中国艦隊side
張上校は尖閣諸島占領のための海軍陸戦隊を載せた輸送船団護衛のために急遽編成された特設部隊を指揮していた。
指揮下にある艦は、駆逐艦の杭州、福州。フリゲイトの温州、徐州、益陽、常州、舟山。の計7隻である。
中心に揚陸艦、長白山を置き、小型の輸送艦艇が2隻前後についている。
そして護衛部隊が周りを取り囲んでいるのだ。
彼はつい先ほど、弟の訃報を聞いたばかりだった。
弟は軍情報部門の工作部隊に配属されていた。
対日破壊工作(やまとに対する爆破工作)に出動して死亡したと聞かされたのだが、情報保全隊によって生きたまま確保されており尋問が行われていた。
一応軍所属とは言え工作員はジュネーブ協定やその他の協定の保護対象外である。
捕まった場合、その場で射殺されても文句は言えない。
殺されてはいないうえに、拷問も行われていない。
捕虜として丁重に扱われていた。
そんなことは知らない張上校は気持ちの中で、鬼畜日帝という言葉を並べ立てていた。
「葉同志そういえば別働隊の方はどうなってる?」
気を紛らわすように政治委員に尋ねる。
「張同志司令官両方とも本部隊より先行して尖閣諸島沖海域に到達しているはずだ。
どちらもやまとを叩き潰すには、充分な戦力だ。
どちらにしても我が軍が敗北することはないだろう。
それに空軍及び海軍航空隊の上空援護もある。
日帝空軍がどれほど強力でも我々には、指一本触れることなど出来まい。」
中国艦隊side out
航空自衛隊side
那覇基地
南西方面混成航空団第204飛行隊
「
待機中の各機にあたっては発進せよ。
なお発進してからは
防衛出動が発令されている。
警告に従わなければ、撃墜して構わん。
以上。」
それを聞いてスクランブルの5分待機に当たっていた編隊そして中国空軍部隊を要撃するために飛び出す最初の編隊の2機のF-15J改の《コブラ1》《コブラ2》が飛び出した。
「こちらハイパー・アイ コブラ編隊へ。
そのままポイントチャーリーを通過。
方位001を維持しつつ、高度12000まで上昇せよ。
現在沖縄県方面へ向かっている。
現在の速度およそ30分で会敵するはずだ。」
「「了解。」」
レーダーにも輝点が現れる。
「タリホー(不明機発見)」
コブラ1からレーダーで捕捉したとの報告が入る。
「ハイパー・アイより 警告を開始せよ。」
「了解。」
2機のF-15J改は大きく旋回し、国籍不明機の後ろを取る。
「こちらは航空自衛隊だ。
貴隊は既に日本国領空を侵犯している。
今すぐ退去せよ。
繰り返す、貴隊は既に日本国領空を侵犯している。
今すぐ退去せよ。」
「ザーッ」
返ってきたのは雑音だけであった。
「コブラ1よりハイパー・アイへ。
警告に応答無し。
信号弾を発射する。」
「了解。」
F-15J改から信号弾が撃ち出される。
赤色の煙が目に入るはずだが、反応はなかった。
「ハイパー・アイへ。
信号弾も応答無し。
警告射撃に移行する。」
「了解。 なお現在那覇基地よりライジング編隊が急行中だ。」
「了解。」
F-15J改には右主翼付け根の部分にM61A1、20㎜バルカン砲を搭載している。
毎分6000発という発射速度を誇るそれは悪魔とでも言うべき代物である。
それが火を噴く。
無論照準は外しているとは言え、当たりそうな限界に撃ち込むのだ。
撃たれている側からしたら、肝が冷える思いである。
「
「ハイパー・アイより上空の各機へ
これを実力で排除せよ。」
「了解。」
2機のF-15J改は、手近の機体に照準を合わせ
大きく旋回を繰り返したりチャフやフレアーを使用して逃れようとするが、当然逃げ切れずに
追われる形となった中国空軍戦闘機隊は、少数の敵機に翻弄されはじめた。
そこに航空自衛隊には増援が駆けつける。
少しずつ航空自衛隊の優勢に変わっていく。
空戦が始まってたったの10分だった。
突如中国空軍戦闘機隊の陣形は崩壊した。
残った少数の機体が中国沿岸へ飛び去っていく。
「敵機は去った。
領空上に敵の脅威は存在しない。
ご苦労さん ゆっくり休んでくれ。」
航空自衛隊side out