言葉は少なかったが心なしか焦っていたようなヒナ委員長。

 

 

……どうやら本当に心配させていたようだ。

 

 

確かに心配させてしまったのは申し訳ない……。けど俺に逃げの選択肢はなかった。

 

 

あの場にはまだ他の風紀委員がいた。俺が逃げればヘイトはそっちに向く。

 

 

仲間を抱えたりして逃げれたら良かったんだが……。流石にあの人数を同時には俺には無理だな。やっぱ戦うしかなかった。

 

 

ま、七囚人と()ってみたかったのもあるけど。

 

 

みんなからの厚い手当てを受けた俺は自宅へ戻り、その日は休んだ。

 

 

 

 

因みにコンビニで買ったスイーツとアイスは溶けて原型がなくなっていた。マジでショック。

 

 

 

 

そんなこんなで現在、俺はゲヘナ学園で授業を受けている。

 

 

授業っつっても、教師はいねぇからBD観てるだけだけどな。

 

 

ボーッとしていると、チャイムが鳴る。さっきの授業が四限目だから、今から昼休みだ。

 

 

普段は自作の弁当を持ってきて食べるが、今日は持ってきていない。

 

 

一応怪我をしてた訳だし、念には念を入れて安静にしている。みんなからもしつこく釘を刺されたし、ヒナ委員長が強制的に休暇をとらされた。

………なにより今日は作るのがめんどくさかったしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てなわけで俺は今、学校の食堂にいる。

 

 

ゲヘナ学園の食堂では給食部の人たちが昼食を作ってくれる。

 

 

値段も学生の財布に優しいし、味も最高だ。俺の弁当なんかよりずっと美味いからかなりの頻度でお世話になっている。

 

 

「最近はあんま来てなかったな……。」

 

 

最近は仕事が忙しくて昼飯は軽く済ませてたからな…。

今日はガッツリ豚カツ定食にするか!

 

 

「あっ!シラホシ君、来てたのね。」

 

 

「フウカ先輩、こんちゃっす。」

 

 

今日の昼食を決めると、給食部部長 二年生の愛清フウカ先輩が話しかけてきた。

 

 

「最近あまり見てなかったわね。風紀委員会の仕事が忙しかったの?」

 

 

「そうっすね、仕事が多くて多くて……。さらに問題児どもも暴れますしね。ゆっくりメシも食えないっすよ。」

 

 

「?今日食堂に来たってことは仕事が終わったってこと?」

 

 

フウカ先輩は忙しいと言っているのに食堂にいる俺に疑問を持つ。

 

 

「あー…実は3日前くらいに怪我しましてね。今はもう殆ど治ってて問題ないんですけど、ヒナ委員長から強制的に休暇を取らされたんす。」

 

 

「えっ!?大丈夫なの……?」

 

 

3日前の出来事をかなりぼやかして話す。

 

 

七囚人と戦ってました……なんて言ったら更に心配させそうだ……。

 

 

「さっきも言いましたが、怪我は殆ど治ってます……。なんなら今からでもランニングして身体動かしたいですね。」

 

 

自分は問題ないということをアピールするために笑いながら答える。

実際、マジで動きまくりたいんだよな……。黙ってるのはなんか落ち着かん。

 

 

「そう……なら良いけど……無理はしないでね?シラホシ君は私達と違って身体が脆いし……その……君が傷つくと悲しいから……。

 

 

「んあ?なんか言いました?」

 

 

「(눈_눈)………………何でもない……。」

 

 

なんかフウカ先輩が呆れたような顔してる……!

俺なんかやったかな………。

 

 

「はぁ……それで、今日は何を頼むの?」

 

 

「あぁ…そうだった。豚カツ定食おねしゃす。」

 

 

「豚カツ定食ね、わかった。それじゃあ少し待っててね。」

 

 

そう言うと、フウカ先輩は厨房へ行く。

 

 

楽しみだなぁ、久しぶりのフウカ先輩の料理。

 

 

これから作られる料理を想像しただけで腹が減ってくる。

 

 

マジで美味いんだわ、マジで。できれば毎日毎食食いたい。なんか家庭料理の最上級って感じの味がする。

 

 

そのくらいフウカ先輩の料理は美味しい。

 

 

 

 

ドガーン!!

