百花繚乱のお狐様   作:お狐コンコン

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対策委員会編
砂漠の街に大人一人と狐1匹


「…………ねぇルナ」

 

「どうしましたマスター?」

 

「道のど真ん中で人が倒れてるのが分かってて放置してるって人としてどう思う?」

 

「割と最低の部類だと思います。」

 

「だよねぇ…」

 

現在私リンドウとルナはブルアカの物語が始まった事でアビドスに来ています。そして何をしているのかと言うと…

 

先生が街の中で遭難して道のど真ん中で倒れているのに少し離れたビルの屋上から観察しています。水とかちゃんと十分に用意して。

 

助けろよとかいう声が聞こえなくもないが考えてほしい…これはブルアカの世界なんですよ。先生がアビドスの道のど真ん中で倒れている。それ即ちシロコと初めて会う瞬間なんですよ。

それを私が邪魔するのは違うじゃないですか?

……え?ユメ先輩助けた時点で既に邪魔してる?

 

それはそれこれはこれという訳ですよ。

 

「私としても助けたいのは山々だけどこればかりはねぇ?」

 

「ですが先生が死んでしまっては元もこうもないのでは?」

 

「もう少し待って危ないと思ったら助けるか…」

 

でも時間的には一般の学園なら登校し始めている時間だ。だとしたらそろそろ…

 

「お、あの砂漠を掛けるロードバイクに乗ったのは…」

 

「………大丈夫?」

 

「”み、水か食べ物を”」

 

これが先生とシロコの初対面か…あのボロボロで小さかったシロコがなぁ……1年で大きくなり過ぎじゃない?先生背負えるまで大きくなってるよ?

成長期でこんなに大きくなるもんだっけ?シロコが特別なだけ?

 

「お姉ちゃんって言ってたあの子が今やたくましく成長しちゃってまぁ…」

 

とにかくこれでアビドス編が無事スタートしたという事だ。

 

「先生も回収されたし1度帰るとしますか。」

 

アビドスは長く居るとめんどくさいのに見つかる可能性が有るからね。

というかシロコってあんな羽織着てたっけ?まあいいか。

 

「…………」

 

「”えっと……どうかしたの?”」

 

「ん、なんでもない」

 

そう答えた少女は私を背負って歩き始めた。

見ていた先に何かあるのかと思って見てみたが特に何の変哲もない砂と廃ビルしか無かった。

本人がなんでもないと言っている以上詮索するのは止めとくべきだろう。

 

何より遭難して助けられて背負って貰っている今の状態で詮索するのは憚られるというものだ。

 

……傍から見ればこれ事案じゃないか?

でも体に力が入らないからどうしようもないのだが…

 

────────────────────

 

そしてアビドス高校に着いたのもつかの間ヘルメット団の襲撃を撃退するといったアクシデントがあったもののアビドス高校の生徒達と先生は自己紹介をしていた。

 

「私は、委員会で書記とオペレーターを担当している1年のアヤネ……」

 

赤いメガネの少女、アヤネが慣れた様子で自己紹介を始めてくれた。どうやらオペレーターをしているからそういった事は慣れている感じだった。

 

「こちらは同じく1年のセリカ、2年のノノミ先輩とシロコ先輩。そして、こちらは委員長の、3年のユメ先輩と副委員長のホシノ先輩です」

 

それぞれ紹介に合わせて挨拶をしてくれていい子達だった。

 

「”それで、対策委員会っていうのは一体?”」

 

説明されたがどうやら廃れたアビドスを蘇るために有志が集った部活でありアビドス高校の全生徒で構築されているようだ。

 

自己紹介も終わりホシノの提案でヘルメット団の前哨基地を襲撃する事になり無事成功し帰ったのも束の間、借金問題の話を先生に話すか否かでセリカが反対して飛び出していってしまい借金の話を聞いた後少し雑談をしていた。

 

「”さっきから気になってはいたんだけど、ホシノはなんでユメの事を先輩って呼んでいるの?同じ3年生だよね?”」

 

「うへ?いやぁ実はねぇ、ユメ先輩留年してるんだ〜」

 

「”留年?素行不良とかでも無さそうだしどうして…”」

 

「いやぁ実は私2年生の頃に砂漠で遭難しちゃって…あはは」

 

「”遭難!?”」

 

「笑い事じゃないですからね?ユメ先輩」

 

「ひぃん…」

 

「”砂漠で遭難だなんて…よく無事だったね”」

 

「いやぁそれが当時は無事とは言いきれなくてぇ」

 

「”え?”」

 

「あの時は私砂漠の真ん中で遭難してコンパスも忘れるし携帯の充電も無くなって食べ物やお水も無い状態で倒れちゃったんです。」

 

「”そうなんだ…じゃあどうやって助かったの?”」

 

「その時の記憶は曖昧なんですけど助けてくれた人がいたんです」

 

「”助けてくれた人?”」

 

「そこからは私が説明するね〜?当時私もユメ先輩が何日も学校に現れないから心配になって色んな所探してても見つからなくてその時はすごい焦ってたんだよ」

 

「”目印も無い砂漠だもんね”」

 

「うん、それで何日も見つからないから途方にくれてた時ユメ先輩から連絡があってね?」

 

「”あれ?でもユメの携帯の充電は無くなったって”」

 

「はい、多分助けてくれた人がバッテリーを持ってて充電してホシノちゃんに連絡してくれたんだと思います。」

 

「それで連絡には廃ビルの場所を指す地図が送られてて手がかりもないしそこに行ってみることにしたんだよ」

 

「そしたらそこに居たのは眠っているユメ先輩ともう一人」

 

「”その人がユメを助けてくれた人?”」

 

「うん…でも顔も名前も分からないんだぁ」

 

