流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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覇者と天使

 時は二週間を過ぎた。そろそろ4月という門出の月を終える。道の街路樹も桜の花びらが散って地面に舞い、桜の木々は緑へと色づかせ、春の風も、涼しい風が混ざった夏の風へと季節の変わり目が産声を上げていた。オービタルベースの向かう日までもう少し。

 

『-―――-それでは次のニュ―スです。最近、各地で電化製品や機械が突然の爆発事故を起こすという不可解な事件が起きています。この事件の真相は今だ明らかになってなく、ウイルスによって発生した事件とは確定してはいないようです。住民の皆さん、身の回りの電化製品のメンテナンスを心がけてください。以上、おはようニホンのニュ―スをお知らせいたしました』

 

 とテレビから聞こえてくるニュ―ス番組の司会者がそう言っていた。電化製品や機械が突然爆発する不可解な事件。ウイルスの仕業というのが解明されていないらしい。人工的にやった仕業か、それとも未知の仕業か。

 誰がやったのか分からない。そのニュ―スを見ていたスバルとあかねは戦慄していた。

 また物騒な世の中になってきたと肌で感じる。

 

「機械が突然爆発する事件ね………。また物騒な世の中になりそうなものね……」

「うん………」

 

 とスバルが眠たそうな顔をしながら皮をむかれて薄い塩水につけられた林檎を食べていく。シャキシャキとした水気のある触感がスバルは好きだったりする。

 不思議な事件を耳にしながらスバルは着替えの準備を終えて、学校へ行く準備をした。

 

 

 

 

 行間1

 

 

 

 

 

「-――え――皆も知っているだろうが、最近、巷で機械が突然爆発する奇々怪々的な事件が続発している。今はこの学校も大半が機械によって構成されている施設学校。だから、今爆発するかもしれないし、もしかしたら爆発しないかもしれない。けど、だからって気にする必要はない。不安になっていればその不安な心が終息へ導くから、なるべく気にするな」

 

 と朝のホ―ムル―ムでスバル達の担任の先生がそう言っていた。それでも表情には不安と恐怖が募っている。今の時代、人は機械という便利な道具があることでこの世界が成り立ち、生きている。そのせいで人は普段必要としているのが恐怖の道具となっているかもしれないという危険性意識に晒されたのだ。

 人の命令に従い、ただ忠実に実行するだけ。それがコンピュ―タネットワ―クの仕事。

 それがもし人間にはむかってみたら?

 何もできないだろう、人間は。それほど脆い者なのだ。

 

 

「――怖いですね………。せっかく地球が平和になったのにまた物騒な感じに御膳立てされてきましたね……」

「うん……。何も起きなければいいんだけどな……」

「私も不安で怖いです………。最近物騒な世の中になって来ましたね……」

 朝のホ―ム―ル―ムが終わり、席が付近のキザマロとスバルとユイは近日の事件について語り合っていた。やはり、これ以上地球に大事件を起こしてほしくない。地球もきっと嘆いているし、僕だってまた戦いがあるのかとうんざりしてしまう。

 ――――不安の空気に包まれて険悪な雰囲気だったが何事もなく時は昼休みになっていた。昼食を食べているときは生徒一人一人から不安の色は感じ取られない。

 

 

「何事も起こらなきゃいいんですけどね………」

「うん。僕も不安だよ………」

「なんだよ二人と………」

 

 一瞬の刹那、最初にキザマロが言葉を発し、それを聞いたスバルが返答し、心配性になっている二人をゴン太は自分の思ったことを言おうとした瞬間、猛烈な爆発音が上から聞こえてきた。衝撃波によって頭に重いものがのしかかった感覚がした。スバルは間違いなく、先程の不審な爆発事件だと確信する。教室には爆発によって死ぬかもしれない『死』に怯えている。ある者はそこでうずくまり、ある者は慌てて教室の外へ出て逃げ、ある者はクラスメイトと固まって生存の無事を祈っていた。

 スバルの身体にほんの少しだけ体に緊張が走り、全身の血液の流れと心拍数が上がる。震える足を叱咤する。

 意味不可解な事件。これが人の手によって作用されている人工的事件だったら。

 自分を狙ってきている敵がいるということになる。スバルは固唾を飲んで一歩退く。

 

「ゴン太やキザマロは皆を退避させて!!僕は屋上へと向かう!!」

「あ、あの、スバル君……。気を付けてね……。死なないでね……」

「それぐらいお安い御用さ!!」

 

 少女、風原ユイは今にも泣きそうな顔でスバルの安否を祈るようにした。少年は不審に起きた爆発が鵜意図的工作によって起きたとしたなら、この学校の生徒達に危害が及ぶというのは確実だ。

 ユイたちが避難を確認したら、急いで向かう。電波変換をして屋上へと移動。

 

「なっ………こ、これはっ!!」

 

 そこには無残に破壊された屋上には浅いクレーターがあった。そこのクレーターにはつい最近設置された超高性能望遠鏡。これはサイバー・インできる仕組みにもなっている。おそらくそこにあったものは望遠鏡だろう。

