流星のロックマン Crystal Crest 作:Dylandy
少女にとってはちょっと寂しい展開が起きてしまった。仲のいい友達三人と離れてしまった事。しかも教室の端から端までの距離は結構ある。そんな不幸な思いと安堵の思いを抱いた一人と三人はなんだかんだ言って、教室の後ろで話していたりする。
「なんで私だけ離れてるのかしら………貴方達三人は隣なのに……」
「僕にだって分からないよ……。先生方が決めた席なんだしさ」
「それもそうだけど、納得がいかないのよ!!」
『ルナちゃん、ドンマイです――』
委員長の戯言にスバルがフォロ―を入れるがあまり意味がないようだ。やはり一人だけ離れているのは寂しいらしい。ルナのウィザード、小さくて可愛いモードも主人のフォロ―をしている。
勿論、ゴン太もキザマロも言葉だけの中身のない外見だけのフォロ―を入れた。けど、実際少女が近くに来たら飛び火を浴びる日々になってしまうだろう。その事は彼らのウィザ―ド、キザマロのペディアもゴン太のFM星人のウィザ―ド、オックスもその事は身に染みている。
「本当、納得いかないわね……」
「よし君達―席に戻れ―――、朝のホ―ムル―ム開始するぞ」
刹那、6-Aの教室に茶髪で髪がパ―マがかかったアフロみたいな髪型をし、白衣姿で入ってきた先生が来た。その先生の一声で生徒達はいそいそと自分の割り当てられた席へと向かって座った。
どうやらこの教卓の上にいる先生が6-Aの担任らしい。
「――昨年に引き続き、君たちの先生を担当することとなった育田だ。また君たちと一緒になれて嬉しいです。今年一年のよろしくな。そして君たちにとっては最後の小学校生活だ。思い切り最後の一年を楽しんでくれ」
この先生の名は育田道徳という優しそうな先生である。生徒思いであり、困ったことがあれば悩みを聞いてくれたりなどいい一面が沢山ある。
「-―よし、一通り終えた所で、転校生の紹介だ」
育田先生が転校生といった。この進級した間もない時期は転校生が来るというのは在学中の生徒にとってちょっとした楽しみでもあったりする。新しいお友達が出来るか出来なかったとかくらいである。
育田先生の声により、一人の少女が教室に入ってきた。
まず目に行くのが短い茶髪が特徴である。ショ―トボブヘア―でくせ毛のない艶やかな髪。綺麗で真っ白い素肌に少し小さい身長。透き通る蒼の目。まるで宝石みたいな綺麗な目だった。
楚々とした雰囲気にクラス全員は虜にされてしまった。
「-―この度、ここのクラスに在学させてもらうことになりました風原ユイと申します。迷惑をかけるかも知れませんがよろしくお願いします」
「彼女の名前は風原ユイというんだ。転校したばっかで分からない区点も多いだろう。皆、優しくしてやってくれ。よし、みんなの自己紹介だ。まずは――」
「私からでいいですか?」
自己紹介というのは緊張するもの。誰もが下をむいてしまった。そんな緊張した状況のなかで一人の少女が手を挙げた。自ら、自主的に、人の前線に立ってやる人と言ったらあの子しかいない。
そう、この学校の生徒会長に選ばれた白金ルナという少女だった。
「白金か、よしお前からな。自己紹介頼む」
「はい、私の名前は白金ルナと言います。趣味は料理で、この学校の―――」
などとめんどくさい自己紹介が続いた。この学校の生徒会長をしていたりなど、クラスの委員長を務めていたりなど、なんか目的の趣旨が違った自己紹介が云々と続いた。
それを聞いていたクラス一同は長い自己紹介だなと思っていた。
スバルも同じ目で見つめていた。と、転校生の少女を見たら偶然、スバルと少女の目があった。ずっと視線があった。その気まずい視線に耐え切れなかったのか視線をそらしてしまった。
『スバル、あいつお前の事気になってるんじゃね?』
とウォーロックが小さな声で話しかけてくる。
「それはないと思うよ………。初対面なんだし、僕の事知っているはずがないと思うよ」
『じゃあなんでお前を結構長い時間見つめてきたんだ?お前の事知ってるか、きがかりなだけかじゃないのか?』
「そ、そんな事…………」
スバルとウォーロックがひそひそ声で話していた。
少女は今だこちらに視線を向けている。興味の視線なのか、それとも好意の視線なのかよく分からなかった。あの透き通るような蒼い眼差しで見られたらドキドキしてしまうし、何よりあの響ミソラを超える美少女な為、見ていたら思わず長時間見てしまいそうになる。
