流星のロックマン Crystal Crest 作:Dylandy
6度目の春
時の流れと共に、東の空がうっすらと明るくなる。東から空から地上へと恵みを降らせる太陽が顔を出してきた。
大地が緑に色づき、冬を乗り越えた生き物たちが活動する春。
暖かい風と花びらが風に乗って舞い、新たな人の門出を歓迎するように桜の花は少しずつ散っていく。
とあるコダマタウンの、とある家に住んでいる少年も遂に小学校6年生という小学校生活最後の学年に辿り着いたのだ。
そう、これは6年生になった星河スバルの物語が始まる。
「スバル~~スバル~~もうスバル!起きなさいったら全くもう…………いつまで寝てるの!!今日から学校でしょ!!6年生に進級草々遅刻してもいいの!!?」
スバルの母親、星河あかねがまだ寝ている息子を起こしに来たのだ。今日から遂に6年生。今日から新学期の生活が始まるのだ。
けど、少年はまだ眠りと覚醒の境にいた。
「う~~~~ん……後五分寝かせてよ…………」
そう言って、スバルはどんどん眠りの深海世界へと深く潜水していく。もう少しで眠りの世界に突入しかけた瞬間、母親は一つの行動に出た。
けど、母親としてここはしっかりと律儀に息子を起こす。強制的に布団を奪い取って、窓のカーテンを開け、強制的に春の朝の日差しをスバルに浴びせる。そして朝はまだちょっと寒い。その冷たい風を浴びせてスバルをどんどん、覚醒の世界へとつり上げる。
「もういいから起きなさい!」
あかねがスバルの頬を優しくペチンペチンと叩き起こした。すると、スバルは不思議なことに起きてリビングへと向かった。寝ぼけているのか、おとなしく従ったのかは分からないが、ようやく起きたスバルを見てあかねは腰に手を当てて一息ついた。
「全く………前向きになってくれたのは嬉しいけど、こういうところも変わって欲しいわね……」
そう思うあかねであった。
朝食は至ってシンプル。焼きトーストにバターを塗って食べるという簡単な朝ごはんだ。テーブルの真ん中には皮が剥かれてある林檎が皿の上にのっけてある。
スバルは若干寝ぼけているのだろうか、時間ギリギリだというのに余裕こいてゆっくりと食べていた。
時間は午前7時50分。登校終了時間まであと25分しかない。
準備、洗顔、着替え、などの色々な事をしてればあっという間に時間が無へと消えて行ってしまう。
――ピンポーン。
朝食を食べ終えた直後に星河家のインターホンがリビングに鳴り響いた。それを聞いたスバルは大きく目を丸く見開いて、時計を見た。午前7時52分。タイムリミットはあと23分。
そして星河家の来訪者。この時間帯に星河家に来る人ったらあの人たちしかいない。
それを悟ったスバルはまるでさっきの遅い動きとはまるで違う神速の速さで2階へ向かって準備、着替えをして、洗顔、歯磨きを丁寧にやった。スバルが神速の速さに切り替わってからわずか3分で準備を終えた。その3分の間はあかねが「ちょっと待ってね」とフォローを入れておいてくれたのだ。
「ふぅ、皆おはよう……」
「なんで一息ついているの?ほ・し・か・わ・君?」
玄関を出た矢先、その視界に映ったのは恐らく春休みのあの出来事をまだ引きずっているのだろう。白金ルナの周りには尋常じゃない殺気がルナの身を纏っていた。
それを怯えるようにたっているのが最少院キザマロという小さな少年。頭脳明晰で多彩豊富な知識が頭に入っており、その眼鏡がトレードマークだったりする。頭はいいものの、身体が小さいというのが本人のコンプレックス。大きくなりたいとぶら下がり器にぶらさがっているというコダマタウンの伝説がある。ちなみに彼の頭の中にはマロ辞典という知識の辞典が入っている。
そしてもう一人、隣には大きな身体をした小学生とは言えないほど大きな身長と体系をした所が特徴的の牛島ゴン太。何より食べることが好きであり、好きなものは牛丼だったりする。言葉遣いも乱暴で少々乱暴な一面もあるが思いやりのある優しい一面もある。だがこの白金ルナという少女には頭がどうしてもあがらない。
勿論、隣にいる最少院キザマロも、そして星河スバルも、この少女にはどうやっても頭があがらない。
「まあ、別にいいわ。さあ早く行きましょう。星河君のせいで少し時間が遅れてるわ、急ぎましょう!」
委員長が先陣を切って早歩きで歩いていく。それをついていくように歩いていく男ども3人。まるで将軍と奴隷だ。だが、実際の所、日頃の日常で比べてみると男ども3人はこの白金ルナという少女に奴隷にされているようなものだ。
そして18分が経過。時は8時10分。なんとか間に合った。コダマ小学校の玄関を通って新しいクラスへと進んでいく。中に入ってすぐ左手に各学年の教室へと向かうエレベーターがある。この技術が発展した23世紀では学校に階段というのがほとんどなくなってしまっていた。
大半がエレベーターとかになっていたりもする。
ちなみにスバル達の学年はクラス替えというのがない。5年生の時のままの面子で進級することになる。一同はエレベーターへと向かい、6階の、6-Aの教室へと向かった。
「とりあえず、最後の学校生活だし、頑張りましょうね!!」
「そうだね」
「そうだな」
「はい!!」
と一人がそう言って、三人が三者三様のきびすを返す。エレベーターが6階に辿り着いた音がした。エレベータ―のドアが開く音と主にスバル達は6階の教室に辿り着いた。
同じ学校なのに、階があがればなんか新鮮な雰囲気を感じる。
それが毎年そうだった。6ーAの教室に向かい、4人は入っていった。教室に入り、4人は教卓の後ろにあるブラックボードを見つめた。そこには各生徒の座席表が映し出されてあった。
「あ、僕は窓側で最後列か」
「奇遇ですね、僕スバル君の前ですよ!」
「俺、キザマロの前だぜ!」
「「「ということは!!?」」」
三人がテンション高まってルナに席が近くで………ないことを祈りつつ白金ルナの席を探した。
スバルの隣にもない。キザマロの隣にもない。ゴン太の隣にもない。ということはこの男3人の隣ではないこととなる。
「ろ、廊下側…………」
それを聞いた三人は思わず心のそこで喜んだ。普段、痛い目に合っている三人だがそれは全て『席が近いから』だった。席が近いと何かと飛び火を喰らってしまうからである。
「フンッ!貴方達と離れていてもぜんぜんさびしくないんだからね!」
ルナはそう言いつつ、一人でさびしい窓側の席へと向かっていった。
それに対して進級早々平和な生活を送れそうだと安堵する三人の姿が教室の窓側で映し出されていた。