遠き郷から来たシンオウチャンピオン   作:gp真白

19 / 48
四人の共闘と、レジギガスの導き

 

レジギガスがプルートの制御から解放されたことで、しんでんの緊迫感は最高潮に達した。

 

「ま、まさか、その**『真のプレート』**でレジギガスを鎮めるだと! おのれシロナ! 私の永年の研究を水の泡にするつもりか!」プルートは激昂し、手に持ったリモコンを叩きつけた。

 

シロナは、テルに強い視線を送った。「テル。今よ。レジギガスは、このしんでんの奥にある**『創りし者の道』**を示すはず。一刻も早くテンガンざんへ!」

 

しかし、ジュンが抗議の声を上げた。

 

「んなこと言ってもよー!」

 

ジュンはプルートを指差し、怒鳴った。「あの野郎、まだ諦めてねえだろ! オレたちが背中を見せたら、シロナを攻撃して、またレジギガスを操ろうとするに決まってる!」

 

ヒカリも不安そうにシロナを見つめた。

 

「そうですわ、シロナ様! 貴方一人がここでプルートとその手持ちを相手にするのは、いくらチャンピオンといえど、さすがに厳しいのではないでしょうか!? 彼は何をするかわからない卑怯者ですわ!」

 

テルは、レジギガスを鎮めたシロナの優雅さと強さを感じながらも、二人の言葉に深く同意した。プルートは、目的のためなら手段を選ばない男だ。ここでシロナを見捨てることはできない。

 

テルは決意を込めて言った。「シロナさん。俺たちも残ります。俺がヒスイのポケモンでレジギガスの暴走を食い止めたように、今度は貴方と共にプルートを完全に叩きのめします。俺たちは、もう逃げない」

 

シロナは、テルたちの真っ直ぐな瞳と、協力して戦おうとする強い意志を見て、静かに微笑んだ。その笑みは、安堵と、テルの成長に対する喜びを帯びていた。

 

「…ありがとう、テル。そして、ジュン君、ヒカリ君。あなたたちの成長は、私が思っていた以上ね。わかったわ。ならば、四人の力で、この元凶に終止符を打ちましょう!」

 

プルートは、四人の絆に嘲笑を浮かべた。

 

「フン! チャンピオンが二人になろうと、多勢に無勢だ! 私の科学の力と、レジギガスの残滓を受けてみろ!」

 

プルートは、再びボールを投げつけた。ポリゴンZとヨノワールに加え、新たに強力なクロバットを繰り出す。

 

**「さあ、諸君! 最終決戦だ!」**シロナがボールを構えた。

 

テルはヒスイの仲間たちと、現代のパートナーを。ジュンはエースのエンペルトを。ヒカリはポッチャマと、バッグから取り出したもう一体のボールを構える。

 

シロナが先陣を切った。「ジュン君、クロバットを頼む! テル、ポリゴンZの動きを封じて! ヒカリ君、ヨノワールの幻影を見破る補助を!」

 

**「行くぞ、ガブリアス!」**シロナのエース、ガブリアスが雄叫びを上げてしんでんに降り立った。

 

「オレはエンペルトでクロバットを叩き落とすぜ! エンペルト、ラスターカノンで追え!」ジュンは燃える瞳で指示を出した。

 

「テル! ゴウカザルの素早さでポリゴンZの電子攻撃をかわしなさい! インファイトで一気に仕留めるのです!」

 

「ああ! ゴウカザル! 行け!」テルは、ヒスイのバクフーンに並ぶ頼れる炎の相棒、ゴウカザルを繰り出した。「ゴウカザル、インファイトだ! ゾロアークはうらみでポリゴンZの計算を狂わせろ!」

 

「ポッチャマ! そして、ドダイトス! ヨノワールの**『怪しい光』**を、やどりぎのタネで打ち消すのよ!」ヒカリは、ドダイトスを繰り出し、その巨体でヨノワールを牽制した。

 

四人のトレーナーと、それぞれのポケモンたちが、絶対零度のしんでんで、完璧な連携を見せ始めた。チャンピオンシロナの圧倒的な指導力と、テルの野生的な直感と二つの炎、ジュンの爆発的な攻撃力、そしてヒカリの冷静な分析力と耐久力が一つになる。

 

プルートは、四人の波状攻撃にたじろいだ。「馬鹿な! この連携は、国際警察の特殊部隊か!?」

 

バトルが続く中、レジギガスは完全にプルートの支配から解かれ、静かにシロナの掲げるプレートを見つめていた。やがてレジギガスは、しんでんの奥の氷壁に、その巨体で触れた。

 

バリバリバリ!

