やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第46話

日本政府side

「国家公安委員長、大阪での騒乱事件は聞いていますね。

状況の説明を頼みます。」

大阪での騒乱事件を受けて、臨時の国家安全保障会議(NSC)が開かれていた。

これに日本の治安に対し、全責任を負う国家公安委員長が総理の説明の要求に答える。

「大阪府警本部長の説明によると、人数は30人弱。

大阪府警察の二個機動隊を全滅させ、SAT隊員と戦闘を継続中だそうです。

なお、現場の警察官の判断で、陸上自衛隊に出動を要請しました。」

「そうですか。

防衛大臣、報告はありますか?」

「現地に展開中の第37普通科連隊は三個中隊を持って、交戦を開始しました。

すぐにでも、応援の部隊が駆けつけるはずです。」

「それでも、足りない場合はどうしますか?」

「統幕議長に確認したところ、第1空挺団が那覇駐屯地に向かっている途中です。

この第1空挺団を転用するという事で話が纏まりました。

彼らは既に、関西空港に到着し、一部は中部方面航空隊のヘリコプターにて待機しています。」

「なるほど、分かりました。

どちらにしてもこの件は、日本の法律内での問題という事になりますね。」

「はい。

その通りです。」

法律家出身の国家公安委員長が肯定する。

「全員に、内乱罪を適用して射殺しなさい。

オウム真理教関連施設には、何か行っていますか?」

「公安調査庁及び現地警察が一斉捜索に入っています。

この機に根絶やしにしてしまいましょう。」

オウム真理教に、この国家公安委員長は何か恨みがあるようだ。

日本政府side out

 

陸上自衛隊side

「第1中隊、敵と遭遇。

交戦を開始しました。」

通信機を持った隊員が、中隊長に報告する。

「えっ。

おいっ、どうなってる?

敵は、30人弱のはずだ。

全てがこちらとの戦闘に巻き込んでいるはずだが、まさか報告された人数が間違っていたのか。」

第5中隊とテロリストとの戦闘は、火力によって第5中隊が優位を奪い返していた。

次々、隊員が撃たれて負傷していたが、まだまだ戦える隊員の方が多い。

それを考えれば、撤退するのは、まだ時期尚早であった。

そのうえで、第1中隊か第2中隊が駆けつけてくれれば、敵を圧倒できるはずだった。

その目算が崩れた。

「仕方ない。

第3、第4中隊に出動を要請しろ。

総力戦だ。」

第5中隊長の独断ではあったが、第37普通科連隊の全隊員がこの戦闘に投入された。

「了解。

すぐに要請します。」

通信機を片手に、連隊本部に連絡を取る。

その間にも、中隊長は一人つぶやいていた。

「第1空挺団にも来て欲しいぐらいだぜ。」

第1空挺団とは、陸上自衛隊中央即応集団に所属する精鋭部隊である。

三個普通科大隊を基幹として、1900名の隊員で編成されている。

そこに所属する全隊員が、レンジャー徽章を保持しているのである。

第1空挺団は那覇駐屯地に向かっている途中であるはずで、こんなところに寄り道をしている暇は無いはずだ。

つまりは、無い物ねだりである。

「敵兵が沈黙しました。」

「陣地攻略にはいる前に、良く注意して観察しろ。

敵の罠かもしれん。」

「了解。」

双眼鏡を片手に良く偵察するが、敵の気配は見当たらない。

「機関銃手、弾幕を展開、第1分隊は、突入を開始しろ。」

「了解。」

5.56㎜分隊支援火器(MINIMI)が弾幕を展開して、敵を圧倒する。

その隙に、第1分隊がにじり寄る。

そして、ツーマン・セルで突入する。

「こちら第1分隊、敵は陣地内で全滅しています。」

「こちら一号車、北の方角に敵勢力を確認。

たった今、発砲されました。」

「二十号車、こちらも敵勢力を確認しました。」

今では第5中隊は、敵に包囲されていた。

「応戦だ。

各員、応戦せよ。」

「小隊長負傷。」

「傷の具合はどうだ?」

「出血がひどく、手を付けられません。」

「後方には……無理だな。

仕方ない。」

言っている途中で、周りを見渡したものの、敵の布陣はアリのはい出る隙間もない。

「坂本二曹、被弾。

腕を貫通したと思われる。

立てますが、銃を握れません。」

再び負傷者が増えはじめた。

「坂本二曹は、車内にて休ませておけ。

狙撃班はどこにいる?」

「確認しました。

第1中隊支援に出ているようです。」

確かに、第1中隊に配備されている車両は非装甲のものである。

そんな会話をしているうちにも、敵の銃火は激しくなる一方だ。

「いかん、このままでは全滅する。」

中隊長がつぶやいた瞬間、上空から耳に馴染みのあるヘリの音が響いてきた。

上空を見ると、機銃を掃射しながら、八尾駐屯地の中部方面航空隊所属のUH-1Jが突入して来る。

「味方が来た。

最後の踏ん張りだ。」

中隊長がそう言うと、歓声とともに勢いが戻って来る。

低空、詳しく言うと高度10mに占位したヘリコプター隊からは次々、隊員がラペリング降下で現れる。

土壇場に近い形で、第1空挺団が駆けつけたからだ。

そのおかげで、銃撃戦は市街戦に発展しなかった。

第1中隊の方も、狙撃班と共同で殲滅したらしい。

ただ、大阪の中心で銃撃戦が行われたために、パニックに陥った国民が逃げようとして、次々負傷したのだ。

この喧騒は、大阪の都市機能を停止させた。

そこに、核弾頭搭載の弾道ミサイルが飛んでこなかったのが、不幸中の幸いであった。

休戦後も、大阪を狙ったのは誰かという議論が続いている。

陸上自衛隊side out

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