流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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天真爛漫な人と気まぐれの電波人

 ゴールデンウィーク。

 それは5月の3日から大体、1週間。つまり5月の10日まで連休が続くという長期休暇の事を言う。

 この7日間は全日に渡って国内にいる国民が旅行や遊びに行くというイベントの7日間であったりする。国内の人口はおよそ2億人。そのおよそ7割が遠出に行き、遊びに行く。簡単に言えば旅行の為の1週間であったりする。

 しかも、相当の人が有名な観光スポットに集まるため、人の多さはかなりスケールが高いものである。人口集中都市方面で開催される野外ライブや屋内ライブだとあまりの人の多さの地面が響いたりなどするくらいだ。

 国民にとって最初の7日間は祭状態なのだ。

 

 今は最初の週末。ゴールデンウィークに入って2日目だ。星河家のリビングにある薄型テレビにはニュースの報道がされており、観光スポットにいる人のインタビューでどこから来たの? という質問をしていたりした。

 2日目だというのにその背景には凄い人の数だった。恐らくゴールデンウィークに入る前日にもう出発し、車内に泊まり替けで来たのだろうか。

 他の番組を見ると一般道は凄く渋滞しているのが見えた。全長おそらく4キロぐらいに見えるだろう。こういう時は歩きの方が圧倒的に早いし、対応策としては交通網が急激に増加するため電車や地下鉄などの臨時便を出すのが得策ではないのか。けど、それによって予期せぬ事態とか起きてしまうためしようにもできないのだ。

 そんな楽しい7日間をスバルはリビングのテレビで見ていた。

 

「うわぁ~、人多いなあ。これだけ人が多いと行く気も失せるよ全く……。この中に皆が旅行しに行くんだから凄いやもう………」

 

 ちなみに星河家は旅行に行ってない。何故かというと家庭の事情だ。星河家は旅行にいけないほど家庭が逼迫しているわけではない。ただ単に大吾はWAXAの仕事で手が離せないらしい。大吾本人は二人で(ウォーロックも含めて)楽しんできなよと言ったが、スバルとあかねは家族全員でないとだめと否定した。

 だからこの楽しい7日間は家で過ごすことにしたのだ。だがスバルは『電波変換』という電波人間になれる力を持っている。

 やろうと思えば1時間で宇宙や地球の裏側まで行けるのだ。けど、一人で行ってもつまらないし、何より泊まらないで帰宅するのがつまらない。旅行の楽しみといえばホテルなどの部屋だろう。

 いつもとは違う部屋であるため新鮮な感覚に襲われるのである。

 

「まあ家でゆっくりするのもありかな……。体もちょっと痛むし……」

『前の戦いは猛烈だったからな。俺達以上の実力者は宇宙にはゴロゴロいるんだな……。下手したらあのソロにも追い越されているかもしれないぜ』

「そうかもしれないね……」

 

 とスバルは戦慄してしまう。

 何かに暮れる目をしながらスバルはテレビの画面を見続ける。空は綺麗に青く広がっているのに自分は家の下でただゴロゴロしてるのかと思うと楽しい7日間が真っ暗な7日間になりそうな気がしていた。

 暇だなあ。こういう時に限って、委員長とかからホップアップのメールが来なかったりする。

 彼女のおかげである意味暇な時間が潰していたのかもしれない。

 何でもいいから起きてくれないかな。その願望が叶うかはずないと自分はそう思っていた。その矢先。

 

 ――ピンポーン。

 リビング内にインターホンが鳴り響く。スバルはこんな時間帯に誰だろう? とスバルは思った。今はゴールデンウィーク。こんな時期に訪問者なんてその訪問者は一体どれくらい暇なのだろうかと思った。

 いや、僕の友達が訪問してきたんじゃなく、配達物とか町内の回覧板とかが来たのかとスバルは思う。

 

 「スバルーー私、ちょっと手を離せないから出てくれないーー?」

 「はーーい。こんな時期に一体誰かな?」

 『少なくともお前に関係している奴じゃないんじゃないか? 俺は少し出かけてくるわ。何か胸騒ぎがするからな』

 「分かったよ、ウォーロック。何かあったらすぐ戻ってきてね」

 『あぁ……。少なくともこの家に来た訪問者が消えてからな………』

 

 と意味不明な言葉を残し、ウォーロックは壁をすり抜けてウェーブロードに乗って移動し、明後日の方向へと消えて行った。スバルは相棒が去り際に言った意味不明な言葉に疑問を抱きつつ、玄関へと歩いていく。

 最先端の技術で作られた玄関は凄かった。侵入者からの不正侵入を徹底的に防ぐし、この玄関の戸はパスワードと指紋認証によるロック付きの扉である。星河家の家が建てられてから現在までこの家の玄関を守ってくれている。

 スバルは扉の取っ手を掴んで訪問者に「はーい、どちらさまですかー?」と応対をして扉をひらく。

 扉を開く。扉の向こうから少し熱い熱気が伝わってきた。そしてスバルは顔を上げる。

 ――そこには誰もいなかった。

 あれ? と思い、スバルはサンダルを履いて玄関の周りを見渡し始める。右を見ても左を見ても見渡す限り周りには誰もいない。せいぜい電気自動車や仕事中のサラリーマンが歩いている姿。子供たちが講演で遊んでいる姿ぐらいしか見えなかったのである。

 何? 機械の誤作動かなと思いつつ、ピンポンダッシュと呼ばれる知らない他人の家のインターホンを押しては人が出てくる前に逃走するという荒業を子供たちがしたのかもしれないとスバルはそう思った。

