必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!!   作:きりきり舞い

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第10話「聖地巡礼?天才の休日!!」

全国大会初戦を無事勝ち進んだ俺たちは白恋中

充てがわれた宿舎に戻って次戦のミーティングをしていた

 

「試合日程的に明後日あたりになるだろう。次戦はおそらく狩火庵中学になるかもな。準決で帝国と当たることになるだろう。」

 

「狩火庵中学かぁ…。どこの学校だっけ?」

 

「俺もそこまで警戒はしていない学校だな。石狩中と正直そこまで大差ないと思っている。次戦の帝国が鬼門になるだろう。」

 

狩火庵中学は世宇子に試合開始10分で試合続行不可能になるまで叩き潰された学校だ。

世宇子に勝てた俺たちが早々遅れは取らないだろう。

単純に世宇子の必殺技によるハラスメントのせいで本領を発揮できなかっただけの可能性もあるから油断はできないが

 

 

「だからキャプテンができる限り情報をシャットアウトしてた訳だしねー。必殺技はまた縛るの?」

 

「あぁ。帝国は大会相手の視察はしてるだろうからな。できる限り俺たち自身の体力も温存しておきたい。」

鬼道なら確実に今回の試合は見ているだろう。

 

「ま、俺は情報明かしてようが負けるとは微塵も思ってねえけどな?だろ?兄貴」

 

「まぁ情報を渡さないことは重要だからね。帝国学園と佐晩奈中の映像データみたけど、帝国もキャプテンの鬼道君が出てなかった上で圧倒してたから本領は見られてないし、警戒するに越したことはないよアツヤ」

 

「キャプテン、今日の練習はどうする?午前中に試合終わっちゃったし、午後からだけど。」

 

「今日は練習なしだ。体を休めることも練習だからな。本格的な練習は明日の午後からだ。」

 

「ええ!!?ほんと!!?私東京観光したかったんだべ!!!」

 

「荒谷ちゃんも?!私も私も!一緒に東京スイーツ巡りしようよ!吹雪くんも!どう!?」

 

「んー。そうだね。僕も東京来ることなんて初めてだし、僕も観光でもしようかなー荒谷さんも真都路さんも良ければ一緒に行こうか」

 

「やったー!!」

 

「俺はシューズでいいのないかペンギーゴ巡りでもすっかなぁ。」

 

「いいな。そういえばアツヤ、最近最新モデル出てるらしいんだよ。ちょうどいいし俺もついて行くぜ!目深達もどうだ?」

 

「シューズもいいけど、そろそろ買い替えどきだろ?スキー用品。東京のここでも品揃えいいらしいし、俺はここらで買い揃えておきたいな」

 

「どうせ航空便だし、荷物持って行ける分は持って行けるかもしれないべ!喜多海君はどうするべ?」

 

「ぼくは空野と、グルメ巡りかな。せっかく東京来たんだ。楽しめるかもだろ?お金は持ってきてるし」

 

「そういえば天翔はどうすんだ?」

 

「俺は俺で適当にぶらつくよ。ちょっと行ってみたいところもあったからな。」

 

俺は俺でこの後、あの後の確認も兼ねて、鬼瓦刑事との約束もあるんだ。失礼な奴だ

あとイナズマイレブンの聖地巡礼にもなるから結構楽しみだ。

 

「あ、一つだけ。お前ら全員帰ったら課題があるから、忘れるなよ?」

 

「ええ…っ!?キャプテンそれはないべ!!」

 

「東京まで合宿きて勉強!?」

 

「いや、当たり前だろ…俺たち実質学校休んでんだから」

 

ーー

「…ここが雷雷軒か。ちょっと感動しちゃうよなぁこういうのは」

 

イナズマイレブンに出てくるラーメン屋

雷雷軒

ガラリと開けた内装はほぼアニメと同じだ

ちょっと古ぼけてるが、綺麗に清掃されている。

 

「…いらっしゃい。…っ!お前…鬼瓦。会わせたいと言っていたのは」

 

「おお、待ってたぞ。間持」

 

「さっきぶりです。仕事がはやいですね。鬼瓦刑事」

鬼瓦刑事と、そこを切り盛りするラーメン屋店主 響木が居た。

 

「間持、ちょっと古ぼけたラーメン屋だが我慢してくれよ。ここは俺が奢る。響木こいつにチャーシューラーメン大盛りでチャーハンもつけてやってくれ」

 

