やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第31話

やまとside

「対空目標接近。

これよりアルファ目標と呼称。

方位、343。

距離、200000m。

高度、2000。

数、150。」

レーダー員は、事前に予測された通りの報告をする。

「対空戦闘。

迎撃始め。」

電子対抗手段(ECM)展開。

対電子対抗手段(ECCM)準備。」

電測長の指示が飛ぶ。

「アルファ目標、高度落ちる。

高度、1000、500、100。

あっ。

失探(ロスト)しました。」

レーダー員の報告にはうろたえが見えた。

上条は電測長に向いて聞いた。

「なんだと、電測長。

で、予想再捕捉位置はどの辺になりそうだ?」

「この辺になるかと思われます。」

「その延長戦で結べば、だいたいの諸元が出るな。

電測長やれるか?」

「もちろんです。」

電測長は答えながら、何かの計算を始めた。

「SM-2発射用意。」

上条と電測長の会話を聞いていたのか、砲雷長から何の疑問や異議もなかった。

諸元(データ)入力します。

電測長、諸元(データ)の指示願います。」

諸元(データ)指示します。

方位、335、距離、110000、高度、50。」

「諸元入力完了しました。」

吉井一尉が指を立てて報告する。

「タイミングは、電測長に任せる。

好きなときに撃て。」

「了解。」

「時間、今。

撃てぇ(テェー)。」

やまとからSM-2が撃ち出された。

その対空ミサイルは、真っ直ぐ敵編隊に飛び命中した。

電測長の計算の通りであった。

さらには、命中した機体というのが、丁度アルファ目標と呼称されている編隊の編隊長機であった。

指揮官機の喪失によって、編隊は大いに乱れた。

浮足だった機体は上昇して、やまとの対空ミサイルに撃ち落とされたり、そのまま降下して海面に激突したりした。

結果として、たった一発のミサイルによって編隊はずたずたにされた。

生き残った機体は、3割にも満たない。

「敵編隊、再捕捉。

方位、変わらず。

距離、20000m。

敵編隊、スタンダード防空圏突破。

ミサイルを発射しました。

数、84発。」

その報告を聞いても、皆平然としている。

発射地点からやまとまでの距離が近いのにはわけがある。

やまとは敵編隊捕捉時から、対電子対抗手段(ECM)を全開にしていた。

そのため対艦ミサイルのシーカーが惑わされない距離まで接近する必要があったのだ。

そのことが、編隊の半分以上を撃墜できたことにつながった。

「別目標捕捉。

これをベータ目標と呼称。

方位、260。

距離、150000m。

高度、1000。

数、60。

機種はJ-11(スホーイ)シリーズのどれかだと思われます。」

「方位260はあしがらの担当区域だったはずだ。

本艦は、アルファ目標との交戦を優先する。」

二桁台の対艦ミサイル攻撃と同時に別編隊が現れたのだから、パニックになりかかっているのは第二護衛隊群司令部の方であった。

やまと乗員にしてみれば、沖縄の時とは桁が違う。

対艦ミサイルの数は一桁少ないのである。

そのことが、心のゆとりを生んでいた。

「X-EGSシステム起動。

ESSM発射用意。

数、168発。」

「システム起動しました。

待機シークェンスに入りました。

いつでもいけます。」

一斉発射(サルボォー)。」

撃ち出されたESSMは、飛来する対艦ミサイルの、丁度倍の数である。

対艦ミサイルは、命中することなく全て撃墜された。

やまとside out

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