流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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ウイルスバスティング

「いきなり委員長から会長て呼び名を変えろって言われてもねえ………」

 

 そう言いつつ、スバルは白金ルナの呼び方を『委員長』から『会長』に強制的に変えられてしまったことを思いつつ戦慄する。

 横にいるキザマロやゴン太も同様。彼ら達もスバルと同じ条件なのだ。ルナはついに正式に生徒会長になってからのものの生徒会長らしい仕事はまだ一切していないのだが……。

 けど彼女にとっては自分はしっかりとした生徒会長だと思っている。

 

「あれ?ユイさんは?さっきまで僕たちの隣にいたはずなのに……」

 

 キザマロはまるで風のように颯爽と消えたユイの姿を探そうと視線を教室全体に向けたが彼女の姿は視界に飛び込んでこなかった。

 教室にはいないようだ。

 

「トイレにでも行ったんじゃないのかな?あの人、気遣いが凄いから会話で盛り上がっている僕たちに気を遣ったんじゃないのかな?」

「そうなのかな?」

 

 スバルの返答にキザマロは躊躇しつつ再び教室を見回すがやはり彼女の姿は何処にも見当たらない。春の生暖かい自然の香りが乗った優しい春の風が空いている窓を突き抜けて教室の中へと入っていく。

 そんな平和に見える空間だった。その一瞬の刹那。

 ――――ビ―!ビ―!ビ―!

 突如、校内の警報が鳴った。その警報を唐突に聞いたためにスバル達…というよりクラス全員は飛び上がるように驚いてしまった。何なのかと思いつつ心臓が僅かに早鐘を叩く。

 

『ウィルス出現!!ウィルス出現!!タダイマ校内の屋上にウィルスが出現しました。生徒の皆さんは指示に従って避難してください!!繰り返します。校内の屋上にウィルスが出現しました。外部機器に侵入する可能性があるので生徒の皆さんは直に退避してください!!』

 

 という緊急事態の放送が校内に流れ響き渡った。この放送を聞いてスバル達も緊張を全身に走らせる。

 その直後、突然相棒が話しかけてきた。

 

『スバル…どうも怪しいにおいがする』

「どういう事?ウォ―ロック?」

 

 スバルはウォ―ロックのその怪しいにおいという言葉に気になった。でもウォ―ロックはFM星人ではあるが犬という嗅覚に優れた生き物ではない。所詮、大したことじゃないだろうと半信半疑でウォ―ロックの話を矛先を期待する。

 

『どうも今までと違う周波数を察知してるんだ……しかもコイツの放っている周波数は相当大物だ……。

それに似たような周波数もちらほら発生してやがる。スバル、電波変換して屋上のウェ―ブロ―ドにいくぞ!!』

「わ、分かった!!」

 

 ウォ―ロックの話からするとこれは本気(マジ)のようだ。余計に体に緊張が走るがいつもの自分の電波変換時のバトルスタイルをすればいいと自分に念じる。

 

「いいん、じゃなくて会長!!僕、今から電波変換して屋上に行ってみる!!」

「え!?ロックマン様になるの!?きゃ~~嬉しい~~!!」

 

 ルナは歓喜余って顔を紅潮させながら飛び跳ねてしまう。そんな仕草を流すようにウォ―ロックをウィザ―オンさせて電波変換の構えを取る。

 ルナは更にテンションが上がって最高になった。彼女のハンタ―VGの中ではモ―ドが感極まっているルナの様子を見て両手に扇子を持って何故か踊っている。ガンバレ!!ルナちゃん!という声が聞こえた。

 

「トランスコ―ド!!シュ―ティングスタ―ロックマン!!」

「きゃ~~愛しのロックマン様~~~!!!」

 

 青い光に包まれさっそうと登場したロックマンは目を天真爛漫に輝かせているルナに目をくれず、ウェ―ブロ―ドを伝ってコダマ小学校の屋上を目指す。途中、不思議な周波数なのか、未知の周波数。その感じたことのない周波数をロックマンとウォ―ロックは感じていた。

 固唾を飲んで小さく喉を鳴らしながら遂に屋上に到達する。

 

「な、なんだ!?コイツら!?」

 

 屋上のウェ―ブロ―ドに広がっていた世界はウィルスが大量発生している世界だった。

 それだけじゃない。『別の色をしたウィルスたち』が沢山いた。

 赤いメットリオ。真っ黒なノイズドウィザ―ド。まるで異種のようなウイルスたちがいれば普通のウイルスもいた。全く新種のウイルスもいた。

 

『どうやら怪しいにおいがしていたのは本当だったな。スバル!!ウイルスバスティング開始だ!!』

「分かってる!!」

 

 相棒の合図と共にウイルスバスティングの開始ののろしがあげられた。こちらは一人、ウイルスは約30体。この中に未知のウイルスが5体。異種なのか何なのか分からないが異種ウイルスが5体。

 スバルはまずこのカ―ドを選択した。デッキからカ―ドを取出し、インスト―ルした。選んだカ―ドは『ライジングショット』という広範囲攻撃のカ―ドだ。誘爆性のある弾丸を放ち、着弾点に大きな爆発を起こし、広範囲にダメ―ジを殺傷させる。

 

「それっ!!」

 