 戸を閉めて、リビングへと向かおうとした瞬間。自分の視界が突然真っ暗闇に覆われた。

 

「――ん? なんだこれ? 目の周りが何かでおおわれているような………」

 

 スバルの目の周囲には何者かの両手によって視界が完全にさえぎられていた。視界がシャットアウトされているスバルは知らない者の両手によってその肌の柔らかさと熱がかすかだが伝わってくるのを感じる。

 

「――フッフッフ………。 命が惜しくば今すぐ私の指示に従いなさい……さもないと―――」

「――その声はミソラちゃんでしょ?」

「もう、もう少し場の雰囲気に乗ってくれたっていいじゃないスバル君ったら。 まあ前もこんなことをしたから見破られるのは当然の事かな」

 

 スバルの目の前に現れた少女。スバルはその少女の名を『ミソラ』と呟いた。

 響ミソラ。それが彼女の本名である。

 スバルと同じ同い年の子である。若手で人気沸騰中のアイドルである。綺麗な桃色のショートヘアーにピンクのパーカーを着て、短い短パンをはいて、背中には母親から買ってもらった大切なギターを所持している。

 あるきっかけで彼女はスバルと友達になった。彼が最初に結んだ『ブラザーバンド』と呼ばれるお互いがお互いのリアルと絆を信じあう、いわば友情の証みたいなものでもある。

 ちなみに彼女も電波変換をすることが可能だ。電波星人はFM星から襲来したハープ。本来は響ミソラの肉体を乗っ取り地球を侵略しようと試みたが、ロックマンとの戦いと彼女の心境の変化により、ハープは自分自身を洗って彼女の傍に、相棒として、そして親友として留まることとなった。

 電波変換をするとハープ・ノートになる。ギターを使った戦いが得意である。超音波や、障害物召喚し、そこからの間接攻撃、拘束攻撃など技のバリエーションは豊かである。だがそれはいたって遠距離戦向けの戦闘スタイルであり、近接的な技が全くない。

 

「何しに来たんだい? ミソラちゃん?」

「いやあ、ゴールデンウィークに入ったから仕事の休暇が入ったの。でも、休暇が入っても何処にも行く予定ないからスバル君の家に行けば時間を潰せたりするかなあって」

「ふ~~ん。目的はそれだけ?」

「うん。遊びに来ただけだよ」

「なるほど……。(どうりでウォーロックが消えたわけか。彼女がいるということは彼女もここにいるってことになるからな。見る限り、相性はあいそうなんだけどなあ………)」

 

 

 と適当な話をしつつ、スバルはミソラを家の中へと招待する。スバルは来客用のスリッパを出して、ミソラの足元に丁寧に置く。ミソラもちゃんと他人の家へ行くときの最低限度のマナーはできているのか自分の履いていた靴を綺麗に揃えてスリッパを履いた。

 やはり、女の子は几帳面なんだと再認識するスバル。

 

「母さん~~、ミソラちゃんが遊びに来たよ~~~」

「あら、ミソラちゃんお久しぶりね。」

「スバル君のお母さん、こんにちは。今日は仕事のスケジュールに休暇が取れたのでスバル君の家に遊びに来ちゃいました!!」

「ミソラちゃん、少し背が伸びたんじゃない?」

「え!? 本当ですか!?」

「うんうん、スバルと背の間隔が短くなってるもの」

 

 スバルは自宅に来客者が来たのを母に言った。あかねはエプロン姿でキッチンから出てきて、ミソラに挨拶した。こうしてミソラとあかねが対面したのはメテオG事件以来だろう。あかねの目には娘を見守ってるような目をしていた。だからこそ、ミソラの身長が少し伸びたことをすぐに見破ったのかもしれない。

 小学生の女の子は背が伸びるのが速いため、一気に伸び始めかけているのだろう。

 スバルも中々身長は平均の少し上の方だ。けどスバルとしては同年代、それに隣にいる女の子が超話題沸騰中の大人気シンガー響ミソラより慎重が小さいとなるとなんか嫌だった。

 女の子より小さい自分なんて違和感がある。

 

「ねえねえ、スバル君背比べしようよ!!」

「え、うん、まあいいけど……」

 

 背が伸びたと言われたミソラはスバルの右腕を両腕で掴んで抱くようにし、話しかけた。スバルはミソラのお願いを受け入れて、二人は一列になって背筋を直線の伸ばし、背比べをする。

 

「どうどう!? スバル君のお母さん!! 私、スバル君と背が同じくらいかな?」

「う~~ん………」

 

 二人が並んで背の大きさを視ようとした第一印象………。スバルの髪の毛がツンツンしてて、正確な身長が完全に分からないのだ。あかねはこれを見て思わずにやけてしまうがどうには必死に笑うのをこらえた。

 頭のてっぺんを見るんじゃなく、見る視点を変えて、目の位置を見ることにした。二人が横に並んで、同じ目の視線の位置でなかったら、それは確実に慎重さがあるということになる。一拍置いて、あかねは目線を見るとスバルの方が少し上だった。

 

「まだスバルの方が大きいかな。スバル、同年代の女の子より背が小さいってなんか恥ずかしいから背を伸ばしなさいよ」

「うん、まあ確かにミソラちゃんには身長差で負けたくはないね」

「もう、スバル君は………」

 

 

 二人のやり取りを見ていたあかねは何かを閃きついた表情で言い合う可愛い二人を見ていた。

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