 

レジギガスの力により、氷壁が砕け、その奥に隠されていた、古代の文字が刻まれた巨大な道が現れた。それは、レジギガスが示した**『テンガンざんへの真の道』**だった。

 

 

シロナは、プルートを倒すことと、テルをテンガンざんへ送ることに意識を集中した。

 

「テル! 急ぎなさい! この道が、あなたに託された**『空白の旅』**の終着点よ!」

 

テルは、シロナの決意と、レジギガスの示した道を見つめた。ここでプルートを倒し、全ての因縁を終わらせるのだ。四人の連携バトルは、勝利へと確実に近づいていた。

 

四人の猛攻は、プルートの予想を遥かに超えていた。

 

テルが繰り出したゴウカザルのインファイトと、ヒスイのゾロアークのうらみの複合攻撃は、ポリゴンZの電子制御を完全に破壊した。ポリゴンZは制御を失い、そのまま戦闘不能となる。

 

ジュンとエンペルトの連携は、シロナの正確な指示のもと、クロバットの高速移動を追い詰め、ラスターカノンで撃墜に成功した。

 

「くそっ、この連携……! 完璧すぎる!」プルートは歯ぎしりした。

 

そして、ヒカリのドダイトスは、やどりぎのタネでヨノワールに持続的なダメージを与えながら、ポッチャマとミミロップの援護を受け、ヨノワールを追い詰めていた。

 

シロナは、プルートが最後に頼るであろう切り札に備え、ガブリアスを待機させていた。

 

「プルート! もうお終いよ! あなたの野望は、ここで砕ける!」シロナが強く言い放った。

 

 

プルートは、敗北を認めず、リモコンの最後のスイッチを押した。

 

「フン! 私の負けではない! 私にはまだ、**『時空固定化装置』**の最終プロトタイプが残っている! これで、あなた方全員を道連れにしてやる!」

 

プルートの最後のポケモンは、トゲキッスだった。

 

 

「トゲキッス! だいもんじだ! しんでん全てを焼き尽くせ!」

 

トゲキッスの放つ強力な炎の渦が、氷のしんでん全体を覆い尽くそうとする。

 

「させないわ!」シロナが叫んだ。「ガブリアス、げきりんよ! トゲキッスの炎を突き破れ!」

 

ガブリアスは、炎の渦の中に突っ込み、トゲキッスに猛烈なげきりんを叩き込んだ。トゲキッスはガブリアスの圧倒的な破壊力に耐えきれず、そのまま戦闘不能となった。

 

「ぐっ……まさか、私が……!」プルートは、力の差を突きつけられ、完全に戦意を喪失した。

 

テルは、プルートが持っていた装置の最終プロトタイプを破壊するため、ゴウカザルに指示を出した。「ゴウカザル! マッハパンチでリモコンを破壊しろ!」

 

ゴウカザルの拳は、プルートの手からリモコンを叩き落とし、そのまま粉砕した。

プルートは、すべての希望を失い、その場に崩れ落ちた。

 

「私の……永年の研究が……」

 

ジュンは、倒れたプルートに駆け寄り、その胸ぐらを掴んだ。「テメェの悪事で、どれだけ迷惑したか分かってんのか! 全額罰金1000万円だ、コノヤロー!」

 

シロナは、ジュンを制し、プルートをジュンサーに引き渡す手配を始めた。

 

 

プルートを完全に無力化したことで、しんでん内部に緊張感は消え去った。レジギガスは、静かにシロナの持つプレートを見つめ、そして、砕けた氷壁の奥に現れた**『創りし者の道』**を示していた。

 

シロナは、テル、ヒカリ、ジュンに向き直り、真剣な瞳で言った。

 

「テル。これで、あなたを抹消しようとするギンガ団の野望は潰えたわ。しかし、あなたの**『定着した異物』**としての不安定な要素は、まだ解決していない」

 

シロナは、レジギガスが示した道を指差した。

 

「レジギガスは、この道がテンガンざんの最深部へと繋がっていることを示している。私が別の地方で見つけたこのプレートは、その場所を開くための**『鍵』であり、あなたの『空白の旅』**の答えが、その先に待っている」

 

テルは、レジギガスとシロナ、そして道を見つめた。

 

「わかりました、シロナさん。俺は、テンガンざんへ行きます。そこで、俺がなぜこの時代に来たのか、そして、俺の存在が不安定な理由を、全て明らかにします」

 

ヒカリは、テルの腕を掴み、その目に強い決意を宿した。

 

「もちろん、私も同行しますわ、テル! 貴方の債権者として、この旅の結末を、そして貴方の**『空白』**を、最後まで見届ける義務がありますから!」

 

ジュンも、いつもの勢いを取り戻した。「オレ様も行くぜ、テル! 最後の戦いを見逃すわけにはいかねえ! 遅れたら、罰金200万円な!」

 

シロナは、三人の絆に満足そうに頷いた。

 

「ジュン君、ヒカリ君。あなたたちのおかげで、テルは、チャンピオンとしてだけでなく、人間としても成長したわ。感謝する」

 

「さあ、テル。もう時間は残されていない。レジギガスの導きに従い、**テンガンざんの『創造の場所』**へ。そこで、このシンオウの歴史と、あなた自身の存在を、守り抜いて!」

 

テルは、ポッチャマを抱きしめ、ゴウカザルとヒスイのゾロアークを連れて、レジギガスが示した古代の道へと足を踏み入れた。ヒカリとジュンも、その後に続く。

 

キッサキしんでんでの激戦を終え、テルたちの**「空白のシンオウ再調査」**は、ついに最終目的地、テンガンざんへと向かうのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。