流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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最悪期

 スバルとユイのデートから4時間が経過した。スバルは家族に今日のデートどうだったと色々茶化された。どうやら情報源はウォーロックから漏れ出したらしい。二股かけるつもりか、とかお前はどっちを選ぶんだ?とか意味不明な事ばっかりふっかけられてきた。

 それがちょっと気に気に障ってしまい、スバルはハンターVGを所持して、コダマタウンの展望台へと向かっていった。

 

「ったくもう……晩御飯食べてるときにあんな話されたら困るよもう………。ウォーロックもウォーロックだよ。なんで勝手にいうかな……」

『あぁ?あン時は大吾が今日何かあったかって言ってきたからだよ。終末なのに何も話題なかったとかって言えないだろ』

「だからって、こういうプライバシーに関わるようなことを暴露しなくても……」

『別に本命のデートってわけじゃねえし暴露されたって構わないだろ?お前は』

「それはそうだけどさあ………」

 

 スバルは夜空に浮かぶ月の淡い光を浴びながら言う。微かに冷たさを含んだ風がなんとも心地よい。月の光が辺りを明るく照らす。コダマタウンは街灯が道路沿いに並べられてあるものの、暗さに不便を感じることはある。

 そんなときは月光だ。

 太陽の光によって反射され、薄く黄色く輝く月は夜の地球をうっすらと明るくしてくれる。

 

「―――あれ?スバル君?」

 

 聞き覚えのある声がスバルの耳に入ってきた。その少女の声は少し大人の女性に変わりつつある声である。優しく、少し可愛さを持った声。

 その声の主は、昼間、星河スバルとスピカモールで遊んだ人であって、容姿は茶髪でウィンドボブで仕上げられ顔は美しく、そして若干可愛さを持ち、綺麗な瞳を持つ少女、風原ユイだった。

 彼女と会うのは2回目だ。約束した場所で集合し、そして今、偶然かもしれないがまた二人は会う。

 

「………あれ?風原さん?どうしてここに………?」

「それはこっちの台詞だよスバル君。また会うなんて珍しいね、偶然なの……かな?それとも必然的出会いとかだったりして………」

「それはないでしょ、風原さん。いくらなんでも偶然過ぎるって。僕はたまたま星が見たくてここに来ただけだし……」

「そうですか……。実は私も星を見に来たのですよ。北の方向に輝く青い星を………」

「へえ………、風原さんも宇宙の星や星座が好きなの?」

「好き………というわけじゃないですね。ただ光り輝く星が綺麗で好きなの。ここの展望台だと不思議と心が落ち着くんです……」

 

 薄暗い電灯がコダマタウンの展望台を薄暗く照らすこの空間。彼女の薄暗い見える姿を見て、スバルは彼女が試着室の中で着替え途中の場面を目撃し、その彼女の二つの下着をつけている姿を見て、スバルは心臓が爆発しそうになった。

 変な考えは振り払おうとスバルは首を左右に大きく振ってあの不幸な事件なかつ、もしかしたら自分の心の中でちょっと嬉しいと思っている事件を忘れることにした

 スバルはふと思った。彼女の言葉遣いについて。若干緩んでいる傾向が見えた。これで他人行儀な部分や、控えめな所も徐々に減っていくだろう。やっぱり友達なんだから丁寧語を使わずにお話したいと思うスバル。

 これで安心できたと思うスバル。

 

「あの星も綺麗ですね。見てるだけで心が吸い込まれそうです……」

 

 ユイは北西の空に紅く輝く星を見ていた。一つだけ異名に輝く北西の彼方に浮かぶ星。スバルもユイの見てる北西の星空を見た。

 そこには綺麗に、でも何故か不吉に紅く輝く北西の星。スバルはあの座標に輝く星の名前が見当たらなかった。宇宙マニアとFM星のある男から呼ばれるくらいだ。幾ら星と星座と宇宙の知識が沢山詰め込まれたスバルの脳内でもあの星の名前はどうしても浮かばなかった。

 それにそれだけではない。

 あの北西の空の彼方に浮かぶ星。どんどん巨大化しているように見える。

 というよりこちらに猛スピードで接近しているように見える。

 接近してきたのが見えてきた。スバルは頭の緊急危険信号を鳴らした。身体を早く動かした。

 

「風原さん!こっち!!」

「ス、スバル君!?一体どうしたの急に!?」

「いいから来て!!今すぐここも危険になる……」

 

 ユイは驚きが隠せていなかったようだ。急にスバルに自分の右手を掴まれて心臓が強く鼓動を打った。彼に先導されてユイは展望台から避難した。彼女をレプリカの列車が設置されている裏の方に退避させてスバルは謎の物体に向かう。

 スバルは振り返って、こちらに向かってくる紅い星に身構えた。

 

「ロック、いくよ!!」

『おうさ!!』

「トランスコード!シューティングスターロックマン!!」

 

 青い光を放ちながらウォーロックとスバルは電波変換を行ってロックマンにトランスした。

 そして、こちらに向かってくる紅い流星に向かって構える。

 

「バトルカード!!デストロイミサイル!!」

 

 スバルは一撃必殺クラスの強いカードデストロイミサイルというカードを使い12発のミサイルを紅い流星に向かって発射させた。

 デストロイミサイルが次々と流星に命中し、爆発を起こした。爆炎の中から見覚えのあるシルエットと周波数があたりにまき散らされる。

 

「やったか!?」

『いや!!、こ、この周波数はまさか!!』

 

