リオがアリスを連れていった翌日、私達はゲーム開発部やヴェリタス、C&Cのみんなとアリスを助けるために話し合っていた。
「ゼロフォーを名乗ったトキもだが警戒しなきゃいけねぇのはもう一人いる」
「もう一人?」
「それってあの黒いお面をしていた人ですよね?」
「あぁ、あん時あいつは実際には戦ってねぇが、多分だが…強いな」
「リーダーがそこまで言うなんて…」
「気配の消し方に、あの時食らった蹴りは結構なパワーだった。不意打ちとはいえ私を廊下まで蹴り飛ばす威力…相当戦い慣れしてるな」
「"………"」
「なぁ先生」
「"どうしたの?"」
「先生はあいつの事知ってるんだろ?」
「あいつと何か話してたみてぇだし」
「あいつ…一体ナニモンなんだ?」
「"………私もよくは知らないけど"」
それから私はみんなに妖狐について話した。
「妖狐…聞いた事があります。少し前からブラックマーケット付近で活動しているだとか」
「情報屋は狙われやすい…名が広まってると言うことはその分力ずくで情報を得ようとする奴らからも狙われる事も多いはず。」
「少なくともあいつはそんなヤツらよりは強い、トキ以上に警戒しとく必要もあるな」
「そ、そんな人もいて私達でアリスちゃん助けれるのかな…」
「やるしかないんだよユズ!」
「アリスを助ける為なら超えなきゃいけない壁なんだよ!」
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「よくもまぁこんなでかい都市を秘密裏に作れたもんだ」
要塞都市エリドゥ…リオがミレニアムの予算を使い秘密裏に建造した対『名も無き神々の王女』用の都市
「今頃先生達はここへ乗り込む為の作戦会議、もしくは既に乗り込んで来ているかもしれないか」
「手も足も出ないと言われた様なものなのに乗り込んでくるんですか?」
「あの子達はそんなの関係無いって言ってここに来るよ、絶対ね」
そう言っていると建物全体に警告が鳴り響きリオから連絡が来る。
「妖狐、仕事の時間よ。先生達が乗り込んできたわ」
「分かった、じゃあ予定通りアヴァンギャルド君とAMASは連れていくぞ?」
「ええ、構わないわ」
そういうとリオとの通信が切れる
「…ほらね?」
「……そうですね」
窓から外を見ると遠くから派手な爆煙が見える、おそらくC&Cがわざと目立つように暴れているのだろう。
「C&Cの方はトキさんが向かうはず、私が行くのは先生達の方か」
あれぇ?確か先生の方って人数多くなかったっけ?大変な方引き受けたかもしれねぇ…
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エリドゥに到着し、順調に侵入できたが現実とは何事も上手く進むはずがなくリオの手によってヴェリタスとの通信が途絶えてしまい、リオからトロッコ問題の話が出されるがモモイが話を遮り自身達の意思を伝えた。
「これ以上ここで話をしたところで理解も納得もしてもらう事は出来ないようね。」
「なら後は任せるわ…妖狐」
「あぁ…了解した」
リオがそういうと現れたのは妖狐と大量のAMASと………ダs、独特なデザインのロボが現れた。
「うわぁっ!?ダサ……」
「たしかに、あんまり可愛いデザインじゃないけど……」
「……見た目は関係ないわ。」
「"……本音がちょっと見えてるよ、リオ"」
「理解されないのなら、もういいわ。そのままで構わない。」
「ダサい言われていじけんなよ…」
「"………妖狐"」
「やぁ先生殿、まさかこんな所まで来るとはねぇ?」
「"そこを通してくれたりは……"」
「残念ながら私は今傭兵として雇われているんだ。ここを通して欲しければお互いぶつかる他ない」
「さぁ始めようか譲れないものがあるんだろう?なら全力でぶつけてこいよ!」
ドカァァァァン!!!
「さすが先輩…前とは比べ物になりませんね」
「そりゃどうも!お前を倒した後は妖狐ってやつが残ってんだ!」
「……なるほど、だから焦っているのですね」
「あぁ?」
「私を倒した後にすぐに先生の方へ参戦するつもりなのでしょうが…それなら先輩は実力を見誤りましたね」
「……なんだと?」
「先輩は私よりも先生の方に向かうべきでした」
「妖狐様は…私より強いですよ」
ドドドドドド!!!
