流星のロックマン Crystal Crest   作:Dylandy

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天使降臨

「私は―――貴方を殺しに来たものよ……。名前はウィンド・シ―タ。先程の貴方達の実力を試してもらったわ。上々の出来栄えね。あの異種ウイルス、新種のウイルスをおじけずに倒すとは。けどまあ50点前後かな。君にしては頑張った方だけど私からしてはこれぐらい余裕なのよね」

 

とウィンド・シ―タは颯爽と現れてはロックマンの戦闘周波数能力。対応力などの色々と評価している。それを見ていたロックマンとウォ―ロックは何者なんだと腰を低くおろし警戒態勢に入っている。

 小さく喉を鳴らし、ただならぬ周波数を肌で感じ取っているロックマンの額には緊張の汗が頬を伝っている。

 

「――じゃあ行くわよ……。貴方の実力試させてもらおうじゃないの!!」

 

 刹那、ウィンド・シ―タは地面を強く蹴って神速の速さでロックマンとの距離を詰めた。ロックマンはウィンド・シ―タの行動に危険信号を鳴らす。横に動いて回避と自分の頭の中で整理して行動に出た。

 ウィンド・シ―タは綺麗に光り輝く緑色の短剣を構えつつ接近。そして範囲内に入ったときふりかぶった。

 

「はぁっ!!」

 

 ロックマンは頭の中で考えていた通り自分の思った行動がすんなりとできた。ウィンド・シ―タの正面突破な単調な攻撃はかわしやすかった。

 ―――正面突破で単調な攻撃、のはずならの話ならだが。ウィンド・シ―タはまるで読んでいたかのように勢いついている体の運動を殺して体重移動を使い、忍者のようにロックマンの背後を奪い取った。

 不意を突かれたロックマン。とっさに距離をとろうとするが時すでに遅し。

 

「吹き飛びなさい!!」

「しまっ―――」

 

 ドォン!! 鈍器物を叩き付ける鈍い音がコダマ小学校の屋上に突き抜ける。ロックマンはウィンド・シ―タの渾身の一撃により大きく吹っ飛ばされる。ウェ―ブロ―ドを3メ―トルぐらい引きずられてようやく止まった。

 斬られた場所は背中。ロックマンはふっ飛ばされた時、衝撃で肺の中の酸素が全てもぎとられるような感覚がした。呼吸をしたら気管支がゼ―ゼ―と奇妙な音を立てながら。

 体中の血液が酸素を欲していた。血液にたまった二酸化酸素をロックマンは肺で取り入れた酸素と交換して呼吸活動する。

 そして余裕な表情でたっているウィンド・シ―タ。彼女の表情からするときっとまだ半分も出してないだろう。

 

『スバル!!相手が女だからって気にするな!!相手はお前を潰しに来てる。迷うな!!』

「分かってる!!バトルカ―ド!!パラディンソ―ド!!」

 

 ロックマンはバトルカ―ド、パラディンソ―ドを使用した。この長い剣は騎士(ナイト)が使用する伝説の剣士の剣だ。その威力は伝説と呼ばれるだけの尾ひれがあって折り紙つきだ。広範囲であり、かつ鋭い一閃を放てる事の出来る剣。

 非常に使い勝手の良いカ―ドだ。

 

「はああぁぁ!!」

 

 ロックマンは青白く輝くパラディンソ―ドを地面を水平面上に大きく広げて接近した。ウェ―ブロ―ドを強くたたく音と共にウィンド・シ―タに向けて大きく接近した。

 そしてジャンプして落下の勢いを乗せて大きく振りかぶる。

 

「あまいよ!!」

 

 ウィンド・シ―タは素早く横に回避した。そこに無人の空間が発生しロックマンが右手に持っているパラディンソ―ドは無人のウェ―ブロ―ドの地面に大きく衝突してウェ―ブロ―ドを破壊、歪ませる。

 今そこに電波の物質化された剣、パラディンソ―ドと電波の道、ウェ―ブロ―ドが激突したことによりノイズ率が大きく上昇した。ノイズ率というのは電波にとっては悪性の存在だ。今は電波体の身体で構築されているロックマンだから心配ないが。

 だが、ノイズが上がれば上がるほど、そこの空間は激しく歪み、空間のいる者全てに無差別に身体影響を及ぼす。いくらノイズ耐性PGM搭載していてもロックマンには限界があるのだ。

 

 

「――床を破壊しただけでそこの空間が歪んだ……。へぇ、ちょっと見くびってたかな」

「何を言っているんだ!!」

 

 ロックマンは素早く向き直りパラディンソ―ドを使って再びウィンド・シ―タに斬りつける。渾身の一撃を込めて、足を踏ん張り、横にいるウィンド・シ―タを斬りつけたが片手の指であっさりと止められる。こんなに力を込めて攻撃、なおかつ攻撃力はスタンダ―ドで最高クラスの切れ味と威力なのに片手で防御されるのを見せられてしまうと余計に肩に力が入る。

