遠き郷から来たシンオウチャンピオン   作:gp真白

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ジュンのロマンと、チャンピオン防衛戦の真意

 

テルは、チャンピオン防衛戦の再開を告げるシロナと四天王たちの言葉に、驚きを隠せなかった。今はショウの身柄と、時空を超えた転移の報告を優先すべきだと考えていたからだ。

 

「シロナさん、待ってください。実は、ヒスイから連れてきてしまった彼女(ショウ)の件で、ナナカマド博士や警察に公式な報告をしなければなりません。防衛戦は、その後に……」

シロナは、テルの言葉を制し、柔らかな笑みを浮かべた。

 

シロナ:

「テル、そのヒスイから来た調査隊員の件は、ナナカマド博士と私で極秘裏に処理する手筈になっているわ。それよりも、あなたには優先すべきことがある」

シロナは、横に立つ四天王たちと、そしてテルを見つめた。

 

シロナ:

「あなたの**『空白の旅』の間に、新たな挑戦者が現れたのよ。彼は、あなたの不在を『ロマンの欠片』だと受け止め、シンオウリーグの四天王**を次々と打ち破り、チャンピオンの座にあと一歩というところまでたどり着いたわ」

テルは、すぐにその挑戦者が誰であるかを察した。

 

テル:

「まさか……ジュンか?」

その瞬間、待機室のドアが勢いよく開き、興奮で顔を紅潮させたジュンが、**「罰金500万円!」**と叫びながら飛び込んできた。

 

ジュン:

「チクショー! 最高のロマンだぜ、テル! お前が不在の間に、オレ様はシンオウリーグを制覇し、四天王をブッ飛ばし、この現代のシンオウチャンピオンの座を奪いに来たぜ!」

 

ジュン:

「ライバルとして、時空を超えた旅の最終決戦を、このシンオウリーグでやろうぜ! 罰金1億円だ、この熱すぎる運命に!」

テルは、時空の奔流に巻き込まれながらも、チャンピオンになるというロマンを忘れなかったジュンに、思わず笑みを浮かべた。

 

テル:

「ジュン、お前ってやつは……」

 

シロナ:

「テル。この状況で、あなたがチャンピオン防衛戦を回避することは、ジュンの**『ロマン』を否定することになるわ。そして何より、世界を救い、時空を修復した英雄として、今、このシンオウ**に示すべきは、あなたの強さと存在よ」

シロナは、テルの目を見つめ、チャンピオンの座が持つ真の意義を伝えた。

 

シロナ:

「あなたが世界を救った力と、ヒスイで学んだ『調和の意志』。その全てをこのシンオウリーグで示すことこそ、現代のシンオウに平和が戻ったことを証明する、最も相応しい方法だわ」

 

シロナ:

「さあ、テル。シンオウチャンピオンとして、ライバルのロマン、そして世界を救った者としての誇りを胸に、戦いなさい。それが、**あなたの『空白の旅』**の、真のフィナーレとなる」

 

テルは、ヒスイでの使命を終え、現代の責任、そして親友のロマンが目の前にあることを悟った。ショウの心配は一時的にナナカマド博士とシロナに託し、テルはチャンピオンとしての最後の責務を果たすことを決意した。

 

テル:

「わかった、シロナさん。……ジュン。時空を超えた旅の最終決戦、最高のロマンを、このシンオウリーグで楽しませてもらうぜ!」

 

テルとジュンは、ヒスイの調査隊員として始まり、時空を超えた旅を共にし、そして現代シンオウのチャンピオンと挑戦者として、運命の再戦へと向かうのだった。

 

 

シンオウポケモンリーグのチャンピオンルーム。

テルとジュンは、時空を超えた旅の終着点であり、ライバルとしての新たなスタート地点となる、運命の舞台に対峙していた。

 

「チクショー! 最高のロマンだぜ、テル! お前がヒスイで、アルセウスと組んで世界を救った力、オレ様のロマンで打ち砕いてやるぜ!」ジュンは興奮を隠さず、モンスターボールを構えた。

 

テルは、ジュンの熱意に心から応えるべく、静かに闘志を燃やした。

 

