「…………」
「はぁ、なんかデジャブ感じるなぁ」
私確かクロコに気絶させられたんだよな?なのになんで駅のホームに居るんでしょうか?
「それに目の前でずっと停車してるこの電車…………乗れって事?」
これあれじゃん…わたミスやん…
「あえて乗らない選択肢もあるよな多分先生来るんだろうし」
…………出発する気配無いな
「ホームから離れたら出発するか?……やってみるか」
ドタドタドタドタ
「早く乗ってよぉ!!!!!」
「うわでたァ!!!!」
「そんなお化けが出たみたいな反応しないでよ!」
「実質今はお化けみたいなもんだろ」
「確かに」
「それじゃあそゆことで…」
「逃げないで乗ってよぉ!!!!」
「連邦生徒会長が床に転がって駄々こねんなよ…」
「むぅ…」
「乗るからそんな膨れんなよ」
「だって久しぶりに喋れるのにさ〜」
シエルに手招きされるままに電車に乗ると扉が閉まり電車が走り出した
「やっぱり乗ると出発するやつだったやん…」
「まぁそこはご都合主義ってやつで…」
「やかましいわ」
「それにしても…リンドウちゃんは変わらないね」
「そうか?結構変わったと思うが」
特に神秘と恐怖が共存してる所とか…
「ううん、全然変わってない…あの頃からちっとも」
「私…リンドウちゃんに謝らないとって思ってたの」
「シエル?」
「キヴォトスの事だったり、リンドウちゃんが悪者って言われたり、リンドウちゃんが何度もボロボロになっているのをシッテムの箱の中から見てて…」
「………」
「先生が手を出しずらい部分を全部リンドウちゃんに任せちゃって…だから」
先程の様子が嘘のようにしおらしくなったシエルに対してリンドウがとった行動は…
バチーン!!!!!
右手で溜めに溜めた渾身のデコピン
「いっっっっったぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」
「なーにしおらしくしてんだよらしくねぇなぁ」
「らしくないって酷くない!?私なりにリンドウちゃんに謝らないとって思ってたんだよ!?」
「いつ私がシエルに謝れって言ったよ」
「え?」
「キヴォトスの事も悪者もボロボロになったのも全部私が選んだことだ」
「お前だって分かってるだろ?大事なのは経験ではなく…」
「………選択」
「わかってんじゃねぇか。私は自分でこの道を、お前と共犯になってこの道を進むって決めたんだよ」
「リンドウちゃん…」
「私はキヴォトスじゃお前や先生と違って大まかなストーリーだけ知ってる今世が初めての初心者だ……それでもな」
「友達がそんなしんみりした顔をしなくて済むような選択をしたいって思ってる」
「………」
「だからいつまでもらしくないしみったれた顔を続けるんならもう1発デコにお見舞いすんぞ?」
「………ぷっ、あはははは!!!」
「そうだね、ごめん!リンドウちゃん」
「連邦生徒会長がこんな顔してたらリンちゃんにも怒られちゃうよね」
「そもそもなんの引き継ぎも無しに失踪した時点で怒られるのは確定だぞ」
「えっ…それは…その…」
「それに今もリンちゃんはずっと苦労人してるからな……戻ってきたら覚悟しとかないとな?」
「リリリリリリンドウちゃん……ここから助かったりする方法って…」
「ない、諦めろ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」
────────────────────
「リンドウちゃんって今はずっとあのオフィスに居るの?」
「まぁそうだな、社員もできたから最初の頃よりオフィスに居ることが多くなったな」
「社員?」
「アリウススクワッドなんだが何故かうちで働きたいって言ってきてな……それで雇うことにしたんだ」
「ということは今はリンドウちゃん社長ってこと?」
「って事になるなぁ」
「それに何故かうちのオフィス知ってるやつがどんどん増えてきてるんだよ……本当に何故か…」
「まぁリンドウちゃんのそばって居心地良さそうだもんね〜」
「私の事アロマかなんかと思ってんの?」
「割と近い存在だとは思う」
「デコピン」
「ごめんなさい」
「分かればよろしい」
そんな雑談をしているとかつてセイアと夢で会った時のように夢から覚める感覚に襲われ…
「……そろそろ時間みたいだな」
「そっか…もっと話したかったけど」
「私の方に来ればいつでも話せるだろ?」
「うん、そうだね……じゃあ最後に」
「ん?」
「今後もキヴォトスの事を頼みます。私が信頼する友人である貴方ならきっと…」
「頼まれるだけって訳じゃないだろ?」
「え…」
「シエルも一緒に……だぞ?」
「…………うん!」
リンドウの身体がゆっくりと透けていきその場にはシエルだけとなり1人になったシエルは血の痕がある場所へと移動しひとりで座った…
「……やっぱり、リンドウちゃんには敵わないなぁ」
「私も一緒に……かぁ」
「そうなったら……いいなぁ」
誰も聞いていないであろう電車の中……自分以外の新たな気配を感じながら
「……私のミスでした」
向こうからは声が聞こえないが、構わずそのまま言葉を綴る…
「……今更図々しいですが、お願いします。」
自身では導けなかった未来を…そして
「だから先生、どうか……」
自分が信じている大人に託す…そしていつか…
「私の大事な…かけがえのない友人を」
いつかまた再び一緒に笑い合える日が来ることを信じて…
「お願いします」
────────────────────
「……知らない天井だ」
「なんてボケてる場合じゃないな…」
周りが黒を基調とした殺風景な背景にベットと小さいテーブルしかない部屋
「箱舟の中だよなぁここ…」
そしてどうやっても開きそうにない扉
「………どうやって出よう」
持っているのは何故か取られていない百蓮と数本のダイナマイト、ルナとケイが居るスマホにミメシスの本、そして……
「先生達が来るまで大人しくしているか…」
おそらく今出ていってもクロコに捕まって今持っているものも没収されかねないので……
「よし、もう1回寝よ!」
リンドウは無理に出ようとせず二度寝を決め込むのだった