すくんでしまった星河スバル。気が付いたら彼女の視線は忍者の如く、全く感じなくなっていた。
「んじゃとりあえず、キザマロ、お前の横の席でいいか?」
「あ、ハイ。大丈夫です」
「なら、キザマロの隣に風原だな」
育田先生がそう指示した。ユイと呼ばれる少女はコクリと無言で頷き、綺麗な髪をなびかせ、楚々とした雰囲気を醸し出しながら教室の机と机の間を歩いていき、キザマロの隣の机に綺麗に座った。
一つ一つの行動が綺麗だ。キザマロが彼女を隣に来た瞬間、彼女は小さく微笑んで挨拶をした。
キザマロは若干目が溶けている。どうやら彼女の魅力にとりこまれてしまったようだ。
「よし、新たなメンバーも加わったことで6年生の授業を開始するぞ――」
育田先生がそう言った。
新しいクラスメイトが加わり、そして6年生の物語が始まる。だが最上級生の授業というのは非常にめんどくさいものだ。
現在と過去は勉強する科目が違ったりするからだ。勿論、年齢も上がれば教科の何度も増加する。
基礎的な区分から授業が始まったのであった。
―-そして時は放課後。
優しくて綺麗で可愛い、外見は完璧の美少女、風原ユイは休憩時間、給食の時間と共に人気者だった。
前の学校はどんなだった?とか、好きなタイプの男の人は?とかの質問攻めにあわされたりなど少女は笑顔で対応していたが大変そうだった。それでも彼女は嫌な顔一つせずに一人一人の質問にできる限りの笑顔を作って返答していたようだ。
「彼女、凄い人気者ですよね」
「本当、あんな優しくて可愛いんだから人気者になるのは当たり前なのかな?」
「さあな?」
荷物をバックの中にまとめ、帰宅準備をしている三人組。風原ユイの人気っぷりに感嘆しながら三人はバックを背負い、もしくは片手に持って帰ろうとする。
けど、とあるクラスの少女が風原ユイと話しているのがスバルの視界の隅に映った。
それは白金ルナだった。どうやら話の雰囲気的に一緒に帰ろうという話をしているらしい。彼女らしいなとスバルはそう思った。転校初日できっとこの街を分からないことも多いだろう。その為、彼女はこの街の案内をするつもりではないだろうか?とスバルはそう考えた。
「星河君、キザマロ、ゴン太。風原さんと一緒に帰らないかしら?」
ルナが三人にそう言った。意見は皆おんなじ。言葉に出さずとも首を縦に振って頷いた。けど、ユイは気まずそうに手を横に振って遠慮し気味でいる。
「悪いですよ……。初対面なのにこんなにやさしくいただいて……。あの……迷惑でないんなら御一緒に帰らせて」
「別に気にしてないよ。クラスに新しい友達が増えたんだし、僕は大歓迎さ」
「えっ!!?……」
スバルの一言にユイは驚いたような声と表情を広げる。その表情も何かと可愛かった。というより一つ一つの行動が可愛く見えてしまったりする。勿論、後ろにいる男二人もだ。
けど、平静を保つのも大変だったりする。隣には一応、心に恋を抱く少女がいる為である。
「さあ、帰りましょう!!風原さんも!!」
「あ、ちょっと待ってください!」
ルナはユイの細くて真っ白い腕を掴んで玄関へ向かって行ってしまった。どうやらもうお友達感覚的な感じでいるらしい。彼女らしいっていうか、彼女の能力なのかっていうか思わず笑ってしまったスバルとキザマロとゴン太。その少女2人の後ろを追いかけて玄関へと向かっていく。
「-――へぇ~~風原さんはベイサイドシティから来たんだ」
ルナが関心の目を向けていた。場所は帰宅途中の通学路。西に夕日が沈みかけており、辺りを夕日の綺綺麗な淡い色で染まっている。
ベイサイドシティ。そこは科学技術の先端の町で高層都市部である。マンションが立ち並ぶ科学都市。
そこにはあの有名シンガ―も在住している町でもある。
「はい。でもちょっとした事情でここに引っ越すことになったんですが。優しい人が沢山いて安心できました。白金さんのような優しい同年代がいてくれて嬉しいです」
と、楚々とした笑顔で全員に返す。
その笑顔を見るだけで三人は幸せを得ていたりする。
「あ、この曲がり角でうちの家なんです。今日はありがとうでした。わざわざ一緒に帰らせてもらって」
「いいの、いいの。私たちは友達なんだし、そういう謙遜はいいの。もっと楽にしていいから」
ルナは笑顔で彼女の不安をかき消すように言った。それを聞いた少女は嬉しそうに微笑んで手を振りながら夕日の町に姿を消していった。
転校生、風原ユイ。
綺麗で、ちょっぴり控えめな性格な少女。
心の中で少し気になっていた自分の姿があったのであった。