翌日朝食を終えたレノヴァは街に向かった
「おはようレノヴァ迎えに来たよ」
街に着くとクレメンタインが出迎えてくれた
「おはようございます、わざわざ来ていただけるとは、うれしいです」
「私が読んだのだからこれくらいは当然さ、城で話をしようか」
そう言いクレメンタインは歩き出すがさすが王といったところか、街の人たちが何があったのかと言わんばかりに視線を向けてくる
「あーお姉ちゃんだ!今日も遊んでくれるの?」
「あぁ、すまないね、今日は用事があるから、また今度だ」
城までの道でそんな会話が多く起きる
「人気というか、よく遊んでいるんですか?」
あまりにも数が多いので尋ねる
「そうだな、子はかわいいものだ、それに、率直な意見をくれるのでな、国政に役立つのだよ」
あぁ、この人はやはり王なのだなと会話から感じられる。こういう街は発展するものだと本で読んだことがある
「それにしても護衛をつけないなんて不用心では?」
まわりに護衛とみられる人はおらず王として大丈夫なのか心配になる
「ん?何かあったらお前が守ってくれるはずだろう?それに、いざとなれば聖域が私たちの味方だ」
「聖域?」
「そんな時は来てほしくないが、時が来ればわかるさ」
調べたいことが増えたところで城に着いた
「やはり城というのは大きいですね、それに、近衛騎士も多い」
城門をくぐってすぐ衛兵に出迎えられたレノヴァはそう言う
「あぁ、自慢の兵たちだ、着替えてくる先に行っててくれ」
彼を執務室に、と召使に頼みクレメンタインは行ってしまった
「こちらに、ご案内しますね」
一度見てみたかったメイドの姿に感動しながら後ろをついていく
「クレメンタイン様が人を出迎えに行くのは珍しいのですがあなたはどういったお方で?」
移動中、疑いというより単純な好奇心といった感じでそう聞かれた、確かにというか普通王が出迎えに街に出るなんてことはあり得ない
「失礼しました、ただの好奇心です。そういった方はカルマさんやサンクトゥムさんしか見受けられませんので」
「いえ、お気になさらずおそらくそのお二方とこちらに来たためかと思います」
その二人と同じ対応、ということで納得することにする
「あら、では皆様と同じ神様ということで?」
「あぁ、昔の記憶がありませんので、対応が同じならもしかしたらそうかもしれない、と考えていたところです」
二人に大事にされている自覚はあるのでそのせい、ということだとは思うが自分が神である、なんて一度は妄想することだ同じ扱いをされるのはやぶさかでは無い
「過去を取り戻せることを願います。では、こちらでお待ちくださいもう少ししたらクレメンタイン様がいらっしゃいます」
数分後
「待たせた、執務用の服は着づらくて困る」
そう言い戻ってきたクレメンタインは先ほどの控えめな私服と違い国王らしい装飾の多い服になっている
「あぁ、気を使わせたな、そこに座ったままでいい私も、正面に失礼するよ」
お互い向き合って座りいよいよ呼び出しの件について伺う
「それで、今日はどのような用件で呼ばれたのでしょう?頼み事、とは聞いていますが」
「そうだ、具体的に言えば調査を頼みたい」
「調査?」
いよいよやることが与えられそうでワクワクする
「この場所に向かってほしい、依頼内容は、幻影調査だ現場にいる先行調査員と合流、これの解決を頼みたい」
渡された紙に目を通す
「書いてある通りだが、幼児期のお遊びにしては長続きしすぎている、それに、これは単なる精神異常、というよりその子にしか見えていないが、実在している。という方が近い気がしてな、それの調査、もしくは解決を頼みたい」
非常に面白い依頼だ、だが一つ引っ掛かる点がある
「先行調査員、とは?」
「それはついてからのお楽しみ、だ」
実力は私が保証する、と絶妙にはぐらからされたが
「この依頼、受けさせてください」
こんな面白い話引き受けないわけにはいかない
「そうか!助かる、言っていた通りのいいやつだな、それで、一応解決時の報酬はこちらでどうだ?」
そう言われ、渡された紙に目を通す
「は?」
思わず口から洩れてしまった
「む、やはり不服か、私としてはもっと出すべきだと思ったのだが、侍従たちに止められてな、今からでも見直しを…」
ありえない、向こう一年は最高級の食材でビーフシチューを作り続けられるというかそれでも有り余るいい屋敷に侍従が付いてくるレベルの金額だ
「いや、この4分の1で十分です…」
怖い!王様の金銭感覚怖いよ!
「む…そんなに少なくていいのか?だが…」
「いいんです!それでも多すぎるくらいですから」
お金についてはいろいろと気を付けようと思いながら逃げるようにその場を後にする
「現場付近までお送りするよう言われていますので、どうぞこちらに」
クレメンタインとの話が終わった後まで、その異様な権力の使い方におびえるとは思っていなかったのが計算外だったが…
今回から少しだけ真面目に、ね