百花繚乱のお狐様   作:お狐コンコン

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もはやキヴォトスの1年が365日とは思えない今日この頃
時系列が原作とバラバラなんだから1年をバチくそ長く伸ばしてやろうの精神で参りたいと思います




あまねく奇跡の始発点
歪んだ歯車はされど回る


 

根本から間違っていた…

 

元から歪んだ歯車が混ざっても正しく回っているならそれは正常だったんだ…

 

無理に正しい動きに戻そうとしても元が問題なく動いているのに無理矢理変えようとしたらどんな機械であっても異常が起きるのは当然の事だったのに…

 

そのせいで何も上手く行かなかった

 

誰も救えず目の前で全て失敗するのを見ている事しか出来なかった

 

どれだけ手を尽くしても自分がやっていた事が全て空回りしてことごとくダメだった…

 

救いたい人も救えず守りたいものも守れない…

 

あの場所も最後は私しか残らなかった…

 

己を否定するんじゃなくて受け入れる…

 

それが出来なかった時点で私はダメだったんだ…

 

なら最後くらいは…

 

少しでも次に繋げれるように動くとしよう…

 

あの子が少しでも自分の存在が罪だと思わないように…

 

もし次の世界が…

 

自身が歪んでいる事を知りながら…

 

歪んだまま回り続ける事を選び…

 

己の存在を否定せず突き進んで…

 

世界を自分のエゴで上から塗りつぶす…

 

そんな生き方を選んだかもしれない私が居たら…

 

あの子も…あの人も救ってくれるかもしれない…

 

なら私が出来ることは…

 

少しでも可能性を残す事…

 

「今まではこれを使う勇気が出せなかった………けど」

 

「最後くらいは…」

 

「世界に反抗する勇気くらい………見せないとね」

 

私は懐にずっと入れいた物を取り出し…空へと掲げた

 

「今ある私の全てを賭けよう……この身体が朽ちても構わない」

 

「だから今できる全てを…奇跡を…」

 

「…………」

 

「どうか自分を責めないでね…」

 

「私はあなたの……あなた達の幸せを願っているよ」

 

「………………ごめんね」

 

「シロコ」

 

さっきまで誰かがいたであろう場所には一丁の銃と羽織だけが残されていた……

 

「姉……さん……」

 

────────────────────

 

ピコン!

 

「……………なるほど」

 

「ボス?」

 

「……少し出掛けてくる」

 

「分かった、行ってらっしゃい」

 

「あぁ…私が居ない間は自己判断で動いてくれて構わないから」

 

「???……うん分かった?」

 

「ふっ……まぁ行ってくるよ」

 

「………ボス、変なの」

 

 

 

 

カツン…カツン…

 

「………お久しぶりですね」

 

「あぁ、またこうして相見えるとはな」

 

「…………」

 

「なんだよじーっと見て」

 

「いえ…なるほど」

 

「何がなるほどなんだよ」

 

「………妖狐さん貴方」

 

「どうして神秘と恐怖の共存ができているのですか?」

 

「…………………は?」

 

「いやいや何を言ってるんだ?黒服」

 

「聞きたいのはこちらです…妖狐さん、貴方に起きた変化を調べて欲しいとの事ですが」

 

「本来キヴォトスに住む人には神秘が宿っているのはご存知ですね?」

 

「まぁそれくらいなら知ってるが…」

 

「本来は神秘と恐怖が共存する事はありません。我々の見解では神秘と恐怖は表裏一体の物でコインの表裏のように決して同じ面に現れることがない…それが今までの我々が出した結論でした…」

 

「ですがその結論が覆りました」

 

「それが私だと…」

 

「はい、妖狐さん貴方は今キヴォトスで唯一神秘と恐怖が共存しつつ自己を保っている存在と言えるでしょう」

 

「神秘と恐怖の共存…ね」

 

「ええ…貴方は今我々ゲマトリアよりも限りなく崇高に近づいている生き証人でしょう」

 

「とりあえず立ち話で済ましていい内容じゃないだろ。ちゃんと調べてくれ」

 

「はい勿論です。私としても大変興味深く有難い機会ですから」

 

────────────────────

 

「ふぅむ、懐かしい気配を感じたと思ったが……お客様かの?」

 

「……!!」

 

