神創図書館の不思議な一冊   作:かずぞー

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33話 それぞれの夜

「カルマさんや」

「なんだいレノヴァ君や」

「投影の話なんだけどさ」

 

投影を見せ合うのは交尾と一緒というアリアの言葉を聞いたからには流石に少しは怒らなければならないと思う、ほかの人にやろうとしたらいろいろと勘違いされるだろうし。決して私はいいけどほかの人にやられたら嫌だとかいうわけではない、うん、違う

とか考えていると先ほど見せてくれたように顔が赤く染まっていくカルマ

 

「ちっ、違うよっ本当に知らなかったんだって!でもよく考えても個人情報見せるのと裸になるのも明らかにハードル違うしっ!絶対に、誓って!やましい気持ちは…ちょっとあったかもしれないけどそういう意図は無くってぇ!」

 

そういう意図がないのはまずありえないしやたら早口で焦りながら話すときは嘘はないという前例もあるので信じない選択はないのだがこういう時、ついいじりたくなってしまうのはどういう感情なのだろうか

 

「…一週間ビーフシチュー禁止で」

 

冗談でそう言ってみれば彼女の早口はピタッと止まり膝から崩れ落ちたと思えば足にしがみついてくる

 

「ま゙、ま゙っでぇ゙!ま゙っでよ゙!レ゙ノ゙ヴァ゙の゙ビーブジヂュ゙ーな゙い゙どい゙ぎでげな゙い゙っ゙」

 

思ったよりガチ目に泣き叫びながらすがってくるカルマを見ると何か開きそうになってくる、多分いけないことではあるのでそっと封をして頭をなでればやはりすりすりしてくる可愛い彼女に冗談だよと伝える小さくばかという返事と小さなこぶしで反抗してくるのもかわいいもう全部かわいい恋人になってからますますかわいくなっているのはもうこちらを殺しに来ているといっても過言ではない

 

「そう言えばみんな遅いからって心配したみたいで投影にメッセージ来てたよ私から返しといたけど千木あった時怒られるくらいは覚悟しとくといいよ、あとレノヴァにいじめられたとも伝えとくから」

 

相変わらず根に持つ彼女は、まあ根に持たれても仕方ないことはしているがささやかな復習もしてくる、次あった時のアリスたちの顔が、飛び蹴りしてくるゼラニムの足が思い浮かぶ、普通に階段は上りたくないから帰りたいけど暴力反対を掲げているので帰りたくもない

 

「で、さ、私なら気にしないって言ってたけどさ、それって私になら何されてもいいってことで合ってるよね」

 

なんだこれは?カルマから知らない雰囲気が漂っている、思わず一歩下がろうとするとその腕をつかまれる

 

「じゃあ何されても文句言えないね?」

 

 

 

「はぁ、とりあえず一室二人に貸したけど、大丈夫かしら、カルマ様、大分我慢してたみたいだけど、大体レノヴァさんが無自覚たらしすぎるのよねぇ」

 

船の操縦室で体を休めているアリアは今日起こった出来事。簡単に言えばさっきまで隣にいた二人について考えていた、目の前で親が致してるところを見たくらいの衝撃はあったが、その後のレノヴァになお驚かられた普通はあなたならいいけどなんて言葉は出てこないはずだ、カルマでさえあの時は顔を真っ赤にして何も言えていなかったのに、レノヴァの事だからいつものようにカルマをいじるほほえましい光景が広がるのだろうが今日ばっかりはカルマも黙っていないだろう

 

「今夜はあっち行かないでおこっと」

 

幸いアリアは夜を過ごすのにぴったりなお菓子と飲み物、最近見たかった映画も購入し久しぶりのだらだらする夜を過ごす準備は万端だもう昼くらいまでは階段を上る元気のチャージに使う気でいる、操縦室に布団を敷いたらそれにダイブし投影を上に出し手をあまり動かさない位置にお菓子と飲み物を置き準備は万端、今のアリアにはこれを止めるクレメンタインやゼーヴェンもいない、ここはまさにアリアの小さな楽園になったわけだ

 

「はー、さいっこう、こういう日だけで生きてけたらどんなに楽か…」

 

何時もやっていた家事はレノヴァがやってくれたし運動も今日は気が乗らないのでやることはない

 

「レノヴァさんに頑張ってもらっちゃったし、次は私が頑張らないとなぁ」

 

実際ここに来てからは見ているだけだったアリアは誰が来るかも大方予想ができている天の神殿ではレノヴァに今回のように任せるつもりはない、むしろ今回は休ませる、という意気込みで行こうと思っている

 

二人と違い権能を持たないアリアは粛清耐性という能力を持っている

これは権能持ちによる決まった範囲の攻撃を上位存在からの粛清とみなすことでその攻撃の効果を軽減、うまくいけば無効化まで持っていける対権能持ち系の能力では最上位に位置する、そのうえそれを他者にも付与可能という攻めるときもサポートするときも使える優れものだ。アリア自身は権能持ちと戦う場面にまだそれほど遭遇していないため使い方はつたないがある程度相手にもよるが対応はできると自負している

隣からうっすらと聞こえてくる音は目の前の映画にかき消されるのでアリアは最高の環境でゆっくりじっくり休むのだった

 

 

 

「そう言えばティオさん」

「なんだゼラニムよ」

「織姫と彦星っているじゃないですか?」

「ああ、それについては文献で呼んだことがあるぞ二人の男女が年に一度だけ会えるというものじゃろ?」

「そうですそうです、あれ、見てる人は一年に一回って言ってますけど、星の寿命を人間としてみてみると0.3秒に一回会ってるらしいですよ」

「…夢がない話であろうし、それはもはや会ってるとかの次元ではなくないかの」

 

蒼天海で謎の会話を広げる二人も緒とは仲良くなってきた、のかも?

 

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