 ロックマンは距離を取りつつ、ライジングショットをウイルスの軍団の中央部分に着弾させた。普段見ている弱いウイルスは塵のように消えて行ってしまう。だが未知のウイルス。その形状はまるで侍のような鎧兜を付けて真剣を付けているウイルス。そして異種のウイルス。

 その10体が残った。

 しかも無傷で。それを見たロックマンは奥歯をかみしめて戦慄する。

 ウォ―ロックも顔をしかめていた。

 

「ロックバスタ―!!」

 

 ロックマンは小手先の技を2、3発放つがあっさりと弾かれてしまう。弾丸は明後日の方に綺麗に飛んで行っては消えてしまう。

 

「仕方ない…ギャラクシ―アドバンスで対抗するしか……」

 

 ロックマンは3枚のカ―ドを選択した。一枚目は重量物を落下させ床を破壊させるヘビ―ド―ン3。そして置物を爆発させるボムライザ―。そして最後はブラックホ―ル3。瀕死状態の敵を無の世界へ引きずり込む強制退場のカ―ド。それら3枚を同時使用したロックマン。その直後、ロックマンの右手が光輝く。

 強大な閃光と共に作り出したギャラクシ―アドバンス。

 

「ギャラクシ―アドバンス!!ア―スクエイカ―!!」

 

 この技はかつて過去のインタ―ネット社会の中で孤独に生きていた最強のネットナビが使っていた技らしい。その技は最強と呼ぶにふさわしく威力も折り紙つきだ。

 ア―スクエイカ―はエネルギ―の塊を地面に叩き付けることで爆発が起こる。

 

「うおおおおお!!!」

 

 ロックマンは声と共に武士型のウイルスに向けてア―スクエイカ―を思い切りたたきつけた。着弾と共に大きな振動と爆発と空気を揺るがす衝撃波が突き抜けてウェ―ブロ―ドを破壊する。勿論、そこにいたウイルスもア―スクエイカ―の威力に耐えきれずに消えてしまった。

 

『後、5体だ!!スバル!!』

「分かってる!!」

 

 未知のウイルスを退治したことによりロックマンは通用したという心の油断の隙が生れる。戦いではその一瞬の心の油断の隙が勝敗を分けたりもするのだ。

 異種ウイルス達はウイルスとは思えない速度でロックマンに接近した。漆黒のノイズドウィザ―ドがソ―ドを使ってすり抜けるようにロックマンを斬りつけた。そして真紅のメットリオがツルハシで衝撃波を起こすのではなく、『ツルハシを投げてきた』。

 ツルハシは運悪くロックマンの右腕に衝突する。ツルハシの先端がロックマンの腕に当たってしまう。

 

「うわああぁぁ!!」

『スバル!!-―ったく全く別パタ―ンの攻撃の上に威力は化物級かよ!!』

 

 一気にロックマンの周波数が低下していた。一気に状況は急転直下。優勢だったのが手負いを追ってしまった。状況はピンチだ。打開策もない。まさに絶体絶命だとロックマンはそう戦慄する。

 

 

「これは…ヤバイね………」

『あぁ………』

 

 刹那、漆黒のノイズドウィザ―ドがロックマンに向けて何故か不用意に動いてしまった。ウイルスの本能だろうか。恐らく感覚で突っ込んだのだろう。だが戦闘経験豊富なロックマンにとっては曖昧な行動だ。

 落ち着いて対処する。まず、ノイズドウィザ―ドのソ―ドを見切って両手で弾きとめた。直後、右サイドから回り込むようにウォ―ロックがウィザ―ドオンしてビ―ストスイングを放ち、漆黒のノイズドウィザ―ドを消し飛ばす。それを見た他の異種ウイルス達に動揺が走った。それを見逃さないロックマン。

 

「今だ!!バトルカ―ド!!シュ―トメテオ!!」

 

 ロックマンが迅速に対応してバトルカ―ド、シュートメテオを繰り出した。光り輝く杖が召喚され、大きなまばゆい光を放つと同時に隕石がウイルス達に向かって無限に降り注いだ。

 衝撃と爆発が何度も繰り返されたこのウェ―ブロ―ド上では激しいノイズと破損が見られた。だがそこに異種のウイルスたちの姿は消えていたのだった。どうやら塵となって消えたらしい。

 

「よ、ようやく終わった…………」

 

 ウイルスバスティングが終わったことによりロックマンは疲労と痛みが一気に来て膝が崩れ落ちた。そしてウェ―ブロ―ド上に座り込むロックマン。

 そこに一人の謎の電波体が現れる。

 

『フフッ、さすがだねロックマン……いや星河スバル………』

 

 電波体は突然、笑い声と共に姿を現した。その笑い声を聞いたロックマンは緊張を走らせて無理矢理立ち上がり辺りを見回すがその姿は見当たらない。

 上を見たらそこにその見たことのないフォルムの電波体がいた。 

 一見、天使のようにも見えるが、天使に見えなくない。白い純白の翼が4つもついており、身体の肩にはシ―タという紋章が記された刻印が刻まれ、それが神々しく赤く輝いている。片手には剣を所持しており、身体全体は綺麗で美しい。

 

「お前は!?」

 

『わたしか?私は―――』

 

 大いなる災いの戦いが今始まる。

 少年の手によって。

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