日本政府side
2016年3月29日、東京、千代田区、永田町、首相官邸
「それにしても、久しぶりですなぁ。
まさか
「良くやってくれました。
外務大臣、せっかく結んでもらった密約ですけど、使わずに済みそうです。」
「そいつは結構。
日本が三番目の核兵器使用国ならずに済んで。
こっちの肩の荷も下りるな。」
「いえいえ、外務大臣。
これからが大変ですよ。
したたかな中国の外交官と、駆け引きをしなくてはなりません。
無能な外務官僚を、宥めすかして、時に騙してやってもらわないと。」
外交官というのは、背広を着た軍人だという考え方がある。
休戦交渉においては、いかに、戦争の敗北を少なくするか、勝利を利用出来るかが鍵となるのだ。
その点で、日本の外務省の評価は低い。
しかも、大使や総領事クラスまで上り詰める外務官僚の大半は、家柄で選ばれた無能な者が多い。
機密保持に関しても、危機感は薄い。
だからこそ、中華民国側は防衛省からの非正規のルートで、情報を伝えてきたのだ。
無論、自衛隊にもスパイが潜り込んでいる可能性はある。
それでも、外務省を通じた正規のルートよりは情報漏洩が少ないと判断されている。
「分かってるよ。
その辺の線引きは、もう考えてあるんだろ?」
「こちらからの要求は、決まっています。
尖閣諸島の領有権の主張を取下げること。
南京大虐殺等に関しての再調査。
最後に、今回の紛争を引き起こした人物への処罰。」
「おいおい、流石に最後のは無茶だぜ。
どう考えても、中国側は呑まねぇよ。」
「それは、ものは考えようですよ。
最終的な譲歩点として使えばいいじゃないですか。
こっちは譲ってるんだから、あっちも譲らずにはいられないでしょう。」
「まあ、そうだな。
その通りだ。」
「これから閣議です。
それでは、行きましょう。」
総理と外務大臣は、二人して会議室に入った。
そして着席する。
「全員、いますね?
では始めます。」
一人の閣僚が、挙手をする。
「外務大臣、どうぞ。」
「交渉団の人員についてですが、外務省の方からは足りないので、防衛省、警察庁の方から人を貸していただきたい。
その他の派閥に関しても、調査し次第、解体させている最中です。
恥ずかしながら、そう言う訳で人が足りないのです。」
「なるほど、そう言うことですか。
で、防衛省と警察庁の方は、どう考えてますか?」
総理の問い掛けに、防衛大臣と国家公安委員長は互いの顔を見合わせて、互いに頷く。
そして、防衛大臣が代表して述べる。
「無論、我々、防衛省それに警察庁としても人を貸し出すのは構わないのですよ。
しかし、今から選び出すとなると、時間がありませんよ。」
「その件については、心配は要りません。
既に、選出済みです。
あとは彼らを呼んでもらえれば、作業は完了します。」
「分かりました。
すぐに手配しましょう。」
と言いつつも、防衛大臣は総理をちらちら見ている。
「防衛大臣も何か?」
「我々、防衛省としましては中華民国との間で、安全保障条約を締結したいと考えております。
その点、外務省の方で検討願いたい。」
「なるほど、内容によっては興味深いですね。
外務大臣、休戦交渉の際にそれとなく確認してみてください。
あちらも結ぶ意思があるようなら、本格的に検討しましょう。
他はありませんね。
以上で解散します。」
日本政府side out