「…古ぼけたは余計だ。わかった」

 

「…それで、この件はここで話しても?」

 

「あぁ、響木は影山のことを知っている人間だ。今回のことの顛末も知ってる。そしてここより安全に話せる場所がないから済まないな。」

 

響木正剛は現、雷門中監督そして、かつて40年前にイナズマイレブンと呼ばれた伝説のチームのGK

【ゴッドハンド】のみでゴールを一度も破られたことがないという逸話を持つ凄い選手だ。

そしてその当時の監督が円堂大介

とそれはもうこれだよこれっていう渋くて良い設定がある人なのだが、そして当時影山と同じチームだった人だ。

 

「間持、お前さんのいう通り、神のアクアの成分も世宇子の選手の体内から検出された。今回に関しては影山の1件とお前の事もあるから内部で隠滅して、外部に情報も漏れることはないだろう。」

 

「ありがとうございます。世宇子中の選手の今後もそうですが、影山が逮捕された事が公になっても事です。その方が助かります。ガルシルドの息がかかった人員がどれくらいいるのかも分かりませんからね」

 

「今回の捜査に関しては…感謝それしか述べることができない。影山の元についていた人員も大体ひっ捕えて情報を吐かせる気ではあるが、どれほどの規模が送り込まれているかは定かではない。この件でお前の名前が出れば、お前も狙われる危険がある。こちらも、情報源は隠すつもりだ。」

 

「ええ。ありがたいです。これからのことです。影山とのラインという点で次に繋がる話ですが。」

 

「あぁ、もう来るのか…。お前が言っていた。エイリア学園と言ったか。近いうちに動く可能性があるテロ組織だったか。富士に5年前に隕石が落下したのは確かだがまさかこれも本当の話になるのか…!」

 

およそ今から10年前、吉良星二郎という男に吉良ヒロトという息子がいた。

海外へとサッカー留学をしていたヒロトは少年犯罪に巻き込まれ死亡

当初は事故として隠蔽処理されたようだが、吉良財閥という巨大財閥の会長である吉良星二郎はその資金力によって突き止めたのだろう。

吉良ヒロトの死亡に関与した加害者の少年が政府関係者の息子であることを

それは親として憎悪を燃やしたのは間違いないだろう。

その憎悪と悲しみを紛らわせるという目的で、星二郎の娘、吉良瞳子による提案で「お日様園」という孤児院を経営することに

そんな時転機があった。

5年前の富士山に降り注いだ隕石、そうエイリア石だ。

エイリア石には身体能力の向上、人の精神を蝕み、邪悪に染める洗脳効果、所有者の外見の変化などを齎すことが作中では明かされている。

石の魔力に囚われ、傷心だった星二郎はエイリア石によって今度こそ、邪悪に染まってしまう。

 

その後は施設の子供を洗脳し、チームごとにランク付けをする、洗脳した子供達を自身の復讐を達成する道具として、世界征服を目論むようになる。

そんな頭の悪い、いや頭おかしいことをやらかそうとしてるのがイナズマイレブン第2作目に当たる宇宙からの侵略者編のエイリア学園の真相だ。

 

「富士山に落下した隕石、10年前の死亡事故が起きているからには実際に大会後に起きる可能性が高いかと思います。」

 

「あとこの件には所詮俺の考察にすぎませんがガルシルドの関与がある可能性があります。」

 

「なに…?ここでもガルシルドだと。」

 

「えぇ、深掘りできれば戦争関与に加担している証拠が得られる可能性もあると思っています」

 

影山零治は宇宙からの侵略者編にて、エイリア皇帝陛下なるものからエイリア石を賜り、真・帝国学園を作り上げたという話がある。

 

エイリア皇帝陛下の正体自体は明かされていないがおそらく吉良星二郎だろう。

作中の時系列的には影山が逮捕されてから直後に影山が乗った護送車を襲い、影山を救出していることから影山と星二郎の繋がりはプロジェクトZ前からあるだろう。影山の本性を知っている人物は数少ないし、影山と星二郎のパイプを繋いだのは誰か?