「ほらほらぁ!どうしたぁ!そんなもんかぁ!?」
「っちょぉ!?あの人強すぎるよぉ!アヴァンギャルド君もあんな顔して強いし!」
「"くっ、予想以上に妖狐とアヴァンギャルド君が強い…"」
妖狐に集中しているとアヴァンギャルド君とAMASが一斉に攻めてくる、逆にアヴァンギャルド君やAMASに集中すると妖狐が素早く嫌な所に攻撃してくる…
「アリスを助けるって言っといてその程度かぁ?そんなんじゃここを通ろうなんざ100年早えぞぉ!」
いくら先生の指揮があると言えど相手は普段は発明やゲームをしているインドア系だ。AMASならまだしもリオの渾身のアヴァンギャルド君や傭兵として普段から戦ってる私の相手はきついはずだ。だが先生達にはここを超えてもらわなければいけない。となれば…
「その程度の思いで助けたいなんざほざく甘ちゃんに私が負けるわけねぇんだよ!分かったならさっさと帰って寝てるんだな!」
「ッッッ!!!あなたに何がわかるって言うのさ!ただ雇われてるだけのあなたが!」
「じゃあおめぇらは知ってんのかよ!調月リオがどれだけ覚悟して今回の騒動を起こしたか!」
「「「「「「「!?」」」」」」」
「あいつがどれだけ悩んで苦心して…ミレニアムを、キヴォトスを救わんとしてるか知ってんのか!?たった一人で全部の罪を被ろうとする覚悟が…」
「おめぇらに分かんのかよ!!!」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
「確かに私はただの雇われの傭兵だ、だがそれでもあいつがどれだけの覚悟を持って今回動いているか知っている。」
「お互い譲れねぇ意地があるんだ。何を躊躇う必要がある…おめぇらがあいつの覚悟を超えるって言うのなら」
「全身全霊で私達にぶつかってこいや!」
ここまで焚き付けても覚悟を決めれないならこいつらはその程度だったって事になる。だけど…
「〜〜!!!いいじゃん!やってやるよ!全力であなたを超えて!アリスを助けて!リオ会長だって助けるんだ!」
「うん!お姉ちゃんの言う通り!私には私達の覚悟があるんだから!」
「"アリスもリオも私の大事な生徒だ!だからリオが罪を犯す前に止める!」
そう…君たちはその程度で引き下がる訳ない。むしろ前よりも強い覚悟を持つことを私は知っている。そして…
時間は十分与えたんだ。今のも聞いていたならもう終わっているはずだよな?ヴェリタス…
そう思いながらもアヴァンギャルド君の方を見ると先程まで猛攻を続けていたはずなのに今は電源でも切れたかのように微動だにせずにいた。
「あれ?アヴァンギャルド君の動きが…」
「"止まった?"」
覚悟を決めたと思ったら突然アヴァンギャルド君が止まっているのだ戸惑うのは仕方がない。
そう考えているとヴェリタスの子達が「鏡」を使ってエリドゥのネットワークをハッキングした事が伝えられた。
「チッ…さすがヴェリタスと言ったところか。まさかエリドゥをハッキングするなんてな。」
「さぁ!戦況は一気に変わったよ!覚悟してよね!」
「………確かに今の状態は良いとは言えないな。だが」
「調月リオがこうなる可能性を考えてない訳無いだろう?」
そういうとアヴァンギャルド君が最後の意地とも言わんかのように迎撃体制に入った。
「多勢に無勢だ、今は引くとしよう」
「ま、待てぇー!」
「お前達の覚悟を見るのは次の機会だ…何、すぐ会うことになるさ。」
どこから出したのか煙幕が立ち上り煙が晴れた頃には妖狐の姿は無かった。
「もー!逃げられた!」
「お姉ちゃん!先にアヴァンギャルド君を止めないと!」
「わわ!そうだった!」
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戦線から離脱して少し離れた場所で…
「悪い、ハッキングされて状況が悪くなったから一旦引いた。」
「問題ないわ。こちらも原因は分かっているから」
「トキさんの方はどうなんだ?」
「あまり良くないわね。1度撤退させるわ」
「そうだな。1度引いて準備を整える方が良いな」
「それじゃあトキに指示を出すから切るわね」
「あぁ了解した。」
……次はアビ・エシュフを身につけたトキが出てくる。さぁ先生達よ、先程決めた覚悟が折れないことを祈るよ?
戦闘シーンを書くのが苦手おじさん「戦闘シーンを書くのが苦手」