 一体、誰が。一体、何の目的で。

 仕掛けた者は恨みでやったのかもしれない、もしくは嫉妬、怒り、憎しみ、妬み。負の感情で構成された思い。その思いをぶつける相手がここにいるからこの望遠鏡を破壊したのかもしれない。

 破壊という行動で創生という道は切り開けない。

 恨みという行動では不条理な道しか切り開けない。

 怒りという行動では悲しい道しか切り開けない。

 負の感情は新たな負の感情を生むだけ。悲しさが悲しみを呼び、不安が不安を呼び、恐怖が人の命を奪い去る。まさに今の状況だ。

 負の感情と対にあるのが善の感情。未来をつくることによって創生という道は切り開かれるのだ。未来を創るという事は『守る』という事。その少年の守りたい『意志』によって今と未来は進んでいく。その少年は善の感情によって構成されている存在。

 

 ――――……爆発の端に一人の少女がいた……。

 ロックマンはそれを見て思わず目を丸くしてしまう。思わず駆け寄り、脈拍や、血の出血がないか確かめるが幸い傷はかすり傷程度でただ意識を失っているだけだった。

 腹の底から怒りの感情が上がってくる。

 負の感情ではない。大切な同じ学校の生徒を何の罪もないのに傷つけられた他人への思いやりの怒りの感情だ。

 

「誰だ!!出てこい!!」

『-―――どうかな……。私の不意を突く攻撃は………』

 

 突如、上から謎の電波体が舞い降りてきた。全身は真っ黒く、人というスタイルでありながら全身は刺々しい。安易に触れたら皮膚がパックリと割れてしまいそうだ。まるで鎧を着たような武者。

 右手には彼の得物であろう渦巻き状に見えて、少し剣とは思えない剣の姿をした西洋風の剣。

 その名はフランベルジェ。少々不思議な剣だ。重心もズレてるし、何より武士の容姿なのに剣は欧州で使われていた剣。

 何かがズレていたような気がするが今はそんなところではない。

 そして肩にはシグマという謎の紋章が埋め込まれていた。ロックマンはこの似たような紋章を見た気がするが思い出せなかった。

 

「お前か………。この子を傷つけたのは………」

「そんな一人の少女の命くらい容易い物………。なんでそんなに興奮している。怒りに満ちている?」

 

 敵は少女の傷ついたことに何も思っていなかったようだ。ロックマンはその相手の慈悲すら持たない心に怒りが込み上げてくる。

 

「お前は……お前は!!人の命をなんだと思っているんだ!!やられる側の気持ちを思い知れ!! ファイターソード、ナイトソード、パラディンソード!! ギャラクシ―アドバンス!! オーディンソード!!」

 

 ロックマンはこの慈悲すら持たないこの残虐無慈悲で極悪非道と思うこの相手に向かって、伝説の三賢者が使ったそれぞれの愛剣を三種組み合わせることによって発動するギャラクシーアドバンス。

 それがオーディンソード。

 神々しく輝く金色のオーディンソードはロックマンの渾身の力によって申し分ない速度で振り下ろされるが、敵のフランベルジェによって易々と防がれた。と同時に力と力が反発したため、周囲のノイズ率が急激に上昇し、空間に歪みが走る。

 

『そう言えば、まだ名乗って無かったな……ロックマン……。私は戦うためだけに作られた存在、ムラサメ・シグマという名前だ』

「お前の名前など知りたくもない!!」

 

 ロックマンは無限に湧き上がる怒りをコントロールしながらオーディンソードを振るうがムラサメ・シグマのフランベルジェによって防がれてしまう。

 ギャラクシーアドバンスも制限時間はある。先程まで神々しくはなっていたオーディンソードも少しずつ輝きを焼失し始めていた。

 神聖なる剣。オーディンソード。ロックマンは剣の扱いはそれなりの実力はある。剣に力を載せるように体重を使ってうまく威力を載せているが全部防がれては距離を取られてしまう。

 まるでロックマン目的じゃないようにも感じ取れた。

 

 それでも手は休めない。必死に食らいつき、オーディンソードを無我夢中に振り回すが全部防がれてしまった。その上、ムラサメ・シグマはその場所からほとんど動いていない。

 結局、無駄に力を使ってオーディンソードは無に帰した。全力の攻撃を20回ぐらい叩き込んだためロックマンはスタミナが減っていた。

 

「ロックマン!!」

「君はウィンド・シータ!!」

『来たか……わが同胞の裏切り者め………』

 

 ウィンド・シータがロックマンのそばへ駆け寄り、ムラサメ・シグマに警戒の意志を寄せる。

 

「貴方……ここに何しに来たの?」

『それは勿論、お前を殺すだけに決まってるではないか……裏切り者さんよ!!』

 

 ムラサメ・シグマがウィンド・シータに向かって突進した。

 遂に戦いの火ぶたが切って落とされた。

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