 

 

 

 

フウカ先輩の料理にワクワクしていると、厨房が爆発する。

 

 

「っ!?何だぁ!?」

 

 

俺は急いで厨房へと向かう。

 

 

「さあ、フウカさん!今日もまた、共に美食の道を歩みましょう!!」

 

 

「レッツゴーです☆」

 

 

「あぁ……爆波しちゃった……弁償とかないよね………?」

 

 

「お腹空いたよー!」

 

 

「んーーーー!!」

 

 

厨房で目にしたのは、美食研究会のメンバーと、既に拘束されているフウカ先輩。

 

 

「なっ……!アンタらまたっ………!!」

 

 

「あら?シラホシさんではありませんか。ちょうど今からフウカさんと共に美食巡りをするのですが……ご一緒にいかがです?」

 

 

「誰が行くかテロリスト!!」

 

 

風紀委員である俺を何もないかのように自然と誘いやがって……。

 

 

「ちょっと!シラホシは風紀委員でしょ!何で誘ってんのよ!!」

 

 

敵である赤司ジュンコも俺を誘ったことにツッコんでいる。

 

 

「別に良いではありませんか……大人数で食べることでも、料理は美味しくなります……。それに、シラホシさんは同じ美食仲間でしょう?」

 

 

「誰が仲間じゃ!一緒にすんな美食馬鹿!!」

 

 

「そんなに悲しいことを言わないでください……。同じ食卓を囲んだ仲ではないですか。」

 

 

「1回だけな…!あの時はまだアンタらが美食研究会だなんて知らなかったからだ……!!」

 

 

「それに、ちゃんとあなたを美食仲間として認めているのですよ?

特に、スイーツなどの甘味類は悔しいですが私達以上の熱意を感じます。」

 

 

こういうタイプは苦手だ。一見話が通じるように見えるが自由で、我が強くて、結局話は通じなくて………。

 

 

「……気に入らねぇ店を爆破なんかしないのであれば、俺ももっと良い関係になれたと思うよ、アンタらとは。」

 

 

どんな味のメシでも、作る側は一生懸命作ってんだよ……!

その努力を踏みにじるような行為は断じて許すことができねぇ!

 

 

「……それに、今日はフウカ先輩のとびきりうめぇメシ食いにきたんだわ。今連れてかれると困るんだよ。まぁ、いつでも連れてかれると困るんだが……。」

 

 

「んむむむむ………(シラホシ君………)」

 

 

「……そうですか、確かにフウカさんの料理は格別です……。

ですがこちらも、さらなる美食の為、引くわけには行きません。」

 

 

「……これ以上話し合いは無駄だな」

 

 

すると美食研究会のメンバーは自分達の銃をシラホシに向け、シラホシも構えをとり、戦闘体勢に入る。

 

 

「4対1……。逃げるなら今のうちですわよ?」

 

 

「ハッ……誰が逃げるかよ。逆に勝てると思ってんのか?自分達の戦績見てから物言えや。」

 

 

両者、見つめ合う。

 

 

「さぁ、料理を始めようか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ……やはり、強いですわね……。4人でも負けるだなんて……。」

 

「これで俺の17勝3敗だな」

 

 

俺と美食研究会の戦いは、俺が勝利した。

 

 

一人一人順番にキックをクリーンヒットさせていき、確実に戦力を減らしてケリをつけた。(蹴りだけに)

 

 

「今回のところは諦めましょう……。

ですが私はいつか必ずあなたを………!」

 

 

「あっ!待て!お縄につきやがれ!!」

 

 

そのまま美食研究会は去っていった。

 

 

「ふぅ……逃げやがって……………。フウカ先輩、大丈夫ですか?」

 

 

そう言って俺はフウカ先輩の拘束を解く。

 

 

「ぷはっ……。うん、ありがとうシラホシ君。」

 

 

「無事で何よりです……。全く、奴らもしつこいですね。」

 

 

「それより、さっきのハルカ達との戦いで傷が……!」

 

 

「ん……?あぁ、かすり傷っすよ。直ぐ治ります。」

 

 

「またそんなこと言って…!見せて、応急処置するか………」

 

 

 

 

 

ぐぅ〜〜〜

 

 

 

 

 

「……………あー…腹減った………。」

 

 

「あっ……確かにお昼ご飯食べてなかったわね……。」

 

 

「……申し訳ないですけど、手当ては後でいいんで、昼食お願いできますか…?」

 

 

「でも手当てが……」

 

 

「いやメシが……」

 

 

「手当て……」

 

 

「「うーん……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在俺はフウカ先輩に作ってもらった豚カツ定食を食っている。