「――そうだ、そのまさかだ!!屈辱を糧にして、身体増強は勿論、己の強さに磨きをかけて貴様を倒しに来たぞ!!我が宿敵ロックマンよ!!我が剣技、得とその目に焼き付けよ!!」

「くっ、ムラサメ・シグマ!?お前、生きていたのか!?」

「生きていたさ!! あの時の屈辱を思えば、例え地獄でも這い上がってこれる!!」

「なんて執念だ……」

 

 ムラサメ・シグマはあの愛剣、波立っているフランベルジェという西洋風の剣を使用していたが今は全く違った。

 その得物の特徴は大きなしなりだ。長い柄に弧を描く大きな刃。ムラサメ・シグマの身長を余裕に越している。

 その剣は斬りつけるというより刈り取る。と言ったほうが明確である。その弧を描くような刃で敵の首を刈り取り、狙った獲物は逃がさない。そんな雰囲気を醸し出していた。 

 容姿は変化なし。刺々しい風貌に激戦の戦闘を乗り越えてきたような傷が体中に刻まれていた。

 その呼び名は死を好み、生を嫌う、悪魔と呼ばれるこの世には存在しない絶対の化物が所持する武器。

 その呼び名が鎌だ。

 

「今度こそ、貴様を倒す!!」

 

 ムラサメ・シグマは新たに手に入れた死神が所持する鎌でロックマンへと勢いよく向かう。

 その速さは数段超えていた。残像が出来る速さで移動し、ムラサメ・シグマの鎌がロックマンの身体に直撃する範囲までに急接近する。

 だがロックマンは激戦を潜り抜けてきた経験を生かして、バックステップを使って距離を置く。回避行動をとった瞬間にムラサメ・シグマは既に鎌をロックマンの顔に向けて振りかざしていた。

 今のは一瞬の判断がロックマンの方が一枚上手であったから回避できたのだろう。一歩遅れていたら、ロックマンの顔はムラサメ・シグマの鎌の餌食になっており、頭に綺麗で真っ赤な噴水が沸き上がっただろう。

 頬から鎌の振りかざす速度で発生した鎌鼬であろう、ロックマンの頬に切り傷がうかんでいた。

 

「くっ!? あの鎌で切り刻まれたらやばいな………」

『スバル、気を付けろ!!奴は数段強くなっているぞ!!』

「それくらいわかってるさ!!」

「はたしてそう上手くいくかな!!?」

 

 ムラサメ・シグマは鎌を地面に叩き付けた。草の上の土壌が舞い上がり、衝撃波となってロックマンに襲い掛かる。

 

「なっ!?」

『スバル!かわせ!!』

 

 ロックマンは間一髪回避した。斜めにジャンプして衝撃波を回避する。ムラサメ・シグマの放った衝撃波は運よくユイの方向にはいかず、あさっての方向に飛んで消えて行った。

 だが、回避するのにも大きな弱点がある。ある行動をとることで無防備になることもあれば、ならないこともある。

 それを知らずにロックマンはその回避行動をとったのだ。そう、斜め上にジャンプをした行動があだとなる。

 

「空中では着地まで身動きが取れない………。この瞬間を待っていたんだ!!」

「しまっ………!!」

 

 ジャンプで回避したロックマンは空中にいるため無防備だ。その瞬間を待っていたムラサメ・シグマは回り込んで不敵な笑みを広げて鎌を振りかざす。

 ムラサメ・シグマは鎌の柄を使ってロックマンを大きく吹き飛ばす。威力は相当大きい。丸で体がバットで思いっきりかっ飛ばされたゴムボールのように抵抗できずに吹っ飛んでいく。

 その衝撃に逆らったら間違いなく骨折し、肋骨ほとんどが持っていかれるだろう。ロックマンは反動に無抵抗でいった。

 展望台の壁に激突し、ロックマンは倒れこむ。

 

『スバル!!、くそっ!スバル!!』

 

 相棒、ウォーロックが必死に叫ぶが返事はない。ただ、強い衝撃で意識を一時的に失っただけのかもしれない。だが、これは自分たちにとっては絶体絶命であり、相手にとっては最高最大の好機である。

 ムラサメ・シグマが鎌の柄を長く持ち、大きく振りかざす。ロックマンと鎌の刃がふれあい、血を吹き出させようとするこの瞬間、白い閃光が展望台を一瞬だけ白く染めた。

 

「なっ!?この光は………遂に来たか……我が同胞であり、裏切りをした脱走者……ウィンド・シータ!!」

「貴方にこの方を殺させるわけにはいきません。この方は私にとっては重要不可欠の方………。彼を殺そうとしている貴方を排除するためにここに来ました!!」

「何を戯言を……。貴様ごときが私に勝てるとでも?」

「勝てるとは思ってはいません……だが、あのモードを発動させれば………」

「貴様に宿っているその能力は知らないが……。今の私に勝てる訳がなかろう……。無駄な抵抗はよせ。今すぐ戻ってこい……。そしたらこの男は見逃してやる。抵抗するなら貴様もろとも殺してやるぞ」

 

 ウィンド・シータは一瞬黙り込んだ。その後、光り輝くライトニングソードを抜刀させて、ムラサメ・シグマに一瞬の速さで振りぬいた。ムラサメ・シグマは反応が遅れて柄でウィンド・シータのライトニングソードを防ぐ。火花とノイズがあたりにまき散らされる。

 

「貴方に殺されるつもりはありません……。殺されるぐらいなら自分で死に場所を見つけますよ……」

「フッ、いい覚悟だ。ならばそこで死んでいくがいい!!」

 

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