 

当初の影山は表舞台では、中学サッカー連盟の副会長というポストと、40年間帝国を無敗を貫き続けている敏腕監督でしかない。

 

ガルシルドは当初中学生でしかなかった影山の本性を見抜き、影山を当初の地位まで押し上げたのだ

 

特に金になる匂いを漂わせている吉良財閥の会長の御乱心を見つけられないわけもない。そしてそれに同調しない理由がない。

戦争を起こしてくれる不穏分子を徹底的に後押しするはずだ。

 

そしてエイリア石自体は、ガルシルドが開発しようとしていたRHプログラムという強化人間プログラムに似通っているものもある。

ガルシルド側からしてもその研究に活かせる可能性もあるのだ。

元々海外の上級の人間に憎しみを持っていた吉良星二郎にガルシルドが接触しても話が通らない

ならば、吉良星二郎の近くで金でも動きそうな駒を操るのが手っ取り早いだろう。

 

「研崎竜一という男。吉良星二郎の側近を徹底洗った方がいいかもしれません。おそらくガルシルドとの繋がりがあるとすればそこです。もしなかったとしてもエイリア石の研究とハイソルジャーという人間兵器の作成に最も関与する男になります。」

 

研崎は吉良星二郎の忠実な側近ではあるが、常に星二郎に代わって、財閥のトップを担い世界征服を企む男だ。

星二郎が地上最強となった雷門イレブンに敗北した際に、真っ先に見捨て、施設からはエイリア石を持ち出して逃げた男であり、その後黒歴史と名高いエイリア石堕ちした元雷門イレブンメンバーとなぜか巻き込まれたその他メンバーの混成チームダークエンペラーズを結成し、雷門イレブンに挑ませ、エイリア石の世界へ脅威を知らしめようとしたのだ

 

豪炎寺夕香への加害の仄めかしや、現総理大臣 財前宗助の誘拐を画策して、最後までよくわからなかった謎のハゲ3人組を遣わせたのもおそらく研崎によるものだろう。

 

こいつを真っ先に潰すことで計画を早めに瓦解させられる可能性が高い。

 

「念の為ですが、現総理大臣の警護を最も強めてください。おそらく巨シカ像完成記念式典の最中に誘拐される可能性があります。」

 

豪炎寺夕香に関しては俺たち白恋が勝てば、余計な手出しがされないはずだ

当時の雷門が目をつけられたのは日本一の学校だからという点が大きい

 

「……なるほど。こんな情報内部の人間でもなければ知るよしもない。その子供は本当に未来を見ているという事か?鬼瓦」

 

「あぁ。さっき言った通りだ。巨シカ像完成記念も、確かに直近開催する予定があるッ…!まさか総理が狙われる可能性とは…本当に大事になるようだな。今言ってもただのほら吹きにしかならんし、俺の一存だけでは接触も難しい。どうしたものか…」

 

「それに関しては一つの賭けがあります。総理のSPに総理の娘 財前塔子がいます。彼女に接触して誘拐の可能性を伝えることです。総理が危害を加えられることはないのですが、問題を早期解決するならこれしかできないかと」

 

「うぅむ。現状相手方を信用させる方法がないならばそれしかないか…。」

 

「俺では、直近の未来予想でこちらを信用させることができるほどの情報を財前塔子に示すことはできません。これは鬼瓦刑事じゃないと無理かと」

 

「わかった。やってみよう。研崎竜一から情報を抜き出すのは敵さんが尻尾を出すまで、限りなく難しい。ある程度の被害が出てからではないと動けんな…」

 

「おそらく初動は抑えられないと思います…。雷門か俺たち白恋になるでしょう。日本一のチームでさえ真っ向から勝てば示しになりますから。まぁ俺たちが雷門に勝ち、ジェミニストームを真っ向から叩き潰せば終わる話ですが」

 

「ほぉ…雷門か白恋と言い切るということは帝国には勝てると断言するか。…チャーシューラーメン大盛りとチャーハンだ。」

 

「ありがとうございます。ええ、確定した未来ではありません。ですが勝つのは当然白恋、そして優勝するのも白恋ですよ。俺たちは負けるつもりでサッカーはしてないし、優勝できるだけの地力はあると思ってますから。あ、ラーメンうま」

 

「雷門は強いぞ。今はまだ発展途上だが、爆発力は間違いなくある」

 

「えぇ。…ずるずる…。知ってますよ。あの帝国を真っ向から打ち破ったんだ。だから決勝までに消えるとは思ってません。ただ千羽山中の無限の壁の攻略はできた方がいいかもですよ。あれが突破できないようでは俺たちの防御は破れないと言っておきます。そして今の雷門では到底それは無理。お、チャーシューうめー」

