キヴォトスを駆けていく   作:味噌焼き

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我、試験期間故、投稿遅延。誠謝罪。


5話 放課後っつったらよぉ?

「やぁぁぁっとおわったぁぁぁぁーーー!」

 

 

どうも、多くの苦行(授業)を乗り越えてハイパームテキになったシラホシです。

 

 

便利屋の面々と別れて適当に昼休みを過ごしたあと、物理と数学という何を言っているのか理解不能な授業を受けた俺は待ちに待った放課後に心を弾ませていた。

 

 

「マジで午後にあの2つはだめだろ……。全く頭が働かん。」

 

 

因みに、理系か文系かって聞かれたら俺は文系だ。なんならガッツリ。

 

 

読書は好きだから読解力はそこそこあるし、現代文とか古文でも本で見たことある言い回しがあったりするからなんとかなる。

 

 

漢字も本読んでりゃ自然と覚えてる。英語も単語くらいなら見聞きしたことくらいあるやつも多いから文法さえ覚えりゃいける。だからこれまで文系科目で苦労したことはあまりなかった。

 

 

だが理系、オメーは無理だ。

 

 

何が何だかさっぱりわからん。何がわからないのかもわからん。

全てがわからん。

 

 

なんかさ……わかる人いるかな………。俺物理の問題を前にするとさ、自分のIQ下がってる気がするんだよね……。

 

 

文系の人間が理系の問題解くときって絶対IQ下がってると思うんだよ。

だって明らかに脳みその処理能力落ちてるもん。

 

 

ただでさえIQ低いのにこれ以上下がっちまったら猿以下になっちまうよ。

ウキッ。

 

 

………大分話が逸れたな。

 

 

さて、突然だが君たちは学生時代、放課後に何をしていた?

 

 

部活?仲間と絆を深めることができて良いね。

 

 

勉強?真面目で素晴らしい。

 

 

放課後に何をするかは人によって違うだろう。

 

 

ここまで上から目線でモノを言っているが、俺の放課後の過ごし方も典型的だ……それは……………

 

 

 

「食べ歩きッ………!!!」

 

 

 

 

拍子抜けしたか?だが、この食べ歩きはただの食べ歩きではない……

俺にとってどんな予定よりも優先すべき、いや、しなければならない!!

スイーツ店のハシゴッッ…!!!

 

 

俺はこの時の為に生きていると言っても過言ではない!学生という身でありながら、貴重な金を高価なスイーツに注ぐ!その代償を払うことで史上最高の幸せを得ることができる!!

 

 

砂糖は正義であり、正義は砂糖である……。この世の真理さ。

 

 

はぁ……考えるだけで我慢できなくなってきた………。

さっさと1店舗目に行っちまおう。待っててな、俺のスイーツたち!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分後、俺は今トリニティ自治区にいる。

 

 

なんでゲヘナからトリニティに来てるんだって?

なんか気づいたらいたわ。(記憶障害)

 

 

まぁ説明すると、最初はゲヘナのスイーツ店をハシゴしていたのだが、店を転々としているうちになんかトリニティの方に近づいていって、

 

 

(そういやトリニティのスイーツって美味いことで有名だよな……)

 

 

って思って食いたくなったから来た。

 

 

だって金持ちが沢山いる場所で売ってるモンなんかマズイ訳ないやん!

 

 

ちと値段は弾むが、まぁ、今更だな。ここまでで5店舗は回ったし。

 

 

そんなわけで、俺はまだ見ぬ究極の甘さを求めて店に向かおうとする。

 

 

パァン!

 

 

その時、どこかで発砲音がした。

 

 

最初の発砲音を皮切りに、さらに複数の発砲音が続く。

 

 

「銃撃戦…?トリニティでも起こるんだな、こういうの。」

 

 

ゲヘナじゃ常にどこかで銃撃戦が行われているから別に驚きはしない。

 

 

 (結構近いな……。)

 

 

音の大きさから推測するに、戦場はここから遠くはないだろう。

 

 

「けど、ここはトリニティだし、ゲヘナ生の俺が首突っ込んだらややこしいことになる。さっさとスイーツ食いに行きたいし……。」

 

 

ゲヘナとトリニティは凄く仲が悪い。ずっと昔から互いに嫌悪し、罵り、喧嘩してきた。

 

 

全員がそうという訳ではないが、殆どそんな感じだ。

 

 

角があるだの、羽がどうだの、正直どうでもいいがな。俺にはどっちもないし。

 

 

ゲヘナが野蛮だって言われたら、まぁ…黙るしかない。事実だし、言い返す気もない。

 

 

話を戻すが、そういう関係なのにトリニティの事情に下手にゲヘナ生の俺が首を突っ込んだら最悪自治区同士の問題になるかもしれない。

 

 

だから今回はスルーさせてもらおう……。

 

 

(いや、待てよ……?)

