やまと復活 鬼神の護衛艦   作:佐藤五十六

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エピローグ

嘉手納飛行場

電話をしていた司令官は受話器を下ろして言った。

「俺の処分が決まったそうだ。

不名誉除隊の上で恩給やその他の手当の受給資格剥奪だそうだ。」

「大丈夫ですか?」

「少なくない蓄えもある。

アメリカに帰らずに日本で過ごすよ。」

そう言って清々しい顔で、執務室の椅子にもたれた。

「司令官、お客様です。」

「通していい。

明日から俺はここの主ではなくなるからな。」

「航空自衛隊南西方面混成航空団司令、今野敏明空将補であります。」

「米空軍嘉手納飛行場司令官、ケインズ准将だ。」

「単刀直入にお伺いします。

再就職に興味ありませんか?」

「再就職?

私は既に戦闘機に乗れぬ男ですよ。」

「私は今年で定年でしてな。

最後の花道に南西方面混成航空団司令を務めて、正直に言うと後釜がいないんですよ。

それならばということで既にあなたを推す事で航空自衛隊は固まっています。

空将補(Major General)です。」

「誰が私なんかを推薦したんですか?」

「直木総理と後海上自衛隊の上条二佐、いえ今は一等海佐だった。

その二人です。

総理と英雄に推薦された人ですからね、こちらとしても異存は無かったのです。」

「その話、受けましょう。」

 

首相官邸

「日中和平協定の締結。

ケインズ准将の再雇用も成功。

めでたいですな。」

「後は北朝鮮だけだが、そう長くは持つまい。」

官房長官の言葉に国土交通大臣が返す。

首相執務室から、地下の危機管理センターへ入ってきた総理に国土交通大臣が声をかける。

「米国の動きはどうでしたか?」

「在沖縄の米軍の七割は本国へ撤退する。

本土の基地も、横田、横須賀、佐世保とその他一部の基地を除き、返還されるだろう。

大統領はそう言っていたが、分からんね。

アジアの何処かで、火が燃え上がれば、それを理由にして居座り続けるなんて事にもなりかねない。

しかし、今の中国を含め火種が無い。」

中華民国は独立を希望するすべての少数民族に対し、それを認めるとの布告を出した。

カシミール問題も含めて、インドとの関係も好転している。

印パ関係はぎくしゃくしているようだが、今の時点で米軍が介入するほどではない。

「私達の仕事も終わりですね。」

そう言うと総理は立ち上がった。

 

やまと

数ヶ月後やまとは修理を完了し、佐世保を出航して行った。

「それにしても、幹部が多くなりましたよね。

この艦。」

航海長もとい第二副長が言う。

「確かにな。

艦長が一人、副長が二人、統括機関長が一人、砲雷長、航海長、機関長、航空長、工作長、電測長、通信長、主計長が各一人ずつ、航空機の機長達が三人。

後は各科に配属されている幹部達でだいたい100人くらいか。

前は80人位だった。」

艦長の上条が指折り数える。

「大所帯ですね。

普通の護衛艦の乗員数の半分ですよ。」

「全体の人数で言えば、約8.5倍だぞ。

普通の護衛艦の。

そう考えれば、むしろ今でも少ないだろう。」

「平和ですね。

それにしても、あの三日間は悪夢のようでした。

第一副長ってサイダー好きだったんですね。

修理完成式典でやまとサイダーが振る舞われたとき、何本も飲み干してましたよ。」

「うん、あれは見ていて胃が荒れそうだった。」

「中国にまた行くことはあるでしょうか?」

突然、思い出したようにつぶやく。

「そればかりは私にも分かりませんよ。」

「あの空はきれいになっているでしょうか?」

遠くの中国の空に繋がっている空を見上げながら、第二副長は言った。

上条も釣られて空を見上げる。

夜だったので、綺麗な満月が爛々と輝いていた。

「中国でもあのような月が見えているといいのですが。」

しかし、上条達は思っていたそうなるのは数十年先の事であると。

 

                  完




一応、本筋としてはこれで完結です。
後は二本ほど番外編を書いております。
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