やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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第5話

中国工作員side

一般公開後、張上尉はやまと艦内に潜伏していた。

第三倉庫区にある航海科倉庫である。

傍らには、C4爆薬を入れたザックが置いてあり、デリンジャーを隠したポケットを頻りに確認していた。

「そこで何をしている?」

突如暗かった室内が明るくなる。

確認できた人間は1人だった。

(大丈夫。 1人までならやれる。)

張上尉は自分に言い聞かせるように心の中で唱えていた。

ポケットに隠していたデリンジャーを構え、引き金を引いた。

 ドンッ 

その男の胸のあたりに当たった。

その男が倒れるのを待たずに、走って突き飛ばす。

しかし、銃声が聞こえた為に海自隊員が集まりはじめていた。

張上尉は窮地に陥った事を悟った。

中国工作員side out

 

やまとside

副長室にて書類の決済をしていた上条は電話を受けた。

「副長 こちら桜野一士です。 たっ大変です。」

「どうした! 桜野一士

報告は明瞭にしろ。」

「艦内に不審者が侵入しました。 既に艦内隔壁を封鎖。

不審者が主要区画に侵入することを食い止めました。

しかし、艦長が負傷しました。」

「至急 由良基地に待機中の情報保全隊に応援要請を出せ。

艦長の容態は?」

「医務室の笠原一尉に聞いてください。」

「分かった。」

電話を切ると、今度は制御室に電話をかけた。

「副長から制御室。 不審者の位置は?」

「現在第2甲板の第2科員食堂にて確認できています。」

「数は?」

「1人です。」

「食堂に隊員の姿は?」

「確認できません。」

「周辺区画の状況は?」

「立ち検隊員が隔壁周辺を包囲中です。」

「ならば麻酔ガスを流し込んで制圧しろ。」

「了解しました。」

再び切ると医務室に電話をかける。

「こちら医務室。」

「副長だが、艦長の容態は?」

「現在、意識不明の重体です。

左胸部に、盲管銃創が確認できます。

心臓が傷ついている可能性があり、危険な状況が続いています。

大規模な病院ですぐに手術をしなくてはならないでしょう。」

「分かった。」

上条は戦闘情報センター(CIC)に移り、砲雷長の報告を受ける。

「不審者の確保に成功しました。

どうやら中国の工作員のようです。

既に情報保全隊に引き渡しました。

この件に関しての捜査は、情報保全隊が引き継ぐとのことです。」

「そうか…」

戦闘情報センター(CIC)にいる全員の表情は暗い。

「艦長の搬送についてですが、どうしますか?」

「航空科のオスプレイを使う。

それならば、ドクターヘリ運用可能な病院にすぐ搬送できるだろう。」

「了解。 すぐに発着指揮所(LSO)及び関係各所に伝達します。」

後部にあるヘリ甲板では、既にUV-22が引き出され、負傷者搬送用に改造が施されている。

「急げっ! ちんたらしてると艦長が危ないぞ。」

航空科員の古参隊員は、そう言って若い隊員を急かした。

他の科の隊員も巻き込んで作業した結果、短時間のうちに終了した。

「陸上自衛隊 相良圭介三等陸佐 行ってまいります。」

敬礼をした相良三佐に上条は言葉をかける。

「頑張ってほしい。

彼は、この船の希望なのだから。」

「はっ 了解しました。」

相良三佐がオスプレイに乗り込むのを確認したあとLSOより指示が開始される。

発着指揮所(LSO)よりUV-22(シャドー)へ!

甲板作業完了。 発動機運転開始」

「了解」

「ホールダウンケーブル切り離し

発動機 最大運転(レッドブースト)

発動機の回転数が上がりローター音が周辺に響く。

発艦(テイクオフ)

ふわりとUV-22の機体が浮かぶ。

順調に上昇できているようだ。

「現在高度 3000m

ナセル角度を0度に移行します。」

「了解」

「移行しました。

機体及び姿勢等に異常無し。

病院に急行します。」

「了解 無事を祈る。」

「了解 オーバー」

遠ざかるUV-22にやまとの甲板上では全乗員が敬礼をしていた。

やまとside out

 

中国政府side

「国防部長 大変です。」

青い顔をした中国軍総参謀長が話しかけてきた。

「一体 どうしたというのだっ。」

少し不機嫌になりながらも尋ねた。

「作戦が失敗した模様です。

やまとは健在で、潜入した工作員の消息が不明です。

こちらの工作が露見する可能性もあります。」

「しかし作戦は続行する。

我が民族の悲願を達成するのだ。」

中国政府side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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