やまとside
「先行して偵察を行ったそうりゅうからの通信では、渤海の内部に潜伏中の潜水艦を少なくとも3隻以上確認したそうだ。」
「えっと、3隻だけですか?」
砲雷長の反応は薄い。
「以上だ、以上、以上が抜けている。
だが、確実なのは三杯の獲物がいるってだけだがな。」
「中国海軍の待ち伏せにしては、数が少なくありませんか?」
砲雷長の言うことは正しい。
中国人民解放軍海軍は、
日本近海で大量に撃沈されても、それを補える程の数が用意できるはずであり、それが性能で劣る中国海軍潜水艦隊のアドバンテージだったはずだ。
「どうやら、奴らは自滅したようだな。
その方が、こちらとしても都合がよいが、何やら出来過ぎている感じがする。」
「どういう意味ですか?」
上条の言葉を聞いて、砲雷長は納得できないという顔を見せて来る。
「自らが発射した核搭載の弾道ミサイルによって、青島基地、旅順基地、烟台基地、威海基地の青島を除く各基地で、少なくない被害が報告されているはずだが、その詳細が不明だ。
しかも、現在活動中の敵潜水艦の詳しい情報が無い。
もし、敵潜水艦の全てが青島基地にいたとしたら、どうなる?
被害の無い潜水艦の群れに飛び込むことになる。
その被害は、予想できない。
我々、第二護衛隊群が、全滅するかも知れん。
これが、奴らの敷いた罠の上かもと思うとだな。」
「考えすぎなのではありませんか?」
「確かにそうかもしれないが、用心は必要だ。
それに、今すぐにでも渤海に突入しなくてはならない。
この現状で、後顧の憂いを少しでも取っておきたいのだ。」
「なるほど、艦長の懸念は理解しました。
では、対潜警戒を厳重にしておきましょう。」
「今出来ることは、そのくらいか?」
「おそらくは。」
「では、全艦に発令。
対潜水艦警戒を厳となせ。」
やまとside out
はるさめside
『総員、対潜戦闘用意。
繰り返す、対潜戦闘用意。
これは、演習ではない。』
「先行して偵察を行ったそうりゅうからの通信では、渤海の内部に潜伏中の潜水艦を少なくとも3隻以上確認したそうだよ。
潜水艦狩りが、我々、海自の本来の仕事じゃないかね。」
艦橋にいた艦長の言葉に、双眼鏡で水平線を見つめる副長も頷いた。
「では、副長。
艦橋は、副長に一任する。
私は、
「了解。」
そう言うと、艦長は艦橋を出て行った。
はるさめside out