百花繚乱のお狐様   作:お狐コンコン

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飛び立つ鳥のためのラプソディ

百鬼夜行では度々話題に上がるものがある、それは…

 

百鬼夜行における最()()()とは誰か…

 

最強・最恐・最狂・最凶…それぞれ最も強く、最も恐ろしく、最も狂っており、最も凶悪…

 

ゲヘナの空崎ヒナ…トリニティの剣先ツルギ…ミレニアムの美甘ネル…最強ならばキヴォトスの三大校で同じ話題が上がってもこの3人が自然とトップになりすぐ違う話題へと移りしばらくは話題に上がることはないだろう、他の最きょうも同じようにそれぞれの学園で最も!と言われる生徒が自然と上がり同様にしばらくは話題に上がらないだろう

 

だが三大校のうちの2つであるゲヘナとトリニティに並ぶ長い歴史のある百鬼夜行にはそれぞれの決まった最きょうを名乗れる生徒が居ない*1

 

ただ強さにおいては百鬼夜行でもエリートの集まりである百花繚乱、そして七囚人の1人狐坂ワカモが話題の中でも候補として常連である

 

ただ百鬼夜行の生徒でも百花繚乱の内情を全て知っているわけではない。

 

それ故に百鬼夜行の生徒達と百花繚乱のメンバーでは評価が変わっていたりするのだ

 

《百花繚乱の某えりーと》

 

「百鬼夜行の最()()()ですの?」

 

「身共はまだ百花繚乱に入ってそれほど経っていないから決めれませんの…」

 

「でもキキョウ先輩から聞いたことがありますの!」

 

《百花繚乱の某切り込み隊長》

 

「百鬼夜行での最()()()?うーん…やっぱり最強はアヤメ先輩かなぁ」

 

「百花繚乱は実力主義だからさ、委員長やってるアヤメ先輩がやっぱり1番強いんじゃないか?」

 

「あ〜でも最強はアヤメ先輩でも…」

 

《百花繚乱の某作戦参謀》

 

「百鬼夜行で誰が最()()()か?ですって?」

 

「そうね…強いに関しては……アヤメ先輩かな」

 

「けれど…」

 

《百花繚乱の某副委員長》

 

「百鬼夜行の最()()()?……そうだね…」

 

「1番強いのはアヤメだとは思う…」

 

「私達一回もアヤメに勝てた事ないから…」

 

「でもそれ以外だったら…」

 

《百花繚乱の某委員長》

 

「百鬼夜行の最()()()?」

 

「うーん自分が委員長やってるからなぁ…」

 

「自分が最強っていうのはちょっと恥ずかしいな」

 

「あ、でも『厄災の狐』は強いってリンドウから聞いたことあるな~」

 

「だけどひとつ言えることはあるよ」

 

「「「「「ガチでキレた時のリンドウ(先輩)が百鬼夜行で1番恐い」」」」」

 

────────────────────

 

「先程とは違う?満身創痍のあなたに何が出来ると言うのです」

 

「うるせぇなぁ……これくらいのハンデはやるって言ってんだ……よ!」ブォン!!

 

そういうと妖狐はおもむろに瓦礫をベアトリーチェへと投げつけると…

 

「何かと思えば…そこら辺の瓦礫を投げるのがあなたの本kドカァァァァァァァン!!!!

 

ベアトリーチェが手で振り落とそうとした瞬間……投げてきたただの瓦礫だったはずのものが突然爆発した

 

「!?!?!?!?」

 

(何故瓦礫が爆発を!?)

 

「何惚けてんだよ!誰相手にしてんのか分かってんのか!?」

 

「はっ!?しまっドガッ

 

「ぐっ……今度は本物!?」

 

(よし!引っかかったな!)

 

リンドウがしたのは変化を用いた瓦礫とダイナマイトの見た目を入れ替えるというもの…

 

これによりベアトリーチェはただの瓦礫も爆発する可能性があるため無視できず少なからず思考を瓦礫かダイナマイトか判断する方に持っていかれることになる

 

(投げてくるダイナマイトにも威力が高いものと低いものがある…低いものならいざ知らず高い方は無視するのはさすがに悪手…それに見た目が入れ替わっているせいで判断がしずらい…くっ、さっさとくたばっていればいいのを!)

 

「ならばすべて吹き飛ばせばいいでしょう!」

 

「上にばかり気を取られていいのかぁ!?足元がお留守だぜ?」

 

「なっ!?」

 

ドカァァァァァァァン!!!!!!

 

「くっ…」

 

(選択肢をぶつけろ!思考リソースを他に回させて無理やり隙を作れ!イニシアチブを譲らせるな!)

 

「ウォラァァァァァァォ!!!!!!!」

 

(なぜここまで動けるのです!?ヘイローを破壊する爆弾も少なからず当たって満身創痍だったのになぜ!?なぜそうもなんとも無かったかのように動けるのです!?狂っているのですか!?)

