「………(ニコニコ)」
「………(汗ダラダラ)」
「ご注文いただいたショートケーキ2つ、スペシャルパフェ1つ、特製シュークリーム1つになりまーす」
「あ、ありがとうっす。じゃ、早速食べるっすかね。」
「ハハ…ソッスネ……」
なんでこんなことになったんだ………!!
現在俺はイチカさんとトリニティのスイーツ店にいる。数分前、イチカさんが一緒にスイーツ店に行きたいと言っていたが、あれは助けてくれたお礼としてスイーツを奢りたいという事だった。
「アッ…イタダキマス……」
「どうぞっす。」
「モグモグ……」
「………(ジー)」
「………………(チラッ)」
「ニコニコ」
何だよその反応は!何考えてるかわからねぇよ!何で野郎がスイーツ食ってるとこをジッと見てるんだよ!こんなの見てたって楽しくねぇだろ!んで何で俺がそっち見たらニコニコするんだよ!僕にはわかっかんないよ!(シ◯ジ風)
折角学園間の問題への発展を避けられたと思ったのに……。これじゃまたゲヘナの危機だよ……。"二人きり"で話すとか絶対なんか言われんじゃん……。
「美味しいっすか?」
「ハイ……オイシイデス………」
嘘です。緊張で味を感じません。ちゃんと味わう為に後でもっかいこの店来よ。
「それなら良かったっす。いやー連れてきた甲斐があったっすねー。」
「ハハ……アリガトウゴザイマス」
因みにこの店はイチカさんが教えてくれた店だ。
「トリニティにいる私なら良いお店知ってるっすよ?」
とのことだったので案内してもらった。
……多分スイーツは美味しいのだろうが今は味を感じない。凄く悲しい。
それはともかく、何言われるんだろ……。やっぱ勝手に手伝ったことかなぁ……。それとも他に目的が…?トリニティってなんか政治強そう(?)なイメージあるんだよな……。こっちが知らんうちに重要な情報を言わされてそうで怖い。
「……緊張してるっすか?」
「へっ…!?あー……いや、まぁ…………そうですね……。」
自分が緊張してることを当てられて素っ頓狂な声を出してしまう。
「やっぱりそうっすか……。」
案の定というかのようにイチカさんは反応する。
「俺そんな見てわかるくらい緊張してました…?」
「それはもう緊張してるってわからない人はいないくらい緊張してたっすね。」
「マジか……。」
「なんでそんなに緊張してるんすか?」
「えーっとぉ……そのぉー………何というか……………。」
言えるわけがない。
「なんか裏ありそうで怖いんすよねー」
とか言ったら何をされるかわからん。
「……やっぱり、裏があるとおもってるっすか?」
「え?」
「トリニティとゲヘナは仲悪いっすし、そんなトリニティ生がゲヘナ生にただお礼するだけじゃないだろう……みたいな。」
「………その通りです。」
考えていた事を全て当てられて言われたことを肯定する。
「……私はお礼がしたいだけなんす。」
イチカさんは少し寂しそうな顔をする。
「トリニティ生の言うことなんて信じられないかもしれないっすけど、本当っす。」
「………」
嘘をついている様子はない。メチャクチャポーカーフェイスが上手くない限り、言っていることは本心なのだろう。けど、裏の裏があるかもしれない。敢えてこう言うことで油断させようとしてるのかもしれない。
「だーーー!めんどくせぇ!!」
「⁉︎」
「裏とか考えんのダルいわ!んなこと考えてりゃスイーツが不味くまる!」
「えーっと……?」
イチカさんは困惑した表情を浮かべる。
「信じますよ!てか正実の人が悪い人な訳ねぇし!多分!」
「ありがとうっす……?」
「あとすみません!疑って!」
俺はイチカさんに頭を下げる。
「ちょ……頭上がるっす……。」
「アンタの思いを踏みにじる行為だった!本当にすみませんでした!」
「それは良いんすよ…ゲヘナ生なら当然……」
「この話おしまい!スイーツ食いましょう!!」
「え……えぇ!?」
俺は無理矢理話を切り上げる。
だってこんな空気耐えられねぇし。難しいこと考えたくねぇし。
「んなことよりもっと楽しい話しましょ!めんどくせぇ事考えるより俺はアンタと仲良くなりたい!」
「っ!?は…はいっす………。」
「あと俺のことはシラホシでいいっすよ!!」
「わかったっす……シラホシ………。」
「はい!!」
その後メチャクチャお話しした。
目の前でスイーツを頬張る少年を見つめる。
緊張は消えたようで、幸せそうに味わって食べている。
雪のように真っ白な髪。女性と間違えるような整った顔立ち。しかしそれでも男の子とわかる華奢ながら女性より筋肉質な体。
シラホシはイケメンという部類の人間なのだろう。
けれどそんな事は重要ではない。眼福であることに変わりはないが。
今一度シラホシを見つめる。
「〜♪マジで美味いなこれ………」
未だ美味しそうにスイーツを食べる彼を見て微笑んでしまう。
「………?なんかしました?」
視線に気づいた彼が不思議そうに問いかけてくる。
「いや、なんでもないっすよ。」
彼に助けられた時のことを思い出す。
今にも爆発しそうなグレネードに備え身構えた直後、颯爽と現れ、それを蹴り返した。
後ろで結われた髪がなびき、女でも見惚れる横顔、敵を見つめるターコイズのような目。
思い出すだけで顔が熱くなる。
(我ながらちょろいっすね……)
さらに店に来てからのこと。
初対面、しかもゲヘナ生が嫌うトリニティ生のことをすぐに信じてくれた。
それどころか、仲良くなりたいなどと……。
(これはもう、しょうがないっすよね。)
いつまでこの気持ちを抑えられるだろうか。
できることなら、今この場で解放してしまいたい。
(けど、まだ早いっすね。)
まだ、その時ではない。
少しづつ、少しずつ、逃げられないようにしていく。
少しづつ、少しづつ、こちら側へ誘っていく。
そして時が来たら………………。
「ふふっ」
覚悟しておくっすよ、シラホシ。
「………?」
(イチカさん……目開けてんの初めて見たな………。)
己の文章力の無さを恨みまくる。今年のクリスマスプレゼントは決まったな……。感想、誤字脱字、指摘、お気に入り登録、ありとあらゆるものを待っています。来たら自分のポテンシャルを120%引き出せるようになるので何卒。