 

 

「あー……やっぱ美味ぇ、空っぽの胃に効くぜ………。」

 

 

「それなら良かった………。ほら、次はそっちの傷見せて?」

 

 

………フウカ先輩に手当てしてもらいながら。

 

 

メシが先か、手当てが先かをしばらく言い合っていたが、どちらも引かず、話が平行線だった為、「どっちも同時にやればいい」という結論に至った。

 

 

「……なんかフウカ先輩に手当てされることなんてないから少し恥ずいっすね。」

 

 

「……そ、そうね……。私もシラホシ君に手当てするのは初めてね…。」

 

 

てか俺自分で手当てしてなくね?殆ど他の人にやってもらってね?

普通に自分でも手当てできるんですけどね……。男として情けなくなってきた………。

 

 

因みに、人前でこんなことしてて良いのかと思うだろうが、さっきの爆発と美食研究会との戦闘で生徒はみんな逃げてしまった。

 

 

だから問題なし………ではないな、うん。

 

 

「ありがとうございます、フウカ先輩。あんなことあったのにメシ作って貰っちゃって……。」

 

 

「良いのよ、別に。助けられたんだからこれくらいのことはしないと。

なんなら料金も貰わなくて良かったのに……。」

 

 

フウカ先輩は助けてもらったお礼に今回の豚カツ定食の料金をタダにすると言ってくれた。

 

が、フウカ先輩の料理をタダで食うなんてできない。フウカ先輩の料理はタダで食ってはいけない価値が、美味さがある。というわけで丁重にお断りさせてもらった。

 

 

「いいんすよ、この料理にはしっかり対価を払わなきゃならないです。

本当に美味しい……。できることなら、毎日食いたいくらいに。」

 

 

「っ!?///」

 

 

俺がそう言うと、フウカ先輩は顔を赤くした。

 

 

風邪でも流行ってんのか?もしそうなら安静にして休んでてほしいな…。

 

 

「その……シラホシ君が望むなら、毎日弁当を作ってあげても……」

 

 

「え……良いんですか!?」

 

 

フウカ先輩の発言に、俺は目を輝かせる。こんな美味い料理を毎日食べれるなんて願ってもない。

 

 

「あー……。でも、大丈夫です。今まで自分で弁当作ってましたし、フウカ先輩も忙しいでしょう。食材の調達だって朝早くに起きて買ってるんですよね?なのに俺個人の為だけにフウカ先輩の手を煩わせるわけにはいきません。」

 

 

「良いの!これはお礼でもあるんだから!あなたは大人しく弁当を食べてればそれで良いのよ!!」

 

 

「…フウカ先輩が言うなら……じゃあ、お願いします。」

 

 

「……それでいいのよ。」

 

 

フウカ先輩の迫力に押され、ついお願いしてしまった。

こんなにグイグイ来る人だったか……?そんなにお礼がしたかったのか…。別に気にしなくていいのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………少し強引すぎたかしら…。」

 

 

シラホシ君が食堂を去った後、ジュリと一緒に厨房を片付けていた。

 

 

(私らしくない…あんな行動をするなんて。)

 

 

先程の自分の行動を振り返る。自分でも何故あんなに必死なって彼に弁当を作ってあげようとしていたのかわからない。

 

 

(いや、もうわかっているわね。私は、シラホシ君のことが………)

 

 

彼は私の料理を美味しいと言ってくれる。とても幸せそうなら食べてくれる。

 

 

その私の料理を食べている時の彼の笑顔が、とても愛おしい。最近ではあの笑顔を見るために彼に料理を作っている。

 

 

(シラホシ君の事が好きな生徒は沢山いると聞く……。風紀委員会、クラスメイト、恐らく、ハルカも……。)

 

 

ライバルが多い。それ即ち、競争が激しく、自分が選ばれなくなる可能性が低くなるということ……。

 

 

(……でも、私にも他の人にないアドバンテージがある。)

 

 

それは料理、もっと言うと、彼の胃袋を掴みかけていること。

 

 

これはまだ誰も辿り着いていないステージだと思う。

 

 

「必ず、わたしが………。」

 

 

「……先輩………?」

 

 

その時、ジュリが見たフウカの表情は、闘う女の顔のように見えた。

 




因みに、シラホシは五感が優れていますが、恋愛などの大事なところで難聴になり、なんならIQも若干下がり、勘も鈍くなります。
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