 

 

そこでシラホシにとある考えがよぎる。

 

 

(もし今回の銃撃戦の元凶がゲヘナ生だったら?)

 

 

いつも捕まえている問題児たちがゲヘナ生だからと言って、活動範囲がゲヘナ自治区だけ、という訳ではない。

 

 

美色研究会はあらゆる料理を求めていろんな所に行くし、便利屋も依頼などがあり、ゲヘナ内にずっとといるということでもない。他の問題児たちもブラックマーケットとかに行く。

 

 

「つまり、このトリニティでも問題を起こしている可能性がある……。」

 

 

本当にそんな事態であれば、それこそアウトだ。ゲヘナとトリニティは完全に対立する。

 

 

「あぁー……ヤダなぁ……めんどいなぁ……。」

 

 

今日の俺は風紀委員会としてここにいる訳ではない。オフの日にまで仕事したくないので、正直関わりたくないが………。

 

 

「………………しゃーなしか。」

 

 

そう言って、俺は走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前、音の発生源にて

 

 

「ひっ………やめてください……!」

 

 

「ならやるべきことがあるよなぁ?さっさと出すモンだせよ!!」

 

 

1人のトリニティ生がスケバン集団に囲まれていた。

 

 

「トリニティのお嬢様なんだからよ、金くらい持ってんだろ!?」

 

 

「そのキレーな顔に傷つけてほしくなかったらさっさと出せや!!」

 

 

「ひっ………………あっ!?」

 

 

その時、トリニティ生は何者かに手を引かれる。

 

 

「そこまでっすよ。」

 

 

「!?誰だ!!」

 

 

現れたのは黒髪ロングで正義実現委員会の制服を身につけた、糸目が特徴的な少女。

 

 

「大丈夫っすか?早くここから逃げるっすよ。」

 

 

「は…はい!ありがとうございます!!」

 

 

助けられたトリニティ生は感謝を述べ、その場から去っていく。

 

 

「あっ!?何逃してんだ!!」

 

 

「おい、あれって正実の仲正イチカじゃ………。」

 

 

スケバンたちは目の前の正実の中でも実力があるイチカだと理解する。

 

 

「カツアゲっすか……。ここ最近多いんすよね。もしかして全部あんたらがやったんすか?」

 

 

「誰が教えるかよ!」

 

 

「あっちは1人しかいねぇ!数でやっちまうぞ!!」

 

 

そう言うとスケバンの1人がイチカに向けて発砲する。

 

 

「っ!いきなりっすね……!」 

 

 

その場にいる全員が戦闘態勢に入る。

 

 

イチカは連続で放たれる銃弾を避けながら自分の愛銃で応戦する。

 

 

「オラオラ!どうした!?そんなモンかよ正実さんよぉ!?」

 

 

「くっ…!」

 

 

(多勢に無勢っすね……)

 

 

流石のイチカも1対複数だとキツイのか、苦戦していた。

 

 

相手もかなり連携が取れており、イチカにとって嫌な行動、視覚外からの攻撃、味方のキャリー……それらもイチカを苦戦させる要因であった。

 

 

「これでも食らいやがれ!!」

 

 

集団のリーダー的スケバンがグレネードを投げる。

 

 

「これはっ……マズっ…………」

 

 

他のスケバンに気を取られていたイチカは反応が遅れる。

 

 

直ぐにくるであろう爆発を防御しようと身構えた……………。

 

 

「返すぜ」

 

 

「……………………えっ?」

 

 

イチカは目を見開いた。突如として男が目の前に現れたのだ。気配もなく。

 

しかもその男は飛んでくるグレネードを蹴り飛ばし、スケバンに返してしまった。

 

 

「なっ……は?ぐわーーー!!!!!!」

 

 

