神創図書館の不思議な一冊   作:かずぞー

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18話 好きと嫌いの境界線

その後の修理や後片付けを大爆笑しながら原子を操るクレメンタインのおかげで1日で終わりレノヴァはサンクトゥムとなぜかついてきたアリアと共に帰途についていた

「今晩クレメンタイン主催でパーティを開くので荷物を持ち伺うことにしました」

パーティは楽しそうなのだがさっきからサンクトゥムが騒がしい

「いやなレノヴァ、まだお前には言ってなかったんだが」

いや、そのな、と露骨に口が回らなくなったサンクトゥムにアリアが口をはさむ

「お母様、自分の娘は人に話すのがそんなに嫌な人なの?」

…?今なんて言ったアリアさん

「いや、そう不用意に言うとだな…ああ、手遅れだ見ろ宇宙レノヴァの完成だ」

「ふぁーーーー」

「う、宇宙レノヴァ?もしかしてそんなに衝撃なのこれって?」

「ぁーーーーー」

「まぁ、私の娘というのでも驚きだろうがそのうえメイドしてたからなぁ」

「ぁーーーーー」

「だって、楽しいじゃない、メイド」

「ぁーーーーー」

「楽しいんならいいんだがな、レノヴァ、そろそろ戻ってこい」

おい、と額を小突かれ現実に戻ってこれた、いやでもアリアがサンクトゥムの娘というのは正直納得できる、戦い好きだし、言われてみれば目の色も同じだ、クレメンタインにあいつとか言ってたし

「お母様がどんな家に住んでい…るか…」

笑顔で前を向いたアリアの言葉が途切れる

「あーレノヴァ、覚悟しろ、今までで一番の」

そう言われて前を向くと、

「れのう‘‘ぁぁ」

めっちゃくちゃ泣いた後しか見えないカルマが玄関前にちょこんと座っていた

「レノヴァさん、なにしたんですか!あれ、カルマ様の鳴いてるとこなんて見たことないんですけど!」

近くに来て小声でそう責めてくるアリア、そう言われても二日家を空けるくらいしかしていな…え、それ?二日空けただけでこうなるって何歳なんだ彼女は

「か、カルマ?」

そう呼びかけると彼女はふらふらと立ち上がりこちらに近づいてくる

「レノヴァ…本物だよね?夢?」

本当に、10年生き別れたみたいな反応をしてくるのがこわい

「えと、私以外にレノヴァはいないかなって」

どうしていいかわからなくなってとりあえず近くに行ってみる

「うあ、レノヴァだ、えへへ、レノヴァだぁ!」

そう言って急に抱き着いてくる

まって、やばい、すっごい可愛い、どうしようか、やばいかも、これ

レノヴァと二日会えなかっただけで絶望したカルマと、好きになったという自覚をこじらせてカルマに爆重感情を抱えるレノヴァそんなレノヴァにカルマが抱き着いたとなれば

「ねぇ、どうするの、あれ」

「…わからん、今夜のパーティにあの状態でいけるのかすら怪しい」

 

~数時間後~

クレメンタイン主催のパーティが始まり街から城にかけてすべてがお祭りムードなのだが

「…」

「…」

二人はさっきの気まずさから一言も話せていなかった

「サンクトゥム様、アリアさんあれはどうしちゃったんですか?」

二人を探してたどり着いたアリスとファントムが二人のいる空間に似つかない静かすぎる地獄の雰囲気を見て尋ねる

「あぁ、二人とも、かくかくしかじか でああいう状況だ」

「えぇぇ」「何してるのよあの二人」

それぞれがそれぞれの反応をするがアリスがふと思い出したように話す

「そういえば一昨日別れ際にレノヴァがいないって絶望してたわねカルマ」

「レノヴァはカルマさんへの恋を自覚してこっちはこっちであたふたしてたけど」

「そのあたふたしてるところ通っちゃって隠すので必死だったわよ、まったく」

レノヴァとファントムにカルマが気付かないようにカルマの視線をうまいこと操っていた

アリスは小さくため息をついて愚痴を漏らした

「ちょっと見守ってみよっか、面白そうだし」

「そうだな、私も気になっている」

いつの間にか後ろに来ていたクレメンタインとフェルニルに驚きつつ二人の様子を一同で見守る

「…」

「…あ、あのさ、レノヴァ」

沈黙を破って隣に座るカルマが話し始めるちらりと目を横にやればきれいに透き通った赤い目と月光に照らされ白銀に光る髪が目に入る、間違いなく今この瞬間最も美しい存在が横にいる

「な、んですか」

思わず敬語で返事を返してしまったのが余計にカルマを心配させてしまったらしい

「その、本当にごめん、私、私すごくレノヴァに変なことしちゃって、嫌われちゃった、よね」

思っていたより私の態度は悪く見えてしまったようでカルマは震える声でそう言葉を続ける

そんなことない、嫌いになるはずがない、そう伝えたいのだが、帰宅時の衝撃が抜けず口をパクパクさせるだけで音にならない。唯一言葉として出せたのは心の奥底にあった一つの疑問

「すき、って」

ビクッとカルマが体を震わせる

「カルマ様は、私に抱き着いた、とき何度か好き、とおっしゃいました」

「あ、うん、で、でも!」

「本当ですか」

「忘れてくれて…え?」

横目にカルマがこちらを勢いよく見るカルマがチラッと見える

「その好きは、ほんとに、正真正銘、私に向けて言ってくれたのですか」

違うとはわかっているこれもカルマという神の人としての家族愛だと、わかっている、でも、それでも、彼女がこちらを好いてくれているかもしれないというこの瞬間、それを確かめずにはいられなかった

 

 

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