ボク、紺野木綿季の人生は「アルヴヘイム・オンライン」で幕を閉じた。まだやりたい事とかいろいろあったけど、ボクはあそこで一生懸命生きる事が出来た。それで十分のはずだった。
「ん」
ボクは目を開けた。どうやら木陰にいるらしい。葉と葉の隙間から漏れる木漏れ日が眩しく感じる。
「ここは………?」
ボクは起きて自分の格好を確認した。
「装備はALOのまま、いや、死んだときのまま」
それからボクは森を抜けて街道に出た。街道を辿った遥か先に、壁に囲まれた大きな街がある。
「うっひゃあ、大きな街だな!」
ボクが驚いていると、後ろから少年に声を掛けられた。
「すみません、ひょっとして帝都の人ですか?」
「え、あ、て、帝都?」
あまりにも唐突な事で、ボクはすっとんきょんな反応をしてしまった
「え、帝都を知らないの?お姉さん何処から来たの?」
「え、えっと………」
そう誤魔化していると、後ろから大きなオケラみたいな生物が地面から出てきた。
「また土竜か。お姉さん、危ないから下がってくれ!」
少年は背負っている刀の柄に手を掛けた。
「ボクもやるよ!」
ボクも左腰に下げた剣に手を掛けた。
「お姉さん戦えるの?」
「もちろん!ほら、来るよ!」
土竜はボク達に殴りかかった。少年は飛び上がり、ボクは受け流した。そして、つい癖でソードスキルの構えを取ってしまった。
(あちゃ、やっちゃったー。)
そう思った瞬間、なんと剣が赤いエフェクトに包まれた。
(え、なんで?ここゲームの世界じゃないのに………まあいいや、やっちゃえ)
ボクはそのまま片手剣のソードスキル「サベージ・フルクラム」を放った。
「な、何あれ………?」
少年は口を開けて固まっているが今は集中、4連撃をすべて土竜に叩き込んだ。
「よし終わり!」
ボクが剣を止めると、そこには土竜の肉片がそこらじゅうに散らばっていた。
「お、お姉さん……今、剣が光って見えたけど……何なの?」
「今のはソードスキルって言って、決められた予備動作をシステムが感知して発動する必殺技みたいな物だよ。使った直後に少し硬直するのが難点だけど、その分使いやすいし、普通に攻撃するよりも、強く、速く、正確に相手を倒せるからいいんだけどね」
「何だか分からないけどスゲーな!」
「でしょ!これ以外にも何個か使えるよ。」
「マジか!ホントかっこいーな!あぁそうだった。お姉さん名前は?」
「ボクは紺野木綿季、ユウキって呼んで」
「よろしくユウキさん、俺はタツミだ」
こうして意気投合したボクとタツミは、帝都へ向けて出発した。
これ、続くかなぁ?