プレート巡りの旅を終えたテルたちは、コトブキムラへと帰還した。プレートに刻まれた神話の言葉は、ヒカリの未来の科学的考察と、ショウのヒスイの伝承、そしてジュンのロマン的解釈によって、その全貌が明らかになりつつあった。
しかし、コトブキムラに戻るなり、テルたちは新たな異変の報告を受けることになった。
ラベン博士が、深刻な顔でテルたちを迎えた。
「テル! 戻ったか! プレートの研究は進んだようじゃが、新たな問題が発生したぞ!」
「新たな問題?」テルが尋ねる。
「うむ。時空の裂け目から流れてくる空間の歪みが、以前よりも増幅しておる! そして、何より奇妙なのは……ヒスイの各地で、謎の『力の痕跡』が発見され始めたことじゃ」
シマボシ隊長が、報告書を提示した。
「テル。各地の調査隊から、**『まるで空間を切り裂いたかのような、不自然なエネルギーの痕跡』**が報告されている。それは、ディアルガやパルキアの力とは異なる、不穏な力のようだ」
ヒカリは、その報告に顔をしかめた。「空間を切り裂くエネルギー……。まさか、未来の技術を応用した、時空固定化装置のようなものと関係が?」
テルは、すぐにそのエネルギーの痕跡が何を意味するかを察した。それは、彼がプレートの旅の途中で何度も考えた、一人の男の行動と結びついていた。
「違います、ヒカリ。それは、ウォロの仕業かもしれません」
テルは、プレートの言葉を解読する中で、ウォロの目的の恐ろしさを再認識していた。
「ウォロは、『ありとあらゆるタイプが 集いて はじめて 世界は 生まれる』という言葉を知っていました。彼は、アルセウスに会うため、そして世界を創造する力を手に入れるために、プレートを全て集めようとした」
ジュンは、興奮を抑えきれない。「チクショー! 世界の創造なんて、究極のロマンじゃねえか! ウォロは、時空を超えた悪のカリスマだったんだ!」
テルは、厳しく言い放った。「ウォロのロマンは、世界の破滅に繋がるロマンだ。彼は、プレートの言葉を**『アルセウスを呼ぶための呪文』**として解釈し、この世界を破壊しようとしている」
テルは、デンボク団長に拝命されていた、神の遺跡の調査報告書を取り出した。
「団長に命じられていた、神の遺跡の調査。ウォロは、神々の場所、特にシンオウ神殿へ向かっている可能性が高い。彼は、プレートの力を完全に開放し、アルセウスを呼び出し、その創造の力を手に入れようとしているんだ」
ショウは、テルの決意に共鳴した。「テルさん……。あのウォロさんが、そんな恐ろしいことを……! 私たちは、彼を止めなければなりません!」
ヒカリは、テルの横に並び、冷静に状況を分析した。
「テル、彼の最終的な目的地は、恐らくテンガンざんの頂上、シンオウ神殿ですわ。そこは、ディアルガとパルキアが異変を起こした場所であり、時空の歪みが最も集中している地点です」
ヒカリは、プレートの研究で得た結論を述べた。
「『強き意志の力で時空を繋ぐ』。ウォロは、『世界の創造』という歪んだ意志で、時空の裂け目を操ろうとしている。私たちが未来に帰る道も、ヒスイの平和も、全ては、ウォロの野望を阻止できるかにかかっていますわ!」
テルは、ヒカリとジュンの顔を見つめた。
「俺たちの旅は、もう調査ではない。世界の運命をかけた戦いだ。ウォロを追うぞ。最終目的地は、テンガンざんだ!」
テル、ヒカリ、ジュン、そしてショウは、それぞれの使命と想いを胸に、神話と悪意が渦巻く、テンガンざんへと向かうことを決意した。
テルたちは、ウォロの最終目的がテンガンざんのシンオウ神殿であると確信し、すぐにコトブキムラを出発した。彼らの旅は、単なる追跡ではなく、世界の創造の力を悪用しようとするウォロの野望を阻止するための、運命的な行軍となった。
険しい山道を進むテルたち。彼らは、ライドポケモンを駆使し、通常では困難な道なき道を進んでいた。
ジュンは、アルセウスと世界の創造という究極のロマンに、興奮が止まらない。
「チクショー! テンガンざんか! ロマンの頂上決戦だぜ! ウォロの悪のカリスマを打ち破るのが、オレ様のロマンの使命だ!」
ヒカリは、未来の帰還とテルの債務を背負いながらも、冷静に周囲の状況を分析していた。
「ジュン、気を緩めないで。この辺りから、時空の裂け目の影響が強まっていますわ。空間の歪みが、いつ私たちに影響を及ぼすかわかりません。債務者テルが再び時空の異物になることがあってはなりませんわ!」
ショウは、テルの横で、周囲のポケモンたちの異変に警戒を強めていた。
「テルさん、ポケモンたちの様子が変です。**『力の痕跡』**の影響で、凶暴になっているポケモンが増えています。やっぱり、ウォロさんの仕業でしょうか……」
テルは、足元の岩を指さした。そこには、プレートの研究でシマボシ隊長から報告があったものと同じ、不自然なエネルギーの痕跡が残されていた。
「これだ。ウォロが、プレートの力を使って、シンオウ神殿への道を強引に開こうとしているんだ。彼は、この世界の崩壊を気にせず、自分の目的だけを追っている」
テルは、二人の未来人に、ヒスイでのチームワークの重要性を再認識させた。
「ヒカリ、ジュン。ここからは、ヒスイの戦い方と未来の知識、両方が必要になる。俺がウォロを食い止める。その間に、ヒカリはプレートの研究で得た知識で、時空の歪みを食い止める方法を探ってくれ。ジュンは、早業のロマンで、ウォロの野望を叩き潰してくれ!」
「わかりましたわ、テル! 世界の崩壊を防ぎ、債務者の命を守り、テルの未来を確保する! それが債権者としてのわたくしの使命ですわ!」ヒカリは、力強く応じた。
ジュンも、テルの熱い指示に、ロマンの炎を燃え上がらせた。
「チクショー! 早業のロマンが世界を救うのか! 罰金500万円だぜ、この熱すぎる使命に! ウォロ! お前のロマンは、オレ様のロマンで潰してやるぜ!」
ショウは、そんな時空を超えたロマンと使命に満ちたテルたちを見て、強く頷いた。
「テルさん。私も行きます。私はテルの相棒です。ヒスイの平和を守るのが、私たちのギンガ団調査隊としての使命です!」
テルは、四人の時空を超えた決意を胸に、テンガンざんの頂を目指して、一歩を踏み出した。その先に待つのは、ウォロとの宿命的な対決、そしてアルセウスとの再会だった。