スケバンたちも突然のことで呆気に取られており、返されたグレネードを避けることなく爆発に巻き込まれる。

 

 

「………あなたは…………?」

 

 

「あー………詳しいことは後で話します。とりあえずコイツら、どうにかしましょう。」

 

 

「あぁ……そっすね。」

 

 

「いったぁー……オイ!テメェ急に出てきて何すんだ!」

 

 

「……お前ら、ゲヘナ生じゃねぇな?」

 

 

「あ?それがなんだよ……」

 

 

「あーよかったぁ!マジで肝が冷えたぜ……!」

 

 

男は安心したような顔をする。

 

 

「こっちの話だ……んなことより、さっさと来いよ。全員まとめてボコボコのボコにしてやる。」

 

 

男はスケバンたちを煽るように言う。

 

 

「舐めやがってっ……!行くぞ!お前ら!!」

 

 

「食後…………食前?の運動にはなってくれよ?」

 

 

戦いは謎の男を加えた状態で再開される。

 

 

男はスケバンたちに向かって走り出す。

 

 

(あれ?あの人、ヘイローがない………?)

 

 

戦いが始まり、イチカは男にヘイローがないことに気づく。

 

 

「ちょ……危険っすよ!ヘイローもないのに突っ込んだら!!」

 

 

イチカは男を止めようとするが、男は依然として走り続ける。

 

 

「ハチの巣にしてやれ!」

 

 

銃弾の雨が男に向かって降り注ごうとする……が。

 

 

「「「「はっ………!?」」」」

 

 

男は迫り来る銃弾を全て避けながら突き進んで行く。

 

 

「バケモンかよっ…!?」

 

 

スケバンの1人が再び男に銃口を向けるが、今度は視界から男が居なくなる。

 

 

「消えっ……!?ぐあっ!!」

 

 

困惑する時間もないまま、後ろから蹴られて気絶する。

 

 

「まずは一人……。」

 

 

「な……何なんだよテメェはぁぁ!!」

 

 

「メンドイし、まとめてやるか……楽しめなさそうだし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しすると、スケバン集団は全員倒れていた。

 

 

「ま、こんなもんか。」

 

 

「あなた……何者っすか………?」

 

 

ヘイローもない男が大人数を相手に目で追えない速さでとんでもない立ち回り………あろうことか、銃も使わずに蹴りのみでスケバンたちを全滅させてみせた。イチカはその事実が信じられなかった。

 

 

「自己紹介が遅れましたね……俺はゲヘナ学園、風紀委員会所属、一年の早乙女シラホシです。」

 

 

「ゲヘナの風紀委員会?なんで……?」

 

 

シラホシの自己紹介を聞いてイチカは少し驚く。

 

 

「そんな警戒しないでください……別に今日は俺オフなんで。プライベートで来ただけです。」

 

 

「そうなんすか。こっちも紹介が遅れたっすね。私は正義実現委員会の仲正イチカっす。」

 

 

「発砲音が聞こえたから来てみましたが……やっぱトリニティの問題にゲヘナ生が首突っ込んだらマズかったですかね………?」

 

 

シラホシは不安そうに聞く。

 

 

「……いや、正直あの状況で助けてくれたのはありがたかったっす。

あの人数相手だと流石にキツかったっすから。」

 

 

 

「それならよかったです……。ところで、このスケバンたちはどうす「イチカ先輩!大丈夫ですか!?」

 

 

声がする方を見ると、正義実現委員会であろう生徒たちが走ってきた。

 

 

「遅くなってすみません……!イチカ先輩が一人で戦ってたって聞いて……!お怪我はありませんか!?………あれ?そちらの方は……。」

 

 

「あー…私は大丈夫っすよ。こっちの人は対処に手伝ってくれた人っす。」

 

 

「そうなんですか……とりあえず、後の事は任せてイチカ先輩は休んでください!」

 

 

「……じゃあ、お言葉に甘えるっす。」

 

 

会話を終えると正実の人たちはスケバンたちを連れて行った。

 

 

「行ったっすね……。シラホシさん、この後何か予定あるっすか?」

 

 

「あー……トリニティのスイーツ店を巡ろうとしてたんですけど………」

 

 

「じゃあ、一緒に行かせてくださいっす。」

 

 

「……………え?」




因みに、主人公の外見は美形設定です。
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