「……………さて、行くか」
第二時特別学力試験が終わった今、次に来るのは補習授業部のナギサの保護の為に「あはは…」するからなぁ…あれ必要かなぁ?
「まぁとりあえず私がするのはミカの足止めと罪の身代わりだな」
さて…じゃあ行くか。罪を背負いに…
────────────────────
【ナギサのセーフハウス】
「もうすぐ…もうすぐで…」
三回目の学力試験が終われば裏切り者の可能性のある彼女達を退学にまで持っていける…彼女達には悪いとは思いますがこれもエデン条約を確実に締結させるため…仕方の無いことなのです。
「随分焦っているな…まぁもう少しで目的が成せるのならば浮き足立つのも仕方ない事だ」
「!!!………妖狐さんですか。どうかしましたか?もしや裏切り者が分かったのですか?」
「分かったというよりはなぁ…」
カチャ…
「黒幕の思い通りにする気は無いんでな…」
「なっ!?妖狐さん!どういうつもりですか!まさかあなたが!?」
「悪いな…誰も罪を背負って欲しくないからこうするんだ」
「それは…どうi ドォン うっ…」
「ただの麻酔弾だ…後遺症なんかもないから少なくとも補習授業部が来るまでは大人しく寝ていてくれよ…」
「さぁ……お姫様と少し話をしに行くとするか…」
────────────────────
「警備の者が誰もいない……それに使われていないと思うくらいに静かだ…」
「まさかローテーションを変えたのでしょうか…そうなるとナギサさんを保護できなくなってしまうのですが…」
「ナギサがいるのはこの先で間違いないのか?」
「はい、ナギサさんの変則的な運用なら屋根裏部屋に隠れているはずです」
「そうか……なら行こう」
コンコン
「…………返事がないですね」
ノックをしても返事が返ってこないので仕方なくそのまま部屋に入ると中にはソファーで横になっているナギサの姿があった。
「寝ている…でもこの撃たれた跡は…」
「先に誰かがここに来たのか?」
「分かりません…ですが今のうちに連れていくとしましょうか」
「………そうだな」
(なぜナギサさんをわざわざ寝かしたのでしょう…まさかこちらの動向を把握している人がいる?)
────────────────────
「ふぅ……私もそろそろ行かなきゃね」
正義実現委員会が動かないように手を回しアリウスの子達と合流する前に私は少し気を落ち着かせるように深呼吸をして向かう準備をしていた。
補習授業部のみんながナギちゃんを先に保護して今はアリウスから逃げ回っているようだし…増援部隊と合流して向かわなきゃね
「おや?なぜこんなところで何しているのかな、お嬢さん?」
「!?!?………だれ?」
「おやおや…トリニティでは人に先に名乗らせる習慣でもあるのかな?」
「うるさいなぁ…私は今忙しいの、あなたは誰なの?」
「つれないなぁ…まぁいいか、私は妖狐…しがない情報屋でございます」
「へぇ…あなたが噂の…」
今キヴォトスで噂になっているなんでも知っている情報屋…よりによってなんで今トリニティにいるんだろう
「おや…私のことは知られているようですねぇ。あの狐の少女といい…トリニティのティーパーティーは情報収集は優秀なようですねぇ」
狐の少女?トリニティでも狐の子は結構珍しい、さらにティーパーティーとなると………まさか!?
「あなた……セイアちゃんを知っているの?」
「セイア?あぁあの狐の少女の事かな?もちろん知っているとも……なぜなら」
「彼女を殺したのは私なのだから」
「は?」
どういう事?セイアちゃんを襲撃したのはアズサちゃんでその時に誤って殺しちゃったって…もしかしてアズサちゃんが嘘ついた?
「何を考えているかは知らないが…もしや彼女のことを知りたいのかい?」
「ッ!!!あなたは何を知ってるの!全部話して!」
「おやおや情報屋に無償で情報を渡せとはよく言えたものだなぁ…まぁよかろう」
「君がアリウスを利用して狐の少女を襲撃させる数時間前…私が先に少女に接触していたのだよ」
「まさか!!!」
「そう!そのまさかさ……私が先に百合園セイアを処分しアリウスに罪を擦り付けたのさ!」
「お前っ!!!」
「いやぁ君には感謝するよ美園ミカ、君がアリウスを嗾けてくれたお陰で簡単に罪を擦り付けわたしが関与した事を隠す事ができたのだから!」
「なんで…なんでセイアちゃんを!」
「ふむ、なぜというのなら…」
「エデン条約を利用してアリウスとトリニティにゲヘナを潰させる為さ」
「……………は?そんな事の為にセイアちゃんを?」
「そんな事?君もアリウスと結託してゲヘナを潰そうとしたのだろう?私となんら変わらんよ」
「違う!私は!私はアリウスの子達と仲直りをしたくて…」
「ふむ…まさか君は自分の力でアリウスにたどり着けたと思っているのかな?」
「え?」
「あのカタコンベをなんの手がかりもなしに突破できるはずがないだろう…ならなぜ君がアリウスへ辿り着けたのか」
「え………まさか」
「そうさ、私が君がアリウスへと辿り着けるように上手く誘導していたのさ。」
「そんなはずない!私は私の意思で動いていてアリウスに行った!誘導なんてされてない!」
「そう思うのは勝手だが…まぁいい」
「私はこれから計画を盤石なものへとする為に動かなければならないのでね」
「これ以上何をする気なの!」
「………そんな事分かっているだろう?」
「桐藤ナギサを処分するのさ」
「は?」
「ここで桐藤ナギサを処分すればトリニティのふたつの派閥の頭が潰れ君が頭を務めるパテルがトリニティを仕切る。そうなればトリニティはゲヘナを毛嫌いするパテルが筆頭となりゲヘナを潰そうとする」
「そうなればエデン条約は潰れゲヘナはアリウスとトリニティの2校を相手する事になる!三大校のふたつが潰し合いをする!なんとも愉快だと思わないかね?」
「ふざけるな…そんなことのために…」
「そんな事?この世の全ては楽しくあるべきだ…こんな愉快な事をしないでどうしろと言うんだい?」
ああ…そうか、なんでこんなタイミングで私がこいつとここで会ったのか謎だったが今わかった…
こいつは私が止めなきゃいけないんだ。
こいつをここで見逃せばナギちゃんを殺そうとナギちゃんのとこへ向かう。正義実現委員会が今動けない以上こいつを止めるのは…
私しか居ないんだ
「さて、では私はそろそろ向かわねばならないのでね…失礼するよ」
「………待て」
「ん?何か言ったかな?」
「お前をナギちゃんの所へは行かせない…お前は今ここで私が停める」
「君が?なんの為に?」
「なんのため?そんなの決まってるじゃん。」
「ナギちゃんを…親友を守る為!そしてセイアちゃんの仇を取るために今ここでお前を捕まえる!」
「ふむ面白い…ならば見せてみろ。お前の矜恃を、お前の信念を!」
夜遅きトリニティにてピンクのゴリラと灰色の狐が今、ぶつかり合わんとしていた。 *1
ちなみにリンドウがミカに言っている事は全部嘘です。いやぁ道化ですねぇ