 

今の雷門の攻撃力だと【イナズマ1号落とし】が最大火力だと思うが、無限の壁を破れるかは疑問だ。

 

鬼道有人が雷門に加わることがないということはアニメ通りならば現状では【イナズマブレイク】が使用できない。

しかし、ゲーム版では秘伝書経由での使用と雷門OBの協力で円堂大介が編み出した必殺技を蘇らせた経緯がある

 

「だが、それを乗り越えると思ってるわけか」

 

「ええ。円堂大介。その孫が今になって40年ぶり雷門サッカーを蘇らせて地区大会で潰れずに帝国を倒し、優勝に向かってきている。何かやらかすと思ってますよ。この全国まで隠し持っている秘伝の最強の必殺技があるかもしれませんからね」

 

「ふ、さぁどうだろうな。」

 

提供されたラーメンとチャーハンに舌鼓を打ちながら、

 

「おっと、まずい時間が、やべえ。間持。本当に情報ありがとうよ。俺も戻らないといけねえ。最後にだ。影山からお前に対する言葉だ。『お前の前半のプレイはお上品すぎる。チームプレイだけがサッカーではない。得た力を活かせないようならこれから先やっていけない。』これが影山からお前のプレイへの評価だ。俺にはお前のプレイのどこがダメだったかはわからなかったが、アイツが言った事だ。」

 

「えぇ。影山零治の助言は俺のダメなところを見通しているはずです。彼が今後やっていかないと明言するということは俺が克服しなくてはならないというのは確かです。心に刻みます。…お上品…か」

 

俺の前半のプレイは影山東吾の動きを微調整はしていたが、基本的に俺自身のプレイだ。何が上品なプレイと評したのか。それは常に考え続けなくちゃいけない。

 

サッカーに真っ直ぐ向き合った影山が言ったそれは確実に俺の今後を予言したものに違いない。

原作では、チームから孤立して活躍する影山が孤独であるからこそチームプレイの象徴であるイナズマブレイクのような強烈なシュートを打つことができなかったことを言われていたが、それはそれとして、影山が単独で活躍できるだけの力がある選手であったのも事実。

俺自身チームの必殺技に加わることはできない異端者だ。ある種似通ってる部分もある。

 

「…頑張れよ。俺は雷門の連中を応援してるが、お前の活躍も見ているからな!」

 

そう言って鬼瓦刑事は影山の聴取に戻って行った。あの人に情報は渡せた。後は時間の問題だ。

エイリアの被害を最低限にできたなら洗脳されたジェミニストームやその他のメンバーも原作よりはマシな人生を送れるはずだ

 

「間持。…帝国戦の時の奴は何も変わっていなかった。だが奴は最後の最後で変わったんだ。…感謝するぞ。俺たち、そしてアイツ自身を救ってくれたんだ。俺たちイナズマイレブンでは到底無理であったし、お前が未来を見えているからだけでは影山零治の闇を晴らすことは叶わなかっただろう。お前自身のプレイや姿勢が奴の目を醒させたんだ。」

 

「俺は、大したことはできていません。…俺はサッカーを嫌いにならないでほしかった。それだけです。俺も、未来が見えている上で、のちに目を覚ますとわかっていたからこそエゴと天秤にかけて1人を確実に見捨ててしまっている。情けない限りです。…だからこれは覚悟です。犠牲を許容しなくていいように俺はこの世界で最強のサッカープレイヤーになります。俺が未来を回します」

 

「……犠牲。…なるほど。そうか。頑張れよ。お前のプレイはまだ少ししか見ていない。だが、お前のプレイには未来があるのは確かだ。それは俺が保証する」

 

俺の願望でしかなかったが、これはもはや義務だ。絶対に俺は強くならなくてはならない。

そうでなければ、俺の弱さによる彼女の犠牲が報われないし、俺自身が許せない。

 

「はい。美味しかったです。次にお会いするのはお互いにピッチ上で。」

 

「あぁ。」

 

響木さんに別れを告げたあと、腹ごなしに軽くジョギングで流しながら、次の目的地へ

やっぱ次行くなら、雷門中だな。

今の時間なら練習中だろうし、ファンなら見に行く。そうだろ?

