…起きて目を開けて少し上を見るとレノヴァの寝顔が目に入ったその寝顔を見て付き合ったという実感がわいてくる、思えばレノヴァが私のところに来てからそれ以前のことを忘れてしまうくらい素敵な毎日が続いている
「お前は、私に従っていればいい」
「あんな奴は放っておいて、さっさと実験の報告書をまとめろ、その程度もできないのか?」
「っ…」
少しだけ昔の出来事を思い出した、最後にあの神は私よりその生を楽しんでみろ、と言った
「…確実に、楽しんでます」
目の前で眠る彼を見ながら、少し誇らしい気持ちになる、創造物として、虚無から感情を生み出せた実験体として、今のあの神にどう映るかはわからない、でも、この人と過ごす日々を目一杯楽しみたい、そう思いながら彼の鼻をつつく
「んん…」
「ひゃうっ」
彼はそのお返しとして起床ではなく私を引き寄せ抱きしめてきた
彼のそういう無意識の行動にドキドキさせられるのは何時まで経っても慣れない
胸元で小さく投影を開き時刻を確認する、今は11頃昨日寝るのが遅かったからこのまま二度寝も悪くないけど、もうちょっとだけ、寝顔を堪能したい
そうして時間を忘れるほど眺めていたら
「んんっふああ、おはよう…かるま」
もう起きてたんだ、と言って瞼をこする彼は朝からかわいいそう思って二へ二へしている
「うん、おはよ!レノヴァ!」
「朝から元気だね…もう結構起きてるの?」
そう言われ今の時間を確認すると12時半、1時間半も寝顔を眺めていたらしい
「起きて一時間半くらいかな、寝顔がかわいくて眺めちゃってた」
「そんな見てて飽きたでしょ」
「んーん、まだ見てたい」
「そんな面白いもんかなぁ」
面白い面白くなく好きな人の寝顔にはどうしてああも釘付けにされてしまうのだろうか
そんなことを考え始めるとふと思いついたことがある
「んしょ、っと、はい、どう?」
私は少し上に移動しレノヴァを抱きしめた
「どうって言われても…」
さっきまでレノヴァにされていたことをそのまま返してみると彼は明らかに動揺した
「さっきまでこうされてたから、お返しにやってみたんだ、ほら、素直に言ってごらん?」
「…すごく、やわらかくて、いい香りです」
「うんうん、よろしい」
私を創ったあの神に胸のサイズだけは感謝できる、無いよりあった方がこういう時楽しい
「レノヴァはもう起きる?私はお腹がペコいけどまだぬくぬくしたいかも」
「なら私もぬくぬくするカルマ温かいし」
そう言って向き合っているうちに私はまた眠りについてしまった
「…ま…ルマ…カールマ!」
そう呼ぶ声で私は目が覚めた
「むう、レノヴァ、ごめん、寝ちゃってた」
「いや、まだ15分しかたってないけど、これ以上寝たら本気で寝ちゃうかなって起こした。それにしても寝顔を眺めるのは楽しいっていうの、ちょっとわかった気がする」
かわいかったよ、と眺めていたらしいレノヴァに言われ少し顔が熱くなる
「ご、ごはん食べよ、ほら!」
そう言って恥ずかしさから逃げるように起き上がる、同じ言葉でもレノヴァに言われると熱がこもるのはなぜなんだろう
二人でリビングに移動し昨日のお祭りの残りを温め食べる
「そういえばさ、言いづらかったらいいんだけど、思い出した?あの時の事」
突然切り出された話が芯をつきすぎていてちょっとびっくりしたそんなばれそうな表情をしていたつもりがないだけに
「わかるよ、カルマのことだし、それに、起きた時ちょっと目が赤かった」
私のことをよく見ていてくれてるというのが分かってうれしい反面心配をかけてしまったのがちょっとだけ申し訳ない
「ばれちゃった?ごめんね心配させて、でもそうじゃなくって、あの時よりも確実に楽しいし幸せだなって思ってただけだよ」
「そっか、ならよかった、エクス様も少しは人との関わり方が分かってきていればいいけど」
機会を作ることに没頭して人とのかかわりがないために絶望的に他者との関わり方を知らなかっただけで完全な悪人そのくせして私を作ったせいで少しトラウマになっている
「まぁ、それはよくって、今日はどうする?」
「せっかくだから左番街のショッピングモールでお買い物デートでもどう?」
思わぬデートのお誘いの心が躍る
「いいよ!じゃあ飛び切りかわいい服だしちゃうね!」
そう言ってご飯を食べる手を進める私たち、今日は楽しい日になりそうでこの後が待ちきれなくなるのだった