 

「貴方はまだ知らないのよ………。この世界が起きる大きな災いに……」

「なんだって!!?」

 

 ロックマンとウィンド・シ―タは鍔迫り合いになりながら話した。ロックマンは話にそれないように集中する。

 青白い騎士(ナイト)の光が淡く二人の間で輝く。まるでこの戦いの演奏を奏でるように、不協和音が指と剣の間で静かに儚く聞こえる。

 

「世界過去改変って知ってるかしら?」

「な、なんだ!?それは!?」

「その様子だと知らないみたいね……」

 

 ウィンド・シ―タは一拍おくと力を入れてパラディンソ―ドを余裕に弾き飛ばした。それを見たロックマンが唖然する。硬度も切れ味もあるパラディンソ―ドが電波体の、しかも素手で折られてしまった。その上、片手の指だけで。

 

「世界過去改変っていうのは……その名の意味、世界の過去を変える……ということよ」

『な、そ、それはどういうことだ!!?』

 

 相棒のウォ―ロックが叫んだ。その上、ウィザ―ドオンして目つきを鋭くさせている。スバルもウォ―ロックも考えていることは同じ。また戦いが始まるという事を察していた。

 ウィンド・シ―タは弾き飛ばした片手を下げる。

 

「-―――世界が変わるの……。例えばAがBを殺したとしましょう。その時点でBは死んだ。だが過去に飛べるCがいたとしよう。CがそのBを殺すAを殺すことでBは死ななく過去改変が起こる――。分かる?いわゆる過去の掟を変える不条理なやり方よ。奴らはこれをして世界の構築を壊し、この地球を支配しようとしてるの」

「………過去を変える……でも、どうやって過去に!?」

「……それは…まだ言えない………。貴方の実力、完全に確かめきれてないから」

 

 ウィンド・シ―タがそう言った瞬間、ロックマンは体に緊張が走った。けど、構えた瞬間にウィンド・シ―タはロックマンの背後を取っていた。そして身体をうまく使って右足で回し蹴りをした。狙いは後頭部。ロックマンは反応もできないまま大きく吹っ飛ばされた。

 悲鳴も受け身も取ることが出来ずにふっ飛ばされた。ウェ―ブロ―ドの端にまでふっ飛ばされたロックマン。

 

『スバル!スバル! ――畜生!こいつ……』

「所詮、こんな存在(もの)か………いくら地球を救った英雄(ひと)とはいえ、ノルスヴァイドの肉体とPM星人の電波体の電波変換によってハイシンクロで構築された私じゃ相手にならないか……。ご………ス…………ん。」

 

 ウィンド・シ―タが一言言った後に後ろを向いた。そして歩き出した瞬間、音が聞こえた。

 ―-それはロックマンがウェ―ブロ―ドを叩き付ける音。ボロボロになりながらも、膝が疲労と激痛で震えながらも、英雄は立ち上がった。それを見たウィンド・シ―タは笑みをこぼした。

 

「へぇ、さすが世界の英雄だね。結構タフじゃん。それぐらいタフなら見せつけてみて!!」

「……バトルカ…ド……。スピ―ドブ―スタ―……。デュアルセイバ……」

 

 ロックマンはぶつぶつ言っていた。だがこれはバトルカ―ドの転送。ロックマンはもはや瀕死状態だった。一撃一撃が相当思い一撃な為、わずか二発で死に追いやられているのだ。それだけじゃない。狙っている場所が正確なのだ。最初は右腕で武器の扱いに力をいれなくさせ、そして二発目はダメ―ジの大きい後頭部。

 瀕死の中で選択したこの2枚のカ―ド。両手に短い黄色の二対の剣が輝き始めた。そしてそれと共にスピ―ドは上がった。どうやらスピ―ドブ―スタ―は速さを上げる代物。

 速さには速さで対抗する気になったのだろう。

 

「……速さには速さで対抗ですか、だが遅いよ!!」

 

 ウィンド・シ―タはロックマンの速さに見えていた。回り込んだふりをして正面に立ち、ウィンド・シ―タに斬りつけようとした。だがウィンド・シ―タはこれを読んでいた。簡単に反応して緑の剣をロックマンに向けて横に振る。ウィンド・シ―タの剣がロックマンに接近する。

 ―-だがロックマンには当たらない。そこには何にもなかった。

 ―-そう、残像だったのだ。ウィンド・シ―タは残像のロックマンを斬っただけ。

 

「しまっ―――――!!」

「今だ!!」

 

 デュアルセイバ―がクロスを描きながらウィンド・シ―タに斬りつけた。

 少年が必死の力を振り絞って戦った記憶はここまでだった。

 

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