 

 

ーー

「は、は、は、は、はぁ!…っはぁ!き、キツいっす…うわぁぁぁぁ!!わぁ!」

 

「…はぁ…はぁ…んぐぅ!!がぁぁあ!!」

 

雷門中の地下に建設されたイナビカリ修練場にて、雷門メンバー全員が施設の訓練に追われていた。

イナビカリ修練場は40年前の響木監督達が、特訓施設として活用していたものであり、この施設での超次元特訓によって雷門イレブンの面々は身体を効率よく鍛えることができていた。

そして、先日は全国大会1回戦に戦国伊賀島中学とのとの試合にて、無事に勝利し、これから2回戦の相手に備えて最後の追い込みをかけていた

 

「はぁ…流石にキツイなぁ!!慣れてきてるとは思うんだけど」

 

ガトリング型砲台によるシュートを止める練習もそれなりに繰り返してはきていたが、ボールに反応できなければ、非常に痛いボールが体中を襲う

のは円堂にとってしんどいものであった。

そんな練習を終え、豪炎寺も終わったようで共に水分補給をしていると

「キャプテン、今戻りました!」

 

マネージャーの音無が帝国の試合の視察から戻ってきたようだった。

 

「おお!帝国学園初戦突破か!?」

 

「はい!5-0で圧勝でした!お兄ちゃんはまだ怪我で試合に出られてなかったけど、無事に勝てたみたいです。」

 

帝国がこんなところで負けるとは思ってなかったが、やはり帝国は鬼道の有無関係なしに強いチームなのは確かだ

 

「まぁそうだろうな。帝国がここで負けるほど柔な学校じゃないさ。次の試合相手は決まったのか?」

 

「はい!次の相手は千羽山中学みたいです。」

 

「千羽山中学?みんな!!次の試合相手が決まったみたいだぞ!!部室に集合だ!!」

 

「はぁ…はぁやっと終わったでやんすか…」

 

「部、部室までが遠いッス…」

 

息絶え絶えの雷門メンバーは揃ってエレベーターに乗って部室へ向かう

千羽山中学についての情報は早速元新聞部の実力を発揮した取材力によって音無が調べてくれていた

 

「千羽山中学は山々に囲まれ、大自然で鍛えられた選手達で構成されているみたいです!彼らは、無限の壁という鉄壁のディフェンス能力を誇っています。今大会で一度も点数を許していません…!」

 

「全国大会まで!?」

 

「えぇ…!一点たりともです…!千羽山中学のシュート力には難点があるみたいですが、この鉄壁のディフェンスで粘り勝ちをしてきたみたいです!」

 

それはかなりの異常だった

帝国ですら無失点とは行かなかったし、俺自身もゴールを許してしまっている。でも

 

「わかった!その無限の壁とかいう鉄壁のディフェンスを破ればいいんだな!」

 

シュート力に欠けるんだ。俺が守って

無限の壁とやらを破れさえすれば俺たちに大きく勝利が傾く。そうと決まればシュート技の特訓!

 

「や、破ればいいって…」

 

「簡単に言うよね…破れないから鉄壁なんじゃないのかな…」

 

「うん」

 

そ、そうだった。でも

 

「て、鉄壁って鉄の壁だろ?」

 

「まぁ、意味はそうだな」

 

「だったら!!こっちはダイヤモンドの攻めをすれば良いんだよ!!」

 

「ダ、ダイヤモンドの攻め…??」

 

鉄より硬いのがダイヤモンド

つまりだ。何度だってぶつかれば

 

「鉄壁のディフェンスが崩れるまで攻める!これがダイヤモンドの攻めだ!そのためには…!!!!特訓だ!!!」

 

「お、おー……」

 

具体的な案は浮かばなかったが根性で何とかなるそう信じるしかなかった

しかしそう現実はうまく行かなかった。

練習では、思わぬ異常事態に見舞われていた

 

 

少林寺が新しい新必殺技【クンフーヘッド】を習得して、成長を感じさせたもののそれ以外てんでダメだった。

 

「宍戸…!パス!」

 

「はい…!あれっ…!?」

 

「すみません。」

 

「パスは正確に頼むぞ!」

 

前まで通っていたはずの味方同士のパス連携がすべてぐだついて通らない

 

そして

「豪炎寺…いくぞ!【ドラゴン…!」

 

「トルネード】!!!!なに…っ」

 

「あ、あれ?」

 