 

「怖気付いたかぁ!?」

 

「ヒィ!?」

 

それは全ては偶然だった…

 

リンドウが転生者で…

 

リンドウがブルーアーカイブという作品を知っていて…

 

リンドウがヘイローを破壊する爆弾を知っていて…

 

ベアトリーチェがヘイローを破壊する爆弾を使って…

 

リンドウがヘイローを破壊する爆弾の直撃を避けて…

 

リンドウが屈する事を拒否して…

 

ベアトリーチェがリンドウに恐怖を覚え…

 

その全てが誰かに導かれた訳でもなく全てが偶然だった…

 

その全ての偶然が噛み合うという『奇跡』によって…

 

(なんだ?ベアトリーチェの動きが……)

 

(遅い?)

 

それは普通ならば有り得ない『神秘』と『恐怖』の共存、本来はどちらか一方しか観測できないものが…

 

リンドウの『神秘』がヘイローを破壊する爆弾によって一部が壊されたことで破壊された場所を治すように『恐怖』が破壊された場所を埋める…

 

あらゆる『偶然』と『奇跡』が噛み合わさった事でここに…

 

『神秘』と『恐怖』を同時に体現する者が現れる事となった

 

それによる効果は本来のリンドウの力を大きく凌駕する『能力』として現れる

 

(纏雷の出力が上がってる?それに狐火の温度も…)

 

己に何が起きたのかリンドウ自身も分かってはいない…だが自身に何かしら変化が起きた事だけは理解できた

 

(纏雷の出力が上がったことで身体能力の活性の効果が上がったのか?まるでゾーンに入ったように周りがスローモーションに見える…)

 

(だが気にするのは後だ…まずは)

 

「てめぇに引導を渡してやるよベアトリーチェェェェェェェェ!!!!!」

 

────────────────────

 

「この先だ…先生、問題ないか?」

 

「"うん大丈夫………行こう!"」

 

バァン!!!

 

「ベアトリー…………チェ?」

 

「あ?あぁ、お前たちか」

 

勢いよく突入した先生とスクワッドだったがそこには…

 

「く、来るな!来るなァァァァァァ!!!!!」

 

「さっきまでの気取った態度とはおもえねぇな…これがアリウスを支配していた大人の姿か?」

 

そこには自分達が恐れた大人であるのベアトリーチェが子供のように足掻く姿とゆっくりベアトリーチェへと近づく妖狐の姿があった

 

「なぜ!なぜそこまで動けるのです!ヘイローを破壊する爆弾に被弾して満身創痍だったはずなのに!なぜ!」

 

「な!?ヘイローを破壊する爆弾だと!!!!」

 

「"確かヘイローって破壊されたら…"」

 

「うん、本来まともに直撃したらそのままヘイローが破壊されて死ぬ…直撃は避けれたとしても大怪我は免れない」

 

「妖狐が被弾したのが事実なら…本来動けるはずがない…」

 

「そうです!本来ならば既に動けるはずがない!何がお前の体を動かしているのです!」

 

「あぁ?そんなの…」

 

──Kyrie〜♪

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

「これは…」

 

「Kyrie eleison?」

 

「"ミカ……!"」

 

Kyrie erosionが聞こえるということはミカはまだ戦っているのか…

 

「なりません!!!」

 

「なりません!私の領地で慈悲を語る歌を響かせるなど!」

 

「生徒は憎悪を軽蔑を……呪いを謳わなければなりません!」

 

「お互いを騙し傷つけ合う地獄の中で、私たちに搾取される存在であるべきなのです!」

 

「"黙r「うるせぇ」え?"」

 

「!!!」

 

ベアトリーチェ…こいつは、どこまで行っても悪辣な大人なんだな…

 

「何が憎悪だ、何が軽蔑だ、何が呪いだ、何が搾取だ」

 

「子供ってのは夢を語り肩を寄せ合い手を取り合うべきだ」

 

「決しててめぇのようなクズに利用されていい存在じゃねぇ」

 

「なんで私がまだ動けるか聞いたな…それは」

 

「アリウスを縛る…お前という鎖から解放する為だ」

 

「アリウスから消えろベアトリーチェ、閉じ込められた鳥は既に自分で飛ぶ方法を覚え鳥籠から飛び立つだけとなったのだから」

 

「くっ……まだ…まだです!」

 

「この程度で終わりになど……!」

 

「いいえ、この話はこれで終わりです」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

 

突如聞こえたここの6人以外の声がした方を見るとそこには後ろを向いた写真を持つ頭部のないコートをきた男が立っていた

 

「ゴルコンダ……!!」

 

「あぁ、落ち着いてください」

 

「私は戦いに来たのではありません。マダムを連れ戻しに来たのです」

 

「私を……!?」

 

「マダム、あなたはただの「舞台装置」でしかなかった」

 

「あなたの物語は終わったのですよ」

 

「……く……ぐぅ……!!」

 

「くだらねぇ話をしてんじゃねぇ、時間稼ぎしたいだけならお断りするぞ」

 

「妖狐…ここで争うのは得策とは思いませんね」

 

「あなたならヘイローを破壊する爆弾が私の作品である事を知っているのでしょう?」

 

「ならばここで私と争うのは愚策と思いますが」

 

「…………チッ」

 