「ジュン、俺も負けるつもりはない。お前のロマンは本物だ。だが、俺の**『調和の意志』**と、ヒスイの仲間たちの力を、このシンオウで見せてやる!」

テルは、今回の防衛戦に臨むにあたり、ヒスイ地方で共に困難を乗り越えた、特別な6匹を選出していた。

 

実況:

「さあ、チャンピオン防衛戦! 先手は挑戦者ジュン! 最初に繰り出すのは、もちろんこのポケモン! エンペルトォ!!」

 

ジュン:

「行くぜ、エンペルト! 早業(はやわざ)アクアジェットだ! テル、先手必勝のロマンだぜ!」

 

エンペルトは、早業を駆使したアクアジェットで、テルに連続行動を仕掛ける。ジュンのポケモンたちは、早業で手数を増やし、力業(ちからわざ)で一撃の火力を叩き込む、ヒスイ流の戦闘スタイルを完全にマスターしていた。エンペルトの他には、レントラーが早業・ワイルドボルトを放ち、ハピナスが力業・タマゴうみで耐久の壁となるなど、予測不能な戦術を展開する。

 

テルは、プレートの調和の力を体現するかのように、ヒスイでの経験を積んだポケモンたちで迎え撃った。

 

実況:

「迎え撃つチャンピオン・テル! 繰り出すのは……ヒスイの調査服を纏った相棒! **ダイケンキ(ヒスイのすがた)**だ!」

 

テル:

「ダイケンキ! 力業(ちからわざ)のひけん・ちえなみで、ジュンの猛攻を迎え撃て!」

テルとダイケンキは、早業でアクアジェットを連発するエンペルトに対し、力業で一撃の威力を最大限に高めたひけん・ちえなみを叩き込む。ヒスイの荒々しい剣術が、ジュンの波状攻撃を一瞬で断ち切った。ジュンのエンペルトが戦闘不能!

ジュンの次のポケモン、レントラーの早業・ワイルドボルトが、テルを追い詰める。

 

実況:

「ここでテルが繰り出したのは、現代では見られない姿……ゾロアーク(ヒスイのすがた)!」

 

テル:

「ゾロアーク、力業(ちからわざ)のゆきなだれ! 過去と未来を覆す、猛吹雪を見せてやれ!」

 

レントラーの早業による連続攻撃を、ゾロアークのゴースト・ノーマルという特殊な複合タイプと、力業による圧倒的な氷の力で打ち破る。

 

テルは、残りのポケモンたちもヒスイでの絆が深いメンバーで固めた。アルセウスの教えである『調和』を戦闘に活かす。早業で相手の動きのリズムを乱し、力業で絶対的な一撃を放つ。

• バクフーン(ヒスイのすがた):早業・シャドーボールで、素早く相手のロマンを削る。

• ウォーグル(ヒスイのすがた):力業・ブレイブバードで、空からの絶対的な一撃を放つ。

• クレベース(ヒスイのすがた):力業・つららおとしで、ジュンの猛攻を分厚い氷の壁で受け止める。

• ガチグマ(アカツキ):力業・ブラッドムーンで、絶大な火力を叩き込む。

ヒスイ流の戦闘スタイルを極めたテルと、それを現代で独自に進化させたジュンの戦いは、まさに時空を超えた技術のぶつかり合いとなった。ジュンのポケモンたちは、早業で何度もテルを追い詰めるが、テルのポケモンたちは、ヒスイの厳しい自然で培った粘り強さと、力業の一撃の重みで、そのロマンの猛攻を耐えきった。

 

最終的に、テルのバクフーン(ヒスイのすがた)とジュンの最後のポケモン(再び繰り出したエンペルト)が、お互いの早業と力業をぶつけ合い、壮絶な打ち合いの末、バクフーンの炎が、ジュンのエンペルトを上回った。

 

実況:

「勝者、チャンピオン・テル!!」

 

ジュン:

「チクショー! 負けたぜ、テル! でも、最高のロマンだったぜ! お前はやっぱりシンオウチャンピオンに相応しいぜ!」

 

ジュンは、晴れやかな笑顔でテルを讃えた。

 

テルは、ヒスイの仲間たちと共に、現代のシンオウでチャンピオンの座を防衛した。これで、時空を超えた旅は真の終幕を迎えた。テルは、チャンピオンとしての責任を再認識し、ショウという新たな同居人との未来の生活へと、気持ちを切り替えるのだった。

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