「貴方は…いや、此処は……?」

 

「あやつの気配を久しぶりに感じたかと思えば…其方の身体…」

 

「???」

 

「──『色彩』と遭遇したか」

 

「!?」

 

「しかし妙じゃのう……色彩と遭遇したものが、これほど意識を保てているとは」

 

「それに色彩と遭遇したにしては影響も少なすぎる…」

 

「色彩?」

 

「キヴォトス外から到来する。曠古の災禍を引き起こす存在じゃ」

 

「それそのものが人格や意志を持っているのかは分からぬ」

 

「肝要なのは、このキヴォトスの民にとって、アレは致死の毒足り得るという点じゃな」

 

「色彩に露出された者の肉体は捻れ──精神をも蝕まれていく」

 

「キヴォトスの民であれば、その程度で死に至る事はない……じゃが、個が捻じ曲げられ、異物と成り果てるじゃろう──果たして、それが同一存在と呼べるかは、別の話じゃな」

 

「しかし……其方の身体、色彩と直に接触した訳ではなさそうじゃが……して、何があった?申してみよ」

 

「それは……」

 

「ふむ、妾が診ようか」

 

「失礼…」

 

 

 

「成程……色彩を利用し、身体を変化させようとした者が居たのか。愚かな……」

 

「色彩を呼び寄せる儀式を行ったものの……幸いにして、儀式そのものが途絶した、と」

 

「……そうか、其方は色彩と直接遭遇したのではないのじゃな」

 

「それにあやつの神秘も感じる……あやつが其方に己の神秘を分け与えそれが身代わりとなり其方の身体を守ったということじゃな」

 

「だからこうして無事でいられたのじゃな」

 

「……」

 

「じゃが少なからず其方にも影響はあるようじゃな…まるで遅効性の毒のようにじわじわと其方の身体を蝕んでおる」

 

「……どうにかする方法は無いのかい?」

 

「無い」

 

「……本来ならば、な」

 

「しかし其方は2つの幸運と巡り会えた。この妾──百鬼夜行の預言者、クズノハと見える事ができたのじゃ」

 

「……クズノハ」

 

「もうひとつは肩代わりしてくれた者がいた事じゃ……あやつの神秘が其方が本来受けるはずの影響が大幅に軽減されておった」

 

「じゃから安心すると良いぞ、妾が其方を導いてやろう。しかし、其れには代償が伴うが…」

 

「代償?」

 

「其方を構成する本質をひとつ手放さなければならぬ。──この場合、「未来視」じゃろうな」

 

「じゃが肩代わりによって完全に失う訳ではなく弱体化する…と言った方が正しいかの」

 

「弱体化?」

 

「そう弱体化じゃ、簡単に言えば”未来を見れる”「未来視」ではなく”未来を予測する”「超直感」という感じじゃろうな」

 

「超直感…」

 

「少なくとも今までのような予知はできなくなる…さぁ、如何する?──トリニティの預言者よ」

 

「………」

 

「他に選択肢は無いのだろう?」

 

「ふむ、迷いなく断じるとは……友のためかのう……?──お見事」

 

「……では、此れにてさらばじゃ、セイア。現世に戻っても妾を探そうとするなよ?妾はもう、其処には居らぬからの」

 

「!?」

 

「嗚呼、そうじゃ。最後に最後の予知が発動するかもしれぬ。其れは必要な痛みじゃ──我慢せい」

 

「っああああああ……!!」

 

(そういうのは最初に言って欲しかったんだが!?)

 

最後の予知…それは彼女が見せてきたものと同じだった…

 

空が赤く染まり空から飛来する黒い塔によってサンクトゥム・タワーが破壊され…黒い装束を身を纏った長髪の少女…

 

(この未来も…変えれるのだろうか…)

 

 

 

「…………」

 

「セイアの影響が少ないのはあやつが肩代わりしたから…それは疑いようがない事じゃ」

 

「じゃがそれならあやつも何かしら影響を受けているはず……」

 

「それもセイアよりも影響は多いはず…」

 

「己の本質の神秘の反転…」

 

恐怖(TERROR)……まさかのう…」

 

「色彩で反転したものは元には戻らぬ…」

 

「あやつ……それさえも覚悟の上ということか?」

 

 

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