流星のロックマン Crystal Crest 作:Dylandy
「―――スバル君!!スバル君ってば!!」
「……………え?……」
少年はハッと我に返ったような顔をした。周りを見回したら教室のクラスメイトの視線は自分に向けられていた。何故、自分に視線が向けられているのかが分からなかった。
「え、なんで僕に視線が集中してるの………?」
と、スバルが小さい声で話しかけてきたキザマロに返す。キザマロは聞こえないように小さな声でスバルに話しかけた内容を話す。
「スバル君、先生に問題の解答を指名されてますよ」
「えっ……本当?」
「はい、そうです………」
キザマロが聞こえないように小さな声でスバルに助け船を出す。だが先生の問題の解答を出題したスバルはどこを解答すればいいのか分からない。ブラックボードを見ても何も書いてない。という事は教科書の問題となる。だが意識朦朧とボケていたスバルは何ページなのかも分からない。
「えっと……すいません……ちょっと話聞いてませんでした……」
「珍しいな――。お前が授業中に話聞いていないなんて。今度は良く聞けよ。教科書の35ページの問題3番だ」
スバルが正直に自白したらクラスから小さな笑い声がした。スバルは自分が話を聞いていない不甲斐無さに顔を赤くしてしまう。と同時に教室の端っこからただならぬ尋常じゃない殺気を肌で感じ取れた。休憩時間、自分が死に触れる覚悟をしたスバル。冷や汗と共に固唾を飲む。
そして問題を見た。内容は至って簡単な問題だった為、楽に処理できた。
行間1
「ス~~バ~~ル君~~。貴方、生徒会長がいるクラスで授業中に意識を異世界へ旅だとうなんていい道教してるじゃない………。今すぐこの生徒会長であるこの私がこの何かに迷える生徒を一回導いてあげましょうか………」
時は昼休み。適当に昼食のお弁当とか、勾配で販売しているお弁当を購入して昼食を終えた生徒達が休憩の時間を過ごす。その昼休みの状況下でこの時を心待ちにしていたかのような表情でこの学校の生徒会長、金髪ツインテールでロールがかかった長い髪が特徴の女の子、白金ルナが指をポキポキと鳴らしながら殺気を立てて歩いてきた。スバルはそれを見て背中に尋常じゃない殺気を感じ取る。やばい、このままじゃ自分の命が20個あっても足りないと頭の危険信号を鳴らす。
スバルの悲鳴が校内中に響き渡ったという噂が流れてたらしい―――………。
「-―ふぅ、さてスバル君。生徒会副会長として貴方にやって欲しいことがあるの」
「ふえ?………一体、なんですか?会長………」
スバルは言葉には表現できないような無様な容姿になっていた。きっと、このワガママ小娘生徒会長白金ルナに言葉の暴力を受けたらしい。どんな言葉を受けたかは聞いただけでゾッとするような毒舌の内容だった。
「――実はね、この学校には目安箱って言ってね、生徒からの意見や、発案、こうしてほしい要望を検討する箱があるの。これを生徒会の一員は生徒からの要望に応答するんだけど、貴方にこの意見を集めてほしいの」
「え………僕が……?」
スバルがきょとんとした顔で聞いたが、ルナはこの仕事の適任者がスバルしかいないと思っているのかあっさりと頷いた。ルナは仕事を頼ませたと、生徒会長なりの仕事をしたのか、貧相な胸をえっへんとして意気揚々としていた。隣では呆れるような表情でキザマロとゴン太が苦笑いをしている。
「生徒の意見を聞いてくれるなら、購買に牛丼を老いてくれることはできないか!!」
「それは無理でしょうね」
「-―そうか……」
ゴン太らしい食い物の意見が出たが、それは学校をよくするための意見ではない。ただの個人的な要望になってしまう。そうであった為、ルナはあっさりと一言で却下した。そのあっさりとした一言にゴン太は少し落ち込んでしまう。
「でも、どうやって意見集めたらいいんだろうね……」
「そんなの自分で考えなさいよ!!」
(いくらなんでも無責任すぎる!!)
スバルはルナの大雑把なところに大きく心の中でツッコミを入れた。仕事を頼まれたのに自分で打開しろと言われた。これじゃ全く解答の分からない数学問題を練習問題もなしに本番一発でやれと言われているようなものだ。
ウォ―ロックも呆れ顔。両手を上に向けて手首を垂直にしてやれやれと呆れていた。スバルも勿論。
「仕方ない、校内とか適当に回って生徒の意見集めるかな……。今日の放課後に集めないと委員長起こりそうな気がするし………」
『それしかないだろスバル』
「うわぁっ!!と、突然出てこないでよ!!ウォ―ロック!!」
『すまん、すまん。でもあの女のいい加減っぷりは凄いぜ。筋金入りだな』
筋金入りという言葉にスバルも同感する。確かに彼女の悪態な一面も多い。下手したら男ども三人で彼女の悪い点を話す話で朝から晩まで話していられるかもしれない。
行間2
「-――あ――恥ずかしかった。なんで校内歩き回って意見収集しなきゃならないのかな……」
とスバルが不満そうな表情で戦慄しながら歩く。でも一応、生徒の意見は集まった。これで自分が死ぬことはないと安堵するスバル。意見が集まったがせいぜい、10人程度の意見だった。集まったが、彼女からの支店では少なすぎるのでは?と思ったりするスバル。せっかくの昼休みを無駄にしたなあ、と後悔するスバル。けど彼女には絶対服従になってしまうため無理なのだ。彼女の前では跪くしかない。従うしかない。反論は出来ない。それが彼らの因果関係。
「委員長――、集まったよ――」
「お疲れ様――。どれどれ――?」
とル教室で待機していたルナは生徒会副会長が集めてきてくれた生徒の意見の紙切れをとって見てみた。内容はこんなものだったりする。
『生徒会長に不安要素があるので、不安要素をなくすように努力してほしい』
『生徒会長の話が長いので短くしてほしい』
『生徒会長が何かとズレてるので修正してほしい』
―――などという意見だった。その中にも一応まともな意見も入っていた。でも5割はこの生徒会長に向けての要望や文句だった。まあ確かにこの意見を出した生徒達にも一理ある。
全校集会での彼女の話す部分が自分のプライベートの話になってたり、緊張して、生徒達に分かりにくい声になっていたり、無条件で生徒会を決めたりなど………。
事実が述べられた意見が多数だった。
「な、な、な、な、なんなのよ!!!!嫌がらせ!!?スバル君!!これはどういう事なの!!?」
「僕に言われても知らないけど!!」
ルナは怒りが最高頂に達したため、乙女の馬鹿力が降臨した。意見が書かれた紙を容易く切り裂き、ズタズタにしてゴミ箱に向けて、プロのピッチャー顔負けの渾身のストレートをゴミ箱に叩き付けた。この意見の紙を取り除いとけばよかったなあと後悔するスバル。
その後、星河スバル、最少院キザマロ、牛島ゴン太。
彼ら三人に彼女の怒りの飛び火が舞ったことは言うまでもない。
それが当たり前の日常なのだから。
――――今日の発見、生徒会長の信頼は薄い。
――――今日の教訓、未来を予想し、取捨選択をしろ。