いつもなら成功するはずの染岡と豪炎寺の連携必殺技ドラゴントルネードが決まらない

ボールは威力を失い手元に飛んできた。

 

「俺の蹴りが甘かったか…っ?!」

 

「いや、染岡のパスは完璧だった…俺も完璧に捉えたはず…なぜだ」 

 

「もう一度だ。次は決まるさ!」

 

「ドラゴントルネードが決まらないなんて…」

 

「体が鈍っているんだわ…」

 

「そんなことないですよ。夏美さん。少林寺くんもクンフーヘッドをを身につけたし、他の人の動きも格段に速くなってますし!」

 

「じゃあ気持ちが鈍ってるんだわ!イナビカリ修練場で特訓かしら…」

 

「この連携の乱れは修練場のせいだ。」

 

「えっ?どういう意味です?響木監督」

 

「個人的技術や体力が格段に上がったせいだ。身体能力が向上してもそれを感覚として捉えていない。そしてその上で相手の身体能力がどれくらい上がったか感覚的にわからないからタイミングが合わせられない。」

 

「そんな…」

 

「能力向上が裏目に出るなんて…」  

 

「これから千羽山中学と戦わなきゃ行けないのに…」

 

 

豪炎寺と染岡はついこの間まで完璧に連携していた。たまたまのミスの可能性の方が高い。

 

「あ、あぁ…行くぞ!豪炎寺!【ドラゴン…」

 

「トルネード】…!!しまっ!」

 

そして豪炎寺が撃ち放った球がゴールから逸れてあらぬ方向へと勢いそのままに飛んでいってしまう

そこには1人の少年がいた

 

「あ、危ない!避けろ!!」

 

少年にボールが直撃すると思ったその時、少年がそのドラゴントルネードを蹴り付けたと思ったら、ボールの勢いを完全に殺し見事にトラップすることに成功したのだった。

 

それが白恋中学キャプテン、間持天翔との出会いとなった。

 

ーー

「大丈夫か!!君…っ!え?」

 

「……。」

 

めちゃくちゃに恥ずかしいんだが。俺は格好をつけて次に会うのはピッチでとは言ったが

 

「ほう。随分と早い再会になったな。間持」

 

雷門中の監督なんだからそりゃあの後雷門中に来たら響木さんいるよね。俺がバカすぎる。

 

「お前は…白恋中学の」

 

「…間持天翔だ。」

 

「すっげえな!お前豪炎寺と染岡の必殺技を止めちまうなんて!!」

 

「白恋中学ってここまで千羽山と同じく無失点の学校ですよね。お兄ちゃんが一番警戒してる学校だって…」

 

「だから豪炎寺さん達のシュートを簡単に止めちまったでやんすか?!そんな強いチームのキャプテンが何で雷門に?」

 

「何しに来やがった。白恋中のキャプテンが!まさか敵場視察か?!」

 

言える訳がないだろ。雷門ファンとしてただ物見遊山で雷門中の練習を見に来ただけなんて。

いやでもまぁ敵場視察でいいか

 

「敵情視察だ。雷門がどんなチームなのか見ておきたかったからな」

 

「普通にぶっちゃけたな…」

 

「鬼道さんが言っていた奴か…」

 

「まぁ、いい。間持。お前このチームを見てどう思った。」

 

「え?監督止めないんですか?!」

 

この時期の雷門は攻撃力が足りていない以前に、イナビカリ修練場による各選手の能力が飛躍的に上昇しており、その上で1人1人の能力の伸び幅が均等でないため、前の感覚のままだとパスの際に乱れが起きている状態だ。これを正してくれる鬼道がいない以上彼ら自身で解決しなくてはならない問題になる。

 

「雷門の連携に乱れがありますね。十分修正は可能かと」

 

「お前ならどうする」

 

「修正して良いならしますよ。」

 

しかしこの事態になったのも大体俺のせいであり、これはせめてもの罪滅ぼしにしかならないが

 

「監督!こいつを信用するって言うんですか?!」

 

「魅せてみろ。お前の手腕」

 

「…本気かよ。」

 

だが、この時点でわかる。雷門全員の能力がだいぶ仕上がっていることが

まぁ帝国、戦国伊賀島に真正面からこのメンバーで勝てているのだから、全くおかしくはないのだが

 

「おい、本当に大丈夫なのか?円堂。あいつ敵チームのキャプテンだぞ?」

 

