「てわけでアンタを捕まえます」
「何ですってーーーーー!!?」
「でた十八番」
どうも、陸八魔アルを陸八魔アルさせたシラホシです。
校内を歩いていたら便利屋68の連中に遭遇したのでちょっと驚かそうとしたらあの反応です。
何回か見た事あるけどやっぱおもしろいね。黙ってりゃカリスマ性溢れるカッコいい女社長なのに問題起こす度にこうなって威厳のかけらもなくなるんだもん。
これがアウトローを目指す者の姿とは思えん。
「冗談す」
「じょ、冗談!?びっくりさせないでちょうだい……。」
紹介が遅れたがさっきまで顔芸(白目)をしていたこの人は問題児グループの代表格である便利屋68の社長、陸八魔アル。
アウトローに憧れており、便利屋68を経営するが本人がポンコツのせいで殆ど赤字だと聞く。
「くふふ、やっぱりアルちゃんおもしろーい!」
「一応アンタらの社長だろ……笑っていいのか………?」
仮にも自分の会社の社長を笑っているこの人は浅黄ムツキ。
見た目通りと言えば失礼かもしれないが、かなりのイタズラ好き。(俺も何回かされた事がある)
アルさんがトラブっている状況でも助けずその状況を楽しんでいることが度々ある……が、それはそれとして仲間を馬鹿にされたらキレる。
便利屋と戦闘になったときがあって相手への挑発でアルさんを(挑発とわかる程度に)馬鹿にしたらガチギレして攻撃が激しくなった。(ムツキさん以外の人も)
それ以降便利屋で過度な挑発をするのはやめた。だって怖いんだもん。
あれはやばかった……。あちこちから爆弾が飛んできて、カヨコさんの銃の爆音で怯まされ、ハルカが凸ってくる……。
アルさんはほぼ何もしていなかったがあの戦いは肝が冷えたな。
やっぱ女性は怒らせるのはダメだね。
「…………何を思い出してるのかな?」ニッコリ
「ヒエッ」
そんなことを思っていたらムツキさんが圧をかけてきた。何で考えてることわかるねん。
「……なにしてるんだか」
今俺に呆れたのが鬼方カヨコさん。
便利屋の常識人枠。顔が怖いと言われているが俺は別にそうは思わない。
クールでかっちょいい。噂では猫が好きだとか……。ギャップ萌え助かる。
「……というか、私達を捕まえなくていいの?風紀委員でしょ?」
「別に今回あなた達は何もやってませんからね。たまたま昼休みに鉢合わせただけですし。」
「そ、そうなのね。思ったより優しいわね、あなた…。」
俺を何だと思ってんだアルさん。………………敵か。(自己完結)
「あれ?そういえばハルカは?」
「あぁ、ハルカならあそこに……」
そう言うとカヨコさんは廊下の角を指差す。
「…………」
「あ、いた」
何であんな遠くから見てんだ?もっとこっち来ればいいのに……。
そんなことを考えながらハルカに近づく。
「よう、ハルカ。元気してたか?」
「えっ…あっ、あのっ…………はい……………………。」
このオドオドしている少女は便利屋68社員、伊草ハルカ。
内気で自尊心は低めだがアルさんや先生など、自分が憧れる人に対しては精一杯尽くそうとする………かなり物騒な方法で。
会話から察することができるかもしれないが、俺とハルカはゲヘナ学園に入学する前からの友達である。
詳細は省くが、俺とハルカは小学校の時に出会い、友達になった。
それ以降も関係は続いており、今、組織としては敵対をしているものの関係は良好だ。そこそこ連絡も取り合ってる。
「最近、無茶しすぎてないか?ハルカはアルさんとかのこととなるとやり過ぎる節があるからな。」
「ぁ……はい………大丈夫です……………。」
「ならいいんだ」
「……///」
俺が笑いながら言うとハルカは俯いてしまう。
やっぱり無茶しているのでは?疲れが溜まってるから元気ないとか……
「はぁ……そこまでにしてあげて。」
カヨコさんが止めに入る。
「え……俺なんかやりましたかね…………。」
「まぁ、特にはしてないんだけど………ハルカが限界だからさ。」
ハルカはまだ俯いたままだ。
はっ……!まさか、俺、避けられてる!?
確かに、思い返してみれば少しウザかったか……?
俺はただの友達なのに……しかも敵対している組織のメンバーから心配とか………あっちからすればめっちゃ気分は良くないのではないか?
中学からずっと一緒だったが…しつこかった………!?
そもそも男の俺が仲良くなりすぎるのも烏滸がましい……!?
考えれば考えるほど避けられる原因がどんどん出てくる。
「そうか……そうだよな、よく考えればわかることだよな………。ごめんな、ハルカ………。」
「えっ………いや…………なんで……………謝って…………!?」
「ウザかったよな、俺。ハルカの気持ちも考えずに接しすぎちまった……。本当にごめん。」
俺はハルカに謝罪の言葉を述べる。
「いやっ……そんなことっ…思ってなんか………」
「しつこかったろ。けど安心してくれ。俺はこれから距離置くからよ…。」
俺は振り返り、その場から離れようとする…………と思ったが進めない。
「…………」
ハルカが俺のシャツの裾を掴んでいた。
「ハルカ?」
「……………………」
ハルカは俯いたまま、黙っている。
「あ…………あのっ!」
ハルカが珍しく大きい声をだして俺は少し驚く。
「しつこくありません……ウザくありません……あなたが一緒にいてくれるのが嫌じゃありません!」
「今までも、これからも嫌いになることは絶対ないです!なので………お願いですから……離れないでください………。」
ハルカは目を潤ませながら必死そうに言う。
「……俺は勘違いしてたみたいだな。」
「ごめんな、ハルカ。結局お前の気持ちをわかってなかったみたいだ。離れねぇよ。」
「うぅ……あ、ありがとうございます……。」
俺がハルカの頭を撫でると、ハルカは抱きついてくる。
ガキの頃からそうだったな。喧嘩して仲直りした後とか、ハルカに悲しい事があった時とか、いっつも抱きついてきて。
しばらくその状態は続いた。
………力強いな。
「絶対に離しません……どこへも行かせません………誰にも奪わせません……あなたは、私が……………。」
「……………」
「ハルカちゃん、あの子にだいぶお熱だね〜?」
「へぇっ!?す、すみません!」
シラホシと別れた後、便利屋は会社に戻っていた。
「いいのよハルカ!ウチの会社は恋愛は自由なんだから!!好きにしなさい!」
「………でも、相手は風紀委員会だよ?いいの?社長。」
「うっ……いいのよ!ウチはアットホームな職場なんだから!!」
アウトローはアットホームな職場なのだろうか?カヨコは疑問を持ったが聞かないことにした。
「すみません、すみません、すみません……私なんかがこんな気持ちになってしまって………」
「いいんだよ〜?別にハルカちゃんが誰と付き合っても誰も文句は言わないし、何よりアルちゃんがああ言ってるからね〜。」
「そ、そうよ、ハルカ!彼と結ばれて、幸せになりなさい!!これは社長命令よ!!!」
「アル様……はい、ありがとうございます………!」
便利屋の中間達は皆んなハルカの恋を応援していた。
ハルカの初恋。甘く、酸っぱく、見ているこちらが澄んだ気持ちになるような純粋な恋心。
「絶対に…絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対、あなたと……………ふひひっ……」
「………はぁ」
カヨコだけは、そんなものではないと気づいていた。
幼馴染ヤンデレハルカ概念いいよね……。