カツン…カツン…
「………まさか居るのがこことはな」
黒服に私のミメシスがいるという場所を記された地図だが私が1度来たことがある……だが私とシロコの縁の地ではなかった
「なんでホシノが捕まっていた黒服の実験室に私のミメシスを配置したんだ?」
向こうの私がどういう風に動いていたか分からないけど少なくともここでホシノじゃなくてシロコに印象に残る出会いはしてないはず…
「まぁ私もシロコと会ったのはアビドスの街の片隅だからむしろそこに配置されていたら見つかって大変な事になっていたからある意味ここで助かってはいるが」
この実験室はアビドスのサンクトゥムともかなり離れていて向こうが巻き込まれるという可能性も限りなく低い
「だけど反応はサンクトゥムの方に吸われてここにも居る事に気づけないってわけね…」
ガコン…
「………まさか自分のミメシスをこの目で見ることになるとはな…」
扉を開けると奥の方にユスティナ聖徒会のミメシスとは違い異様な色彩を放つ自身の写し身と言えるものがそこに佇んでいた……ただ
「………おい、なんで」
ただ違うのは自身には無いものをその手に持っているということだった
「なんでてめぇが…」
そう、それは妖狐が…リンドウが絶対に見間違えるはずもない…
「なんでてめぇがその銃を持っている!?」
それは本来このキヴォトスに1つしかない百花繚乱に受け継がれる一丁の銃……『百蓮』だった
(なんであいつが百蓮を…いやそれよりも…)
ミメシスの妖狐はまだ動く事なく佇んだまま…サンクトゥムの守護者とは違い守るものがないからなのかこちらから何かしら手を出さない限りは攻撃どころか動く事すら無くリンドウの問いにも応える様子もない
(そもそもゲマトリアのミメシスもサンクトゥムの守護者も前者は感情や教典、後者は防衛という命令に従っているだけで自分で動いている訳じゃない…ならミメシスには全て自由意志なんてものは無い……なら)
ダァン!!!!!
「ならなんでてめぇがそれを持っているかは知らねぇし知る余地もねえ!」
(でもこれだけははっきりしている)
「向こうの私と今の私…どちらが上なのか決めなきゃならねぇよなぁ!?」
(向こうが上ならこっちのキヴォトスも破滅の道を歩むかもしれない…だが)
「私の方が上なら希望も生まれるよなぁ!?」
バチ…バチチチ……
「はっ…そりゃ私なんだ…そっちも使えて不思議じゃねぇ」
リンドウから一発撃たれた後妖狐のミメシスは即座に臨戦態勢となり出し惜しみなどしないとでも言うかのように体に雷を纏いだした
(向こうはミメシスだから纏雷を使った後にある疲労感なんてのは無視できるって訳か…)
そう、リンドウは神秘と恐怖の共存により纏雷の肉体活性を使った後に筋肉痛になる事は無くなった。だがだからといって無理矢理体を活性化させている為、デメリットが無くなった訳では無いのだ
(纏雷は全身の肉体活性を使うと後からとてつもない疲労感に襲われて長期戦には向かない)
(だけど私相手に…それも向こうも纏雷の肉体活性をフルで使っている以上こっちも出し惜しみはできない)
そもそもお互い手の内は知れているので隠す必要もないのだが…
ダァン!!!!!ドカッ!!!!!
(チッ…我ながらいやらしいタイミングをよく分かってるな…)
同じ人物同士が戦っている以上お互いの手の内は知っており自分がどのタイミングが1番隙が出来るかも熟知している…そんな状態で勝敗を決めるのはどちらかが目の前の自分と差をつける他ない…
そうなれば纏雷を使っているミメシスの妖狐の方にこのままでは軍配が上がるのは必然であり…
(このまま押し切られて負けるのか?この後のことを心配して無様に負けるのか?)
「……全身が短期戦向きなら……」
バチ…バチバチ……
リンドウが纏雷を使い始めるのを見るやいなや妖狐のミメシスは早急に勝負をつけるように拳を握りリンドウへと突撃した…
ドゴッッッ!!!!!!!
妖狐のミメシスが顔を狙った突きを決めたかのように思えたが…
「必要な部分だけ活性化させればいいよなぁ!?」
攻撃を当てたのはリンドウの方で妖狐のミメシスの側頭部に纏雷の足の部分活性による超速のハイキックが決まっていた
ドゴォォォォォン!!!!!!
蹴りを受けた妖狐のミメシスは盛大に壁に吹き飛び大きな土煙をあげた…
「………こんなんで終わるわけねえよなぁ?」
「こんなんで終わるならそっちのキヴォトスの私は随分腑抜けだよなぁ!?」
バチチチ……ドオォォォォォン!!!!!!!
ミメシスには確かに
だがそれはミメシスに
ミメシスにも攻撃を受ければ反射で仰け反り怯む事だってある
それはミメシスにも反応する程度には
ならばリンドウの叫びに妖狐のミメシスが反応したのは別におかしなことでは無い
ミメシスの元となった別の世界の妖狐がリンドウの叫びに激怒したのならば妖狐のミメシスに激怒の意識は無くともその気持ちが表に出ても不思議ではなかった
「激怒して纏雷の最大解放か…」
リンドウは自身の纏雷が最大でどこまで威力が出せるか知っている
後先を考えずに最大解放したのであれば自身の周りにまで微弱な電気を帯びさせるほどに高い威力を出すことが出来る
「最大解放は確かに高威力を引き出せる……だが」
ドガァァァァァン!!!!!!!
夥しいほどに雷を帯びた妖狐のミメシスがリンドウへと突撃……したかと思えたがリンドウのすぐ側を通り抜け反対側の壁に盛大に激突した
「その威力が故に制御困難…そして自身の身がその威力に耐えきれず短時間でしか使用ができない」
「その速度で壁に激突したならキヴォトス人でも骨折は不可避…下手すりゃ首の骨が折れて絶命も免れない」
大きく凹んだ壁の方には激突し身体が保てないのか徐々に崩れていく妖狐のミメシスが立っていた
「百蓮を持っているということは向こうでの私は百花繚乱最後の1人だったんだろう…」
自分達の幼馴染も…後輩も…全員を失って自分だけが残って…
「………もうゆっくり休め、ここからは私が引き継ぐ」
「……………」
戦闘の意思がないのが伝わったのか妖狐のミメシスも纏雷を解き崩壊していく体を引きずりながらリンドウの前に立ち…
カラン…
狐の面が欠け落ち…その下には悔しそうにしながらも微笑みの表情を見せながら…
ゴトッ……
百蓮だけを残し跡形もなく消えていった…
「…………」
落ちた百蓮を拾おうと触れた瞬間…
「あの人達の事………よろしくお願いします」
「…………あぁ、任せろ」
気の所為かもしれない、もしかしたら思念の残留かもしれない
だがリンドウには、もう1人の自分からの頼みが聞こえた気がした
「なら、やれる事はやらねぇとな…」
まだ戦いは始まったばかり…すぐにでも手助けに行かなけれb「……見つけた」
「なっ!?」
ドゴッ…
「しまっ……」
「………ごめんね姉さん」
「…………」
「うん、連れてく。姉さんには最後まで見届けてもらう為に…」
もっと細かく戦闘描写書きたいのに!今ほど自身の文章力の無さを恨んだことは無い!