「じゃあはじめに、プロナリアちゃんをお城に送るね!」
「なんで急にちゃん付けなんだ」
「その方がかわいいから!」
「はぁ、まぁよろしく頼む」
「蒼天海よ、聞け、これより我が話すは過去への補足である。そしてこの補足は最高権限者アリス・リコードストレーターによるものである」
「お前が能力をつかうところは初めて見たが、いつもその落ち着いた感じで行けないのか?」
「プロナリアちゃん、こういうのは使い時に見せるギャップってやつだよ?まったく浪漫が分かってないなぁ」
「それにしても便利な力だ、世界の情報の補足が管理者の半分でできるなら、完全体なら書き換えすらできるのではないか?」
「まぁ、できそうだけどねぇ、お姉様は許してくれなそうだからどう一体化しちゃうかだねぇ、じゃあさお互い頑張っちゃお?この世界を救うためにね!」
「ああ、また時を見て連絡しよう」
熾天使の計画の開始から数日たった頃、レノヴァは違和感を抱いていた
「レノヴァさん、どうしたんですかぁ?お茶でも飲みます?」
ソファでその違和感について考えていると心配した様子でゼラニムが話しかけてくる
「悩みなら聞きますよぉ?こう見えても相談に乗るのは得意なんですよ」
「いや、なんだろう、わからないんだけどさ、最近何かと違和感を抱くことが多くってさ」
そう言うとゼラニムは少し小首をかしげて不思議そうな顔をする
「違和感、ですかアリスお姉様やカルマ様とお話しするときは皆そんな話しませんけど…具体的にはどんな違和感ですか?」
「変な話だし機嫌を損ねたら悪いんだけど、君が居ることに対して、なんだよね」
「私ですかぁ?変ですねぇ、ずっと一緒にいたじゃありませんか」
確かに、アリスと出会った時からゼラニムは確かにいたし、ゼーヴェンの城への襲撃もゼラニムとプラナというメイドが一役買ったと聞いているだが、この違和感は気にしないではすまされないほど日に日に大きくなっていく
「帰ったら二人にも聞いてみましょっか、レノヴァさんもファントムさんやフェルニル様に聞いてみてください。ひとまず、私とお話しましょうか?違和感もなくなるかもですし」
「したいところなんだけどあいにく予定があってさ、帰ったら話そうか」
これから城に行かなければならないのゼラニムの誘いは申し訳ないが断って家を出る
「ふぅん?世界とつながりが深いか極端に浅いと違和感を覚えやすいっていうのは本当みたい、問題はクレメンタインのやつも騙せてるのになぜかあの子がってことねぇ、ここに来てからそれなりに立ってるはずだけど…まぁいいや、丸め込めるはずだし」
ゼラニム(アリス)のその言葉に気づかないまま城に着いた。何時も道理アリアが出迎えてくれた。今日は用があるらしくアリアに呼ばれてきたのだがアリアから呼んでくるのは少し意外だったので内容に検討が付かない
「こんにちはアリアさん今日はどういった用件で?」
「こんにちは、急に呼び立ててすみませんね」
「あら、レノヴァじゃない、こんにちはゆっくりして言ってちょうだい」
後ろを通りかかったプラナにそう言われる
「おひさしぶりですねプラナさん、お言葉に甘えさせてもらいますね」
「アリア、彼をよろしくね」
「ええ、任せて頂戴」
相変わらず仲のいい二人、プラナはそう言って足早に去る
「此処では話しづらいから、街にでも出ましょうか」
「ならちょうどいいカフェ知ってますよ」
そう言って二人で何時ものカフェに出かけた
「ここがレノヴァさんのおすすめ…なかなかおしゃれじゃないですか」
「カルマに連れられてよく来るんでしょ、ここ」
カルマ行きつけの大きなシャンデリアのあるカフェに来た、注文を済ませ用事を伺うタイミングを計っているとあちらから切り出してきた
「それで、今日お呼びした件なのですが…」
アリアが二人っきりでしか話せないというのはそうと重要なことが起きているという事んはずで少し緊張する
「最近、というかここ二日くらいで違和感を感じたことは?例えば、身近な人が本当は存在しない気がする、みたいな」
その話はあまりにも自分に当てはまっていることで思わず「え」と言葉が漏れてしまう
「あ、いや、無いならいいんです、私の勘違いだと思いますので」
疲れているんでしょうかというアリアに自分が感じている違和感について話す
「いえ、まさか聞かれると思わなかったので固まってしまっただけで、城に行く前もゼラニムにその違和感を感じたところでして…」
「!?よ、よかった!母様たちに聞いても特にないらしくて休むことを進められてしまったんです。私はプラナに違和感を感じていて、まるで、違う世界に飛んでしまったかのようで怖かったんです」
お互いの状況を説明しあうのだがやはり私はゼラニム、アリアはプラナにまるで突然世界に現れたような、仲良く接しているが本来存在しないはずのような違和感を抱いているらしい
のだがそこまで話したところでサンクトゥムから連絡が入る
「サンクトゥム様ができれば今すぐ帰ってきてほしいって、多分よっぽどのことだからアリアさんも来ますか?」
「ええ、母様は覚えてないはずだけど、状況が変ってるかもだし」
急遽飲み物をテイクアウトし急いで帰路に着いた
「む、アリアも一緒だったのか、邪魔してすまないな、だが急いで伝えた方がいいと思ってね」
帰宅するとサンクトゥムが深刻そうな顔で待っていた
あまりにも深刻そうというか少し気まずそうですぐに昔の事だと分かった
「カルマに、なにか?」
過去と言えばカルマの件なので私自身も少し身構えるのだが、帰ってきた言葉は予想外だった
「エクスがな、話をしたいらしいんだ、お前と」
エクスと言えばカルマに非道な行いをしていたことが分かって以来関係を断っていたしあちらからもアクションがなかったのでなぜ今かと考える、だが直感が話すべきだと言っている
「わかりましたとりあえず通信をしてみます」
「ああ、今日は様子がおかしかったからな、何の用かわからないが気を付けてくれ」
「エクス様ですか…というか、私も同席していいのですか?」
アリア自身エクスにやはりいい思い出はやはり無いようだ
「なんか、その方がいい気がしたんです」
今日は妙に直感がものをいうので信じることにしてエクスへの通信を開く
「…もしもし?」
通信を開くと懐かしく、そして少しだけ憎んでいるその声が聞こえてくる
「ああ、レノヴァ、かけてくれたことに感謝しよう、どうやら、私にとってもお前にとっても、互いが必要なようだな?」
久しぶりに聞くその声は最後に聞いた時より少しだけ感情が入っていてそのおかげでわかる、今彼は焦っている。互いが必要、というのはどういうことだろうか
「お久しぶりです、エクス様」「この前ぶりですね、エクス様?」
隣にいるアリアもそれを感じたらしくこちらに目を合わせてくる
「ああ、アリアもいたのかちょうどいい、お前たちに聞くのは最終手段だったのだが、それを使わざるを得ない状況になってしまった」
通信越しのエクスはひときわ大きなため息をついてこちらに質問をしてくる
「サンクトゥムはどうした、定期報告で知らん奴の名を出したと思えば前からいたなどと、話がまるで通じん。確認で呼んだカルマでさえ同じ始末だ、これは、どいうことか知っているか?」
その言葉で今確かに未曽有の事件が起きていると知るには、十分だった