神創図書館の不思議な一冊   作:かずぞー

31 / 31
29話 白銀の斬撃

「レノヴァさん、あれは…」

「本人です、確実に」

 

目の前で話すカルマは間違いなく本人だ、その目も、話し方も、最近気に入っているらしい立ち方も、その本人ということを示している

 

「安心してよ、本物本物、朝レノヴァと別れたばっかのカルマさんだよ」

 

カルマはそう言ってこちらに歩いてくる

 

「でも、同じ存在でも、今レノヴァたちの前にいる私と、オリヴィアで一緒にいる私の役割は違う」

 

次の瞬間、目の前から彼女の姿が消える

 

「具体的にどう違うかっているのは仲間かどうかってところかな?」

 

後ろから急に聞こえた声に振り返って剣を抜く

 

「うんうん、いい反応だよレノヴァ。今の私は海の鍵の守護者、これが欲しければ私に実力を示してくれないと渡してあげられないんだ、」

 

本当は今にでもあげたいんだけどねと言った彼女の顔はとても悲しそうで、それでいて普段は見ない立場に縛られているが故の覚悟を決めた表情だった

 

「そうは言ってもさ、久しぶりに真剣な勝負ができそうなんだ、楽しんでいこ?」

「レノヴァさん、折角ですし、お二人で楽しんでください、私はこの戦いをこれからの参考にしますので端っこで見させていただきますね」

 

どういう気を使ったのかアリアが離れて見守る中私とカルマは正面から相手を見据える

 

「本当に、やらなきゃいけないんだよね?」

「そりゃあもちろん、あ、加減はなしで行こ?すぐ決着がついちゃったらつまらないもん」

 

そう言った彼女が右手に力を籠めるとそこに白銀の剣が現れる

私も覚悟を決めて青色の剣を手に持ち少し距離を取りように歩く

 

「そうそう、それでいいんだよ、なにもこの戦いでどっちかが死ぬなんてことないしさ

段々と神の威厳を醸し出してきた彼女はでも、そんなに離れられると寂しいからさ、と権能を開放する

 

「っ!?」

 

目の前に現れた彼女の斬撃を防ぎきれず後ろに吹っ飛ばされる

 

「決まりだからってことで今回は時の権能を存分に使わせてもらうよ!神たる私にどこまであらがえるのかな!」

 

四方八方から襲い来る彼女の斬撃は情人に防ぎきれるものではなく腕や足に小さな切り傷を刻み込む、流石に権能の差は大きくカルマはつまらなさそうに言う

 

「まぁ、流石に権能で一方的に終わらせたくはないからねぇ」

 

正面から美しほど水平に剣を滑らせる彼女の件を受け止め弾く

 

「あはっやっぱレノヴァとの戦いはこうでなくっちゃね!」

 

やはり権能という偉大な力の差は大きいようでそれを使わなくなったカルマとの勝負ではカルマに傷を刻める

だがそうしてくると少しだけ心に隙ができてしまう

 

「やばっ」

 

上段から切りかかった私の剣を受け止めたカルマはそのまま剣を体ごと上に弾き飛ばしてくる重力に従って落ちる私の腹にカルマの膝蹴りが突き刺さる

 

「かはっ」

「油断したねっ」

 

壁に激突し地面にずり落ちるが剣を支えに何とか立ち上がる

はぁはぁと肩で息をする私にカルマがゆっくりと近づいてくる

 

「やっぱり力の有無は大きいね、こんなに簡単に勝てちゃうんだもん、でもまぁ楽しめたし、そろそろ終わりにしても…」

 

そう言う彼女より前、私の眼前に白玉のように真っ白な石が落ちてくるそれは私の手の前で止まりまるでつかめと言っているかのようだった

 

「これ、は?」

 

カルマも話を止めその石に警戒したのか少し下がる

 

「わからない、そんなの見たことないんだ」

 

触らない方がいいとカルマは言うがひどく懐かしく感じるその石に、気づけば手を伸ばしていた

触れた途端自分の中に膨大な情報と力が流れ込んでくる

 