「大丈夫さ!風丸。あんなにサッカー上手い奴が悪い奴な訳ないじゃないか!」

 

「お前なぁ…」

 

「…じゃあ始めるか。走りながらパスを出すところからだ」

 

本来なら自己流でやっていたところをパス技術を教えて修正した方が確実に間違いがないのだが、いかんせん今から変えるには時間がかかる

そういう意味では鬼道の指導自体はあの場において最適だったことがわかる

そもそも技術が確立してなくても、パス自体はしっかり通るチームだ。 

つまりタイミングだけでいい

 

「受け取る側はそのままでいい。パス出す側に要求するのは何歩先かそれだけだ。パスのタイミングは相手のプレイ次第で全て変わる。完璧なタイミングは自身のセンスで補ってくれ。雷門なら出来るだろう。マネージャーさん。ボールペンと紙をくれ。各選手のパス先何歩かを書いておく」

 

「あ、はい。…どうぞ」

 

「白恋中だとこれが普通なのかしら…?」

 

「ありがとう。終わったらこのメモを参考にしてくれ」

 

 

「風丸、松野ライン。松野の2歩先!」

 

「2歩先…っ!」

 

「…っ通った!」

 

「松野、染岡ライン。染岡の2歩半先!」

 

「っドンピシャだ…!」

 

「ピシャ岡さん!」

 

「誰がピシャ岡だこら!!」

 

つい反応してしまった。染岡さんが悪いよ

ドラゴントルネードは豪炎寺側の反応速度が上がっているせいでミート自体は合ってるが、自身の力が入るタイミングが合ってないせいで威力が無駄に減衰している

染岡のドラゴンクラッシュの威力をもはやセーブする必要がない

 

「すまん間違った。パス…染岡、豪炎寺ライン!豪炎寺の85度上空!ドラゴンクラッシュの威力はそのままでいい。」

 

「セーブがいらないだと…!?【ドラゴン…!」

 

「ッ…!トルネード】!!!」

 

「は!【爆裂パンチ】…うわっ!!」

 

ドラゴントルネードが威力減衰なしでそのままの勢いでゴールへと突き刺さる。

 

「完璧に…決まったな」

 

「本当にこの短時間で…」

 

「…今抱えてる問題はこんなところか。」

 

「間持、感謝するぞ。あとはこいつら次第だ」

 

「いや、良いですよ。俺もこの後はぶらつくだけだったんで」

 

雷門と交流までできるとは予想外だったが、いい収穫だった

パス岡さん、ピシャ岡さんも堪能できたのだ。良い交流になった

やっぱり雷門もいいな。まぁ今の白恋からよっぽどのことがない限り離れることはないが

 

 

「ん…んんん!!!!すっげえな!!間持!!こんな短時間で俺たちの問題を解決しちまうなんて!!ありがとう!!」

 

「どうして、雷門の手助けしてくれたんですか?私たち敵ですよ?」

 

 

「かわ、」

 

「かわ?」

 

「…敵情視察といっただろう。来てみたらあまりに情けなくてな。手助けしたくなっただけだ」

 

「なっ…!情けないだとっ!!」

 

「おい、染岡、流石に俺たち情けないだろ実際に」

 

「決勝で当たる相手がこんなだと張り合いがない。今度こそ次会うのは決勝になるだろう。精々、俺たちの決勝を飾るいい試合にしてくれ」

 

 

俺はこんなこと言ってしまっていいのか、また会ったら赤っ恥なんだが…まぁいいか。

俺はクールに去る。それでいい

この時期だと一之瀬に会えないのが地味に残念だな。

アニメイナイレの名シーン。河川敷での豪炎寺の鬼道に対するファイアトルネード療法も見られないようになったのはあまりに残念だが仕方ない。

でもいい聖地巡礼になったな。

宿舎に戻って課題の続きだな。とっとと終わらせねえと…

 

「あいつなんだったんだ…」

 

「1つ分かることは俺たちが決勝に上がってくるとあいつが信じていることさ!」

 

「そういえばそうでやんスね!」

 

「なら…期待に応えてやろうじゃねえか!」

 

「間持が残してくれたメモを参考にしながら、特訓の続きをやるぞー!みんな!!」

 

「「おおーーー!!!!」」




誤字報告、感想、評価ありがとうございます!励みになります!
ちょっとした作戦会議と雷門との交流回です。
音無って可愛いよね 
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