流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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お目覚めの悪い英雄

 空を見上げれば綺麗な春の空。

 大地が綺麗に緑の色へと色づけて。耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてくる日中。

 街路樹は桜のつぼみが膨らみかけている。もう少しで咲く頃だろう。この満開の桜の木の下で花見ができたらどんなに最高な事か。春の訪れを感じていた相棒。

 

「お~~い、起きろ~~~~~~~~!!起きろ!起きろ!」

「う~~~ん……後5分ほど寝かしてよ~~春休みなんだからいいじゃん別に~~~」

 

 と父親、星河大吾が息子を起こそうとし、息子、ツンツン頭が特徴的な今作の主人公星河スバルは睡眠の欲求に打ち勝てずに寝たがっている。この時期は春休みだ。スバル達コダマ小学校は無事5年生の活動を終了し、最上級生へと進級した。その進級するまで少しの期間があるため、その期間は春休みだ。

 春休みだからってぐうたら過ごしてはいけないと父親が起こしに来たのだ。

 だが息子は寝たがっている。時間は9時を過ぎたころ。世界の英雄がこんな時間帯までぐーぐーと寝ているようでは、世界の英雄としての威厳が全くない。

 ちなみにスバルはメテオGの事件解決以来、国内では大変な有名人となってしまった。有名度ランクではあの大人気ソロシンガー響ミソラを簡単に凌駕するほどの立ち位置にいるらしい。そんな尾ひれのついた活躍がいやだったりする。家をでれば取材を受けることになったりと色々と大変な日々を過ごしていた入りする。

 

「いいから起きろ!起きろ起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!起きろ!さて何回言った!!」

「え~~~と………………」

 

 スバルが布団の中で潜り込みながら父親の問題に答え始めた。父親はこれを狙っていた。2つの事、布団を掴みながら『起きろ!』と連呼した台詞を数えるなんてこの息子じゃ並行作業は無理だろうと思っていたからだ。

 

「今だ!!」

 

 父親は宇宙が描かれている布団を奪い取り、眠りから起きの世界へと一気に救出しようとする。

 それでも起きない。まるで猫みたいにまるくなって体から熱を逃がさないようにしていた。さすがの父親も唖然。最終手段に出た。それは目覚ましのアラーム音。

 不快な音が永遠と鳴り響き、その音が空気を伝って少年の鼓膜を振動し、不快な音波を脳へ叩き込む。

 間接的だが、効果のある技。少年は逃げるように起き上がった。

 

「春休みなんだからいいじゃん!!」

「ダメだ。世界を3度も救った英雄がそんなんでいいのか?」

「もう戦いは終わったじゃん」

 

 父親は呆れてしまった。

 これじゃ全く威厳なし。なんだこの世界のヒーローは。あのWAXAっていう自分自らヒーローぶってるあいつに見せたいくらいだぜと呆れてしまう大吾。

 隣にはそれに同感するようにいつの間にか佇んでいるAM星人ウォーロック。青い体に鋭い目つき、性格に少々問題ありでスバルのウィザードである。いつの間にいたのだろう。スバルのハンターVGと呼ばれる携帯端末から自分の意志でウィザードオンして出てきていた。

 

『大吾、コイツなんか変わったな』

「戦いが終わったからだろ。緊張の糸が切れたんだ」

『そうだろうな』

 

 男同士の短い会話がすぐに終わり、大吾はその筋肉が沢山ついている丈夫な右腕を最大限に使ってスバルの首根っこを掴んでリビングに強制連行させていく。朝ごはんを食べさせるために。

 それを見ていたウォーロックは父親の危なっかしさに驚いていた。

 息子の首根っこを掴んでリビングへ強制連行。こんなカオスな光景は星河家以外どこにもないだろう。

 

 

「いただきます……」

 

 父親に強制連行されたスバルは朝食を一人さびしく食べていた。冷たくなったご飯に冷たい魚。そして何故か温かい味噌汁。

 温度差の激しいくてさびしい朝ごはんだった。

 

「ほら、早く食べて着替えなさい。全く、スバルはお寝坊さんね」

 

 エプロン姿で手についた水をエプロンのポケットに付けているタオルで水をふき取りながらこちらに歩いて来た。恐らく自分が速く食べ終えるのを待っているのだろう。

 正直なところ、やめてほしかった。手荒な起こし方をされたためである。だが、これはすべて自分の巻いた種であることは自覚済みなのだが。

 

「は~~~い」

 

 そう言ってスバルは黙々と朝ごはんを食べて行った。ようやく取り戻した平和の日常。

 そして父親は家族との約束を裏切らずに7年以上の時を経て無事に帰ってきた。

 ようやく取り戻した家族の日常。家族の時間。

 けどそれは短い休憩時間。

 災いが足音を立てずにゆっくりと近づいてくるのである。

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