「うっ」

「レノヴァ!」

 

思わず膝をついた私にカルマと見ていたアリアが駆け寄ってくる

 

「レノヴァ!大丈夫!?」「レノヴァさん!」

 

意識を手放す直前その最後に目に移ったのは満足したように消える半透明の少女だった

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

押し入れの向こうは異世界でした(作者:Brooks)(オリジナル現代/コメディ)

▼練馬区江古田の古いアパートで一人暮らしをする女子大生・篠原澪は、友達の少ないボッチ気質の二十歳。趣味は彫金とギター。貯金は十万円ほどしかなく、大学、家賃、生活費に追われながら、六畳一間で静かに暮らしていた。▼ある日、小さな地震のあと、部屋の押入れの向こうが異世界の市場につながる。▼幸い、言葉は通じた。澪は恐る恐る異世界へ足を踏み入れ、手元にあった爪切りを売…


総合評価:66/評価:-.--/連載:113話/更新日時:2026年05月31日(日) 20:53 小説情報

元軍人さん、ダンジョン探索者になる。(作者:第616特別情報大隊)(オリジナル現代/冒険・バトル)

 元軍人の佐世保朔太郎。▼ 滅茶苦茶強い戦場帰りの彼の目的はひとつ。▼ ダンジョン最深部に眠るとされる財宝。▼ ──の、はずだったのだが。▼「ボクの旦那様……愛してます……」▼ ダンジョンで倒したドラゴンがストーカーになっちゃった。▼ これは嫁よりお金が欲しい元軍人さんが無双したり四苦八苦したりする話。▼ 小説家になろう様、カクヨム様、ハーメルン様にて連載中…


総合評価:275/評価:8.38/連載:71話/更新日時:2026年05月31日(日) 12:01 小説情報

廃核の海 〜魔族アバターのまま現実世界に放り出された俺と不思議な美少女の物語〜(作者:織雪ジッタ)(オリジナルSF/冒険・バトル)

そこは未来都市。▼何年も放置していたVRMMORPGに久しぶりにログインしてみた青年、ショウ。▼すっかり人のいなくなったそのゲームの世界に、懐かしさと哀愁を覚えながら、特にすることもなくログアウトする――はずだった。▼しかしショウは、ゲーム内のアバターであるおぞましくも禍々しい「魔族」の姿のまま、現実世界に出てきてしまう。▼魔族の見た目のせいで自分の意志とは…


総合評価:129/評価:7.33/連載:131話/更新日時:2026年05月30日(土) 11:15 小説情報

俺は普通の高校生なので、(作者:雨ノ千雨)(オリジナル現代/冒険・バトル)

私立美景台学園はご近所のみなさんが眉を顰めるようなクズ高校だ。風紀委員の弥堂優輝はそんな学園の治安を守る正常で優秀な犬である。▼ある日、弥堂の元に1通のタレコミが。メールに添付されていたのは学園でも人気なクラスメイトのギャルのパンチラ写真だった。弥堂はギャルのおぱんつに強い事件性を感じ、並々ならぬ関心を向ける。“狂犬”と呼ばれる学園随一の“アタオカ”が捜査に…


総合評価:138/評価:6.88/連載:441話/更新日時:2026年06月01日(月) 00:00 小説情報

TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します(作者:Revak)(オリジナル現代/冒険・バトル)

二千二十六年に事故死した市川拓斗は邪悪な魔術師の手で天使と竜とサキュバスとその他もろもろをくっつけた異形の存在に変わり果てた!▼諸悪の根源はさっくり処理され、残ったのは未来にTS転生したという事実のみ。▼どうせならと女の体を堪能しながら大学に通う事を決めた拓斗改めアストレアは未来の世界を堪能しながらダンジョンを配信しながら攻略するのだった!▼第三者による本作…


総合評価:192/評価:6.71/完結:35話/更新日時:2026年05月31日(日) 11:19 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>