「”えっ…でも自己紹介とかぐらい…それに会ったのなら顔は見れたんじゃ”」

 

「お面を被ってたから顔は見れなかったんだよ。それにあの時はおじさんも血の気が多くてねぇ〜出会った瞬間銃向けちゃって殺伐とした空気になっちゃったんだよ〜」

 

「”そ、そうなんだ…それにしてもお面かぁ”」

 

「うん、黒い狐のお面を被ってたよ。他に分かっているのは妖狐って名乗っている事と声の感じからして女の人だという事、そして何か目的があって当時アビドスにいたって事ぐらい」

 

狐のお面…もしかして…

 

「”それってワカモって子だったりしないかな?”」

 

「ワカモって厄災の狐って呼ばれてる子?う~ん違うと思うなぁ。おじさんも最初はそう思って調べたら捕まる前に活動してた場所が離れすぎてたんだよね〜」

 

「”そっか、なら別人みたいだね”」

 

「はい、助けてくれたお礼を言いたいんですけどなんの手がかりもなくて…」

 

「ん、お姉ちゃんは優しい」

 

「”え?その人ってシロコのお姉さんなの?”」

 

「いやいや違うよぉ?シロコちゃんがお姉ちゃんって呼んで懐いてるだけだよぉ」

 

「”そ、そうなんだ…”」

 

「ん、この羽織もお姉ちゃんから貰った大事なもの」

 

「そんな事もあって一時期病院で入院していた事を忘れて借金を返す為にバイトをしていたら出席日数が足らなくなっちゃって留年しちゃったんです。えへへ」

 

「”えぇ…”」

 

「笑い事じゃないですからね?ユメ先輩」

 

「ひぃん…」

 

それにしても…ユメを死にかけてるところを助けてシロコにお姉ちゃんと呼ばれるぐらい懐かれている…

 

「”妖狐かぁ…会って話してみたいなぁ”」

 

(リンドウちゃん悪役やるって言ってたのにやってる事真逆すぎるよ…)

 

~その頃リンドウは~

 

「ぶえっくしゅん!!!!」

 

「マスター大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫、誰か噂でもしてるのかね?」

 

────────────────────

 

先生がシロコに運ばれたのを確認した翌日、今日も今日とてアビドスに足を運びアビドス一同を千里眼を用いて観察していた。

 

「確か今日はセリカが誘拐されるはずだし夜までやる事がほとんどないしどうしたものかねぇ…」

 

前に柴関ラーメン食べた時は屋台だったのに今は店を構えてるのを見るとなんともいえない気持ちになる。

 

「でももう少ししたら爆破されて屋台に戻っちゃうんだよなぁ…(-ω-;)」

 

結局あれ以降一回も食べに行けてないんだよなぁ…大将多分私の事なんて覚えてないだろうなぁ。

また来ますって言っといてずっと来ないのはどうなのよ?って話だよねぇ。いや変に動くと黒服やホシノに見つかる可能性あったからアビドスに近寄るのが憚られただけなんだけど…

 

「てかなんでユメ先輩居るんだ?卒業してるはずじゃないの?制服着てるからOGでも無さそうだし」

 

「マスター、どうやら梔子ユメは出席日数が足りず留年しているようです。」

 

「一体何してるんだよユメ先輩…」

 

その後は特に何も無く、夜が近づいてきてバイト終わりのセリカが店から出てきた。

 

「そろそろか…」

 

もう少しでヘルメット団がセリカを誘拐しようとしてくるはず、出来ることなら阻止したいがそうするとホシノの先生に対する好感度が稼げなくなってしまうからセリカには可哀想だがここは誘拐されてもらおう。

 

「マスター、黒見セリカとカタカタヘルメット団が接触したようです。」

 

という事で交戦してる今のうちにヘルメット団の車に侵入させてもらって〜

 

「荷物のひとつにGPS紛れ込ませといて〜」

 

これで私も後から追いかける事ができるって寸法だ。さすがに車を徒歩で追いかけるのは無茶だからね。

 

とまぁいざとなったら参戦する気で構えていたのだが…

 

「あそこまで一方的だとさすがに恐怖を覚えるなぁ…」

 

先生の指揮により動きが洗練されているのもあるだろうがユメ先輩とホシノが硬いのなんの。

 

「ホシノって盾持ってなくても素が硬いんだなぁ…さすがキヴォトス最高の神秘ってとこか」

 

1人倒したと思ったら近くの子が既に倒れてるんだもんなぁ。早い硬い強い揃ってるってなんだよ少しは弱い所あれよ。

 

「ゲームとしてはその分メンタル的な部分を弱くしたってところなのかな…」

 

だとしてもあの強さはおかしいでしょ。なんだよあれ、勝てるヤツ居るの?

そりゃ黒服もホシノに目をつける訳だわ。素体として見るなら最高級の素体だもんな。

 

「悪役やるってなったらあれと戦う可能性あるのかぁ…まぁいいや。もう今日はもう何も無いはずだし退くとするか」

 

「……………」

 

「ホシノ先輩?どうかしたの?」

 

「ん〜?なんか視線感じてね〜?」

 

「???周りには特に誰もいないけど?」

 

「う~んおじさんの勘違いかな〜」

 

「ホシノちゃ〜んシロコちゃ〜ん早く帰ろ〜?」

 

「ん、ホシノ先輩帰ろう?」

 

「そうだね〜……ん?」

 

「これは…GPS?後でアヤネちゃんに調べてもらおうかな」

 

~その頃本来の持ち主~

 

「あ、GPS回収忘れた……まぁ別にいいか。後で取りに行けばいいし」

 

「マスター、GPSの反応が動いてます」

 

「え?なんで?」

 

「誰かに拾われたみたいです」

 

「うっそぉ…」

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