「賢い選択です。黒服があなたに注目している理由がよく分かります」

 

「それでは失礼します。いずれまた会えるのを楽しみにしていますよ」

 

そう言うとゴルコンダとベアトリーチェは姿を消しその場には妖狐と先生とスクワッドの6人だけが残された

 

「…………」

 

「妖狐……」

 

「先生、スクワッド……お前達は先に逃げろ」

 

「なっ……!?妖狐はどうするんだ!」

 

「私にはまだやらなきゃいけないことがある…それをするまで逃げる訳にはいかないんだよ」

 

「"それって…"」

 

「だから先生…スクワッドの事は頼んだ」

 

「アツコとセイアも脱出はできてないだろうから忘れず合流してな」

 

「"……分かった"」

 

「先生!?」

 

「………じゃあな」

 

「待っ……!!」

 

「……行ってしまった」

 

「リーダー…」

 

「"サオリ、セイア達と合流しよう"」

 

「………あぁ」

 

────────────────────

 

ダダダダダ!!!!

 

「ゲホッ……ゲホッ」

 

「……あーあ、全身どっろどろ」

 

「でも……日が昇るまでは耐えきったよ……結構大変だったけど…」

 

(でも、アツコは助けられたよね?)

 

(妖狐ちゃんもセイアちゃんも…それにサオリも、他のスクワッドも…みんな無事だといいな)

 

本来なら裏切り者の魔女としてトリニティで恨まれるはずだった私の罪を被ってくれた妖狐ちゃんともっと話したかったけど…

 

「私も……ここまでかな……」

 

「道中もっと話しておけば良かったな…」

 

バルバラを始めとした一向に無数のミメシスの行進によりもう諦めようと思った瞬間…

 

「諦めるには早いんじゃねぇか?」

 

「え?」

 

ドカァァァァァァァン!!!!!!

 

「ケホッ…ケホッ…な、何!?」

 

「よぉお姫様、まだ生きてっか?」

 

「妖狐ちゃん!?なんでここに!?」

 

「なんでって助太刀に来たんだよ」

 

「助太刀って…向こうはどうなったの!?」

 

「向こうは片付いたよ、スクワッド達もアリウスから脱出しようとしているはずだから後はここだけだ」

 

「なんで…なんで助けに来たの?」

 

妖狐の姿を見るからに自分と並ぶかそれ以上にボロボロで助けに来るのも大変だろうになぜ助けに来たのかという疑問をミカは妖狐に問いかけた

 

「あぁ?そんなの当たり前だろ?」

 

「自分を犠牲にみんなを助けようとするお姫様を助けに来て何が悪いんだ?」

 

「で、でも…妖狐ちゃんだってボロボロじゃん…」

 

「それが助けに来ない理由になるか?」

 

「!!!」

 

「まぁそんな事はさておき…」

 

「そんな事って…」

 

「いいんだよ別に…まぁお互いボロボロの状態であの軍団を相手しなければいけないわけなんだが…」

 

「うん、そうだね」

 

助けが来たとはいえ2人ともボロボロでまともに戦えるようなものでもない…

 

「さて、お姫様…この舞台最後を締める戦いを…私と一緒に踊ってもらってもいいかな?」

 

「……わーお、急にキザなセリフ言うじゃん」

 

「これが最後なんだ…少しくらいふざけるのもありだろ?」

 

「………あはは!いいじゃん!うん、じゃあ最後まで踊ろっか!」

 

「ならユスティナ聖徒会の亡霊達よ…眠りを妨げられ無理やり動かされるのはもう疲れただろう?」

 

「こんなボロボロの私たちだが最後に相手してもらおうか!」

 

桃色の天使と灰色の狐は最後まで舞う

 

それはこの先にも幾つもの困難が待ち受ける4人の新たな門出を祝うように…

 

朝日が舞台を明るく照らし、暗い鳥籠から解放され飛び立った鳥を見送るように…

 

汝らの未来に祝福がありますように

 

────────────────────

 

《とある道》

 

アリウスを脱出し先生達と別れ、呆然と進むスクワッドの4人は今後の事について話し合っていた

 

「私達、この後どうなるんでしょう…」

 

「アリウス自治区にも、トリニティにも、ゲヘナにも……私達の居場所はない」

 

「何も知らないまま呆然と過ごせばいいの?」

 

「………私達は今までアリウスの事しか知らなかった」

 

「だから…もっと外の事を知らなければならない」

 

「ゆっくりでも、進めるように…」

 

「でも、何も知らない状態でどうするって言うの?住む場所も何もないのに」

 

「ぐっ……」

 

「………それなんだけどねみんな」

 

「ひとつ提案があるんだけど……」

*1
ただしだいたい最凶はワカモで決まったりする




Q.ガチで怒ったリンドウってどう怖いの?

「何しても止まらず前進して確実に潰そうとしてくる」

「タガが外れたように全員吹き飛ばしてくる」

「圧が恐ろしく重いし急所を躊躇なく狙ってくる」

「普段温厚な人を怒らしたらダメ」

「「「「百花繚乱では絶対にリンドウ(先輩)だけは怒らせてはいけない」」」」
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